狩人さん、新エリー都へ逝く 作:ネットの狩人
白祁重工のアルバイト面接に落ちる事になってしまった狩人は今度こそ途方にくれてしまった。
仕事が無い……拠点が無い……人形ちゃんがいない……。
何もかも無い無いづくしな狩人は今にも心が折れそうだった。
「いっそ自決するか……」
自決すればワンチャン帰れるんじゃね?的な感じでダイナック自決を決行しようかと考えながら夜のルミナススクエアと呼ばれる場所の外れの公園で体育座りして落ち込んでいると。
「おいおいどうした兄ちゃん?」
「辛気臭そうな顔してんなぁ?」
何か柄の悪そうな男達が来た。
「仕事が無くてな……はぁ……」
「仕事がねぇだぁ?そりゃ、気の毒だなぁ~」
「それって暇って事だろ?どうだ?俺達の仕事を手伝わねぇか?」
「良いのか?」
何故か知らないが狩人に仕事をくれると言う男達に狩人が反応すると男達は意気揚々と誘い続ける。
「金もたんまり手に入る!生活も楽になる!そして……好きに生きれる!どうだ?」
「悪い話じゃねぇだろ?」
男達の言葉に狩人は少し悩んだ。
明らかにカタギじゃない連中の誘い……しかし、見た目で判断してはいけないと狩人は判断した。
何しろヤーナムでは見た目で判断して痛い目にあったり、正体そのものを隠した獣もいた。
この男達は本気で親切に仕事を提供してくれるだけの存在かもしれないと狩人は考えた。
「(まぁ、騙していたら殺せば良いか……)」
と言う軽い判断の元、男達の手を取った。
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結果として狩人は一度は手を取った男達を皆殺しにした。
理由は単純に不愉快だったからだ。
狩人が連れて来られた場所はホロウ内にある男達のアジトでそこを通されると目にしたのはパエトーンと呼ばれたあの小さな生き物の様な何かの残骸が転がっていたのだ。
男達は小さな生き物……ボンプを拉致して売れるパーツを解体して奪う悪党達だったのだ。
狩人が連れて来られたのは単純にバラす人員、運ぶ人員を欲した為だった。
狩人は動きもしないボンプ達を静かに観察する。
狩人が生物だと思っていたボンプ達は明らかに作り物だった……だが、狩人はとてつもない不快感を覚えていく……それは彼が夢の中にいる人形を愛した故の事だった……。
「おい、お前はこのガラクタを……え?」
ガラクタ……狩人の行動は決まった瞬間だった。
話し掛けてきた巨漢の男の首を獣狩りの斧で吹き飛ばし、血の雨が降り注ぐ。
「て、テメェッ!?」
「何しやがる!?」
男達は武器を手に狩人を取り囲むと狩人は深い溜め息をついた。
「この獣共め……貴様らの様な獣は……本当に不愉快だ……」
「な、何言ってやがんだ!!何に怒ってやがるのか知らねぇが生きて帰れるとは思うなよ!!」
「それは此方の台詞だ……目障りだ……サッサと処刑を終わらせよう……!」
狩人はそう言って獣狩りの斧を両手斧に変形させ、男達に襲い掛かった。
そこからは一方的だった。
「痛てぇッ!?」
「た、助けてくれ!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁッ!?」
男達は次々に狩人に狩られていく……叩き潰され、切り裂かれ、貫かれる……運が悪ければ狩人に放り投げた筈の火炎瓶が逆に掴まれ、投げ返されて焼け死ぬと言う悲惨な末路を迎える者もいる。
「に、逃げろ!!」
「助けてくれえぇッ!」
男達は戦意喪失し、逃げ出すが狩人は獣狩りの斧を片手斧に変えると獣狩りの散弾銃で逃げた男達をまとめて撃ち抜いた。
辺りが死体と血で溢れていく中、足を撃ち抜かれて這いずって逃げようとする生き残りに向かって狩人は歩くと足で押さえ付けた。
「や、止めてくれ……許してくれぇ……!」
男は狩人に慈悲を乞う……しかし、狩人は獣狩りの散弾銃の銃口を頭に押し付ける様に付けた。
「か、金なら幾らでもある……!だから……!」
「お前達は何とも思わなかったのか?」
「な、何を……!?」
「あの小さな生き物達だ……可愛そうにな……まだ生きていたかっただろうに……」
「あ、あれは機械だぞ……!?作りもんだ……!それに連れてきたのは野良だけだ……!彷徨いて漂ってるだけの野良ボンプに何の価値があるって言うんだよ……!」
「ボンプと言うのか……成る程理解した……そして貴様らの性根もな……」
狩人は改めてボンプと呼ばれる存在を知ると引き金に力を入れていく。
「一つ言っておく……俺は別に仮初めの命が嫌いな訳ではない……寧ろ愛おしく思っている……それがお前達の死因だ……なーに心配するな……今から起こる事はな……悪い夢の様なものだ……」
「ま、待ってくれ……!!」
狩人はその悲鳴に耳も貸さず引き金を引き、最後に残った男の頭を撃ち砕いて殺すと一息ついた。
「……どうするか」
狩人は男達を皆殺しにしたのは良かったがホロウと呼ばれる場所に残ってしまう事になった。
パエトーンと呼ばれたボンプの案内人をニコ達が付けていた以上、普通に歩いても戻れないのは明白だった。
狩人は思案していると一つ思い出した。
「そう言えば男達にもボンプがいたな……それを先頭に立たせて歩かせていたとなると……」
狩人は男達を先導していたボンプは何処だと探すと隅でガタガタと振るえているのを見つけた。
「おい、おま」
「ンナ!?ンナンナ!?」
「……え?」
狩人はボンプの言葉を聞いて固まった。
「ンナ!ンナンナ!ンナンナ!!」
「いや、普通に喋れないのか……?」
「ンナーー!!」
狩人は困り果ててしまったスッゴく怯えられいるのが分かり、まともに会話すら出来ない以前に何て言っているのかも分からなかった。
無理もなかった。
狩人はパエトーン以来、ボンプを見ても会話はしていなかった。
その為、パエトーンのボンプが特殊だと気付かずにボンプは普通に会話できるものだと思い込んでしまったのだ。
因みにこの命乞いボンプは人語に直すと凄まじい言葉の列が並ぶ程に狩人に言い訳している。
狩人はどうしようかと頭を悩ませていると微かに足音を聞き、狩人は武器を握り直し奇襲を仕掛けるべく物陰に隠れた。
ボンプを連れ去り、無惨にバラしていた連中の一味かと狩人は考え、絶対に生きては帰さないと考える。
油断なくそして来るであろう敵を狩る為に鋭い殺気と視線を伏せつつ待ち構え続けていると。
「これは……!」
「ひ、酷いです……!え、えーと……す、すみません……少し離れても……?」
「あらあら……なら私と行きましょう。良いですかライカン?」
「構いませんよ。流石にこれは酷と言うもの……エレンは大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。けど長居はしたくないね……気分が悪くなる……」
そう言う話し声が聞こえ、狩人は今すぐに狩りたいと言う衝動を抑えながら適度な距離まで迫って来るのを待った。
足音が二つ並びながら聞こえる中、通り過ぎたのを見計らって狩人は背丈の大きい白い毛並みの狼男に向かって片手斧にした獣狩りの斧を振り下ろそうとした所で。
「ンナーー!!」
あのボンプが叫び、背中を向けていた二人が気付いて振り替えると同時に狩人は獣狩りの斧を振り下ろしたが二人は後ろに飛んで回避した。
「ちッ……」
狩人は舌打ちすると獣狩りの散弾銃で散弾を一発お見舞いすると魚の尻尾を生やした少女に弾き返された。
少女は何処か重そうに受け止めながらも体勢を立て直して狩人に切りつけるも狩人は素早くステップを踏んで回避し、二人に対峙した。
「貴方は何者ですか?」
「貴公らこそ誰だ?いや……獣に語るのもあれか……取り敢えず死ね……」
「ボス……明らかに話しが通じない……それに……普通じゃない……」
少女はそう言って巨大な鋏の様な武器を手に身構え、狼男は足に付けた装置が動く。
狩人は変わった武器だと思いつつ大きく息を吐くと獣狩りの斧を両手斧に変形させた。
「これは奇っ怪な……」
「変形?まぁ良いや……サッサと仕事を終わらせよう……出来たらの話だけど……」
狩人と対峙する二人は狩人の獣狩りと斧の変形を見て困惑を露にし身構えた所で狩人は目の前の敵対者を狩る事に集中する。
まさかこの戦いが互いの誤解であると思わずに。