New world note in Earth 作:YUKANE
もし東京オリンピック開催期間中に転移したらスポーツ業界は大惨事待った無しでしょう。余談ですが今作世界はコロナ禍が無いので、東京オリンピックは予定通り2020年に開催されました。
今回は紺色作戦での海自の行動を海自とティアンワの視点で見ていきます。
3月17日の夜更け。人工の明かりが少なく、地球とは異なる壮麗な星空を望む中で東和海軍第1艦隊及び第7艦隊、海上自衛隊第1機動部隊はバリア島泊地を出港した。
東和海軍第1艦隊を先頭にした3個艦隊はタンキル海峡を日付けが変わる頃に抜け、ジャドリンド島とヘレンリラ島・ニューピリア島に囲われた内海 ジャンドール海へ到達していた。ここで艦隊は分離し、東和海軍はジャドリンド島方向へ北進、海上自衛隊はヘレンリラ島方向へ南進を始める。
第1機動部隊は世界を覆う闇夜が朝日で掻き消される前に数隻単位の小規模な艦隊へ分離し、それぞれに与えられた攻撃目標へと転舵していく。
しょうかく型航空母艦のネームシップにして第1機動部隊旗艦も務める「DDH-189 しょうかく」と、その妹「DDH-190 ずいかく」は別れた艦隊を見送ってジャンドール海に留まる。海自の代表とも評される姉妹の護衛についていたのは海自最古のイージス艦であるこんごう型の次女「DDH-174 きりしま」と、準イージス艦とも題されるあきづき型の末っ子「DD-129 よいづき」、第2世代の汎用護衛艦の創始 むらさめ型の五女「DD-105 いなづま」の3隻だけだった。
僅か5隻になった第1機動部隊の本隊だったが、空母姉妹の甲板上では役割ごとのカラフルなベストを着た
舷側のエレベーターで上げられたF-35JCは青いベストを着る航空機移動係が操る黄色の3tけん引車によって所定の位置に運ばれ、赤いベストを着た火器管制員がハードポイントに誘導爆弾を取り付け、安全栓が引き抜かれる。紫色のベストを着た燃料作業員はJP-8ジェット燃料を積み込み、茶色のベストを着た機体担当整備員は機体の隅々まで不具合が無いか確認している。
一連の作業が終えた機体のパイロットは、黄色のベストを着た航空機ディレクターのハンドサインに従って甲板を移動する。両腕を動かす前進と、肩と肘を曲げる旋回を用いて移動された機体はカタパルトの位置まで誘導され、握り拳のハンドサインでブレーキがかけられる。止まって間もなく、緑色のベストを着たカタパルト整備員が機体とC-13-1カタパルトを接続し、確認を得て発艦準備完了を甲板に埋め込まれた指揮所と艦橋の管制塔へ伝達する。
「スパロー1ならびにスパロー2、発艦準備完了しました。」
「いよいよか───スパロー1に無線を繋げ。」
第45航空団司令官にして、しょうかく航空隊司令官も務める愛川一之輔一等空佐は発艦準備完了の報告を聞き終え、眼下で発艦を待つスパロー1への無線を開いた。
「司令官の愛川だ。出撃前だが気が張ってないか、上條。」
『司令官。私は“オペレーション蒼龍”で出撃済みです。今更緊張するとかはありません。
折角ですから、もう一度聞きます。ティアンワに航空戦力や対空火器は無いのですね?』
スパロー隊ことしょうかく航空隊第1飛行隊を率いる上條
「あぁ、航空機が無いのだから対空火器も無いだろう。ただ、万が一に備えてしっかり策は講じる安心しろ。
もし機体トラブルが起きて帰還出来なくなっても
『ジャミングはやるってだけでも安心です。
果たしてジャミングに意味があるのかと言う疑問を抱きつつも、疑念を晴らせた上條は出撃の時を待つ。
愛川が通信を終えた旨を指揮所と甲板作業員へ伝え、全ての準備が整ったのを確認した
武装と燃料を積載したF-35JCは蒸気式カタパルトによって296km/hまで急速的に加速され、闇夜の空へ解き放たれた。地から離された機体はプラット・アンド・ホイットニー F135-PW-400 ターボファンエンジンによって黒き海面を飛び、少しずつ高度を上げていく。
紅く燃える空気を吐き出しながら飛ぶF-35JCは3つの着陸脚を畳み、ティアンワの空を支配する主へと変貌した。隊長機に続いてスパロー隊は時間差を持って次々と巣立ち、隣を航行する「ずいかく」もコンドル隊ことずいかく航空隊第1飛行隊が連鎖して飛び立っていく。
舞い上がったF-35JCは12機ずつで編隊と言う群れを組み、スパロー隊とコンドル隊それぞれに与えられた目標へ進路を定め、暗き空の下で離合する。
紅き光をだしながら飛んでいくF-35JCの群れに朝日が差し込む。地球と変わらずに全人類を照らす太陽光は紺色作戦の幕開けを告げていた。
◇
朝日はティアンワ最東端の都市 シェンビアにも降り注ぐ。本土から200km程離れたニューピリア島最大の都市であるシェンビアは、ティアンワとの交易とヴィジランドの助言による観光開発によって小さな漁村から島内最大の都市へ発展した。
各種行政機関の支局や会社の支社・総合病院・観光ホテル・キャッサバや魚の塩漬けなどを売る市場が置かれた街はビジネスと観光の両面で栄え、ターミナルから島内各地を結ぶ馬車のバス転換が求められる程だった。
シェンビアの玄関口としてジャンドール海へ面するシェンビア港は自然地形を用いて作られながらも、本土からの定期船就役に合わせて近代的な港湾設備を備えていた。そんな港を拠点とするシェンビア守備艦隊は、最果てながら万が一の事態に備えて周辺海域へ展開していた。
「いつ見ても素早い朝焼けだ。だが、あそこから日本や東和が攻撃してくると考えると恐ろしい·····」
旗艦のベルリナ級フリゲート「ホーリキン」の艦橋では、6隻の艦隊を率いるガワンティオ・ダッガ・ファウへべ准将が島影から昇る朝日を眺めていた。
(派遣艦隊と第3艦隊がやられ、バリア島も占領された。我々に叶う相手では無いのかもしれないが、相手に傷を負わせる可能性が少しでもあるのなら戦う以外に選択肢は無い!)
彼の心情には圧倒的な日東に対する恐怖と、これを昇格の好機としたい野望が見え隠れする。
元々ニューピリア島周辺を活動域とする海賊の家に生まれ、ティアンワ内戦時に海上戦力を欲したヴィワダによってスカウトされた事で海軍へと入った。だが、海賊の生まれ故に冷遇され、海賊の航海技術で戦果を挙げたにも関わらず、辺境のシェンビアへと左遷されていた。
地元では歓迎されるも、海軍内では厄介者扱いされる。そんな理不尽を打開したいと言う淡い希望が募っていた。
「折角ならば戦果を上げて、中央へ戻りたいもんだ······」
「ガワンティオ司令官!! 監視所から“人工的な飛行物体が西方から高速で接近している”との緊急連絡が入りました!!」
「飛行物体?───もしや、飛行機とやらか!?」
朝日を見ながら黄昏る彼の元へ駆け足で到着した通信兵の報告に彼は疑問を抱くも、脳内の辞書からそれが飛行機だと言う可能性へと紐づく。海軍の中核に入る事を目指して情報を集めていたのが功を奏した形であったが、同時に飛行機がどれ程存在であるかを思い出して冷や汗が滲み出る。
「不味い!? 敵は空から来る!! 各艦に機関砲を上に向けさせろ!!」
「3時方向から何かが高速で来ます!!」
ガワンティオが配下の艦への指示を出したのと、見張り員が飛行物体を見つけたのは同時だった。それから間もなくして、128.1 kNで大気を切り裂きながら突き進む6機のF-35JCが視界に入る。
「お、おおぉぉ!? まるで台風でも纏っているのかの様だ!!」
「も、もう一回来るぞぉ!!」
守備艦隊へ高速飛行が作り出した大気の膜が襲いかかる。強風の如く襲いかかった大気は甲板の水兵を薙ぎ倒し、機関砲による反撃すらさせなかった。
身体を屈めて強風から身を守ったガワンティオの目に、さっきと同じく6機のF-35JCが並んで近づいてくるのが写る。再び身を屈めようとしたガワンティオだったが、彼の目は三角形の翼についている何かを落とすのを目撃した。
それは
3600tの排水量と80m近い全長の「ホーリキン」は格好の目標であり、2発が吸い込まれる様に直撃する。GCS-1付きのMk.82爆弾は木製甲板を落下の勢いと227kgの重さで貫き、信管が87kgの炸薬を炸裂させる。
爆発は弾薬庫の砲弾をも巻き込み、全鋼鉄製の船体を内部から激しく壊していく。「ホーリキン」は着弾点を中心に呆気なく3つに裂け、誘爆させながら沈んでいく。
「これが飛行機───なんて恐ろしい·····」
船として機能しなくなった「ホーリキン」から放り出されたガワンティオは、奇跡的にも致命傷を負うことなく海面を漂っていた。樽らしき木片にしがみついて彼の周囲では、たった1隻だけのクレイア級コルベットやファクティナ級スループも誘導爆弾によって内部から破壊され、木造の船体を漁礁として海中へ沈みつつあった。
「なんてことだ······あぁ───シェンビアの港が········」
見るも無惨な惨状に絶句するガワンティオだったが、遠くで立ち上った黒煙によって、シェンビア港も攻撃されたのだと察した。
「ずいかく」を発艦したコンドル隊はシェンビア守備艦隊を文字通り全滅させ、LJDAMでシェンビア港とガウロ砲台を爆撃した。AN/AAQ-33が放つレーザーによって誘導されたLJDAMは埠頭や荷降ろし設備・4門のイルタ-127カノン砲へ的確に突き刺さり、目標を破壊した。
砲台は127mm砲弾の誘爆で崩れ、港湾設備は爆撃で原型を留めない程に壊され、沖合では守備艦隊が消えつつある。それらから立ち上る黒煙が朝焼けの空を淀ませる。
シェンビア市民や訪れていた者達はシェンビアの日常が壊れるのを実感し、それを起こした空飛ぶ異物をただ見上げる事しか出来なかった。後々救出されたガワンティオも、何も出来ずに敗北した無力感に包まれていた。
コンドル隊がシェンビアを攻撃するのと同時刻、「しょうかく」を発艦したスパロー隊もヘレンリラ島東部の都市 ケンダラーを爆撃していた。
CGS-1の精密爆撃と機銃掃射の組み合わせで守備艦隊を全滅させ、LJDAMによって砲台とニッケル精錬工場が爆砕された。かつては王国の首都であり、島の半分を覆うアヴァー山脈から採掘された鉱石類の加工・輸出拠点となった都市は、けたたましい轟音を響かせて空から現れた鉄の鳥によって機能を喪失した。
シェンビアへの攻撃は全土を攻撃出来る恐怖を、ケンダラーへの攻撃は戦争継続を崩す深刻な一撃を与えた。しかし、空からの攻撃を免れた都市への攻撃が海から迫っていた。
◇
「そろそろ見えてくる頃か?」
「えぇ、ここからでも見えるとは流石は200万の都市です。」
「DDG-201 いぶき」を先頭に「DD-110 たかなみ」・「DD-111 おおなみ」の3隻はジャンドール海を北進する。遠くに陸地と都市の輪郭がボンヤリと現れたかと思えば、少しずつハッキリとしていく。
ジャドリンド島南部に位置する人口200万の港湾都市 メジェラ。テンバレ山脈から流れ出るランペル川の河口と言う立地から港町として古くから栄え、ヘレンリラ島各地を結ぶ鉄道連絡船の就役や商品作物の搬出港になった事で大きな繁栄を得た。
メジェラ攻撃の指揮を任された「いぶき」艦長 富崎一郎一等海佐と先任士官は札幌並みの人口を持ち、交通だけでなく工業や農業・漁業等の各種で国内有数の地位を確立した街並みを、艦内の
最も彼らは観光や交易ではなく攻撃の為に接近しており、既に沖合に布陣するメジェラ守備艦隊は捉えられ、攻撃目標の査定も終えていた。ここまで繁栄した都市への攻撃は心苦しいが、戦争が長引けば更なる戦火に包まれる可能性すらある為に戦乱を終わらせる犠牲だと富崎は自分を納得させた。
「ティアンワ艦隊、本艦隊に向けて転舵を始めました。」
「漸く気づいたか──だが、遅すぎる。砲雷長、撃ち方始め!」
「1番砲目標
AN/APQ-9B対水上レーダーが守備艦隊の転舵を掴んで間もなく、艦首甲板に背負い式で積まれたMk.45 5インチ砲 mod4 2基が事前に指定された目標へ指向し、砲雷長の宣告を経て撃たれる。
ライフリングが刻まれた62口径のアルミニウム製砲身が放つ5インチ砲弾は弧を描いて飛翔し、
「α及びβ轟沈。」
「敵艦隊、尚も接近中!!」
「残りも沈めろ!!」
「いぶき」は守備艦隊への攻撃を続ける。微調整を行った上で撃ち込んだ砲撃は2隻ずつのスループとコルベット、旗艦のフリゲート「アレヴィーナ」を呆気なく沈めた。
「勝てる筈も無い相手でも守る物の為に戦う。見習いたいものだ。」
弾着観測で発艦させていた
「後続の2隻に攻撃指示を送ってくれ。」
しかしながら、自らは攻撃する相手である以上、尊敬だかで攻撃を躊躇ってはいけなかった。富崎の指示を受け取った「たかなみ」と「おおなみ」は151mの船体を右へ転舵させる。それは左右に向けて搭載された飛び道具を撃ち込む意思表示でもあった。
「「たかなみ」、「おおなみ」
「
船体中央に積まれた灰色の細長い四角柱の根元に白煙が巻き上がり、蓋を突き破った
日東大演習での実射試験の結果も踏まえて改良が加えられた対地プログラムが組み込まれた
メジェラ港とカシフィム造船所へ着弾した
『港湾施設及び造船所への命中を確認! 被害甚大と思われます!!』
「ご苦労───周辺の工場への誘爆は無いか?」
『確認します!』
「確かパーム油でしたか?」
「ナパームの原料だ。一時は攻撃目標に入ったそうだが、誘爆被害を考慮して除外された。もし誘爆したら目も当てられない大惨事になるが········大丈夫か?」
『工場群への誘爆は見られません。造船所には火が立ち込めてますが、周辺への誘爆の可能性は低いと思われます。』
「了承した。これから帰投するから着艦してくれ。」
周辺への誘爆の恐れが低いと確認出来た富崎はバリア泊地へ帰投すべく、
◇
メジェラに一方的な攻撃が降り注いでいた頃、対岸に見えるヘレンリラ島北西にある都市 パランドンにも第1機動部隊による攻撃が行われていた。
フリゲート「テルフィス」を旗艦とするパランドン守備艦隊は20分も経たずに海の底へ姿を消し、それを成し得た3隻の艦隊が着々とティアンワ最大の石油産出地へ迫っていた。
タンキル海峡通過前に分離した3隻の艦隊を率いるは日本にとって半世紀ぶりの巡洋艦の1隻 「DDG-202 みょうぎ」だったが、他の2隻は第1機動部隊の肩書を持っていない。
南鳥島沖海戦で活躍した「DD-101 むらさめ」と「DD-121 てるづき」は、戦闘で用いた主砲や全快に回した機関の不具合確認でドック入りを余儀なくされていた。ワークホースである2隻の穴は第4護衛艦隊から派遣された「DD-123 ふゆつき」と、第5護衛艦隊から抽出された「DD-109 ありあけ」で補われていた。
所属の違う艦だけで構成された艦隊は艦隊行動に難こそあれど、NATOが用いる戦術データ・リンク14の補助によって戦闘に支障の無い状態へ持っていけた。最もそんな内部事情を知らないパランドン守備隊は、守備艦隊をあっという間に全滅させた恐るべき相手として恐怖に陥れていた。
「狼狽えるな!! 我々はパランドンの守る盾だ!! 我々が怖気づき、市民に被害を出すなどあってはならん!!」
パランドン守備隊を率いるアキーリ・ベアレ・オルガミド准将は次元の違う相手に怖気づけく部下を鼓舞する。守備隊の使命を復唱し、パランドンの街と市民を守る宿命を改めて認識させる事で怖気づけいていた兵士の士気は少しながら持ち直した。
守備隊の士気に変化が起きる中で直進していた海自の艦隊は面舵を切り、大胆にも当たる面積の広い船腹を見せた。だが、守備隊側には護衛艦の場所まで届く砲を持たず、目の前で弱点を晒す敵艦に対し何も出来ないもどかしい状況に直面した。
ただ見つめるしか出来ない守備隊の眼前で護衛艦はそれぞれの主砲を左へ旋回させ、砲撃が始まる。3基のMk.45 5インチ砲 mod4と1基のオート・メラーラ76mm砲が撃ち込んだ砲弾は、石油コンビナートに隣接した港とコンビナートへ繋がる貨物線の橋へ命中した。
「港と鉄道橋が!?」
「あの距離から1発で当てただと!?───我々も狙われるぞ! 一旦引けぇ!!」
着弾によって港の積み下ろし設備は崩れ、爆発によってパイプ内に残っていた原油が引火した。鉄道橋は敢え無く崩れ落ち、列車の通行が出来ない状態に成り果てる。
恐るべき命中精度に驚かされたアキーリだったが、その攻撃が自らに届く可能性に気づくと無意識の内に退却を指示した。彼女の部下達も百発百中の大砲に恐れをなし、その指示通りに下がっていく。
守備隊が退避している間にも護衛艦は砲撃を続け、港湾施設に甚大な被害を与えていく。
「コンビナートには攻撃してないのか?」
「そうだとしたら有難いが───奴らにも理性があると信じたい。」
アキーリはコンビナート本体への攻撃をしてない事に気づき、相手は重油への引火を避けているのだと願いつつも、攻撃相手に戦局を委ねるしかない自らの無力さを悔しがる。
彼女の思考は海自の懸念を的確に射抜いており、備蓄された大量の原油に引火した場合は町を包み込む大火になる恐れがあった為に意図的に避けられていた。
奇しくもティアンワの女将軍と思惑が重なった海自は、攻撃目標への砲撃を終えると進路をバリア泊地へ向ける。海自は航空機と艦砲射撃を組み合わせ、ティアンワ国内の4都市の守備隊と港湾施設に甚大な被害を与え、一部は工場群への攻撃も行った。
この一撃はティアンワの国防に大いな支障を齎しただけでなく、各都市の港湾施設と一部工場が機能を失った事で国内経済にも深刻な影響を起こした。加えて、攻撃を目の当たりにした市民には日本が国内の何処にでも攻撃出来る恐怖と、日本に対して何も出来ないティアンワの無力さを痛感させた。
そして、海自艦隊に先行して出港した東和海軍によって、ティアンワに対する次なる攻撃は既に始まっていた。
・
US Military Channel2の映像を見ながら書きました。空母自体がアメリカから購入した以上、航空隊の構成も米軍譲りになっています。
・愛川一之輔/上條邑輝
両者ともに前作時点で作っておりましたが、登場出来なかったので今回が初登場です。
・シェンビア
ニューピリア島の西に位置する都市で人口は26万人。
ティアンワが進出するまでは小さな漁村だったが、ティアンワとの交易が本格化すると栽培されたキャッサバや釣り上げた魚の塩漬け・熱帯雨林に生息する風鳥類が集まる拠点になった。ヴィジランドの助言によってリゾート開発が始まると島の中心地として大きく栄えた。
自然地形を用いた港はメジェラやケンダラーからの定期船就役に際して近代的な港湾設備が整備され、最東端に位置する事から海軍基地も併設されている。島内最大の都市である事から町には各省庁の支局や会社の支社・島内最大の病院・観光客向けのホテルが置かれており、上述の名産品を扱う市場も広がっている。市内には島内各地へ向かう馬車が発着するターミナルがあり、観光客需要の高まりからバスへの転換が計画されている。
・ケンダラー
ヘレンリラ島の東に位置する都市で人口は24万人。
東部の主要な港町として古くから栄え、コルタ半島と島に挟まれた湾に面する守りやすい立地から島を統一した王国が首都を置いた。ティアンワに下った後もメジェラからの定期船が就航する島の主要都市として機能し、ヴィジランドがアヴァー山脈にニッケルなどの鉱床を発見すると鉱石の加工・輸出拠点になった。
山脈で採掘された鉱石類は鉱山鉄道で運ばれた巨大な製錬所で国産のコークスを使って精錬され、隣接した港で貨物船に積み込んで国内各地へ運ばれている。ニッケル類は軍艦の装甲として用いる高張力鋼の原料としてヴィジランドへも輸出されており、トラクティア諸国最強レベルの海軍力を得るのに大きく貢献している。
かつては王国の首都であった事から町並みの規模はかなり大きく、油田が発見されたパランドンに追い越された現在も島内2番目の規模を保持し続けている。島内唯一の鉄道が起点駅を置いている事から現在も各種行政機関の支局が置かれており、メジェラからの定期船が現在でも運行され続けている。
定期船が停泊する港からは加工したカシューナッツやココアバターを輸出する貨物船も出港しており、その対岸に位置する古くからの漁港で水揚げされた鰹や蛸・養殖された海老は加工された上で国内各地へと出荷されている。
・メジェラ
ジャドリンド島の南部に位置する都市で人口は201万人。
水源であるテンバレ―山脈から南へと流れるランペル川がタンキル海峡へ合流する河口に位置する事から古くから港町として栄え、島内統一後にはヘレンリラ島へ向かう航路の拠点として機能する事となった。ヴィジランドによって鉄道が敷かれるとヘレンリラ島へ向かう鉄道連絡船が発着する拠点としてより重要視され、郊外にはタバコや茶を栽培するプランテーションも整備された事で国内有数の港湾都市へ成長した。
パランドンやケンダラーからの鉄道連絡船だけでなく、国内やヴィジランドからの貨物船が毎日入港する港には国内最先端の積み降ろし設備を有しており、港湾設備に隣接する様に貨物ターミナルを併設した駅や軍民問わずに多くの船を建造しているカシフィム株式会社の造船所が設けられている。
港から広がる様に作られた町並みの郊外にはプランテーションで栽培された作物を加工する工場を中心とした工業団地が建っており、前述の加工品やタイルやパルプ・船舶用ボイラーは鉄道によって港に運ばれている。
海水のタンキル海峡と淡水のランペル川が交わる汽水域に位置する上に、ヘレンリラ島との交流地である事から同島の文化とも混じった独自の料理が市場で提供されており、古くから築かれた町並みを活かした博物館も建設されている。
・パランドン
島の北に位置する都市で人口は135万人。
スワンヒラ海へ流れるムルファ川の河口沿いにある立地から、海運と河川舟運が交わるジャドリンド島との交易拠点として古くから栄えた。ヴィジランドによって周辺で国内最大規模のリゥミア油田が発見されると産出拠点として機能する様になり、採掘された原油は国内は疎かヴィジランドへの輸出も行われた事でジャラカやスラバァに勝る勢いで発展した。
ヴィジランド近海で油田が発見された事でヴィジランド向けの石油輸出は終了したが、現在も国内各地へ重油を運ぶタンカーが毎日入出港している第2港には石油コンビナートが隣接しており、内陸のリゥミア油田からサッカーロッド・ポンプ式の油井で採掘された原油を運ぶパイプラインが敷かれている。巨大な貨物ターミナルの反対側にはメジェラからの貨客混載の定期船や守備艦隊が入港する第1港があり、定期船が運んできた人や荷物と河川用貨物船が運んできた内陸産の作物類やメルクシパインの材木・ソンケット・木彫り品を積み替える設備を併設している。
西側に広がる旧市街と東側に広がる新市街は島内唯一の鉄道で別れており、島内で最大規模の都市である事から医療や教育施設が充実している。ムルファ川の水運は鉄道へ移行したが現在でも観光客向けの遊覧船が運行されており、地元料理に使われる淡水魚や海老を獲る漁業も行われている。
・海自の攻撃目標
プロット段階では攻撃目標に“パーム油工場”や“石油コンビナート”も含まれていましたが、誘爆時に市街地に甚大な被害を齎すだけでなく、ティアンワ側の消防では消火出来なくなる可能性に紐づいた為に“港湾を破壊して、製造した物資を運べなくする”に転換しました。ケンダラーのニッケル工場に関しては他の二つに比べて誘爆時の被害が少ないと判断して爆撃に踏み切りました。