“廃墟”には、色々な物が眠っている。
以前挙げた
まぁそんなものはそうそう無いだろうが、無名の司祭の遺物やら、ミレニアムのやべー技術者の手に余るようなオーバーテクノロジーやらがあるのは原作通り事実。
何故断言してるかって?見つけちまったからだよ*1
俺の目の前に鎮座する
沢山のパイプに繋がれ、常に蒸気を発し赤赤と光り続ける、見るからに膨大なエネルギー量が備わっていそうな見た目の機械。
遺物とか古代の技術とか言ってたから稼働停止してる物とか朽ち果てた奴ばっかのを想像してたのに、まさか稼働中の物を見つけるとは思わなかったんですけどォ?
見つけた経緯?いつも通りオートマタ無限斬りをしてたらガッシャンガッシャンうっせーとこがあるなと思って建物に近づいて入ったらコイツがあったんだよ。
てかこれマジでなんだ?この建物は朽ちてるし、なんもこれ以外動いてないからこの建物のブレーカー的なのじゃなかろうし、何かの動力装置か?それとも建物が朽ちてるからシンプルに動かす機械が無いだけの電源装置か?
もしかしたらKey*2のようなAIが潜んでいる可能性もあるしなぁ。今のうちに壊した方が良いんじゃないだろうか。無名の司祭サイドの遺物だったら確実に厄ネタだしな。
うし、壊そうか。*3
「…うわ、あち」
蒸気があっちぃ。
近づけば近づくほど高温へと近づいていく肌を神秘で守りながら、足を進めていく。
…デカいな。俺の身長くらいか。これ一つでどれだけの電力を賄えるんだろうか。
というか、今思ったがコイツが動力源ならまだしも、
…いや、それは壊してから考えても遅くはないな。
拳に神秘を込めて、思いっきり機械のど真ん中へと拳を突き立てる。
___ドッゴンッ!
容易く突き破ることのできた装甲。内部の機構に乱れが生じたのか暫くガタガタ震えていたが、やがて蒸気を全て吐き出して赤い光を消滅させた。
…うん、完全に停止した。音も聞こえないし、本当にこの機械は活動を停止したらしい。
さて、不安要素は排除したし、無限斬りの続きでもやるか。
原作通り何故かオートマタ共は建物の中には入ってこないし、ちょうど良い休憩にもなった。
入学まであと半年、それまでにもっと力を付けてえな。
「…あっ、ねぇ。彼あれ壊しちゃったよ?」
「えっ?…あ、本当ですね。確かあれ、
「確かそうだねえ。赤い女の人が作らせたらしいけど、まぁあまり使ってなかったっぽいし、シナリオには影響しないんじゃない?」
「そうですね。特に異常無しだと思われます」
《side 梔子ユメ》
今日もアビドスの復興の為、一人で各地を巡る。
徹夜して作った手書きのパンフレットを置いてもらうようにお店でお願いしたり、まだキヴォトスに来たばっかりの子がいたらアビドスに入ってもらえる様勧誘してみたり、色々なアプローチを行う。
直近では一人勧誘に成功したけど、当然まだまだ少ない。何せ、現状今のアビドス高校には在校生が
大好きなアビドスがそんな事になるなんて、絶対に嫌だ。
そんな気持ちを燃料に、疲れた身体に鞭打って毎日同じことを繰り返す。
「…はぁ、やっと配り終わった」
昨日より低めに設定したノルマを終え、私はベンチへと座り込む。
ポケットから携帯を取り出して、黒いアプリアイコンをタップして、とあるアプリを開く。
SNSで有名なアプリで、情報を拡散したり集めたりすると云えばコレ!といつでもどこでも誰でも使うことの出来るものだ。
私はこれでアビドスの宣伝をしたりしているが…まぁ、結果は分かりきっているんだけど。
『砂以外何もない場所』
『大自然によって廃れた哀れな強豪』
『巨大な化け物がいると噂』
相変わらずコメントはマイナスな物ばかり。
ダメだ、こんなの見てたらますます気が落ちちゃう。
急いでアプリを閉じ、意味もなく画面をスワイプする。いろんなアプリアイコンが行ったり来たりして、私はただそれを眺める。
…そう言えば、あの日迷惑を掛けてしまった彼はウチに入って来てくれるのだろうか。
今思えば無理矢理な勧誘だった気がする。あれでは入ってもらえないんじゃないか。
…いやでも、あんなにラーメンとかチャーハンとか色々奢ったし、ちょっとは来てくれる可能性を期待して良いかも…しれない?
彼、強かったなぁ。あれだけ攻撃しても一発も当たらなかったし、何よりカッコよかった。
あの黒い雷、良かったなぁ。いいなぁ、私も出してみたいなぁ。
確か、『黒閃』だっけ。そう言ってた気がする。
ベンチから立ち上がって、後ろにある木に向かって拳を構える。
本当なら、子供とかがよくヒーローの真似っこして必殺技の真似をする程度の行動だったんだけど…。
「黒…閃!」
___ドゴォッ!!!
黒い火花が、咲き乱れる。
「…へ?嘘?」
ズズンッ…!
拳の触れた箇所から黒い雷が散ったと思ったら、次の瞬間拳が当たった場所の木が木っ端微塵になって…
ってやばいやばい!ここ公園だよ!?公共物壊しちゃった!
『何の音だ!』
『こっちから聞こえたぞ!』
「へ!?へっ!?へぇ!?」
ご、ごめんなさぁ〜い!?
驚きのあまり混乱した私は、素直に謝ればよかったものを、何故かその場から逃げ出してしまった。