今回はちょっと説明多め回になっちゃった。
ヒロアカ本編完結おめでとうございます。
……1つ問おう! 新時代の二次ヒロアカを作るには何が必要だと思うかね? そう、クロスオーバーだ!(多分違う)
私たちは、マミさんの部屋に集まった。……来る途中の光景も、いろいろおかしかった。大体は人間型なのだけれど、そこからすこしズレた?と表現すればいいのか。多種多様な人間が当然のように歩いていた。
半ば警戒しながらも、私たちはここにたどり着き、持っていたスマホで色々と検索を掛けて調べた。ちなみに、マミさんの部屋にはなぎさがいるが、今はお昼寝中のようだ。
色々調べた結論。この世界はアメコミ風味の世界になってしまった。
元の世界と変化した点は上げればキリが無いが、大きく分けて2つある。
1つ目は、『個性』の存在だ。この世界の人間は、大半が魔法や異能のようなものを持っているらしい。歴史を調べてみると、この世界はある時までは元の私たちの世界と歴史が一致するけれど、ある時、中国で光る赤子が生まれた。そこから次々と異能を持つ人間が出始めたのだとか。そんなものが出てきたせいで、社会は当然大混乱。紆余曲折あり、「個性は許可が無ければ使用禁止」という現状に落ち着いたらしい。W〇ikiediaにはざっくりそう書かれていた。……だが当然色々複雑な特例やら何やらがあるようで、そこまで画一的なルールでもないのだろうか。
2つ目、『ヒーロー』の存在。許可を得て『個性』を使い、治安維持や救助活動などを行う職業とのことだ。そう、職業である。元は、暗黒期に闊歩していた犯罪者……個性を使う犯罪者のことを
なのだが、調べてみた限りどうも現代のヒーローは人気商売に近いらしい。「ヒーロー」と検索をしてみて、一番最初に出てきたものが「ヒーロービルボードチャート」だ。つまり人気ランキングである。
それで、今期のNo1、つまり日本のNo1ヒーローである「オールマイト」のデビュー時の動画というものがあったので、見てみたのだが……
『やべえよ、もう100人も救ってるよ、やべえって!まだ10分も経ってねえって、やべえって!』
『ハーハッハッハ!もう大丈夫!何故って?私が来た!』
「……すげー……」
余りの出鱈目ぶりに言葉を失ってしまった。
彼は超強力な肉体を武器に戦うヒーローのようだが、魔法少女である私達から見ても度を越した能力だった。移動が瞬間移動じみていて、平然と建物を己の肉体能力で支えるし、空気を叩いて空を飛ぶし、拳の風圧で竜巻とか起こす。本当になんでもかんでも肉体能力だけで解決してしまうのだった。魔法少女でもここまではいくらなんでも無理だ。
私以外の4人も、これを見てしばらく唖然としていた。しばらくすると、さやかが口を開く。
「……え、この世界こんなバケモノだらけってこと?」
「いや……流石にこのオールマイトさんが特別なだけだと思うわ。ほら、調べたら『平和の象徴』とか、『正真正銘のトップヒーロー』とか、『万年ヒーロービルボードチャート一位』って出てくるし。」
「こ、こいつと戦うとなったらどうすればいいんだ……?ほむらの時間停止で不意打ちか……?」
「いや、なんで戦う前提なのよ。……あ、あんた普通に泥棒してたわね。」
「……うっ。」
「言っておくけれど、私もこのオールマイトとはちょっと戦いたくないわ……」
強さでいったらあのワルプルギスの夜に匹敵、いや、それ以上ではないのだろうか。それほどに、
「……つまり、あの契約で、この世界はヒーローが実在する漫画みたいに、本当に変わってしまったということなのね。もとの世界に戻れるのかしら……。」
マミさんが、半ば呆然としつつそう言った。
「……多分、まずはその契約をしていた子を探さないとだよね?でも名前も顔も知らないし。……これから私たち、どうしていけばいいんだろう?」
契約していた子は、顔が見えない位置にいたので、おそらく誰も個人を特定できる情報をほぼ持っていない。声を聞いたくらいか。その条件下で、該当の人を探し出せなどかなり無理難題だ。
「……いや、本当に、どうしよう?」
さやかがそういった。彼女だけでなく、この場の誰もが、想定外すぎる状況にどうすればいいのか分からなくなってしまっていた。
一分ほど、お互いが顔を見合わせるだけで何も言わない状況が続いた。この状況を打ち破ったのは、佐倉杏子だった。
「まあ、なっちゃったものは仕方ねーし。そのうち慣れるっしょ。」
「え?慣れるって……もしかしてずっとこのままでいいってこと?」
「いやだってさまどか。なんで戻す必要があるんだ?」
……そう言われると、確かにその理由を言えないけれど。でもいきなりこんな世界に変えられて、不安にならないわけがない。
「この世界なら、私達がちょっと魔法少女の力を使ったって変に見られないし。むしろやりやすくなったんじゃねーの?」
「……うーん……」
「第一魔法少女になったときも世界がガラッと変わったじゃねーか。同じようなもんだろ?」
確かに、魔法少女になったことで、魔女、結界という非日常体験をするようになった。杏子の言う通りだ。
そう考えると、魔法少女である私たちはわざわざ世界を戻すことに固執する必要が無いように思えてきた。この世界でも、普通の人が普通に生きていた。前の世界と同じように。なら、しばらくこのままでもそこまで問題ないように思える。
同時にマミさんも、似た結論に達したようだった。
「佐倉さんの言う通りね。確かに世界は変わったけれど、私たちに害があると決まったわけではないわ。そして、戻す手段があるかもわからないし、それを探すとなるととても時間がかかりそう。魔法少女の願いでも使わない限りはね。……だから、しばらくはこの世界で生きることを考えるべきじゃないかしら?幸い、この世界は魔女の結界程無茶苦茶じゃないわ。」
「私もマミさんと同じです。」
「えー?ま、マミさんまで……」
さやかは不安が取れないようだった。まどかも不安そうな表情を浮かべている。
不安は私もわかる。いい年した大人が、子供向けのショーのようなノリで犯罪者退治や災害救助をしているのを見ると……心配というか、いたたまれない気持ちになる。調べたところ、彼らヒーローになるためにはかなり厳しい審査が必要らしいので、決してふざけてやっているわけではないのだろうが。この世界でしばらく暮らしていれば、慣れる光景なのだろうか。
「私だって不安はあるわ。でも……具体的にどうにかできる方法があるの?」
「……ないです……けど。」
「というわけで、しばらくは様子見に徹しましょう。郷に入りては郷に従え、よ。この世界の常識を学ぶのよ。」
「無理矢理その郷に連れてこられたけどな。」
「まあ、それはもう諦めるしかないわ。とりあえずみんな。外で魔法少女の力を使うのはやめておきましょう。元の世界よりは不審がられないと思うけれど、それでもどう受け取られるか分からないわ。」
「うん、僕もそれがいいと思うよ。」
「!!!」
突然、聞きなれた不愉快な声が響き渡る。キュゥべえだ。みんなの表情が険しくなる。
「おめえ……何の用だ?」
「簡単に言えば状況共有さ。僕らインキュベーターにも未確認事項が多いからね。」
インキュベーターが持つ情報……聞かざるを得ない話だ。
「……話しなさい、キュゥべえ。」
「君たちの考える通り、魔法少女の契約の願い事として、地球規模の改変が起こった。でも、具体的に何がどうなったのかは僕らもつかみ切れていない。」
「意外ね、あなた達の技術力で。」
「実を言うとね。地球上で稼働しているインキュベーターは、いまここにいる僕只一人だけみたいなんだ。」
ゴキブリ並にどこにでも湧くキュゥべえが、今はこの一体だけ?
「というのも、先の改変の影響が僕らインキュベーターにも及んだようでね、記憶が書き変わっていることが確認されたんだ。だから、母星の判断により、影響を受けなかった僕以外の人格は一旦消去され、新しく記憶をインストールしている最中さ。驚いたよ。まさかあの願い事が僕らにまで影響を及ぼしたなんてね。彼女の持つ因果量を少し見誤っていたようだ。」
「……なんでここにいるあなたは無事なの?」
「僕は、彼女の契約に携わった個体だ。それで、身の危険を感じて、ちょっと君たちのバリアにお邪魔させてもらったのさ。」
……勝手に入ってこられたのか。私達に不利益というわけじゃないけれど、とても不愉快だった。
「ちなみに言うと、元の世界の記憶を正確に持っているのは君たち5人だけだと思うよ。あの魔力の奔流を明確に『防ぐ』という意識をもって防御できたのは君たちだけだろうからね。」
「なっ……わ、私達だけなのか!?」
「推測だけれどね。」
「そんな……!も、元の世界に帰る方法は!?」
まどかが悲痛な叫び声をあげた。
「うーん、そもそも世界が書き変わったわけだから、元の世界という概念を当てはめることがおかしい。元の世界に戻すという意味ならば、また新たに世界改変を起こすしかないね。……そして、その元の世界の記憶を持っているのは君たちしかいない。君たちは全員魔法少女だから、新たに願いを叶えて契約することもできない。だからもう無理じゃないかな。」
「……そ、そんな、じゃあもう一生このまま……!?」
さらにまどかが絶望したような声を上げた。
……そろそろキュゥべえを黙らせようか。
「さて、僕は君たちにもう一つ言っておくべきことがある。どうも、今のこの地球には魔女や使い魔がいない。」
「「「「「えっ……!?」」」」」
私達は一様に驚かされた。……さんざん私たちが命がけで狩ってきた存在が、消えた……!?
「感情エネルギーとやらはどうなっているのよ。」
「少し長くなるけれど、順を追って説明しよう。まず、彼女の願い事は『ヒーローとヴィランが戦うあのコミックのような、世界が見てみたい』だった。それで、それを実現するために魔女化のシステムを援用したシステムがこの地球上に構築されたんだ。」
「……どういうことよ。」
「絶望エネルギーは、この世界における
「魔女や使い魔 = 犯罪者 ってことか?」
「色々例外はあるから一律そうだと言い切れるわけじゃないけれどね。でも、この世界の
「……まあ、大体そうなんでしょうけれど……」
「つまり、この世界の希望から絶望への相転移は、人が社会に絶望して
「そんなことどーでもいいから。」
キュゥべえ……インキュベーターは、希望から絶望への相転移により感情エネルギーを取り出しそれを宇宙に捧げており、それが人類にも長い目で見れば得だと主張しているが、はっきり言って私達とは一切無縁の話だ。キュゥべえにとっては重要なのかもしれないが、私達にとってはとてもどうでもいい。
「重要なのは……魔女がいなくなってグリーフシードはどうすんだってことだろ?」
「「「「……!」」」」
確かにそうだ。魔女がいないなら、グリーフシードは手に入らない。私たちは全員終わりということに……
「え?でも、さっき倒してたあの……変なのからグリーフシードが出たよね?」
「「「「あっ……」」」」
「ああ、その問題なんだけれど、多分大丈夫だ。ヴィランを殺すことで、グリーフシードが手に入るよ。」
……なんでそうなるのだろうか。話が突飛すぎる。
「さっき、僕は魔女システムを援用してこの世界改変は行われたといったよね?その名残が残っている、という感じかな。ちなみに、殺さなくても……そうだな、グリーフストーンと名付けようかな?これが手に入るよ。」
キュゥべえは、目の前に黒い石のようなものを一つ取り出した。なんとなく、グリーフシードと材質が似ているようだった。
「グリーフシードよりも吸い取れる穢れの量は少ないけれど、これが
実際、それを私のソウルジェムに近づけてみると……確かに穢れが吸い取られた。ついでにキュゥべえがそれを回収した。
良かった。
……いや、それでも問題は残っている。
「……え、つまりこれ、私たちはグリーフストーンを手に入れるために、この世界の『ヒーロー』みたいに悪者退治しないといけないってこと?」
「はああああ!?なんだよそれめんどくせえ!」
「……大問題ね。」
これから降りかかる問題に頭を抱えながら、スマホで調べつつ今後私たちがしなければいけないことを口にし始める。
「……調べた限り、ヒーローになるためにはそのための訓練を何年もして、ようやく免許を取れるという感じみたいね。今あるグリーフシードの貯蔵分でしのげる時間じゃないわ。」
「……なんとかして、バレないように悪者退治するしかないのかしら。」
「ほむらの時間停止があるじゃねえか。これなら誰にもバレねえって!」
「あっ……!」
突然、さやかが私に抱き着いてきた。……まどかに対しては結構抱き着くが、私に対してはあんまりやってこないので珍しい。
「ほ、ほむらちゃん~~~!時間停止があって本当に良かったよ~~~!いなかったら詰んでたよ~~~!」
「暁美さんには、色々お願いすることになりそうね。」
「頼むぜ~、ほむら。……できればあたしの分まで。」
「ご、ごめんねほむらちゃん。沢山お願いすることになりそう……」
……皆調子の良いことを言っているが、まあたしかに私の時間停止が有効なのは確実……なはずだ。ただ。
「……個性、の存在が気がかりね。時間停止を何らかの方法で打ち破ってくる可能性があるわ。そうでなくても、私がやったことがバレるとかもありそうね。」
「あー、そうだな。個性、か。……相手の手札がわからん以上はなあ。」
「そもそも、この世界に暁美さんと同じく時間停止の個性をもった人が居るかも?」
「……確かに。」
「やっぱり、この世界のことが分からない状況であんまり大きな行動に出るのはやめるべきね。そもそもグリーフシードがすぐさま枯渇するという状況ではないわけだから。」
今のグリーフシードの貯蔵は、大きな戦闘をしなければ5人が3ヵ月は持つ程度だ。
「……そうね。近いうちに、私の部屋に集まりましょう?その間、みんなはこの世界の常識に慣れるように頑張ってほしいわ。魔法を使うことは極力避けるようにね。」
異論は無い。これ以上ここで話していても、この世界に対する知識が足りていない以上あまりいい結論は出ないと思う。
「……色々話しているところ悪いけれど、穢れの件は心配ないと思うよ。」
「えっ……?」
キュゥべえがそう割り込んできた。
「……どういうこと?」
「だってグリーフシード、たくさんあるからね。」
「説明して、キュゥべえ。」
「ごめん、僕もやることが沢山あるんだ。ここでちょっと抜けさせてもらう。僕らも僕らで調べなきゃいけないことが沢山あるからね。」
「えっ、ちょっ!?」
そういって、キュゥべえは私達の問いかけに答えること無く去ってしまった。
「はあ……私達が知るべきことは何も教えてくれないくせに、いざ知ろうとすると逃げるなんて。」
さやかが不満を口に出した、その直後。
プルルルル……
まどかのスマホが鳴った。電話だ。
「……あ、ママからだ。」
まどかは当然出た。……まどかがテレパスの準備をしている。私達に会話内容を教えるつもりのようだ。
「もしもし、ママ?」
『まどか、今どこにいる?』
「マミさんの家だよ。」
『そうか、よかった。この辺で
『今日はそろそろ帰ってきな。巴さんにも迷惑かけるわけにはいかないしな。』
「う、うんわかった、ママ。……ママ、あのさ。」
『うん?』
「ママの……『個性』って、その……」
『……私の個性「ハート・マテリアル」がどうかしたか?』
「ハート……えっ!?」
『まどかの「ピンク・マテリアル」もかわいいよなあ!上手いことやれば、まどかはもっとかわいくなるぞ!』
「そ、そうかな……?」
『まー、法律的なアレで外ではあんまりお披露目できないけどな。はぁー、ほんとあの後手後手の個性法律にはうんざりだよ。……おっと、車動き出した。じゃあな、早く帰るんだぞ、まどか。』
「うん、じゃあね、ママ。」
そこで、電話は切れた。
まどかは、なんとも言えない顔で感想を言った。
「いつものママなのに……個性なんて全然馴染みが無いことを話してた。」
「そうね……なんというか、元の世界に『個性』がミックスされた世界、という感じなのかしら?」
「つまり……個性に関わらない部分は元通りってこと?ならいいんだけどなあ」
「……あ、というか帰らないと。じゃあみんな、またね。」
「一応みんなで送りましょう。その、まどかのお母様の言っていた
「そうだね、ほむらちゃん……じゃあみんなでお言葉に甘えて、みんなで一緒に行きましょう。」
そうして、この場はお開きになった。私達はそのまままどかの家に行った。詢子さんは私達5人が押しかけてきてちょっと驚いていたけれど、ちゃんと私達を心配しれくれた。
「へー、君たちが最近まどかが話すお友達のみんなかあ。よろしくな。……あ、そうだ。
という感じだった。
そうして私たちは、あのループ中の激動の日々に負けず劣らずの精神的疲労を抱えつつ帰宅した。私はいろいろ考えることが多くて、この日は泥のように眠ってしまった。
◇
一週間後、私達は再び集まった。前回はマミさんの家だったので、今日は私の家だ。……別に順番である必要はないけれど。
ちなみに、マミさんは百江なぎさを連れてきた。彼女には、一通り事情を話したらしい。普段はマミさんがなぎさの面倒を見ているようだけれど、今回の件ではなぎさから個性やこの世界に関する常識を教わることが多かったようだ。そのなぎさは今、元気にチーズを食べている。
そして開口一番、マミさんが言った。
「……なんというか、思ったより何とかなりそうよね。」
「ですよね。」「だな。」「はい。」「ええ。」
そういう皆は、前回ほど緊張感は無い。……私も色々この社会のことを調べたけれど、同じ結論だ。案外何とかなりそうだ。
「まず、状況のすり合わせをしたいわ。私から調べたことをいろいろ言っていくけれど、いいかしら?」
特に反論は無く、皆はマミさんに続きを促す。
「まず、ソウルジェムの穢れの問題だけれど。グリーフストーン、みんなどのくらい見つけた?私、50個くらい見つけちゃったわ。」
マミさんは、袋を取り出した。中にはグリーフストーンが大量に入っている。この量だけで、毎日魔女と戦った場合でも2か月程度もつ量だ。
「私、20個くらい拾っちゃった。」「私も、40個くらい。」「あたしも50個くらいGETしたぜ!」「……80個ほど確保したわ。」
同じく、皆大量のグリーフストーンを取り出した。……魔法少女にとって、グリーフシードやグリーフストーンはお金に近い価値を持つ。なければ死に直結し、あれば思う存分力を振るえる。魔法少女同士の売買の貨幣として扱われることすらある。それほどに重要なものなのだ。それがここまで手に入れば当然嬉しい。……少々品のない言い方をすると、現金100万を手に入れてホクホク顔の少女達という雰囲気になっていた。
百江なぎさは……袋の中身がカラに見えているのだろう。怪訝な顔をしている。
「あ、暁美さんすごいわね……ああ、時間停止を使ったのね。私は人込みで拾う動作をする勇気がないわ。」
「マミのと私の、どっちが多く拾ったんだ……?」
「あんまり落ちてるの拾う気になれなくて……。ばっちいと不安になるから。」
「洗えば平気でしょ?」
「そ、そうかなあ?」
「几帳面だなあ。私なんか見つけ次第袋に放り込んでたぜ。」
「佐倉さん、流石に洗って頂戴。」
……と、雑談のノリで皆はグリーフストーンの話をしていた。以前ならば考えられない扱いの軽さだ。
そう。グリーフストーンは、そこら中に落ちていたのだ。キュゥべえの言う通り、本当にたくさんあったのだ。正直このペースで手に入るなら、改変前よりどんどん魔法を使えるだろう。そして、これらは普通の人には見えず、触れられないためか、かなり見やすい場所にも結構落ちていた。……やってることがゴミ掃除だが、時間停止をして側溝の蓋を開けてみたら、中にかなり落ちていた。
なぜここまで沢山落ちていたのか。確かなことは分からないが、おおよその仮説は立てられる。
「……これもヒーロー活動のお陰、なのかなあ。」
「まあ、それしか考えられませんね。」
「マミ、どういうことだ?」
「ええとつまりね。この世界では、ヒーローが
「ええ、私も同意見です。……ただ、この調子だとこの町のグリーフストーンは取りつくしてしまうことになりますからね。時々遠征でもして、別の場所のものを手に入れる必要があるでしょう。」
「遠征?えっ、なに、旅行!?」
さやかが身を乗り出していった。……そういえば、このメンバーでそういうことをしたことがない。まどかも喜ぶだろうし、別の場所のグリーフストーンを集められる。やってみても良いかもしれない。
百江なぎさが顔を向けてきた。先ほどまでの話は、彼女にとってあまり関係ないうえに、彼女にとって信じがたい話なので話半分にしか聞いていなかったようだ。
「……ええ、そうね。魔女を倒す必要が無くなったから、前より時間の余裕があるもの。受験が終わったら、ぜひ行きましょう!」
マミさんが笑顔でそう言った。まどか、さやか、杏子もノリノリだ。
「よーし、ねえどこ行く?私、元の世界に無かったこのI・アイランドってところに行ってみたい!」
「わ、私はもうちょっと穏やかなところが良いな……そうだ、沖縄が良かったってママが言ってた!」
「京都とかどうよ?人が多いから犯罪も多くて、そしてグリーフストーン沢山GETできるんじゃねーの?」
「ゆ、夢が無い……」
「なぎさもお出かけ楽しみなのです!」
「……ン、ンン!」
みんなが旅行に夢を膨らませるなか、マミさんが咳払いをした。
「このお話、話し出すとそれだけで先に進んじゃいそうだから、話を元に戻してもいいかしら?」
「……そうですね。マミさんの受験があるし。でも、絶対行きましょうね!」
「ええ、必ず。それで次に、『個性』についてだけれど。」
マミさんは、一枚の紙を出した。
「みんな、個性届けがどうなっているかを確認してみたかしら?」
「はい。」「はい!」「ええ。」「してねー!」
「ちょ、ちょっと杏子。マミさんが言ってたでしょ!?」
「えー、だってわざわざ役所に行くとかめんどくさい!」
「もー……。」
「あはは、まあ別に今じゃなくても多分大丈夫ね。」
マミさんは、紙をひらひらさせた。そして、その紙には役所の書類らしく小難しいことがいろいろ書かれているが、その中に「個性『リボン』」という記載があった。
「この世界では、国民全員に『個性届け』を義務付けているようね。それで、私の『個性』がどうなっているか確認してみたけれど……『リボン』だったわ。髪の毛をリボンにして操れる、ですって。まあ確かに魔法でできるけれど……。」
「マミさん、リボンから銃を作れるのにね。過小評価だ!」
「なぎさの個性は『チーズ大好き』なのです。チーズをいくらでも食べられるのです!」
「な、なんだそりゃあ?それただの食いしん坊じゃねえか?」
「一億トンでも食べられるのです!今度やってみるですか?」
「お金が無いからやめて頂戴。……でもホント、不思議よねえ。なんでこうなっているんでしょうね。それで……みんなはどうなっていたかしら?」
そこからは、順に自分の個性がどう登録されているかを話していくこととなった。
「ええと、私の個性は『ピンク・マテリアル』。ピンク色に光るものを出せる……だって。まあ確かにそのくらいならできるけど……。」
「私は『強力治癒』。文字通り自分の傷が治りやすい、だってさ。なんか地味……」
「私は『所持物移動』だったわ。片方の手に持っているものを一瞬でもう片方の手に移動させられる個性、ですって。……時間停止を使えば大体できるわね。」
「あたしはしらねー!」
「あ、あはは……」
と、このように、自分の使える魔法を過少申告したような内容になっていた。周囲の人々からもそう認識されているらしい。
「なんというか……すごく『いい塩梅』って感じよね。」
その通りだと、私も思う。強さの面で、ちょうどいい。この世界の平均的な個性の強さだった。
「私のクラスの他の子たちの個性を確認してみたけれど、大体同じ感じの強さだったわ。」
「魔法少女の力を使えば大抵の奴には負けなそうで安心したぜ。やっぱあのオールマイトっておっさんがおかしかったんだ。」
「佐倉さん、戦う前提で話すもんじゃないでしょう……」
「ええと……アウトローにとっては戦闘は十分起こりえるし、かなり死活問題じゃないでしょうか?」
「私は心配よ、その生き方……少なからず恨みを買うでしょうし。もう止めるつもりはないけど、見ていて気持ちのいいものじゃないわ。佐倉さん……このままじゃヒーローに捕まってしまうんじゃないかしら。」
マミさんの言う通りだ。今までの杏子の生き方は、魔法少女を捕まえられるのが同じ魔法少女だけということを前提に、物を奪ったり殺したりしてきたものだ。だが……この世界の人間は、個性という魔法に近いものを持っている。個人差はあるが、特にヒーローをしている人々の戦闘能力は高い。オールマイトでなくても、プロヒーローと呼ばれる者が何人か集まったら流石に勝てないだろう。そして、実際彼らはそうして
「うーん……まあ、捕まったらその時はその時ってあきらめる。」
「えっ!?」
「まあ、今までさんざん好きにやってきたんだし、その報いが来ても仕方ねーかなって。」
「や、やめてよ!杏子ちゃん!」「やめて、佐倉さん!」
まどかが杏子にしがみつく。マミさんも声を荒げた。
「せっかくワルプルギスの夜を倒せたのに……お友達になれたのに、別れるなんて嫌だよ!これを機に別の生き方……とか、できない?」
「佐倉さん、自分をそう無下に扱うのはやめて!……私は、昔の喧嘩別れを後悔し続けてきた……って、さんざん言ってきたわよね?私は、今の佐倉さんが憑き物が落ちたみたいで嬉しいの。なのに……そんな風な別れ方をするなんて、私は嫌よ!」
「うえ、ちょ……」
……杏子は、想定以上に悲しみの反応が大きいことに戸惑っているようだった。
「杏子……その、グリーフストーン沢山手に入るのに、これ以上アウトロー生活続ける必要あるの?」
さやかも、かなり心配そうに杏子にそう聞いた。実際、彼女にこれ以上危ない橋を渡る必要性があるとは思えない。
……私は、あまりこの件に関してものを言えない。自身が窃盗犯だからだ。今後はしないのかと言われると……微妙。この世界が本当にまどかにとって安全なら盗まずに済むのだけれど……。
「……い、いや、だからって、そんなこと言われても、どうすんだよ……」
「いや、だから盗むとかそういうのを……」
「えー?じゃあお金どうすんだよ?さやかがくれるのか?」
「……いや。ごめん。でも、じゃあどうしよう、うーん……」
佐倉杏子は、おそらくまともな生活をしている自分が想像できないのだろう。生活スタイルの変化を自分の知らない方向に変えるというものは、思っている以上に大変なものなのだ。外から見ると、佐倉杏子は犯罪を止めようとしないある種強欲な人間に見えるのだろう。でも実際のところ、私としては彼女は善良よりの人間で、それでも難しいものなのだと思う。
それに……彼女自身、身元がかなり問題だ。佐倉杏子の親が、おかしな宗教を起こしてその果てに人が集まらず自殺してしまった、ということが、普通にネットに載っていた。ちなみに、杏子は行方不明扱い。幸い時間が経過しているので顔は割れていないが。新興宗教というものは、残念ながら社会からよく見られない。いわゆるカルトだと決めつける者も多いだろう。……実際、彼女は魔法少女の願いで人を集めていたのだし、カルトと言われてもあまり言い返せない。そこの娘となると、バレた場合に世間から好奇の注目を集めることは確実だ。そんな厄種をわざわざ保護するところは……ほとんどないか、あってもロクでもないことを考えている可能性が高い。元々家が貧乏だったと聞くので、保険などもないだろうし……。考えるほど、彼女がこの社会に受け入れられるのが難しいと思ってしまう。
……まあ、私は過去に彼女に世話になったループも多い。多少は助けてもいいか。
「佐倉杏子。私の家で食事とシャワーと寝る場所くらいなら貸してもいいわよ。」
「え?いいのかほむら!?」
「……度を越さない範囲で、よ?」
私の親からの仕送りも限られている。それに、彼女の為に時間停止で盗ませてあげるなんてことは流石にさせるつもりはない。
「いやー、マジ助かる、ほむら!」
すると、それを皮切りに他の皆も口々に言い始めた。
「わ、私の家にも来ていいからね?杏子ちゃん。事情を話してくれれば、パパとママも許してくれるよ。」
「まあ、私の家も多分大丈夫。……あ、でもごめん。身元は隠してほしいかも。多分お母さんが気にすると思う。……というか普通に改変前でも言ってくれれば泊めてあげたよ?」
「佐倉さん、私の家も大丈夫よ。でも、なぎさもいるから、あんまりお金は使ってあげられないけれどね。」
「……っ!」
杏子が顔を背けた。……多分泣いているのだろう。
そしてそれをさやかがからかい始める。
「あれれー?杏子、泣いてる?」
「う、うるさ、ひっ、うるさい!」
「ねーねーなんで顔見せてくれないのかなー?そのかわいい顔を見せろ~!」
「だま、おい、こら、私の前に回り込むな!」
「みーせーろー!」
杏子とさやかが追いかけっこを始めた。正直私の部屋でドタドタするのは止めて欲しいが、今回は見守ることにした。……下の階に響かないかちょっと心配だ。
「……これなら、しばらくは大人しくしてくれるかしら、佐倉さん。」
マミさんは、しみじみしながらそう言った。
「一時的には。……でも、このまま一生養うわけにもいきませんし、何か変えないといけないと思います。」
「そうね……まあ、佐倉さんの今後のことはまた考えることにしましょう。でも……みんなが助けてくれてよかったわね、佐倉さん。というか、もういい加減座りなさい。迷惑でしょう?」
マミさんが走り回る2人をリボンで拘束して、強制的に座らせた。……ついでになぎさも拘束していた。つられて走っていたらしい。
「はあ、はあ、うん……分かった。ありがとな、みんな。」
佐倉杏子の目元が赤い。……とても珍しいものを見た。彼女は基本的に悪い顔をしているか、イライラしているか、食べ物を食べて幸せ顔の3択だ。
「……話が逸れたわね。」
マミさんが、ずっと杏子に注目が集まったであろうことを気にしてか、そう言った。
……本当に逸れたな、と私は思った。
「まあとにかく。言いたかったことは……あれ、何だったかしら?わ、忘れちゃったわ、ええと「個性の強さの話だったわ。」そうそう!そのヒーローに対抗できるくらいの力はあったから、たいていの
「個性に『時間停止』を持ったという話は、ネットで調べた限り見つかりませんでしたね。……でも、この世界には同等レベルで強力な個性は存在することは確認しました。」
「……例えば?」
「アメリカのトップヒーローの個性は『
「はあ?なんだそりゃ?」
「ネットで見た動画だと、『大気は固まる』とかいうルールを作り出して、巨大な空気のバットを作り出して
「なんでもアリかよ。あーやだやだ、生まれ持った能力がズル過ぎるぜ。」
「本当にね。……だから、油断はしちゃダメよ。」
「そもそも悪いことしなければいいんだけれど……。」
「まあ、私達魔法少女が外法の塊みたいなものだし、私達はつい最近この世界に来た……来たってあってるのかしら。まあとにかく、ある程度法律を守り切れないのは仕方がないわ。その時は上手いこと誤魔化すしかないわね。」
「うーん……いいのかなあ……」
「鹿目さん、そもそも私
マミさんは、これが本題だと少し真剣な声を出した。
「魔法少女としての姿、能力は、やっぱり人前に出さないでおきましょう。」
……やっぱり。まあ当然だ。
「いいですけど、どうしてですか?」
「目立たず、平穏に生きるためよ。」
「……魔法少女の姿を見られても、個性で誤魔化せばいいんじゃないの?」
「まず……この社会、かなり個性を制御不能なものとして恐れているみたい。だから、個性の検査も結構徹底してやってるようなの。そんな中で私たちが目立ったら、当然精密検査か何かにかけられるでしょうね。そうしてもしソウルジェムが私たちの本体だと知られたら……」
……キュゥべえは、この社会、個性は、魔法少女と魔女のシステムを元に構築されたと言っていた。つまり、この世界の人々からすれば、私たちのソウルジェムは個性の根幹にかかわる代物。そんなものを内に秘めていると知られたら……どうなるか分かったものではない。
それに、魔法少女になる個性、というのも、該当する例が見つからなかった。おそらく私たちが人前で変身したら、かなり注目されるだろう。希少個性として。
「……なるほど。ソウルジェムのことを知られたら、パパとママがとっても心配するだろうし……。」
「でしょう?というわけで、人前でやるとしても個性届けにある範囲内ですること。魔法少女の姿になって、
そう、平穏だ。この世界は、改変前と比べ……私たちにとってはだが、魔女がいないという一点において、平穏なのだ、今のところは。
勿論、キュゥべえが言うには魔女はこの世界の
こういう理由もあり、私達3人は、特に反対することもなくこのまま平穏に過ごすことに同意した。
「……はあ~い。」
佐倉杏子は不満げだ。暴れられなくてモヤモヤするのだろう。長い間彼女のストレス発散行為になっていたのだから。
「まあ、今日は私からはそんなところかしら。」
マミさんからの話は終わったようだ。私からもこれ以上共有することはない。
「……よ~し。じゃあ今日はみんなで暴飲暴食パーティだあ!!!」
そういって、杏子は大量のお菓子とジュースをどこからともなく取り出した。……空いた時間、全部食べることに費やす気なのだろうか、彼女は。
「も~、杏子!太るよ!」
「へーき、へーき!魔法で何とかなるって!」
「魔女と戦う時間減ってるから絶対カロリー消費減ってるって!」
「大丈夫だって!太ってる魔法少女見たこと無いだろ!?」
「それは変身時の話で、普段は普通に太るんじゃないかな……」
「…………だ、だ、だいじょーぶ!……大丈夫だよな?マミ?」
「なんでそこでマミさんに聞くのさー!?」
そう振られたマミさんだったが。
「ご、ごめんなさい。私、そろそろ帰らないと。」
そういって、マミさんは家に帰る支度をしていた。……意外だ。マミさんはこういう時大抵遅くまで残るのが常だから。
「えー、おい!?ノリ悪いぞー!?付き合えよー!」
杏子がマミさんにしがみつく。悪がらみする酔っ払いみたいだ。
しかしマミさんは、バツの悪そうな顔をした。
「ちょっと、勉強しないといけなくて。」
「?マミさん、前はこのままなら十分合格できるって……」
「……事情が変わったのよ。」
皆は、マミさんに不思議そうな顔を向けた。
「そのね。改変があって、この世界が変わったでしょ?それで、勉強内容がかなり変わってて……特に歴史が。」
「「「あー……」」」
……確かにそうだ。授業で言うと、国語、数学、英語、理科はそこまで変わっていないが、歴史は大幅に変わっていた。世界が変わったため、歴史が書き変わったためだ。特に、超常黎明期以降に関する授業がかなり重点的だった。……これは、受験まで後数ヵ月だったマミさんには、かなり厳しいものだろう。事実、この一週間、マミさんからの連絡は少なかった。勉強していたのだろう。
「……それとね。」
「え、まだあるんですか?」
「その、私の志望先高校が……よりにもよって雄英高校になっていて。確かに地理的には近い所にある高校なんだけれどね。それで、もう願書は出していたことになっていたから今更変えられないの。……私は普通科で出してたことになっていたんだけれど、それでもなかなか……」
「ひ、ひえええ……」
さやかが怯えた声を上げていたが、さもありなんという感じだ。
雄英高校は、国内最高峰のヒーロー育成機関である。ヒーローはこの世界の誰もが一度は憧れる、と言われるほどの人気職業で、そこのトップ機関となると……それはもう、志望者数が大変なことになる。実に、その倍率は驚異の300倍、そして偏差値79というなかなか狂った数値を叩きだしている。ただし、あくまでそれはヒーロー科に限った話。雄英には、ヒーロー科のほかに、普通科、経営科、発明科があり、それらはそれほどでもない。そもそも偏差値79は勉学に限った数値ではないということもある。がしかし、普通科はヒーロー科に落ちた生徒が併願先として志望することも多いため、かなり偏差値は高い方だ……少なくともマミさんが改変前に志望していた高校よりは。
一応、見滝原中学校はお嬢様学校的に扱われており、まあまあ偏差値は高い方。だからこの中学校から雄英の普通科に入る生徒はまあまあいる。……だけれど、そういう生徒はコツコツちゃんと勉強して入るのだ。マミさんの場合、試験直前になっていきなり出題範囲が変えられてしまった状況である。正直かなりまずい。
「わ、私たちに何かお手伝いできることはありますか?食事の用意とかならできるかもしれません!」
「いいの?鹿目さん!……お言葉に甘えて、お願いしようかしら?後輩にこんなことを頼むのは情けないけれど、本当にヤバくて……」
「いいんです。マミさんにはいつもお世話になっていますから!こういう時くらいは力になってあげないと。あ、お掃除とお洗濯もやっておきますね!」
「あ、ありがとうまどかさん!私、本当に良い後輩に恵まれたわ!」
「……まどか、なんかお母さんみたい。」
「ええ?そ、そうかな?」
「将来いいお嫁さんになるよ~?私が唾つけとかないと!」
「も~、汚いよさやかちゃん。」
「受験生って大変なんだなあ……まあ私にはかんけーないけどな。」
「アンタはもっと当事者意識を持てっての!」
……なんとなく、マミさんに協力する空気になっている。まあ……魔法少女同士のよしみだ。まどかもそうしているし、私も多少は力を貸してもいいか。
「……マミさん、私の時間停止を貸しましょうか?」
「え……!?いいのかしら!?暁美さん!?」
「一日一時間程度は止められますから。……一日、40分程度しか停止させてあげられませんけれど。」
私の時間停止だが、いろいろ調べたところ、魔力の消費を無視すれば一日一時間ほどできるようになっていた。それ以上は、24時間のインターバル……具体的に言うと、盾の中の砂が元に戻るまでだ。盾の砂は、なぜか勝手に少しずつ戻るようになっている。理由は、よく分からない。当然改変の影響なのだとは思うが、なぜ私の盾がこうなったのだろうか。
そして、マミさんは本当に嬉しそうに私に抱き着いてきた。
「あ、ありがとう暁美さん!それじゃあもう今日の夜からお願いしていいかしら?」
「ええ、構いません。」
「本当にありがとう!私、暁美さんに出会えてよかったわ!受験が終わったら、必ずお礼させてもらうから!」
「……時間停止ってマジで便利だな。今度私が
「あげないわよ。」
「ケチー!!!」
「うーん、まあ当然かなあ。杏子だし。」
「なにをーーーーー!!!」
まあ、そんなこんなで、私はマミさんが合格できるまでは、毎日時間停止で時間を作ってあげることになったのだった。……結局マミさんの家にはまどかとわたし、ついでにさやかと杏子がほぼ毎日来て、にぎやかなものになった。……マミさん的にはちょっと迷惑な時もあったかもしれないけれど。
私達の協力の甲斐あってか、マミさんは雄英高校の普通科に合格。次の一年は、マミさんの居ない中学校生活を過ごすことになったのだった。
・百江なぎさ
叛逆を踏襲して、マミさんと同居設定。多分虐待中に家を出たところをマミさんに拾われた。
・グリーフストーン
12話の最後で出てきた四角いアレのつもり
ちなみに、グリーフシードしか手に入らない世界線も考えましたが、かなり高頻度で
・佐倉杏子
君ヒロアカ世界で将来どうすんの……?
・マミさん
出久と同年代ではなく、一つ上。
・偏差値79
流石に勉強の成績だけの数値ではないと思う。試験は戦闘の方が重要視されてる感があるから、ペーパーテストの方は足切りか、かなり圧縮して算入、という感じだと思っています。
偏差値の計算も、多分ヒーロー養成学校が大体体を使う試験をしてるから、体力テストとか個性の強さを測る試験があったりするんじゃないかなあ……。
早くヒロアカキャラ出したい……