非日常的で日常的な青春の記録を刻む物語   作:よるくろ

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修行パート

 

 

 

「相変わらず、息が詰まりそうな雰囲気だな」

 

 帰って数秒で見つけて鉄屑にしたオートマタを片手に、そうぼやく。

 

 人一人として住む事の出来ない、敵だらけの環境。一般生徒では苦戦するようなオートマタが実質無限湧きするクソゲーフィールド。それがミレニアムの郊外に位置する“廃墟”。

 

 そこには、パヴァーヌ編に関する重要で重大な存在が眠っている。俺が修行の合間に、密かに探そうと思っていた物だ。

 

 ___AL-1S。通称、アリス。

 

 またの名を、『名も無き神々の女王』。

 

 キヴォトスを堕とす存在として造られたそれは、原作に於いてとても重要な存在となる。

 

 えーっと、なんだったか…そうだ、最終編だな。確かでっかいゴン太ビーム出してなんたらのサンクトゥムタワーをぶっ壊していた筈だ。だからとても重要な役割を担う予定の生徒だ。

 

 まぁそれはそれとして単純に推しの一人だから探して見たいってのもあるけどな。あっ、でも今のアリスって確か全裸で寝てるんだっけ。

 

 てかそういやアリスのいる場所って先生じゃなきゃ入れんじゃん。はーつっかえ。先生来るまでアリスお預けかよ、つら。

 

 探そうにも絶対他の施設と見分け付かんし、やっぱいいや、修行に専念しよ。

 

 はーあ、はよ先生来ねえかな。

 

「後四年か…」

 

 俺が三年生になった時、先生は来る。それまでにどれだけ力を付けて、先生の障害となる敵を倒せるか。それがハッピーエンドに繋がる鍵だ。

 

 まぁ。予想とは裏腹に先生と関われず、原作に全く介入できない可能性だってある。俺が修行中にうっかり死んでしまうとかな。*1

 

 でも、生きて青春を謳う為には、突然やってくる脅威を退ける程の力が無いとダメだ。

 

 ここは、銃と神秘が飛び交うGTAなんだ。*2せめて最低でも生身で銃に対抗できるように、できる事ならミカの隕石を迎撃できるようにしたい。*3

 全ては青春の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 俺の修行内容は、まぁ言うまでも無くオートマタを使った修行だ。名付けてオートマタ無限斬り*4だ。

 

 実質無限湧きのオートマタを、何処からかの生産スピードが追いつかなくなるまでぶっ倒し続け、残り数体にまで減ったら終わりというエンドレス無限地獄。残り数体を残す理由は、オートマタ達は残り数体程度になると戦闘モードが解除されるのか一切の攻撃を停止し、どこからともなくやってくる残骸回収用のドローンなどに混じって俺が壊したオートマタの残骸を何処かへと持っていくのだ。

 

 実はこの修行、前に数週間だけ行った賞金稼ぎよりも効率が良い。

 

 それは何故かって?あいつら、単なる操られてるだけの警備兵なのか、一体一体が独立した簡易的なAIなのか、ぶっ壊す度に俺の動きを予測して攻撃してくるんだ。

 

 それに気が付いたのは、始めて一週間くらいの事だ。いつも通りの右拳からの左ハイキックでスクラップにしようとしたら、拳を出す前に避ける素振りを見せたからな。多分、あのまま攻撃していたら普通に攻撃を食らっていた。

 

 かなり嬉しい誤算だった。日に日に俺の動きに着いて行くから、俺も新しい動きで、新しい行動パターンを考えて動かないといけなかったから、一日の修行練度が著しく高い。

 

 その点、賞金稼ぎはダメだ。名の売れた賞金首も殆どが廃墟のオートマタよりも弱い。おまけに耐久も低いのか神秘のロクに込めてない拳の一撃でノックアウトするし、金は稼げるが強くはなれん。

 

 あぁでも、いつかに出会った()()()()の、頭の横に()()()を付けたアイツは良かったな。武器も遠距離万歳なキヴォトスでは珍しい近接も兼ねた()()で、拙いながらも上手く扱おうと努力の見える戦い方が良かった。

 

 しかし、まだ未熟だった為か、リロードと近接を迷った隙に鳩尾に一撃入れて倒した。直近で心踊る戦いはあれだけだったし、矯正局から出て来て、まだ懲りずに悪さをしているならもう一度やり合ってみたいな。

 

 てかいかんな、段々と脳がバトルジャンキーに染まりつつある気がする。自重せねば。*5

 

「ふぅ…ふぅ……これで終いか」

 

 目の前のオートマタの武装が解除されたのを確認し、俺は昂らせた神秘をニュートラルに戻した。

 

 一般生徒の神秘は、目に見える場合だがその殆どが外に垂れ流されている。割合にして無意識で戦闘に扱う割合が四割、垂れ流し六割という風に、神秘をかなり無駄遣いというか、まるでノズルひねりっぱの蛇口のようにしている奴が多かった。

 

 もしかしてコイツらと同じことしてるんじゃね?と俺自身思って、俺の神秘も目視してみたらどんぴしゃで、黒閃の影響か垂れ流されている神秘の量は大したことなかったが、それでも神秘のロスに繋がっている。

 

 そこで俺は、普段の生活に於いて、神秘の操作を怠らないようにした。

 

 ロスは勿論ゼロに限りなく近くして、普段のニュートラルな状態を普通よりも少し早く神秘を身体中に巡らせるようにして、普段から神秘及び身体全体を感じ取るような修行を行っている。

 

 これがまたキツく、飯食ってる時とかトイレしてる時とか、主に踏ん張る時に神秘に乱れが生じて大惨事が怒ることもあった。*6

 

 しかし、その修行のお陰で、強くなった自覚はある。心なしか神秘の減る量が少なくなった気がするし、何よりニュートラルにしておくと突然の戦闘に対応できて、すぐに反撃に出ることができるのだ。

 

 命名に関しちゃ分かりやすい名前にしたが、他にカッコいい名前が思いついたらそれに変えるかもしれん。他にも一速とか二速とか名前があるが、横文字の方がカッコよくてテンション上がるわ。

 

 あ、そうそう。俺銃買ったんだよね。それもショットガン。ユメパイセンとの戦いを思い出しながら選んでたらいつのまにか買っちゃった。

 

 名前は無いけど、賞金稼ぎしてた時の金殆ど叩いて買ったオーダーメイドだ。*7

 

 珍しい形状で、マガジンがリボルバー形式。装弾数約八発の、一発につき二発の弾丸が放たれる代物だ。

 

 試し撃ちで、神秘なしでも的を木っ端微塵にして破壊力は抜群。神秘ありで撃ったら的ごと後ろの店のコンクリの壁を外までぶち抜いてしまうほどの威力だった。*8*9

 

 オートマタ相手にも有効だし、良い買い物をしたと思っている。ちょっと一般生徒には過剰な威力かな?とは思うが、ネームド相手だとこれくらいないと圧倒できないからな。正直言ってもうちょっと威力が欲しいくらいだ。*10

 

 さて、修行も終えた事だし、飯にしよう。

 

 確かもう米なくなってたよな…もっと買っときゃ良かった。と自身の計画性の無さを嘆きながら、俺は住処へと足を進めた。

*1
そんな終わり方があってたまるか

*2
もっと他に言い方あったろ

*3
何処目指してんだお前は

*4
切ってない

*5
手遅れ

*6
光速でうんこするような事故

*7
約700万クレジット

*8
何やってんだお前ェ!

*9
弁償はしました

*10
やめてください死んでしまいます






 実際廃墟のオートマタってゲームでいうレベリングポイントじゃね?
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