New world note in Earth 作:YUKANE
今作の世界ではシ連に2024年まで相対していた関係で戦艦の重要性がより強そうですが、艦名はどうなるのか?
そもそも存命人物を出せないハーメルンの規定で出せるのか····
今回は水陸機動団によるティアンワの島への上陸作戦です。今までは戦いの名称をそのままタイトルにしてたので、今回は変えてみました。最後にUA31000突破ありがとうございます。
2026年及び1672年2月12日にそれぞれ出港した海上自衛隊第1機動部隊と、東和海軍第1・第7艦隊は北海道択捉島東100kmの海域で会合した。東和が日本の西に位置する関係で海自艦隊は一度北へ向かわざるおえなかったが、両国の艦隊が合流してからは南東へ転舵し、約1000kmにもなるティアンワへの航海が始まった。
戦艦に航空母艦、巡洋艦、イージス艦、駆逐艦、揚陸艦、水上機母艦、補給艦。雑多な艦で構成された艦隊は、日東に宣戦布告したティアンワを徹底的に叩きのめす両国の意思を具現化している。
航海の傍らで日東の艦隊幹部は本国から送られた作戦内容を元に練り合わせを進め、東和は日本の通信技術を用いて本国と逐次連絡しながら刻々と変わる状況に対応出来る様に細かく練り上げていた。
ティアンワに対する作戦は本格的な本土上陸に際して適切な補給と医療を施し、航空支援や空輸の拠点となる前線基地を設置する場所を確保する必要に迫られ、ティアンワ最西端に位置するバリア島がその場所として定められた。
バリア島への上陸作戦は水陸機動団と第1機動部隊が受け持ち、開始日は2月23日0時丁度と決められた。
◇
2月22日の深夜。ジャドリンド島の西30kmに位置するバリア島の上空には、大気を焦がす轟音を吐き出す光球が6つ浮かぶ。並んだ赤い光球は流星群を思わせるが、緑と赤の光がそれを飛行機だと認識させる。
6機の
「スパロー1より「しょうかく」へ。バリア島上空に到達した。作戦開始時間まで待機する。
『「しょうかく」からスパロー1へ。了解した。検討を祈る。
第2飛行隊司令官の牧野浩介三等空佐は、攻撃目標上空への到達を第45航空団兼しょうかく航空隊司令官の愛川一之輔一等空佐へ伝える。愛川司令官から攻撃開始時間まで上空待機を命じられた牧野は、搭乗する
「デカい山にサンゴ礁に星形要塞か、願わくば観光で訪れたかったな。」
東西南北がそれぞれ60kmのバリア島の西部には活火山のマハル山が聳え、島民に独自の信仰と肥沃な大地・温泉を島に齎した。サンゴ礁に囲まれた島の東部に広がる平野には三期作が可能な棚田や、ココナッツ・コーヒーなどが栽培される畑・牛の放牧地が点在し、南部には多種多様な動植物が生息する熱帯雨林が広がっている。
南部に位置する島内最大の町 テッラはジャドリンド島を望むマドバァン海峡に面し、対岸のパータを結ぶフェリーが就役するノル港の脇には暗闇の中でも白く光る砂浜を持つイタロ海岸が広がる。島内に広がる街道が集まった市街は土壁と茅葺きの門を持つ伝統的な家々が並び、郊外には五稜郭を思わせる星形要塞 テッラ要塞が鎮座していた。
バリア島を見た牧野は旅行で訪れたハワイに思いを馳せ、平和の象徴である観光で訪れたかったと思わず零した。
『スパロー2よりスパロー1へ。攻撃前に再確認ですが、奇数番機が砲台を爆撃し、偶数番機が港の艦隊を攻撃する手筈で宜しいですね。
「スパロー1よりスパロー2へ。その通りだ。
『スパロー2よりスパロー1。
「スパロー1よりスパロー2へ。無いよりはマシ───か?
しかしながら、部下が確認を兼ねた問いかけをした事で牧野は仕事モードへ切り替わる。我々は観光ではなく戦闘───しかも仕掛ける側でやって来た。
平和に訪れるのが願いではあるが、それを一方的に拒絶した挙げ句、戦火を振りかけた相手に慈悲などあってはいけない。自らの手で戦端を切り開くのは後ろめたいが、全て相手が一方的に宣戦布告したのが悪いと割り切って、自らの役目に勤しむ。
『航空司令よりスパロー隊全機へ。0時丁度だ。作戦開始!!』
「スパロー1より全機へ。聞こえたな!! 打ち合わせ通りに動け!」
『スパロー2
『スパロー3
『スパロー4
『スパロー5
『スパロー6
愛川航空司令の号令でスパロー隊は3機ずつの編隊に分かれる。
牧野率いる3機編隊はマハル山に築かれたマハル砲台へ進路を向けた。胴体のウェポンベイが開き、格納されていたLJDAMが外気に晒される。機首のAN/AAQ-40
「スパロー1 LJDAM
LJDAMの投下をコールした牧野が、操縦桿につけられたボタンを押すと、2発のLJDAMがランチャーから切り離される。細長い楕円形の弾体と4枚の尾翼で構成されたMk.82無誘導爆弾に外付けされたLJDAMシステムは、重力に従うしかない爆弾をレーザーが打ち込まれた目標へ
計6発のLJDAMはレーザー誘導によってマハル砲台へ全発が着弾し、1発ごとに87kgものトリトナール弾頭が破壊を齎す。西側を見据えて設置された6門のイルタ-127カノン砲*1は1発も撃つこと無く、備蓄された127mm砲弾ごと爆砕された。
「スパロー1
『スパロー3 同じく!!』
『スパロー5 同じく!!』
『スパロー2
牧野以下の機体が爆撃成功を報告すると同時に、スパロー2以下3機編隊がノル港に向けて緩降下を始め、コックピットの左右から砲口を覗かせるGAU-22/A イコライザー 25mm機関砲が火を吹いた。
機体に内蔵された5砲身の電動ガトリング砲から撃ち込まれた25×137mm弾が、ノル港に停泊していたバリア島守備艦隊へ降り注ぐ。高空から一方的に振り下ろされた25mm弾は、埠頭に停泊していた艦艇の木造船体と甲板を軽々射抜き、艦内の砲弾を誘爆させる。守備艦隊旗艦「アリシュアス」含む7隻全てが機銃掃射による誘爆で轟沈し、爆発の炎と水飛沫が天高く舞い上がる。
「スパロー1より「しょうかく」へ。全目標の破壊を確認。これより帰投す───っ!?」
目標だった砲台の破壊と、艦隊の全滅を確認した牧野以下スパロー隊が母艦に戻そうとした瞬間、プラット・アンド・ホイットニー F135-PW-600 ターボファンエンジンの音すら掻き消す爆音が牧野の鼓膜に響いてくる。
唐突な轟音に驚かされた牧野が音のする方を反射的に見ると、東和海軍第1艦隊に属する彼月級戦艦「静樹」のパータへの艦砲射撃が目に入る。39.7cm連装砲が撃たれる度に重い衝撃音が響き渡る。ブラスト圧で海面は平らになり、波紋として素早く広がっていく。放たれた39.7cm砲弾は目標のデオム第一砲台へ高速で突入し、砲台は炸薬の威力で内部から成す術なく意図も簡単に爆砕された。
「すげぇ威力だ───護衛艦があんなの食らったら一撃で轟沈じゃないか。」
『「しょうかく」からスパロー1へ。戦艦の砲撃も始まった様だな。事故で万が一当たる可能性もあるから、早めに艦へ戻ってくれ。
「スパロー1より「しょうかく」へ。承知しました。艦への帰路へ着きます。
初めて目の当たりにした戦艦の艦砲射撃に圧倒された牧野だったが、愛川司令官から帰投指示が言い渡されると直ぐに受け入れて、スパロー隊の進路を西へ向けた。
スパロー隊が去った後も東和海軍によるパータ砲撃は続き、第一砲台に隣接するデオム第二砲台と、郊外のブルオン山山頂に設けられた監視所は39.7cm砲の圧倒的な暴力で徹底して破壊された。随伴していた第10駆逐隊の風潮級駆逐艦「
バリア島とパータ守備隊は僅か1時間足らずにして、海上戦力と海上への反撃手段を喪失した。
◇
スパロー隊と東和海軍第1艦隊による奇襲から2時間が経過しようとした頃、西に広がるラール海岸には約600名からなるバリア島守備隊第2中隊が布陣していた。
「しかし、宜しいのでしょうか? ベトウィン司令の許可を得ずに出陣して。」
「構わんさ。敵が上陸してくるのなら、どちらにしろ出撃するのだから前後しても変わらぬ。
それに奴らは地元愛が強すぎて戦いを躊躇うであろう。現に“
不安そうに尋ねてきた副官に、中隊長のベロン・ダリ・ルンバレ大佐は意気揚々と返す。
中隊長の名を取ったベロン中隊と呼称される第2中隊は、バリア島を防衛する希少な2個中隊の片割れだったのだが、彼はバリア島守備隊司令官の許可を得ずに出陣していた。上陸に適した海岸に沿って布陣させたベロンからはバリア島を護る意志が垣間見えるが、彼の内心には昇進の野心が混じっている。
ベロンはフラスタリア陸軍から送られた顧問団に指導を受けた1人だったが、それが彼に自らの部隊に対する絶対的な自信を与えてしまった。同じく教習を受けた同期よりも早く昇級すべく、バウラット計画で前線となるバリア島の増援に立候補して同地に赴任した。それ故か同地の街並みや要塞を蔑んだ事で地元生まれの守備隊司令官ら上層部との仲は悪かったが、昇進だけを望む彼には雑音に等しかった。
「こちらには榴弾砲が6門も揃っておる。砲台を失おうとも、自由自在に動ける野砲ならば一撃を加えられるだろう。それだけでも充分だ。」
ベロンが振り返った先には海岸線に沿って配置された火砲支隊が保有する6門のイルタ-114榴弾砲*2が佇む。ヴィジランド陸軍で使われている軽榴弾砲をベースに、ティアンワで量産可能にする改良が施されており、分離装薬式による射程調整が可能な上に、馬で牽引出来る事からティアンワ陸軍部隊の主力榴弾砲として使われていた。
彼はこの榴弾砲を持って敵に一撃を与える事を望んでいたが、そこにはバリア島を護る意志よりも最初に反撃を行ったと言う名目を求める欲求が強かった。
「水平線上に複数の艦艇を確認!!」
「漸くおいでなすったか。火砲支隊は発砲準備を整えて待機!」
水平線に目を向けていた夜目に優れた隊員が指差した先には、2つの月の光によって複数の艦影が照らし出されていた。
艦影を上陸部隊だと判断したベロンの指示で、各砲に割り当てられた砲兵が動き出す。揺貨に置かれた114mm砲弾と最大射程時の装薬が長い棒で砲身へ押し込まれ、手動水平鎖栓式の尾栓で閉じられる。
6門の火砲が射撃準備を終えたのと、艦影が赤く光ったのはほぼ同時だった。
「なんだ一体? まさか発砲──っ!?」
ベロンが敵艦が発砲したと気づいた瞬間、部隊の背後に置かれていたイルタ-114榴弾砲が爆発を起こす。積まれていた榴弾も巻き込んで火柱が舞い上がり、周囲の歩兵も巻き込まれる。
「あの距離からの初弾で火砲支隊を!? まずい!! 火砲を置いて後退しろ!!」
相手が自らの射程圏外から百発百中の砲撃を行えると気づいたベロンは、直ぐに部隊を後退させる指示を出す。しかしながら、主砲を2門積んだ「DDG-202 みょうぎ」を筆頭にした「DDG-174 きりしま」・「DD-110 たかなみ」・「DD-111 おおなみ」の4隻は容赦なく砲撃を始める。
3基のオート・メラーラ 127mm砲と、2基のMk.45 5インチ砲から放たれた砲弾は寸分狂わずにラール海岸へ着弾し、ベロン中隊を蹴散らしていく。その中の1発は榴弾砲を蹴散らし、脇に積まれていたナパーム弾を誘爆させる。国産のパーム油を元に作られたナパームは周囲に破壊の炎を齎し、逃げ惑う兵を呑み込んでいく。
正確無慈悲な艦砲射撃とナパーム弾の誘爆によって、約600名がいたベロン中隊は短時間で全滅に陥った。ベロンも誘爆したナパームに巻き込まれて戦死し、榴弾砲だけでなく機関銃や迫撃砲も失ったベロン中隊は戦闘能力を喪失した。
ベロン中隊全滅から間もなくして、沖合に待機していた「LST-4001 おおすみ」から12両の水陸両用車が出撃する。西側諸国の代表的水陸両用装軌車として使われているAAV7は、鏃型の陣形を敷いてラール海岸へ突き進んでいく。
水陸機動団戦闘上陸大隊に属するAAV7は「DDH-183 いずも」から飛び立った西部方面航空隊第6対戦車ヘリコプター隊第2飛行隊の
◇
「あの馬鹿者めが!!」
ベロン中隊全滅の報にテッラ要塞で指揮を執るバリア島守備隊司令官のベトウィン・ダンロ・アルテッリ准将は、島内地図が置かれたテーブルを叩いた。
勝手に出撃した挙げ句、全滅した結果はティアンワでも類を見ない愚行であった。彼はバリア島を辺境だと罵倒した為に心象こそ悪かったが、戦力としては重要だった為に損失は計り知れなかった。
「ベトウィン司令!! ラール海岸に500程度と思われる敵兵力が上陸しました!!」
「500と言えど、今の我々にとっては危険な存在。ライネン中隊に要塞近辺での迎撃を命じろ! 各砲台はライネン中隊を援護すべく射撃準備を整えよ!!」
ベトウィンはテッラ要塞西側で待機させていたライネン中隊こと第1中隊に水陸機動団の迎撃を命じ、要塞の砲台にはその援護射撃を命じた。発光信号と伝声管を通じて指示が伝えられる中、ベトウィンら司令部にいる面々に聞き覚えの無い音が聞こえてくる。
「なんだこの不気味な音は!?」
「し、司令!! 空を見上げて下さい!!」
不気味な音に戸惑っている間に、音の主は要塞から見える空に飛来する。
灰色に包まれた人一人しか入れない胴体はそれが攻撃に特化した存在だと示し、回り続ける4枚のローターブレードはそれを軽々空に舞い上げる。
攻撃ヘリの概念を生み出した傑作機の最新型
闇夜に浮かぶ異型の存在はライネン中隊を動揺させるが、スタブウイングに取り付けられたM261ロケットポッドから発射されたM151 ハイドラ70ロケット弾が着弾すると、中隊全体を混乱が包む。追い打ちをかけるかの如くM197機関砲が発砲し、白煙を立てて撃ち込んだM56A3焼夷榴弾が戸惑う兵を容赦なく射抜く。
「なんだアレは!? 一方的にやられてしまうじゃないか!!」
闇夜から一方的な攻撃を続ける
一方的な攻撃を眺めるしかなかったベトウィンだったが、彼らがいるテッラ要塞に爆発音が響き、地震の如き振動が起こる。
「な、なんだ!?」
『第6砲台より報告!! 要塞が攻撃を受けて───うわぁ!?』
「何ぃっ!?」
ベトウィンが驚く間にも要塞は攻撃で激しく揺れる。第2水陸機動連隊に配備された中距離多目的誘導弾 6両全てと、第3中隊の120mm迫撃砲 RTはライネン中隊に視線が向く間にテッラ要塞へ北と南から近づいて発砲し、4枚の矩形翼を持つ誘導弾と120mm迫撃砲弾は狙いを定めた砲台を的確に破壊した。
「し、司令!! 要塞の砲台が全て破壊されました!!」
「全てか!? 何たる命中精度───っ!?」
全ての砲台が破壊された報告に驚く間もなく、要塞を再び爆発音と振動が襲う。それは第3中隊の隊員が84mm無反動砲で発射したHEAT 551対戦車榴弾が、南北の城門を破壊した余波だった。
『司令部!! な、南北の城門が壊されました!!』
「ま、不味い!! ライネン中隊を呼び戻せ! 要塞にいる面々は戦闘に加われ!! 我々も出るぞ!!」
要塞内に敵が侵入すると踏んだベトウィンはライネン中隊を呼び戻す指示を出すも、敵はそれまで待ってくれないと即断し、要塞内の兵士全員に攻撃を命じた。
ベトウィンの予測は正しく、
ほぼ同刻にして第3中隊は合流した第2中隊と一緒にテッラ要塞へ南北から突入する。白いスモークを焚きながら先頭を進むAAV7は、砲塔に据え付けられたMk.19自動擲弾銃とブローニングM2重機関銃で迎撃に出てきたティアンワ兵を無慈悲に撃ち抜く。
後続の高機動車や3 1/2tトラック・1 1/2tトラックからも隊員が次々と降り立ち、20式小銃やMINIMI軽機関銃、Mk.2手榴弾で撃ち漏らした兵を的確に倒していく。
ティアンワ兵もヴァレタ-146小銃*4やカディファ-77軽機関銃*5で反撃するも、水機団の圧倒的な火力に太刀打ち出来なかった。
『南区画占領されました!!』
『北区画もう限界です!!』
『内部区画に侵入されます! 重機関銃の支援を求め─ぐわぁ!?』
「ここまでの惨状とは·····」
愛用するヴァレタ-9回転式拳銃*6を確認するベトウィンは、伝声管から聞こえる悲痛な報告に顔を顰める。拳銃しか持たなくとも少しでも敵を足止めしようとしたベトウィンらだったが、先程聞こえてきたヘリコプターの音が少しずつ近づいてくる。
「さっきの空飛ぶ奴が来たのか!?」
「形が違うのが来ました!!」
ライネン中隊が一方的に敗北したトラウマが残る司令部要員が恐怖に陥る中、ベトウィンの視線の先には先程の機体とは違う姿のヘリコプターが3機いた。
箱型の胴体を持ち、そこから左右に伸びる翼の先には3枚のプロップローターが回っている。進行方向を向いていたエンジンナセルは垂直へ向き直り、機体を空中で水平に保たせる。
世界初の実用テイルローター機である
「降下次第周囲の敵を排除!! 排除が終わり次第、司令部へ向かうぞ!!」
ヘリボーンで降り立った第2水陸機動連隊ヘリボーン中隊中隊長の東上真輔二等陸尉は、部下に指示を出しながら自ら20式小銃で敵兵を的確に射止める。占領された島嶼に対する反抗上陸作戦の要となる水陸機動団の練度は凄まじく、ヘリボーンから間もなくして周囲の敵兵を全て殺害した。
周囲の安全を確認した東上らヘリボーン中隊は司令部制圧の目的を果たすべく、星形要塞の内部へ突入する。松明だけで照らされた内部であっても鉄帽に取り付けられた暗視装置によって軽やかに動き、敵兵は20式小銃や手榴弾によって的確に倒されていく。
やがて、司令部と思われる部屋の前に辿り着くが、東上は閉められていると判断された扉にMINIMI軽機関銃の銃口を押し当て、引き金を引く。放たれた5.56×45mmNATO弾が扉の閉じる金具を壊し、閉じるものを無くした扉を足で蹴り飛ばした東上らが司令部へ突入する。
「
東上は英語で降伏を勧告し、部下は室内の面々に20式小銃やMINIMIを突きつける。銃口を向けられたベトウィンらは抵抗を諦め、降伏を受け入れた。
0時丁度に始まったバリア島の戦いは、日が昇る前に終結した。ティアンワに対する反抗作戦は自衛隊の完勝で幕を閉じた。
ヴェラール戦争の終戦で大量生産していたマーフィル 5インチカノン砲が余剰になった為にティアンワ初のカノン砲として供与され、バウラット計画の実施に合わせて供与時にライセンス生産権を得たイルタ陸軍工廠でも製造された。外見モデルはBL 60ポンド砲。
ティアンワの製造技術を考慮してばね圧復座式に変更した駐退復座機を砲身の上に設けており、ティアンワ産のゴムで造られていたゴムタイヤを使っていた車輪も木製スポーク輪の接地面に鉄板を貼りつけたものへ変更している。
馬でしか牽引出来ない為に沿岸砲台や要塞砲などの陣地に据え付けて使用されたが、1万m越えの射程を持っていた事から"国防の楔"と呼ばれてティアンワ兵の支えになっている。
スペック
口径:127mm
砲身長:4700mm
重量:4280kg
初速:650m/s
最大射程:13000m
師団や旅団の火砲連隊へ配備すべく馬での牽引が可能な榴弾砲が求められた為に、ヴィジランド陸軍で置き換えられていたクラフィス 4.5インチ軽榴弾砲が供与され、ライセンス生産権を得たイルタ陸軍工廠でも製造された。外見モデルはQF 4.5インチ榴弾砲。
手動水平鎖栓式の尾栓を引き継いでいるが駐退複座機はバネ圧複座式に変更されており、車輪は空気を充填していたゴムタイヤからゴムだけを充填したソリッドタイヤへ変更されている。
馬で牽引出来た上に、分離薬莢式の砲弾を採用している為に射程の細かい調整が容易に出来た点が高く評価され、ティアンワ軍の主力火砲として師団の火砲連隊に20門・旅団は12門ずつ配備された。
スペック
口径:114.3mm
砲身長:1800mm
重量:1300kg
初速:308m/s
最大射程:6200m
ティアンワ陸軍はヴィジランド陸軍で置き換えられた手回し式のガトリング砲を重機関銃代わりとして使っていたが、バウラット計画の実施に合わせて自軍陣地や要塞に配置して効率的な弾幕を張れる全自動式機関銃の導入が求められた為に、ガトリング砲を置き換えたレンドライノ液冷機関銃が供与され、ライセンス生産権を得たカディファ陸軍工廠でも製造された。外見モデルはマキシム機関銃。
銃本体が重く嵩張って扱いづらい上に銃身と冷却水を頻繁に交換・補充する必要があり、効果的な運用には数名の兵士が必要だった問題点を持っていたが毎分500発の連続射撃能力で戦場を支配出来た為に、歩兵連隊や守備隊の機関銃大隊へ配備・運用されており、"戦場の守り神"としてティアンワ兵から崇められている。
スペック
口径:7.7mm
銃身長:673mm
装弾数:ベルト給弾
作動方式:ショートリコイル
全長:1079mm
重量:27.2kg
初速:744m/s
有効射程:2700m
創設されたばかりのティアンワ陸軍は前装式小銃をライセンス生産していたが、ヴィジランド陸軍が使用している後装式小銃へ改造出来ないかライセンス元のアルヴァイラ銃工廠へ打診し、試作されたアルヴァイラTYPE-4A小銃がヴァレタ陸軍工廠で製造された。外見モデルはスナイドル銃。
前装式小銃の銃身後部を切り取って右開きの蝶番式銃尾装置をネジで取り付けており、撃発機構は改造元で使われていたサイドハンマー式を引き継いでいる。弾薬の装填と排莢は蝶番で銃身に繋がれたブリーチ部を開けて行われており、開放状態の蝶番式ブリーチを後方へ引いて抽弾子を後退させる事で薬室の内側に張り付いた薬莢を強制的に引き出せた。
弾丸がライフリングと直接摩擦する為に銃身の寿命が短くなったり、装薬の量を変更できない・撃発機構がサイドハンマー式で命中精度が低い等の問題点は多かったが、安価で簡単に後装式に出来た利点から生産された小銃の大半が改造されてティアンワ陸軍の正規小銃として配備された。後継小銃の配備で置き換えられたが、各地の守備隊や練習隊では今でも使用されている。
スペック
口径:14.66mm
銃身長:990mm
装弾数:単発
作動方式:蝶番式閉鎖機構
全長:1250mm
重量:3800g
初速:267m/s
有効射程:900m
ヴァレタ-9と同じくバウラット計画で小隊規模でも持ち運べる軽機関銃の導入が求められた為に、ヴィジランド陸軍で置き換えが始まったディレディッタ軽機関銃がティアンワ初の軽機関銃として供与され、ライセンス生産権を得たカディファ陸軍工廠でも製造された。外見モデルはルイス軽機関銃。
複雑な装弾機構故に故障が多く信頼性は低かったが、兵士1人が持ち歩ける程に軽量であった為に陸軍の各師団や旅団・首都のジャラカ守備隊へ集中して配備された。
スペック
口径:7.7mm
銃身長:635mm
装弾数:97発
作動方式:ガス圧作動方式
全長:1250mm
重量:12.2kg
初速:600m/s
有効射程:1000m
バウラット計画実施による陸軍の近代化で将校や兵士が携帯する拳銃の導入が求められた為に、ヴィジランド陸軍で置き換えが始まったアルヴァイラ9-SG拳銃が供与され、国内の銃火器製造技術を向上させるべくライセンス生産権を得たヴァレタ陸軍工廠でも製造された。外見モデルはウェブリー・リボルバー。
非常に頑丈で泥汚れしても稼働出来る程に信頼性も高かった事から、ティアンワ軍の他に警察で使用されている。スペック
口径:9mm
銃身長:106mm
装弾数:6発
作動方式:ダブルアクション式
全長:286mm
重量:1.1kg
初速:190m/s
有効射程:45m
・牧野浩介
作者が執筆した日本国召喚の二次創作作品“ノルース星戦記”に登場した人物。その作品ではF-4EJのパイロットでしたが、今作ではF-35JBの飛行隊を率いてます。
・バリア島守備艦隊及びパータ守備艦隊の編成
フリゲート 1(旗艦)
コルベット 2
スループ 4
・第6対戦車ヘリコプター隊
今作オリジナルの架空部隊。那覇を根拠地とし、AH-1ZとUH-1Yを配備する。前作では北方領土奪還作戦“蒼龍”にて活躍。
前作執筆時にはドローンが大活躍し、攻撃ヘリコプターの存続が危うくなるのは想像つきませんでした······
◇
2025年度の投稿は今回が最後となります。展開が超スローにも関わらず、根気強く連載を続けた結果、大勢の人に見て頂いただけでなく、評価のバーを赤に出来ました。
全ては読んでくださった皆様のお陰です。この場をお借りして感謝させて頂きます。2026年もどうぞ宜しくお願い致します。