New world note in Earth 作:YUKANE
最近UA数が落ちているけど、ダラダラやっているのが原因だろうな······でもUA18000突破出来たのは読者に感謝しかありません。
最後に忠告ですが、今回は《ref》がめちゃくちゃ多いです。遂に9000の大台を超えてしまいました。
海上演習が行われた南座環礁から本土の東和大陸は約800km離れており、その南端に位置する横灘浜の郊外に国内最大規模の演習場
広大さを活かして絶えず演習が行われているこの場所に東和陸軍と陸上自衛隊・
「ここまでの部隊が揃うと、まさに壮観の一言だな。」
日東大演習に派遣された各国軍の観戦武官に対する説明役を任され、陸上幕僚監部から派遣された
「それにしても東和と
「その言葉は我々の方が痛感しているでしょう。」
部隊の運用・訓練の計画立案や実施・管理を担う運用支援・訓練部長の肩書を持つ彼が、東和と陸自戦車の差を目の当たりにしている中、後ろから声がかけられる。
湯浅の隣にやって来たのは陸軍トップの秋野忠大元帥で、使節団にも加わった大臣補佐官からの報告を受け、自らの目で自軍と陸自の差を確かめるべく訪れていた。
「これは陸軍大臣殿。この度、説明役として参りました湯浅陸将補です。」
「湯浅殿、今日は宜しく頼む。と言っても私は事前に知っているから、主に説明するのはこちらの方にになるでしょう。」
旧軍から引き継いだ敬礼を行った湯浅に、秋野も敬礼で返す。一世代前の91式制服を着た湯浅は敬礼を続けたまま左側へ少しだけ動き、幾つもの勲章を付けた陸軍の制服を身に纏った秋野の裏から現れたスーツ姿の男にも敬礼を交わす。
「阿多機副大統領。訪れて頂き感謝致します。」
「貴殿が陸自の者か。私は全く軍事に知見が無いから、質問攻めにするだろうが、宜しく頼む。」
「質問攻めにされるのは慣れてますので、是非迷わずに質問して下さい。」
東和のナンバー2 阿多機庵治は素人が軍人ばかりの場所へ放り込まれた疎外感を感じていたが、富士の総火演で閣僚らと接していた湯浅は慣れている事を強調して緊張をほぐす。
「まずは我が陸軍の第3師団とカリス陸軍の南部方面師団が、合同で砲撃と戦車による突撃を実施します。」
「楽しみです───ん、あれはロケット砲? しかも装輪だと!?」
湯浅と阿多機がアイスブレイクを交わしている中、日東大演習の陸上演習が幕を開けようとした。開幕を告げる火蓋を開けるべく第3師団が動き出すが、湯浅は真っ先に素早く動いたトラックの荷台に細長い筒が束になって積まれているのに気付いた。
(まさかHIMARS擬きを持っているとは······やはり東和軍は所々で先進的だ。)
湯浅が陸自ですら導入が始まったばかりの装輪ロケット砲を大々的に運用する東和陸軍に驚く中、第7ロケット連隊第530大隊の六十六式自走ロケット砲*1 8両は発射位置に着き、荷台に積まれた横4列、縦3段で構成された12連装のロケット砲が左へ旋回し、仰角が少しばかり上に向く。
1100mmの細長い筒に装填された40mmロケット弾は指揮官の合図で尾部のブースターに点火し、爆煙と爆音を上げて260m/sの初速で飛び出した。
計96発のロケット弾は孤を描いて演習場を飛翔し、数km先に設けられた目標へ着弾する。着弾と共に弾頭が炸裂し、戦車や野砲型の標的が置かれた着弾地点を爆発で包み込んだ。
「迫力と音が凄いな·····」
「流石ロケット砲。面の制圧力も尋常じゃない。」
「今回は塹壕越しに布陣する敵軍を砲撃するシチュエーションとなっています。ロケット砲で広範囲に攻撃して、敵の行動を麻痺させる役目を担っています。」
幅広く着弾したロケット弾の威力に圧倒される阿多機と湯浅に秋野が補足説明をする中、射撃を終えて走行態勢に戻った自走ロケット砲と入れ替わりで、次に砲撃を行う自走砲と火砲を牽引する牽引車の車列が入っていく。
真っ先に入ってきた第11特科大隊第445大隊の六十八式牽引車*2 10両は同数の六十二式十二糎加農砲*3を、第448大隊の五十九式牽引車*4 8両も同数の六十五式十二糎軽榴弾砲*5を射撃位置へ牽引していく。加農砲と軽榴弾砲が指定された射撃位置に着くと、牽引車から降りた砲兵が慣れた手つきで後部フックから切り離し、牽引されていた野砲を素早く発射態勢へ持っていく。
十二糎の野砲群が発射態勢へ入る中、第445大隊の六十一式重牽引車*6が牽引する六十四式十七糎榴弾砲*7 8門と、第448大隊の五十五式十七糎加農砲*8 10門も演習場へ入り、ゆっくりと射撃位置へ進んでいく。その後ろからは第9自走連隊第340大隊、341大隊の六十八式自走砲*9 6両ずつもV12空冷ディーゼルエンジンを全開にして進入し、重砲群よりも先に射撃位置へつく。
重砲群が射撃位置へついたと同時に十二糎の野砲と自走砲が一斉に火を噴いた。灰色の爆煙と爆音を上げて放たれた12cmの榴弾はロケット砲で耕された地に更なる破壊を齎し、煙幕弾は濃い煙で視界を奪う。
自走砲は車内に積んでいた即応弾を、軽榴弾砲と加農砲はクレーン付きの六式自動貨車が運んできた砲弾を素早く装填し、2射目を撃ち込む。それをもう1回繰り返すと着弾地点は茶色い土煙で包まれており、ロケット砲の斉射も合わせると植物で作られた標的どころか地形が破壊されていてもおかしくなかった。
その頃には十七糎榴弾砲と加農砲の展開が終わっており、自走砲と軽野砲群と入れ替わりで火を噴いた。12cmよりも大口径な17cm砲弾は、収まりつつあった土煙を先程よりも高く舞い上げる。複数回の砲撃で土煙は天高く舞い上げられ、着弾した場所には地中深くまで抉られたクレーターが幾つも出来ていた。
元の地形を思い出せない程の砲撃が終わり、新型戦車の車体と動力を流用した自走砲は自ら射撃位置を去り、野砲群は砲兵によって射撃態勢から牽引車による移動形態に移行しだす。
役目を終えた砲兵と入れ替わりで第2戦車連隊第205大隊・206大隊の六十八式戦車*10 12両ずつがV12空冷ディーゼルエンジンを全開にして演習場へ入っていく。
対戦車能力を向上させた東和陸軍の最新戦車は、アーク溶接された浸炭処理が施された表面硬化鋼を履帯が舞い上げた土で汚しながら進み、砲塔に据え付けられた六十八式五十四粍対戦車砲を順次放つ。前任に比べて800mmも長くなった砲身で加速した演習弾は、辛うじて形を留める標的を容赦なく撃ち抜き、破壊する。
横一列の並んで突撃する六十八式戦車は砲撃の停車と再加速を繰り返しながら進み、砲兵の過剰とも言える砲撃で破壊された地点へ到達する。
「戦場であれば戦車部隊に後続する歩兵部隊が制圧するのですが、今回は演習なのでこれで占領判定となります。ここまでやるのは演習の中でも稀ですが、ご覧いただいてどうでしたか。」
「何度も見ていた筈だが、毎度この迫力に驚かされる。腕前もそうだが、あれに慣れてる忍耐力は是非見習いたい。」
「そうですね───端的に言うと潤滑な連携が取れた攻撃でした。それに演習とは言え、ここまで本格的にやるのは素直に驚かされました。
ここまで練度の整った軍隊が、陸自の新たな仲間になるのは誇らしいです。」
双眼鏡で演習光景を眺めながら補足していた秋野の問いに、阿多機は演習の迫力とこれに慣れきった兵士の忍耐力を褒め称える。
湯浅も連携が上手く取れた攻撃を褒め、演習にも関わらずここまで実戦に近い雰囲気で行えるのを羨ましがった。陸自の新たな仲間を知れた湯浅は秋野へ感謝を告げるが、彼の本心は予想以上の戦術に大きく揺らいでいた。
(ロケット砲と12cm砲によって反撃能力を削ぎ、17cm砲で敵兵力を一方的に叩き、機動力と防御力を兼ね備えた戦車が切り込んでトドメを刺す。
充分な練度と通信能力が出来ない技を、敵からの攻撃が無い演習とは言えここまで綺麗にやるとは───やはり東和軍は侮れん)
装備は旧軍ながら現代陸軍に近い戦術を持ち、それを机上の理論で収めずに実現していた事に湯浅は大きな衝撃を受け、東和陸軍が時代と釣り合ってない先進的な存在だと認識を改めさせられた。
「東和軍が終わったという事は、次は陸自か?」
「えぇ、私自身も先程見た砲撃の衝撃が強く残っていますが、
湯浅は演習後の報告が荒れる程の衝撃を表情に出さずに、阿多機と秋野へ返事を返す。
演習場から東和陸軍の車両が去ると、茶色と濃緑で構成された独特な迷彩が塗られた陸自の車両が2種類入っていく。
先行して入ってきた第1特科団第1特科群第104特科連隊第3射撃中隊の19式装輪自走155mmりゅう弾砲 4両は、8輪のタイヤで土煙を纏いながら軽やかに駆ける。
続けて入った第2師団第2特科連隊第2特科大隊第4射撃中隊の99式自走155mmりゅう弾砲 8両は、ベースの装甲戦闘車から1輪ずつ加えられた転輪で回る履帯で演習場を突き進む。
丁度20年の差の自走りゅう弾砲は射撃位置につき、最後に入ってきた1両の
民生品をベースに総輪駆動にした特大型トラックは対砲レーダ装置 JTPS-P16を、大震災で水没しても動いた大型トラックは対迫レーダ装置 JMPQ-P13を牽引しており、陸自で長らく使われている中型トラックの荷台に載せられた第2特科連隊の
対砲レーダーや各種監視装置を用いて射撃に関する情報を精査を終え、現在の演習場の環境に適した値をシステムが導き出すとソレが自走りゅう弾 各車へ送られ、それに沿って各車が砲撃を行う。
52口径の砲身から放たれた榴弾は目標へ弧を描いて飛んでいく。12発の155mm弾は糸で繋がれた様に並び、それらは一箇所に纏まって着弾し、土煙を遥か高くまで上げた。
「一箇所に着弾した! アレで良いのか!?」
「なんてことだ───これがTOT·······」
「TOT? 何だそれは!?」
「“タイム・オン・ターゲット”の略称です。要約すれば別々の箇所から撃った砲弾を、同時に弾着させる技です。」
「着弾の瞬間すら合わせる高度な技です。我が軍ですら出来ない高度な戦法です。」
「東和ですら出来ない技とは·········」
秋野はTOTの凄さを知っているからこそ唖然とし、あまり詳しくない阿多機であってもTRMトップレベルの練度を持つ東和陸軍が出来ない技と知った事で、それを軽々と成し遂げた陸自に驚嘆させられた。
一撃で標的に甚大な砲撃を浴びせた陸自の特科部隊は速やかに去り、次なる仕事を担う車両群が入れ替わりで入ってくる。
「あれが陸自の戦車──待て、タイヤの戦車だと!? 動意薄事だ!?」
「あんな馬鹿デカいのに軽戦車並の加速だと! わけが分からん!?」
先陣として切り込んだのは第3即応機動連隊機動戦闘車中隊の16式機動戦闘車 7両で、装輪式のメリットである軽快な路上走行性能を見せつける。
続けて入ってきた第2戦車連隊第2戦車中隊の90式戦車 5両も、第3世代戦車の中でも優れた加速性能を持つパワーパックを全開して進んでいく。
阿多機と秋野が馬を思わせる16式と、亀の様な重厚な見た目とは裏腹に熊の如く速い90式の速度に驚く中、両車は車体上部に備えた砲塔を一斉に左旋回させる。
両車はそれぞれの隊長車のC4Iを共有し、それを元に西側戦車の標準主砲になっているラインメタル製 44口径120mm滑腔砲と、引退した戦車と同口径の52口径105mmライフル砲が火を噴いた。
「走行中に射撃だと!? な、何て事だ!!」
東和戦車では不可能な走行間射撃を見せつけられた秋野は大声で驚き、放たれた砲弾が標的で寸分の狂い無く命中すると思わず絶句する。
走行しながらも標的へ確実に命中させた戦車と戦闘車に素人である阿多機も驚かされたが、次にやって来た第2戦車連隊第4戦車中隊の10式戦車 5両は、更なる衝撃を与えた。
「アレは何だ!? なっ、曲がりながら砲撃しただと!?」
「アレはスラローム射撃と言いまして、10式の大きな武器と言えるでしょう。」
「あんなグネグネ曲がりながら砲撃出来て、しかも命中するとかどうなっているのやら·······」
障害物を避けるべく左右に曲がりながら射撃を行い、全弾命中させた10式戦車の射撃性能に秋野は双眼鏡をつけたまま口を開けて固まり、阿多機は湯浅の説明を聞いても目の前の光景を信じられずにいた。
輸出を想定せずに日本での運用だけに特化した国産戦車の実力を知らしめて、陸自の特科射撃と戦車射撃は終了した。TOTや走行間射撃・スラローム射撃を見せられた東和陸軍兵や部隊を送り込んだカリス陸軍兵・観戦武官らは、TRMと日本の軍事力に超えられない壁が存在しているのだと否が応でも知らしめられた。
十二連装ロケット砲を六式六輪自動貨車に搭載して、機動力と即応性・汎用性を向上させた自走式ロケット砲として東和陸軍工廠で開発された。
六式自動貨車の荷台に十二連装ロケット砲が搭載されているだけなので、優れた整備性と信頼性を有している。
ロケット砲連隊に配備され、高い機動性と悪路走破力で歩兵部隊に随伴して迅速な火力支援を行える車両として使用されている。
スペック
全長:5.6m
全幅:2.06m
全高:3.24m
重量:4.38t
エンジン:HT-2型 直6空冷ガソリンエンジン
最高速度:68km/h
武装:六十五式十二連装ロケット砲
乗員:3名
前任の後継車として整備性や信頼性を向上させた牽引車として秋野重工業で開発・製造された。外見モデルは九八式4屯牽引車。
以前の経験から軽戦車のエンジンと足回りを組み込んでいる為に整備性や生産性・信頼性を向上させている。
車体後部のウィンチは3.9tの牽引能力を有しており、車両後部に数発の砲弾を積む事が出来る。
五十九式よりも高性能で使い勝手の良い牽引車として砲兵連隊では小口径の火砲や砲弾を積んだ車両を牽引し、工兵連隊では資材の輸送や故障した軽車両の牽引に使用されている。
スペック
全長:3.96m
全幅:2.12m
全高:2.4m
重量:4.72t
エンジン:A-4Ea型 直6空冷ガソリンエンジン
最高速度:43km/h
乗員:6名
前任を置き換えるべく機動性と威力を向上させた加農砲として大輪重工業で開発された。外見モデルは九二式十糎加農砲。
五十二式で採用された各種技術を受け継ぎつつ、生産性と強度を向上させた単肉自己緊縮砲身を採用している。また少ない弾数で有効打を与える為に、手榴弾と同じ薬品が入ったガス弾も製造された。
牽引車による牽引を最初から考慮していた為に五十二式よりも高性能な加農砲となり、加農砲部隊の小口径加農砲として使用されている。
スペック
口径:120mm
砲身長:4980mm
重量:4030kg
初速:803m/s
最大射程:19700m
弾種:榴弾・榴散弾・破甲榴弾・ガス弾
東和初の牽引車は優秀な性能を持っていたが、水冷エンジンの故障や液漏れが問題になっていた為に、六十一式加農砲の開発に伴ってそれらを改善した牽引車として神屋重工業で開発・製造された。外見モデルは九二式五屯牽引車。
開発期間短縮と整備性向上・低コストが求められた為に変速機やブレーキ・クラッチなどの自動車部品を流用している。装甲付きのボンネット内には新開発された空冷ディーゼルエンジンが搭載されており、車体下部のシャフトを介してトランスミッションと操向変速機へと動力が伝達され、後部の起動輪を動かした。
足回りは戦車で得た経験から高マンガン鋼製の履帯と片側9個ずつの転輪・5つの上部転輪・誘導輪・起動輪で構成されており、バネ式のサスペンションと接続されている。
トランスミッションから車体後部に設けられたウィンチへと動力が送られ、2.5tの荷物を引く事が出来た。
性能こそ前任とあまり変わらなかったが、低コスト化や量産性・整備性向上に成功した為に、砲兵部隊の大幅な機動力向上に貢献した。
スペック
全長:3.98m
全幅:2.04m
全高:2.51m
重量:5.59t
エンジン:Ka-11型直6空冷ディーゼルエンジン
最高速度:22km/h
装甲:車体底面 4mm
ボンネット 3mm
乗員:6名
17cm榴弾砲の展開前に先制攻撃を行って敵の火砲を叩く事を主目的とした軽榴弾砲として牟礼重工で開発された。外見モデルは機動九一式十糎榴弾砲。
トラックによる牽引も求められた為に、足回りにはリーフスプリング式サスペンションとパンクレスのゴムタイヤを採用しており、牽引時の速度を上げている。馬 8頭でも牽引が可能だが、馬に多大なストレスがかかる為に非常時のみとされている。
高い機動性と即応性・展開能力を兼ね備えていた為に砲兵連隊の即応火力として、想定通りの使い方をされている。また六十八式自走砲の主砲としても使用されている。
スペック
口径:120mm
砲身長:2210mm
重量:1970kg
初速:468m/s
最大射程:11200m
弾種:榴弾・榴散弾・徹甲弾・煙幕弾・演習弾
十七糎加農砲などの大口径の火砲を運べる大型の牽引車として三ツ和工業で製造された。外見モデルは九五式十三屯牽引車。
戦車と同じ足周りとエンジンを使用しており、五十九式と同じく変速機やブレーキ・クラッチは自動車部品を流用している為に,量産性と整備性・信頼性を向上させている。
車体後部にはエンジンから分配された動力で動くウィンチが備えられ、30tの牽引能力を有している。車体両側面には680kgまで持ち上げる事が出来る組み立て式のクレーンを装備しており、短距離なら持ち上げたまま移動する事が出来た。また車体の前後には牽引用フックが設けられている。
砲兵連隊では大口径の火砲やロケット砲・各種砲弾の輸送を行い、戦車や自走砲などの重い車両の牽引も出来た為に戦車連隊や自走砲連隊にも配備された。
スペック
全長:5.3m
全幅:2.7m
全高:3.02m
重量:14.17t
エンジン:YM-2b型 V8空冷ディーゼルエンジン
最高速度:19km/h
装甲:6mm
乗員:7名
前任砲の後継として牽引車による牽引を前提とした榴弾砲として羽釜鉄工所で開発された。外見モデルは九六式十五糎榴弾砲。
六十一式加農砲と同じ自己緊縮式の砲身を採用し、軽榴弾砲と同じリーフスプリングサスペンションとパンクレスのゴムタイヤの足回りにして機動性や牽引速度を向上させている。
前任を大きく上回る性能を得た為に、六十五式軽榴弾砲と共に敵部隊に対する主力火砲として砲兵部隊に配備されている。スペック
口径:170mm
砲身長:3728mm
重量:4520kg
初速:583m/s
最大射程:12600m
弾種:榴弾・榴散弾・徹甲弾・破甲榴弾・演習弾
前任のカノン砲で得られた各種データを元に、より長距離砲撃が可能な大型加農砲として大輪重工業で開発された。外見モデルは八九式十五糎加農砲。
前任で採用された段式段隔螺式の閉鎖機を搭載しており、内部に撃発装置と安全装置が取り付けられている。砲身には1.5mmの深さで右回りの腔線が40本掘られている。
砲身と連結されている駐退複座機はそれぞれグリセリンと蒸留水・苛性ソーダの混合液を用いた水圧式と、圧縮気体と混合液を用いる水気圧式を採用している。駐退複座機と連接して、揺架と砲架が連動した漏孔変換機を備えている。
試作段階では移動の際に砲身と砲架に分ける必要があったが、分解した状態から射撃体勢になるまで2時間近くかかった為に、量産型では分けることなく移動出来る様に改良されている。
東和初の大口径加農砲として砲兵連隊に配備されて、二万m以上の最大射程を活かした長距離射撃による敵部隊・陣地制圧射撃に使用されている。後継は機動力を捨てた構造をしている為に、更新されずに現役で使用されている。
スペック
口径:170cm
砲身長:6130mm
重量:11970kg
初速:762m/s
最大射程:21000m
弾種:榴弾・榴散弾・破甲榴弾・演習弾
新型戦車の開発に伴って機甲部隊に柔軟に随伴して、迅速に砲撃支援を行える自走砲が求められた為に、東和陸軍工廠と佐土原工業で製造された。外見モデルは一式十糎自走砲。
開発期間の短縮や製造・整備・運用の効率化・コスト削減を目的に、開発中だった新型戦車の車体に六十五式十二糎榴弾砲を搭載している。榴弾砲の搭載に際して12cm砲弾 16発を搭載する為に車載機関銃は撤去されており、砲塔は上面と背面に装甲が無いオープントップ式が採用されている。
車体正面や砲塔正面の装甲は新型戦車よりも増加しているが、オープントップを採用している為に防御力は低下している。
高い火力と機動力・長い射程距離を生かして敵への先制攻撃やトーチカや陣地への砲撃支援に使用されている。
スペック
全長:5.79m
全幅:2.48m
全高:2.45m
重量:17.6t
エンジン:M-73型 V12空冷ディーゼルエンジン
最高速度:38km/h
武装:六十五式十二糎榴弾砲
装甲:車体前面 32mm
砲塔正面 28mm
乗員:5名
チャルネスが新開発した中戦車に前任の戦車では対抗出来ないとされた為に、対戦車能力を向上させた戦車として三ツ和工業で開発・製造された。外見モデルは九七式中戦車(新砲塔)
六十二式と同じく浸炭処理が施された表面硬化鋼をアーク溶接だけで車体を作っており、車内には車載無線機と直立式のアンテナを標準装備しているが、無線機が使用出来なくなった事態も考慮して信号灯や信号弾も装備されている。燃料タンクは被弾対策として車体後部の空冷ディーゼルエンジン下部に設置されており、整備性向上として車体後部に横開きの点検ハッチが設けられている。
主砲には対戦車戦に特化した六十八式五十四粍対戦車砲を製造元の牟礼重工で戦車砲へと改造した物を右寄りに搭載しており、砲弾を共有出来る様になっている。同軸機銃として六十四式車載機関銃を車体前方と砲塔後部に搭載しているが、砲塔上部にも軽機関銃を搭載できるようになっている。
前任よりも厚い装甲を有している上にリベットを使用していない為に、被弾時の乗員の安全性を高めている。また六十二式と同じく増加装甲取り付けようのフックが車外に付けられている。
対戦車戦闘に充分にこなせる戦闘力と、戦車砲による砲撃を防げる防御力を手に入れた事から戦車連隊の主力戦車として運用されており、自走砲の砲撃で足止めされた敵戦車部隊に切り込む運用が想定されている。また拡張性を持って設計された為に、開発段階から自走砲や対空戦車型などの派生型が開発されている。
スペック
全長:5.79m
全幅:2.48m
全高:2.45m
重量:17.1t
エンジン:M-70型 V12空冷ディーゼルエンジン
最高速度:40.5km/h
武装:六十八式五十四粍戦車砲
六十四式車載機関銃 2基
装甲:車体前面 29mm
車体側面 28mm
車体上部 14mm
車体下部 11mm
砲塔周囲 23mm
砲塔上部 17mm
乗員:5名
・湯浅賢二
部隊の運用・訓練の計画立案や実施・管理を担う運用支援・訓練部長は、東和への説明もしやすいだろうとして選びました。
一世代前の91式を着ている理由は古くから陸自の中央にいるからとしておきましょうか。
・東和陸軍の兵器
今話で戦車や自走砲・牽引車・火砲類で沢山の兵器が初登場しました。大半はモデルがありますが、自走ロケット砲だけはオリジナルです。まあ、カチューシャみたいな見た目なのでしょう。
・カットした描写について
今話は9000字超えになりましたが、これでもプロットから描写をカットしました。
プロットではカリス陸軍も砲撃をし、前話登場した観測機やドローンによる弾着観測・対砲レーダーの探知描写もありましたが、全てカットされました。
これを加えてたら1万字超えは確実でしょうね·····