最凶家族の盗人   作:さかなヒロシ

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アンケートは金曜日まで実施するのでそれまでは変えずにいきます
毎話毎話勢いでこんな風にしたいなーと思って書いてるので矛盾とか違和感が起きてたらごめんなさい!


桜の指輪3

「仲間外れなんてひでーなー。兄ちゃんもまぜてくれよ」

 

突如現れた凶一郎は当たり前のように会話に入ってる。自信の表れなのかその姿は確かに強者特有の雰囲気を感じられる。顔は腹立つけど。

 

「そうだ辛三!屋敷の罠模様替えしたろ?避けるの面倒で全部ぶっ壊しちゃった、ごめんな!」

 

「えっマジ・・・!?う、うん」

 

ゴミ箱に入ってる次男、辛三はこの屋敷の罠を任されてるらしい。なぜゴミ箱に入っているのかはわからないけど。

 

「一度だけ忠告するよ、凶一郎。二人から手を引きな」

 

「やだね。そいつが無害である保証はないし、六美のためにも疑わしきは罰するのが俺のやり方だ」

 

二刃は身長が低いからなのか机の上に立ちながら忠告しているが凶一郎はそんなのお構いなしと言わんばかりのようだ。

 

「文句あるなら夜桜らしく力ずくで・・・」

 

「そうさせてもらうよ。さぁ、兄妹喧嘩の時間だ」

 

二刃が凶一郎のネクタイを持ったかと思えばそのまま凶一郎ごと持ち上げた。朝野太陽も目の前の光景に驚きを隠せないようだ。これが夜桜の超人的な力ってやつか。改めて目の当たりにすると、とんでもない家族を相手にしようとしてたのかというのと、一回だけでも出し抜いてやったという喜びが湧き上がってくる。二刃はそのまま凶一郎を振り回し床に叩きつける。

 

「すっげぇ・・・」

 

そのまま拘束された凶一郎に3mの大男が腕を肥大化させて振り下ろした。床を破壊する威力が直撃しても凶一郎には大きなダメージにならなかった。

 

「ごめんな七悪、兄ちゃん忙しいから後で遊ぼうな」

 

「よけろ!」

 

二刃の声を聞いた時には既に凶一郎の反撃が始まっていた。あれは鞭のような何かか?

 

「なかなかいい連携だったぞ。だが一撃を入れた後のスキがでかすぎる。さあ訓練はあそのくらいにして朝野(そいつ)を差し出せ。じゃないと・・・この家ごと千切りにしちゃうぞ〜」

 

あの威力を見た後だと本当に家ごとぶっ壊すだろうな。そもそもさっきから糸の軌道がおかしくないか?

 

「あいつの専用武器"鋼蜘蛛”だ。あたしが防いでるうちに逃げな」

 

二刃に向かって鋼蜘蛛が襲いかかるが綺麗に受け流しながら間合いを詰めている。もう少しで届きそうというところで糸に絡められてしまった。

 

「なっ・・・放せてめぇクソ長男コラァ!!」

 

「暴れるな二刃、体ちぎれるぞ。お前の柔術も守りながらだとイマイチだなー」

 

「だったらこれはどうだ」

 

凶一郎の側頭部目掛けて不恰好な蹴りを放つ。僕はお世辞にも体格に恵まれたわけじゃないしただの盗人だ。徒手格闘で勝てるなんて不可能、それでも一瞬でも不意をつくことができたなら・・・・

 

「甘い」

 

だが寸でのところで鋼蜘蛛に阻まれた。

 

「くっ!」

 

「今はお前の相手にしてる暇はない、邪魔だ」

 

凶一郎にそのまま足を掴まれ壁に叩きつけられた。

 

「グハッ!」

 

骨何本かやられたか?致命傷にはなってないと信じたいな・・・・

 

 

 

 

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☀️

 

六美の兄妹が時間稼ぎをしてくれたけど凶一郎(あいつ)を止めることはできなかった。

 

「さぁこっちにおいで六美。そいつの返り血でお前を汚したくない」

 

六美は目を瞑り覚悟を決め歩を進める。

 

「よしよし、いい子だ。さぁお兄ちゃんの腕の中に・・・」

 

瞬間、ナイフと銃を構えた六美が攻撃を仕掛けるが

 

「おっとっと」

 

読まれていたのかゴリアテと一緒に捕まってしまった。

 

「素晴らしい変装だ、嫌五。まつ毛の数まで同じとは恐れ入るお前一人ならわからなかったぞ。だが他人に施す変装はもっと鍛えるべきだ。じゃないと後ろに化けた本人がいる(・・・・・・・・)ってバレちゃうだろ?なぁ、六美」

 

「・・・・・・ッ」

 

俺があの場にいないことも簡単に見破られた。

 

「さあ。大人しく奴をどこに隠したか言うんだ」

 

「お兄ちゃん・・・もうやめて・・・!」

 

六美がナイフを構えるのが見えた。

 

「フゥ、わかった、彼に手を出すのはやめよう」

 

「・・・・・・!お兄ちゃ━━━━━━」

 

「そしてお前を家から出すのもやめよう」

 

何、言ってるんだ・・・・

 

「外に出るから変な虫がつく。これじゃお兄ちゃん失格だ。これからはもっともっとちゃんとお兄ちゃんがお前を守ってやる」

 

「お兄ちゃん・・・!?」

 

「危ないから外には出なくていいし、ネットも危ないからスマホもいらないな。いっそお前を危険に晒す可能性のあるものは全てなくそう。学校も友達も遊びも恋愛も全てなくそう。余計なものを全て排除した安全で平和な家族の団欒・・・ああ、想像しただけで心が躍るな。お前を失いかけたあの日、この子を守るためならどんな痛みを受け入れると誓った」

 

あいつ、自分からナイフを刺した・・・!?

 

「愛しいお前を守れるなら、俺は命もいらないよ。さあ六美、彼のことは忘れて二人で平和に暮らそう」

 

「・・・うん・・・っ。わかったよ、お兄ちゃん・・・」

 

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「くっそ、何食ったらあんな化物になるんだよ」

 

手加減とも言えないほど凶一郎にとっては軽い力でもここまで怪我するとは、本当に夜桜はどうなってんだ!

 

「あんた、大丈夫かい?」

 

「これが平気に見えるなら眼科に行ったほうがいいぞ」

 

凶一郎の鋼蜘蛛から抜け出した二刃に心配されるが夜桜基準で考えられても困るんだよ。生きてるだけで僕にとっては奇跡と言っても過言ではない。

 

「むしろ凶一郎にやられて意識があるだけで大したものさね。戦いはできないって言ってたのにあのタイミングで蹴り入れようとする度胸もある。やっぱりあんた、スパイに向いてるよ」

 

「僕は盗人だって何回も言ってるだろ。それに実際に戦ってはっきりした。スパイなんてできるわけがない」

 

「そこはきちんと訓練を積んでもらうから安心しな」

 

「無理だね。事務所もあるしそんな暇はない」

 

「悪いけど事務所、というより盗みは今日限りにしてもらうよ」

 

今日限り?何言ってるんだ?ここで終わったら僕の今まではどうなる・・・積み上げてきた信頼と実績を捨てろって言うのか?

 

「だめだ・・・事務所を畳むわけにはいかない」

 

「事務所に戻ってもあんたが生き残る保証はない。だったらうちにいたほうが賢明だと思うけど」

 

「それでも!僕は何かを盗んでしか生きられない!今更生き方を変えろなんてできるわけがないだろ・・・・・・あんたにわかるか?物心がついた時には家族なんていない、金もない中で食べ物を盗んで命を繋ぐ日々がどれだけ過酷なのか。いつ捕まって殺されるかもわからない恐怖に怯える日々が・・・っ」

 

あの頃は本当に生きることしか頭になかった。不安で眠れない夜も数え切れないほどだ。それを乗り越えてやっと今の生活を手にしたというのに、僕は僕の人生を否定することになってしまう!

 

「もし盗人を辞めてしまったら僕は死んだのと同じだ。納得できないならやっぱり殺すか?」

 

「嫌なことを思い出せちゃったかな。無神経なことを言ってすまないね。だったらこういうのはどうだい?あたしがあんたに依頼をする、期限は設けない代わりに他の依頼は全て断ってもらう」

 

「・・・依頼内容は?」

 

何を言うのか予想はついた。それでも聞いたのは本人の口から聞きたかったからなのかもしれない。

 

「あたしの心を盗んでちょうだいな」

 

やはりか。確かにこれなら問題は解消される、だけどそれでは依頼としては不成立だ。

 

「報酬がないと受けられないぞ。まさかタダで依頼するなんて言わないよな?」

 

「報酬は達成した時にあんたが決めていいよ」

 

「本当にいいのか?今なら取り消せるぞ」

 

「構わないよ。この依頼、受けてくれるかい?」

 

ここまで言わせて逃げるわけにはいかないよな・・・

 

「ああ、確かに承った。『世界一の盗人』夕凪九裂の全てをかけて望ませてもらおう」

 

「これからよろしく頼むよ、あたしの夫としてもね」

 

夫か・・・・家族を知らない僕が結婚するとは思わなかったな。

 

「よろしくな、二刃さん。それとさっきは悪かった」

 

「気にしなさんな。それじゃあ早速凶一郎を止めに行くよ」

 

「それは無理。怪我でしばらく動けそうにないから待ってるわ」

 

「何言ってんだ、みんなに話さないといけないこともあるんだからさっさと動く」

 

二刃さんとともに激痛が走る体を動かして朝野太陽の元に向かうことになった。

 

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☀️

 

「六美を放せ」

 

「太陽!?出てきちゃ・・・」

 

「お前にもう用はない。家族のことに首を突っ込まないでくれ」

 

多分こいつは俺と同じなんだ。大事なものを無くすのが怖い。でも守りたいはずの大事なものにあんな顔をさせるなんて絶対間違ってる!

 

「六美、姉さんが言ってた俺とお前を守る方法、やらせてくれ」

 

「・・・・・・でも・・・」

 

「俺は大丈夫だ。いなくならないって、お前が約束してくれたから」

 

「うん・・・!」

 

六美が指輪を外して俺に向かって投げた。前に駆け出し手を伸ばし掴み取る直前、俺の体と指輪が止まった。

 

「惜しかったな。二刃め余計な入れ知恵を。だが万が一にもそんなことさせるワケには・・・」

 

俺は諦めるわけにはいかない、絶対に掴んでみせる!

 

「!?」

 

なあ六美、こんなどうしようもない俺をずっと守ってくれてありがとう。だからだからこれからは

 

「俺がお前を・・・守るんだ!!

 

この指輪は誓いだ

 

「必ずあんたから六美を守って見せる・・・!よろしくな、凶一郎義兄さん・・・!」

 

 

 

 

 

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二刃さんに連れられ他の兄弟たちと朝野太陽たちがいる部屋に入ると、朝野太陽が凶一郎の鋼蜘蛛を振り解き指輪を嵌めていた。その光景を見たみ兄妹たちは嬉しそうだ。

 

「なかなかやるじゃん」

 

「すげぇなあいつ・・・!」

 

二刃さんは凶一郎に話しかけに行った。その間に僕もやらなきゃいけないことがある。

 

「皆さん、さっきは申し訳ありませんでした。その・・・僕は家族とかわからないしスパイもできるかわからないけど、受け入れてくれると・・・嬉しい、です」

 

もしかしたら殴られるかもしれないな・・・・

 

「こっちこそ家の問題に巻き込んでごめんね。私は二刃姉ちゃんを信じてる、だから夕凪くんのことも信じることにしたの」

 

「・・・そうか」

 

「うん」

 

「ま、六美がこう言ってるんだし俺らから言うことはないなー」

 

「結果的に私らに実害があったわけでもねーしな」

 

「・・・これからよろしくな」

 

「そういえば名前聞いてなかったね」

 

「九裂、夕凪九裂だ」

 

「じゃあ九裂くん、これからよろしくね」

 

「おう。朝野太陽」

 

「俺?」

 

「お互い頑張ろうな」

 

「・・・・・・ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフ、残念だったね凶一郎。だが落ち込んでいる暇はないよ。あの子たちに教えてあげなきゃね。六美を守る、その本当の意味について」

 

「・・・・・・ちょっと待て二刃。『たち』ってどういうことだ」

 

「九裂の指輪に気づかなかったのかい?あたしも結婚したのさ」

 

凶一郎は真っ白な灰になったとか




長々と3話使って原作1話をやりました。なるべく少ない話数でテンポよく進めたいですね。
九裂と二刃の関係がどのように進むのかとか細かい設定は色々考えます・・・
原作と全く同じシーンをカットすべきか悩み中
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