この話は既存のさやか治癒編のエピソードを、必要部分以外削った後のものになります。
違和感ないようにしたつもりですが、あったらすみません。
「治癒に関して、今日の分をお願いしてもいいでしょうか。」
「……ああ、そういうこと。飯田君のお兄さん、か。」
とある日、いつものように呼び出されたさやか。
今日は何が何でも予定を外さないでほしいとしつこく念押しされたのだが、部屋に入ってその相手を知り、納得した。
同室には目良、付き添いらしき飯田、緑谷がいる。そして、隅の方で目立たないようにちょこんと中年の細い男性がいた。
「ええっと、そっちは……」
「……ああ、私は八木俊典という者だ。その、恐縮ながら、明日治癒をお願いすることになっている。」
「…………そ、そうですか。じゃあ、さっそく」
「あ、待ってくれないかい?美樹少女。」
一仕事するかと体を伸ばしながら立ち上がる美樹さやかを、八木は手の平で止めた。
「なんですか?」
「私より彼の方が重症だから……明日でいいよ。だから、先にインゲニウム……飯田少年のお兄さんを先にお願いできるかな?」
「えっと、いいんですか?」
「あー……まあ、はい。それで問題ありません。」
目良も同意する。
ただし渋々といった様子だ。飯田天哉は、なぜこの八木という人物をそうまでして治癒してほしいのかと一層不思議に感じた。
「……っていうか、なんでこの八木っていう人、ここにいるんです?明日なのに。」
「実は、予定が立て込みすぎるので、あなたの体が大丈夫ならもう少し連続でできないかなという話が出ていまして。ただ……」
「……目良君、何度も言っているじゃないか。彼女の体に負担がかかるようなことは、やめるべきだ。」
「と、このように本人が拒絶しているわけです。つまりいろいろとゴタついた結果ですので、お気になさらず。」
ともかく、いよいよ兄が治癒されるのかと喜びを見せる飯田天哉。しかしさやかは腕組みをして少し唸っていた。
はやる気持ちを抑え、飯田天哉は問いかける。
「……どうしたんだ美樹君。その、早く治癒を……」
「いや、思ったんだけど、二人まとめてやっちゃっていいですか?」
「え?」
最も驚いた顔をしたのは八木だった。
「しかし、一括となると君の体に負担がかかるのでは?私は時間を置くことを想定していてね。」
「えーとですね。一日一人って言うのは私の個性の詳細が分からないからとりあえず様子見でそのくらい、って感じなんです。つまりまあ、万が一のため、みたいな?でも私の感覚的に二人くらい大丈夫だと思います。」
そんなことが……と、八木は本当に驚いた様子を見せた。さやかにとっては、もはや他人が自分の個性のすごさに驚くなど慣れっことなってしまったので、特に反応を返さない。
「それは……そうならばいいのだが、他の問題はないのか?例えば、規則的な面で。」
「別に……いいですよね?目良さん。」
「あー……失礼、ちょっとお待ちを。」
目良は少し考え込んだ。
持っていたスマホでどこかに通話を始める。一分もすると、通話を切った。
「問題ありません。昨日と今日の分をまとめて、という扱いにしておきます。」
「よかったあ。ほんとこういうのめんどくさいですよね。じゃあやっちゃいますよ!」
さやかの足元から青い光が放たれ、一瞬光に包まれる。その眩しさに全員が一瞬目を閉じ、開けた次の瞬間にはさやかは魔法少女の姿になっていた。
「……えい!」
いつの間にか手に持っていたサーベルを床に刺す。目を閉じ、何か祈るような体勢になる。部屋全体の床に楽譜を連想させる魔法陣のような何かが現れ、音符のようなものが現れては消える。
しかし異変が起こる。さやかの顔に大粒の汗が浮かび始めたのだ。表情は苦悶を表している。
「……な、なんかすごい疲れる、ナニコレ?」
「だ、大丈夫ですか!?無理はしないでください!決して!」
目良が慌てて駆け寄る。何かできるわけではないが、ひたすら心配という感情に突き動かされていたようだった。
「八木さんの方にすごいエネルギー持ってかれるんですけど!?う、おおおおおおおお!!!!!」
八木に対抗するように光は一層強さを増す。そしてついには誰の目も開けられないほどに強くなった。
それが数十秒すると、急速に光が収まりだす。
「はー、はー、はあ。なんでこんなに疲れるの……ちょっと誰か、飯田君飲み物……」
「オレンジジュースがあるぞ!大丈夫か美樹君!?」
「平気じゃないけど、すごい疲れただけ。なんなのあれ……」
「す、すまない美樹少女。私のために……」
ストローからジュースを飲み干し、容量の半分程度になったところでようやくさやかの息切れは収まる。
渡されたオレンジジュースを眺め、気を落ち着かせるためにも会話を始めた。
「……ていうか、これ飯田君の飲みかけじゃないよね?」
「なっ!?ち、ち、違うとも!未開封かつ新品のストローだ!」
慌てる飯田を愉快に思いつつ、さやかは飯田天晴と八木俊典の様子を確認した。
「そっか。で、二人とも……体の方はどうなんですか?」
「!そ、そうだ兄さん!」
飯田天哉は跳ねるように立ち上がり、兄の元へ向かう。
飯田天晴はいまだ車いすに座った状態だ。兄に視線を合わせ、天哉は今までの人生の中で最も力を入れて兄の挙動を注視する。
「兄さん……体の方はどう、だ?立ち上がれるかい?」
「天哉……俺は……」
天晴は手で車いすの手すり部分を強く握りしめ、ゆっくりと足に力を入れる。
そして、天晴は「脚に力を入れる」ことができることを発見した。
「……た、てる……!」
「兄さん……!」
彼の足の角度が、90度から徐々に180度へと近づいていく。
さやかにとっては見慣れ始めた奇跡だが、飯田天哉にとっては生涯忘れられない景色だ。
天晴は慎重にスリッパを履かされた足を動かし、車いすの足置き部分から床に動かした。
両足ともそれを完遂し、床に足を付ける自分をまじまじと見つめる。
天晴は、万が一うまくいかなかったときに彼女に八つ当たりしないように、必死に過度な期待をするなと心を締めてきた。それを解き、自分の状態を確信した瞬間、彼の目から感情があふれ出す。
「俺は……俺は、また、立った!歩いた!」
「おおお、おおおおおお……!!!」
足をわざとらしく上下に動かす天晴。多少のぎこちなさはあったが、少しリハビリをすれば健常者と同じ動きができることは明白だった。
ブルンブルンという祝砲のような音を腕のエンジンから出す。そして、ダラダラと流れる涙を拭うことなく、力強く宣言した。
「インゲニウムは、復活した!!!」
「にいさああああああん!!!!!!!」
兄弟で抱き合い、人目も憚らず子供のように二人で泣きじゃくった。
ここにいる誰もが、その様子に暖かいものを覚えていた。口々に「おめでとう」と言い、拍手する。
しばらくそれが続くと、飯田兄弟はさやかの方を向く。そして手をハンカチでよく拭いてから、片方ずつその手を握った。
「ありがとう!本当にありがとう美樹君!兄を治してくれて!これで、兄弟そろって走るダブルインゲニウムの夢が叶う!本当に、なんとお礼を言ったらいいのか!」
「俺からも言わせてくれ。本当にありがとう美樹さん!君は、俺たち兄弟を、インゲニウムというヒーローを救ってくれた。この恩は一生かけて返す!」
「い、いいですよそんな。二人の苦労に比べれば私がしたことなんて……」
「そういう問題じゃあ……いや、今はただ謝意を言わせてほしい。ああ、報酬はきちんと支払わせてもらう。それと、困ったことがあったら俺の事務所に言ってくれ。可能な限り助けさせてもらう。」
「しょ、正直報酬は……その、知ってる人からお金とるってちょっと……」
「何を言っているんだ美樹君!親しき仲にも礼儀あり、だ。大切な友人である君にこそ正当な謝礼を出すべきだろう。」
「そ、そんなあ、えへへ……」
「私からもいいかな?美樹少女。」
まんざらでもなさそうに感謝を受け取る様子のさやか。
そこにもう一人の対象者、八木俊典が歩み寄る。
「あ、はい、ってうおお!?」
彼は直角に腰を曲げ、さやかに頭を下げていた。指先までピンと伸びていて、全身から礼という感情が伝わってくる。
「私からも、本当にありがとう。私の場合は具体的な変化が分かりにくいが……それでも、さっきまでとは感覚がまるで違う。血の巡りが良くなったような、体が軽くなったような。良い影響があったことは間違いない。これで私は、これからも……私の仕事で、世のため人のために尽くすことができる。私を心配してくれた人々も、いくらか安心してくれるだろう。」
「……よくわからないですけど、お仕事が好きなんですね?」
八木は「仕事か。」と軽く笑った。
「まあ、そうだね。私は私の仕事が大好きさ。……そして、すまない。君にはこれまで多大な迷惑をかけた。割り込みの件もそうだが、今日君には治癒の際に予想外の負荷がかかってしまったようだ。本当に済まない。」
「そんなに大事じゃないですから、もう頭を上げてもらっていいですか?なんか首がつらそう……」
「首の痛さなんて、君にかけてしまった迷惑に比べたらどうってことないさ。それに加え、私は多くの隠し事を君にしてしまっている。人にものを頼む立場なのに。」
「あー……まあ、いろいろ事情があるんだなあとは思ってました。」
「……その通り、本当にいろいろと事情があるんだよ、私には。そしてそれはまだ君には言えない。本当にすまない。けれど、私が仕事を引退したときには言えると思う。だから、その時に必ず」
「も、もういいですって!ほら頭を上げて!」
さやかは彼の頭を無理やり上げさせた。
八木の清々しさと感謝があふれ出る笑顔が現れた。
「……ハハ、すまないね。君はあんまりこういう話に興味がなかったか。」
「ないですって。ほらもう……みんなが元気になって私もうれしいです。それでいいですから。」
「美樹少女……改めて、ありがとう。君は私のヒーローだ!」
「ヒー……!?あ、いや、どうも……」
八木は再び頭を下げ、何か言われる前に戻す。
「私のヒーローだ!」の部分で緑谷はさやかに対して少しだけ羨ましそうな表情を見せた。しかしこれは単なる嫉妬だと自分に言い聞かせ、表情を無理やり元に戻した。
そして元の位置に戻った。それを見計らって、目良が話を先に進める。
「飯田少年、いやインゲニウムのふたり、ですか。」
「え、僕、ですか?」
自身の呼び名に驚いた飯田天哉は、いいのかと兄を見る。飯田天晴は、弟の視線を優しく受け取り手でグッドサインを作った。
「君達には積もる話があるでしょうし、お兄さんは今一度身体検査を受ける必要もあるはずです。どうでしょう、この場はひとまずお開きということで。私からはこれ以上用件はありません。」
「ああ、わかりました。さあ兄さん、父さんと母さんにも連絡を!」
「ああ、そうだな天哉。ああ、美樹さん!今回の件は本当にありがとう!また後日改めてお礼を言わせてほしい!」
「いやもういいですって……」
さやかは呆れ気味に手を振りつつ。出ていく二人を見送った。
◇
普通科の授業が終わり、部活動に行く生徒や帰宅する生徒が教室を出る。さやかがそんな彼らを名残惜しそうに見送っていると。
「ええと……ああ、いた。」
「あれ、相澤先生?」
「二人とも、少しいいか。」
鹿目まどかと美樹さやかに向かって、相澤消太が声をかけた。
「私も付いて行っても?」
そこに暁美ほむらがぬるりと声をかけた。まどか関係の口出しの速さに、周囲にいたクラスメイトは毎度軽く引いている。
「君は……まあ、直接的に関係ある話じゃないが、親しいようだからな、いいだろう。ついてこい。」
いつぞやのように説明もなく二人を連れ出す相澤。
しかし今回、彼は道すがら時間を惜しんで説明し始めるということは無く、無言だった。正確には、相澤が電話で誰かと話してはいたが、二人に話しかけることは無かった。もともと不愛想な彼が無言であることで、3人は必要以上に圧を感じてしまう。
連れてこられたのは校長室だった。緊張しつつ3人が入室すると、そこには根津校長が自慢の体毛をブラッシングしていた。
3人に気が付くと、彼はブラシを机に置く。
「おお、来たね。まあお座り。緊張することは無いよ。」
「し、失礼します。」
客人用の高級椅子にそっと腰を下ろす3人。その向かいに根津と相澤が腰を下ろす。
「さて、わざわざ校長室に呼び出して悪かったね。」
「い、いえ。全然大丈夫です。ええと、一体何でしょう?またさやかちゃんのことで問題が……?」
「安心したまえ、今回は悪い話じゃない。早速本題だけれど。鹿目まどか君に美樹さやか君。合宿に興味はないかい?8月の―――の期間だ。」
さやかとまどかは顔を見合わせる。
「合宿……ですか?ええと、担任の先生から修学旅行の話なんて聞いてないんですけど……」
「普通科の修学旅行ではないよ。ヒーロー科の生徒たちの林間合宿が予定されているんだ。」
「あー……たしかA組の、三奈たちが言っていたような。試験の結果が悪いと補習地獄で合宿いけないー!って。」
「ああ、一応言っておくと、合宿にはヒーロー科全員で行く。その話はやる気を引き出す合理的虚偽だから気にするな。」
「うん……?ん?え、虚偽?」
相澤は軽く流したが、それは冗談で済ませてよい話なのかと違和感を彼女たちは持った。
「それで、君たちを招待する理由なのだけれどね。」
「なんかさらっと流されたような……」
「一番の目的は、美樹さやか。君のためだ。」
「私の……?」
「端的に言えば、君の精神的疲労を心配している。俺たちとしても可能な限り手を尽くしているが、それでも限界が来てしまっている。」
「あれで……?あ、すみません、私が守ってもらっている立場なのに……」
時々、以上の頻度で来る治癒関係の面倒ごとを頭に浮かべ、失礼な感想が口に出てしまうさやか。慌てて口を押さえる。
それを見た相澤は、特に表情を変えることなく続けた。
「いや、気にするな。君はよくやっている方だと思っている。プライベートに影響が出て周囲に色々言われてしまっているだろう?普通の高校生ならばもう少し感情を表に出してしまうだろうと予想していたが……君は俺たちの都合も考慮して動いてくれている。ありがたい話だよ。」
「……は、はい。」
「相澤君の言う通りさ。そもそも害意のある存在から子供たちを守るのは我々ヒーローの、大人の役割さ。それが果たせず、申し訳ない限りなのさ。」
「えっと……どうも。」
煮え切らない返答。鹿目まどかもそれとなくすっきりしないという表情だった。やはり実際に被害を受けているという現実から、ヒーローに対する信用が無いのだろうと、相澤と根津は気を引き締める思いになる。
「それでなんだけれどね。君にはリフレッシュが必要なのではないかと思ったんだ。一度治癒の件を忘れて、友達同士と話す機会を設けた方が君のためじゃないかと思ってね。」
「おお……おおお!いいですね!合宿、私めっちゃ行きたいです!」
さやかは目を輝かせる。彼女にとって、A組の生徒はクラスメイトと同等以上に付き合いが多くなっている。心理的な距離はもはやほぼ全員が親友と言って差し支えない程だ。
「遊びに行くような催しじゃないぞ。もともと、ヒーロー科生徒の能力向上のための行事だ。一緒に来るからには、君にも訓練に付き合ってもらうことになる。個性のことも、もう一度調べ直したい。」
「それでも全然いいです!やった、私高校で修学旅行二回も行ける!あ、そうだ。まどかも連れて行っていいですか?」
「ああ。交流があるとはいえ、周りがヒーロー科生だけというのも肩身が狭いかもしれん。君の個性に関しても、今一度調査が必要だと思っていた。構わんぞ。」
「いいんですか?私も行きたいです。ぜひお願いします!あ、そう言えばほむらちゃんは……」
まどかは、ほむらを恐る恐る横目で見た。
ほむらは平静を保っているように見えるが、膝の上に置いている手の指が少し白くなっていることにまどかは気が付いた。
「すまんな。流石に君たちのような特異な個性を持っている人間に限らせてくれ。こっちにもキャパシティというものがある。そういう訳で、暁美ほむら。悪いが君の参加は断らせて欲しい。君たちの仲の良さは知っている。心苦しい話だが」
「仕方がありません。私は合宿に行かない、ということでいいです。」
「……そうか。理解してくれて助かる。」
意外にもあっさり引き下がったほむらを、相澤と根津は妙に思った。
行き過ぎともいえるほどに鹿目まどかにくっつきたがる暁美ほむらのことは把握しており、だからこそ説得に骨を折るのではと予想していた。
返答するほむらの声は少しだけ震えているように感じられたが、確たる意志での返答であることは間違いなかった。
山場と予想していた話が簡単に終わり、根津と相澤は安心して話を進めることができた。
「それともう一つ、了承してほしいことがあるんだ。合宿場所なんだけれど、当日まで教えられないのさ。」
「えーと……どうしてですか?」
「近年の
「あー、なんかテレビで言っていたような気がします。」
相澤は彼女の社会への無関心さに少しだけ眉をひそめた。ヒーロー科生徒相手ならば反省文を提出させているところだ。
「……君は当事者だったのだから、もうちょっと関心を持って欲しかったというのが本音だけれど、まあいったん置いておこう。そのせいで
「まあそういうことなら……分かりました。」
スムーズに話がまとまり、その後は細かい注意事項の説明、質疑応答の時間となった。
その間、根津と相澤は少しの罪悪感を覚えていた。
二人は嘘は言っていないのだが、一部明確には伝えていない事実があるからだ。
(今回世話になる予定のワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ。そのメンバー、ラグドールの個性は「サーチ」。彼女の個性ならば、彼女たちの個性に関して分かるかもしれない。個人の秘密を暴くような真似かもしれないが……彼女たちに『何か』をして個性を与えた存在が想定される以上、もはや彼女たちだけの問題ではないからな。他にも彼女たちのような存在がいるかもしれん。)
体育祭やステイン事件以降、まどか達はたびたび個性についてきちんと調べるように何度も言われている。
だが、彼女たちは積極的ではなかった。法律で義務付けられている検査などはするのだが、それ以上はしない。相澤は信頼できる相手を紹介すると言っているのだが、彼女たちが頼りたいと言い出したことは無い。大抵の人間ならば、自分の個性のコトなのだから喜んでお願いする機会だ。
面倒だから自費で受けてくれと言いたくなることもあった。しかし、個性を用いた検査などは大抵有料サービスであり、かつ緊急性の高い者が優先される。個性単体で見れば困っているように見えない彼女たちに「もっと検査をちゃんとしろ」とは微妙に言いにくい事情があった。
相澤の直感では彼女たちの個性に関してはコストをかけてでもするべきと判断している。ラグドールに会うことができる合宿は都合の良い機会だと考え、ヒーロー科の生徒と行くことを推奨したのだった。
「……説明するべきことは大体以上かな。もう質問は無いかい?」
「えっと、はい。大丈夫です。」
「何かあったら雄英の先生方に連絡するんだよ。」
「わかりました。」
「それと……なんだけれどね。」
根津は一杯の茶を啜って、息を整えた。
「君たち、個性に関しては……私たちに喋ってくれるつもりは無いのかい?」
真っすぐに見つめる根津の視線に、彼女たちの表情が少し引き締まった。
「えっと……どういうこと、ですか?」
「本音を言ってしまうとね。私達雄英のヒーローは、君たちの個性が普通の起源を持っているとは考えていない。普通の起源というのは、親から受け継いだか、突発的に発現したという意味さ。個性はもともと後者が起源だけれど、遺伝することから現代人で圧倒的多数なのは前者だね。」
「……偶然、すなわち後者では何かおかしいのですか?」
ほむらがどこか不満そうにそう訊き返す。
表には出さないが、根津と相澤は個性のことが明らかになっても、少しもほむらと二人の距離感に変化が無いことを察していた。普通ならば、彼女たちのような強力な個性が発覚すれば、大なり小なり人間関係は変化してしまう。しかし暁美ほむらはそうではなかった。
あらかじめ2人の真の実力を把握していたともみえるしやはり彼女もなにか能力を隠しているのではという疑いは持っているのだが、証拠がない以上は突っ込めない。治癒の件で忙しい彼らは、他のことにコストを割ける状況ではないのだ。
「まあ確かに、偶然だということを否定できる証拠は何もない。がしかし、昔からの友人同士だという君たちが似たような強力な個性を持っている。客観的に見て、怪しまれることは当然。それくらいは分かってくれるか?」
「そう……ですね。私が先生の立場だったら何かありそうだとは思います。」
まどかは、仕方のないことだと同意した。
「理解してくれて助かるよ。……ところで、暁美ほむら。君はどうなんだ?君は中学からの付き合いだそうだが、君はこの二人のように何か個性を隠していたりしないのか?」
「していません。ただし隠していないという証拠は出せません。」
「まあその辺は悪魔の証明だ。深く突っ込むつもりはない。ただ、俺たちが言いたいことはな。厄介ごとは君たちの中で抱え込まず、周りに相談してほしいということだ。」
これは本心だった。
相澤をはじめとする雄英の教員たちは、彼女たちの意思決定にヒーローの意見が取り入れられなさすぎ、という心配をしていた。
この年頃になれば、大人に対して反抗的になることは珍しいことではない。だがしかし、さやかの治癒関係の問題も、彼女は最初にまどかやほむらに相談する傾向があるのだ。
治癒の問題は、どう考えても彼女たちの手に負えない大きすぎる問題。しかし、それでもさやかはまず二人、次いで周囲のクラスメイトに相談し、そこで解決せず「ヒーローたちに相談してみたらどう?」という助言を受け、そうして初めて大人に頼る、というプロセスを毎回踏んでいた。
彼女たちの仲の良さの表れと受け取ることもできるだろう。しかし、何度もこのような光景を目にすると、自分たちが信用を無くしてしまう行動をとったのかと流石に心配になってしまう。
本人にそれとなく聞いてみても「い、いえ!ヒーローの皆さんは頑張ってくれていると思います!」という答えが返ってくるのだが。
いったいなぜ、彼女たちはヒーローに頼らないのか。無理に聞き出すようなことではないが、どうしても興味が惹かれるのだ。
「……必要になったら考えさせてもらいます。」
今回答えたのは暁美ほむら。彼女たちと同じ目線に立つであろう彼女からの回答は、二人への信用度を測ることが困難なものだった。
おそらくは、信用度を教えたくない、という回答なのだろうと相澤と根津は感じた。
◇
私の家で、まどかとマミさんが一緒に、四苦八苦しながら書いていた。机にある手紙の下書きを3人で覗き込んでいるので、空間的に狭苦しい。
その下書きには、マミさんとまどかからの指摘がごちゃごちゃと重なっている。
「もう!これじゃだめよ暁美さん!」
「ほむらちゃん……もう一回一緒に考えよう?私も手伝うから。」
私は少しだけうなだれてしまう。二人とも励ましてはくれるけれど、私の文章がおかしくないとは言ってくれなかった。
何の文章を書いているのかというと、オールマイトを始めとするヒーローに協力してもらうための手紙だ。
不安、不満は色々とあるけれど、8月の指定した日の戦いには、ヒーローに協力してもらうことにした。
それで誰と協力するか、という話になったけれど、これはすぐに決まった。当然オールマイト。せっかく最強のヒーローが雄英にいるのだから協力してもらおう。
まどかとさやかの林間合宿の話に同席できたのは幸運だった。林間合宿の予定も、これまたAFOが指定した期間に被っている。つまり、指定期間のオールマイトの行動予定がある程度知ることができたのだ。
いわく、オールマイトは林間合宿に来ないそうだ。なんでもあの人は目立つから……ということらしい。分かるような分からないような理屈だけれど、ともかく本人はフリーである可能性が高いといえる。
そこまではよかったのだけど、次のステップが問題だった。オールマイトにどうやって協力してもらうのか、だ。こちらのことを話して協力するのは正直怖いので、正体を隠した形で共闘するのが理想。だけれどそうすると、向こうも怪しんで正体を暴きに来るのではとマミさんは言った。
いろいろ話し合った結果、学校にいる間に時間停止で手紙を胸ポケットにでも入れればいい、ということになった。電子メールなら発信元を辿られてしまうだろうけれど、アナログな手紙の形ならこちらのことはバレないだろうと。
「手紙一枚で呼びかけるなんて向こうに失礼じゃないかしら……」と心配するマミさんだったけれど、後でいくらでも謝ればいいと私は反論。ともかく大筋はその方向になった。
ここまでの話を昨日までにして、今日は細かい部分を詰めようという会を私の部屋ですることになっている。
というわけで、マミさんとまどかが来る前に、私はさっとその手紙をPCで書いて、印刷して、封筒に入れておいた。
別にこれ以上何もないだろうと考えていたら、何かを察知したマミさんに「……念のために、暁美さんの書いたお手紙を見せてくれないかしら?」と言われたので、見せた。
「一緒にAFOと戦って欲しいです。8月の―――の期間に奴が居る場所を知っています。
了承してもらえるなら、3日後の―――の時間に、オールマイト事務所正面玄関の机にお返事を置いてください。」
了承してもらえるなら、なんて書いたけどAFOはこの国最大の
しかしこれを読み終えた直後、マミさんは「……確認してよかったわ!暁美さん、一から書き直しましょう!」と叫んだ。まどかもなぜか残念そうな顔をしながらマミさんに同意しているようだった。
そして今は、3人で一緒に文章を考えている。というよりも、二人からの一方的なダメ出しの時間だった。
「暁美さん、もっと、もっとちゃんと書かないとダメよ。ほら、まずは「私はヒーローの味方です」って書かないと。」
「……内容からわかるでしょう、そのくらい。敵だったら『AFOを一緒に倒しましょう。』だなんて言いません。」
「そうかもしれないけれど、それ以前にイタズラだと思われるわ。こんな紙一枚じゃ全然心がこもっていないもの。私だったらちょっと疑ってかかっちゃうわよ。」
「……まどかはどう思うの?」
「ごめんほむらちゃん……流石にパソコンで印刷した2行のお手紙じゃ分かってくれないと思うよ。せめてもうちょっとちゃんとした封筒を使おうよ。」
使っているのはその辺のコンビニで買った封筒。……他に何を使えと言うのだろう。こういう時に使える高級な封筒でもあるのだろうか。
……ともかく、まどかにまで残念がられたのは私にとってもショックだった。
「そんな……まどかまで……」
「暁美さんは言葉足らずなのよ!一応知らない相手に説明するのだから、もっと詳しく説明しないといけないわ。」
「必要な情報は全部入れていますよ。他に何かありますか?」
「うーん……何といえばいいのか……あなたのことを信じてもらうための情報が何もないのよ。」
「そんなこと言われても……」
正体を隠す時点で、信用も何もないと思っていたけれど、どうにも違うらしい。
「あ……そうだマミさん!確か、相手にものを伝えるには5W1Hが大切、って聞いたことがあります!」
「そうね、それがいいわ。さすが鹿目さんね。ええと、いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どうやって……だったかしら。」
「このままだと……「誰が」、「どうして」、「どうやって」……が、無いんですね。」
なるほどと思いつつ、私はまどかの説明を聞く。
「どうして……そうね。AFOをどうして倒したいのかはちゃんと書かないといけないわ。どうやって、も……もうちょっとこっちの個性、というか能力のことを書いた方が信用されるわね。このままじゃ単なる一般人がお願いしているだけに見えてしまうもの。」
私の時間停止のことをどうやって伝えればいいんだという不安はあるけれど、聞いてみるとマミさんの言う通りだと思ってしまった。
「残りは、ええと……「誰が」かな。」
「……暁美さん、元の文章だと名乗りすら書いていないじゃない!もう、とっても失礼よ?」
「すみません……」
なんだっけ、確か……「名前を出すのはリスクだからとりあえず何も書かないでおこう」としてしまった覚えがある。
確かに差出人の名前を書かなかったのは、手紙として不自然だったかもしれない。
……でも、そうすると問題が一つ。
「差出人の名前、なんて書けばいいんですか?」
「それは……ううん、確かにどうしましょう。」
「流石に私の名前をそのまま出すわけにはいきませんよ。」
この私の意見には二人とも同意してくれたみたいで、うーんと頭を悩ませている。
「名前……かあ。ほむらちゃんの第二の名前、ってことだよね。」
まどかは名前ということでかなり真剣に悩んでくれているようだった。
その気持ちはとっても嬉しいけれど、正直偽名なんて相当におかしなものでなければ何でもいい。
「まどか、気を遣う必要は無いわ。イニシャル取ってAHでいいじゃない。」
「え、え~?もう少しちゃんとした名前にした方が良いんじゃないかな?名前っぽくないよ。」
「……そうかしら?」
「暁美さん。戦いの途中で名前で呼び合うこともあるかもしれないわ。AHはちょっと発音が難しいし、略しにくいわよ。それにこれ、意地悪な読み方ができてしまうわ。」
「…………ああ、なるほど。止めておきましょうか。」
「……そうなんですか?」
私も言われるまで気が付かなかったけれど、「アホ」と読めてしまう。……というか、私の苗字と名前を繋げるとアホと読めてしまうのか。嫌な気付きを得てしまった。
まどかは首をかしげているようだけれど、これは気が付かなくていい類のものだろう。
「じゃあ英語圏に合わせてHAでいいわ。」
「そ、それも呼びにくいわ。それに略すと……『ハッ!』って感じなっちゃうわよ。」
「プ、フフ……!」
マミさんの言い方が結構感情がこもっていて、まどかが噴き出した。
「マ、マミさん結構元気な読み方するんですね。」
まどかの感想を聞いたマミさんは、少しだけ顔が赤くなった。
「茶化さないで頂戴……それで、結局どうしましょうか、暁美さんの偽名。」
「やっぱりちゃんと名前らしい名前にしましょうよ。ほら例えば……お花の名前をなぞってみるとか?ほむらちゃん。好きなお花はある?」
「ええと……彼岸花?」
何故彼岸花が出てきたのだろう。自分でもよく分からない。
……でも、彼岸花は上品な感じがするし、見ていて落ち着く気がする。
日本では生死を連想させる花だから、もしかしたらまどかは嫌がるかもと一瞬思ったけれど、実際は嫌悪感などは無いようだった。
「す、すごいチョイスね。ええと……彼岸花は学名Lycoris、英語だとSpider lilyね。……Homulillyなんてどうかしら。」
「おお……いいですね。なんか大人な感じがしてかっこいい気がします。」
「じゃあ、私の偽名はHomulillyということで。」
特にこだわりもないので、これで決まりとなった。
書いている手紙の末尾に「Homulilly」の単語が綴られた。
「ねえ暁美さん。話していて思ったのだけれど、あなたどういう格好で戦いに行くのかしら?」
「恰好、ですか。」
「ほら。暁美さんオールマイトと直接会ったことがあるのよね。顔を隠さないとバレると思うし、恰好も普段のものとは変える必要があるわ。」
「……そう考えると、声も変える必要がある、かもしれませんね。うーん、正体を隠すのって考えることがいっぱいあるなあ。」
顔と服装のことは頭にあったけれど、声を変えるのは思い至らなかった。さすがまどか、だと思う。
「服装は、フード付きのマントみたいなのを着ればいいと思っていました。髪を中に入れればバレないと思います。声は、魔法で変えます。……こんな風に。」
「!?……ちょっとびっくりしちゃった。」
「人間じゃないみたい……ま、まあ、暁美さんとは絶対にバレないだろうから、いいのかしら……?」
化け物のものともとれる不気味さを持った私の声に、まどかが少しだけ怖がってしまった。
でもこれで、私と同定されることは無いだろう。
「でもそれだと、無駄に魔力を消費してしまうわね。」
「必要以上に声を出さないようにするので大丈夫だと思います。」
「ちょ、ちょっと。それで連携に支障が出たら本末転倒よ。必要なことはちゃんと口に出して、相手に伝えないと。特に暁美さんの場合、ただでさえ言葉足らずなのに。」
「……善処します。」
「ね、ねえほむらちゃん……こんなこと聞くのは、ちょっと無責任かもしれないけれど。」
まどかがおずおずと口を開く。
「何かしら、まどか。」
「ほむらちゃん、やっぱりヒーローやオールマイトのこと、嫌い?」
「……」
「ご、ごめんね。私大して手伝えもしないのに、こんなこと聞いちゃって。でもね、自分が嫌いな人と一緒に居るとどうしてもギクシャクしちゃうと思うの。戦いの場だったら、連携とかに影響が出ちゃうかもしれない。だから、ほむらちゃんの気持ちを確かめたいなって。」
……確かに、相手への好感度で動きに支障が出るかどうか、というのは重要な問題だ。ここは、まどかの言う通りはっきりさせておくべきだろう。
私は目を閉じて、ヒーローのことをじっくり考えてみた。
例えば普段街をパトロールしているヒーロー。トップを張る訳ではないが、まじめに仕事はしている、いわばボリューム層のヒーロー達。
彼らのことは……いまだに苦手だ。
彼らヒーローは、確かに一般市民にとって必要な存在だと思う。その在り方に多少疑義はあるけれど、治安維持などには確かに役立っている。個性犯罪、個性災害に対処する意味で、彼らの力は必要だ。税金泥棒と呼べるような存在ではない。
でも、どうやっても好ましく思えない部分がある。まるでフィクションのように、仰々しく振る舞う。表現が難しいけれど、子供相手にショーをしながら仕事をしているような感じなのだ。芸人を兼任している……と言えばいいのだろうか。そして、それを当然のものとして人々は称賛し、熱狂する。そんな人々の態度を、ヒーローも当然だと思っている。
小さい子供ならともかく、いい年した大人が何をやっているのだろう。そういう行為を見るたびに、「いいからさっさと仕事を進めて頂戴。」とでも言いたくなってしまう。……いや、彼らはああ見えてテキパキ仕事を進めているらしいから、そういう文句も言えない。けれどとにかく、ああいうおふざけを伴ったような態度を見ていると、私の中で暗い怒りが出てきてしまう。
そんなつもりは無いと分かっていても、どうしても「ヘラヘラ」しているように見えてしまうのだ。自分が直面した問題は全部自分の力で解決した、かのように。
しかし、今回一緒に戦うのはオールマイト、そして日本でトップレベルのヒーロー達。上澄みの彼らはボリューム層のヒーロー達とは確かに違うものを感じる。個々人によってその性質は色々ある。けれど、なんというか、本物度合いというか、おふざけではない真のヒーローらしさ、的なものを感じる。
けれどそんな彼らを好ましく思えるかというと……別の方向で違和感を覚える。
例えば、その象徴たるオールマイト。私の彼に対する印象は、「得体が知れない」だ。
時間停止を使って、オールマイトの授業風景を盗み見たり、ヒーロー活動をしている様子を観察したことがある。あれほどの功績を持つ伝説の人物。そんな人物なのだから、裏では金や権力に物を言わせて何か汚いことをしているに違いない……と思って私の方で調べてみたのだけれど、まったくそういう様子が無い。誇張抜きで、本当に汚職をしていない。
そしてもう一つ、近くで観察していて感じたことがある。オールマイトは、他人を助けることに一切の躊躇が無い。ヒーローなんだから当然かもしれないけれど、どうも何を優先してでもヒーロー活動を優先したがる。前のUSJの時だって、制限時間ギリギリまで活動していたせいで到着が遅れた、という事情があったらしい。その原因は、当然の如く人助け。制限時間が切れて、人前で真の姿をさらすリスクを承知していても、我慢できずに行ってしまった、という感じらしい。
その他、まるで人助けをするために生まれてきたかのようなエピソードがゴロゴロ出て来る。本人はそれを一切苦に思っていないようだった。
まるで私達人間と異なる思考回路を持つような得体の知れない人。それが私の持つオールマイトへの印象だ。味方であることは間違いないけれど、深く付き合うと何か致命的なところで間違いが起きてしまうような気がする。すべてを肯定できる相手には思えない。
……まあ、そうは言ってもあの
だから、私は嘘ではないと自信をもって、心配してくれるまどかに答えられた。
「オールマイトのことは嫌いじゃないわ。」
「……本当?」
「もちろんヒーローには色々あると思うわ。正直大抵のヒーローはヘラヘラしているように見えるのだけれど……」
「そ、そうなの?私が職場体験に行ったときは、みんな真剣にお仕事しているように見えたよ。」
「……ともかく、オールマイトという個人に限っていえば、別に嫌いじゃないわ。」
まどかはしばらく私の顔を見つめていた。
すると何かを悟ったのか、安心した顔になる。
「わかったよ、ほむらちゃん。ほむらちゃんが心の底からそうだって言ってくれているんだって思えたよ。」
「ありがとう、まどか。」
「……私も安心したわ。背中を預ける相手に、信用は必要不可欠よ。私からはちょっと言い出しにくいって思っていたのだけれど、暁美さんの本心が知れてよかったわ。」
「それはよかったです。」
……自分で言っていて気が付いたが、私はオールマイトと共に戦うことになる。
いや、それだけではないだろう。AFOは日本最大最悪の
そんな彼らと共闘、ともなれば、マミさんやまどかにさんざん言われたコミュニケーションをとるのが大事、というのもちょっと気になってくる。なにせ、私の個性は一切明かせない。個性は瞬間移動と言い張るつもりで、そこを時間停止と正確に説明してもあまり変わらない……と思いたい。
いや、そうか。私のことを根掘り葉掘り聞かれることは、当然するべきか。今のうちに、いろいろと『答え』を用意しておかないと。