狩人さん、新エリー都へ逝く 作:ネットの狩人
先に動いたのは狼男の方だった。
青い光を放つ装置に補助されているのか鋭い蹴りが狩人に襲い掛かった。
狩人はステップを踏んで避けた所を少女が見逃さずに追撃、武器の鋏を振るって狩人を攻撃するも狩人は冷静に攻撃を往なして片手斧状態の獣狩りの斧をカウンターで振るう。
少女は鋏で攻撃を受け止めようとするも狩人の攻撃は常人の域を脱しており、その力は獣を易々と切り裂く為に重い。
そんな狩人の近接攻撃ましてや重い攻撃を特徴とする獣狩りの斧をまともに受けきれる筈がなく、そのまま壁まで吹き飛ばされた。
「エレン!」
狼男が叫んだ所を狩人が駆け、獣狩りの斧を一振るいすると片手斧から両手斧へと変形させると同時に攻撃、狼男の頬を掠めると同時に狼男は狩人の蹴りを入れ、退けると地面に叩き付ける様に狩人の真上から足を振り下ろす。
狩人は怯みながらもすぐに後退すると……足の振り下ろされた床がヒビが入ると同時に凍りついた。
「凍った……?」
狩人には初めての経験だった……火、雷、毒、血質、神秘。
何れにも当てはまらない属性に狩人は驚いていると次はエレンと呼ばれた少女が体勢を立て直し、大きな尻尾を振るうと冷気を纏い、狩人は驚きながらもステップで大きく後退する。
「これは驚いたな……氷を操る獣か……」
狩人にとって初めての属性を持つ獲物。
身も凍りそうな冷気を狩人は感じつつ古い狩人の遺骨を使用、ステップを高速化。
発火ヤスリを使用し、獣狩りの斧に火属性を付与した。
狩人が道具を使用した事で狼男と少女エレンは警戒を露にする。
「ボス……何か仕掛けてくる……」
「分かっています……警戒を……」
二人はそう言い合って身構えると狩人が仕掛けた。
狩人がステップを踏むとその速さは一瞬だけ姿を消す程で常人の域を脱し、二人に炎を纏った獣狩りの刃が向かおうとしていた。
「速い……!」
「くッ……こんな隠し弾を持っていたとは……!」
狼男とエレンは咄嗟に避け、狩人は逃がさないとばかりに横に大振りに振るう構えを見せる。
「氷を操る獣なら火を通せば良い事だ……一人は焼き魚か?」
狩人はそう言って二人纏めて横凪ぎに振るおうとした所で後ろから雷が降り注ぎ、狩人はすぐに避けた所で今度は何かが激しく回る様な音と共に大きな何かが振るわれたのに気づいた狩人は再び避けると地面を抉る様に回転する刃が振るわれた。
「す、すみません!遅れてしまいました!」
「まさか人が潜んでいてライカンさん達を襲うなんて。ですがもうこれ以上の蛮行はさせませんよ?」
現れたのは先程離れた二人で中に浮く女性に付き添うように浮いているボンプ。
そして気弱そうな少女は明らかに持つのにはおかしな回転ノコギリに似た武器を持って身構えている……。
2体1から4体1になった瞬間だった。
狩りにおいて獣側の突然の援軍は驚くべき事ではないが不利であるのは変わらない。
まともにダメージを入れていないライカンと呼ばれた狼男とエレンは猛者だと分かる。
そして援軍に来た二人は未知数……初見の突破の難しさは狩人がよく知っている。
狩人は獣狩りの斧から千景に、獣狩りの散弾銃からエヴェリンへと変えた。
「貴公ら……獣にしては中々だ……デメリットは大きいが短期で終わらせければな……」
さもなくば夢送りだ。
狩人の心境はその考えに至り、出来る限りの速さで1人ずつ葬り、形勢を逆転させる事にし、デメリットは大きいが補正次第では恐ろしい威力を発揮する千景。
血の補正と骨髄の灰を使ったエヴェリンの高威力の銃撃。
挙げ句に彼方への呼びかけやエーブリエタースの先触れの様な神秘の技まで仕込んだ。
狩人は千景に血を纏わせて変形させ様とした所で。
「ちょっと待ってー!?」
場違いな声が全員の視線を動かした。
狩人もライカン達も視線を向けた先には。
「パエトーン?」
パエトーンと呼ばれるボンプだった。
狩人は暫く耽けていたがすぐにハッと正気に戻ってパエトーンを庇う様に立った。
「下がっていろパエトーン!お前もバラされるぞ!」
「えッ!?ち、違うから!違うから落ち着いて!ライカンさん達はそんな人じゃないから!」
「え?」
狩人がパエトーンのその言葉を聞いて固まるとライカンは身構えるのを止めた。
「何やら我々には食い違いがあるようですね。此処は互いに矛を収め、互いに此処にいる理由を伝え合うべきでしょう」
ライカンがそう言って停戦となった。