やはり最強は織斑千冬か…!   作:猪のような

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今思うとシュラがIS学園の制服着てるのか……俺の想像じゃ似合わないな。


第三話 クラス代表決定戦

 

 

 

 

 

「信っじられませんわ!短期間とはいえ男と同居だなんて…学園は何を考えていますの!?」

 

「それに関しては全くもって同感だが、なってしまったものは仕方ない。私も織斑先生に抗議したが、全て無駄に終わったしな…一先ず、短い間だがルームメイトとしてよろしく頼むぞ、オルコット殿」

 

「お断りですわ、男と、それも一週間後に戦う相手と仲良くするつもりはありません!」

 

「…そうか。兎に角、今日はもう消灯時間が近い、明日に備えて寝るとしよう」

 

「……言っておきますが、少しでも妙な動きをすれば容赦無くあなたを撃ちますわよ」

 

「怖い怖い、そのような事は無いだろうから安心してくれ」

 

「ふんっ…!」

 

本当に大丈夫かこれ。とセシリアとのこれからに内心頭を抱えるシュラであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝…

 

「ん、んぅ…」

 

セシリアは目を覚まし、ベッドから身体を起こして欠伸をすると、目を擦りながらシュラが寝ているベッドを見る。

 

「……あの男は…?」

 

しかしそこに既にシュラの姿は無く、セシリアは疑問に思いながらもベッドから抜け出し、朝の身支度を始めたのだった。

 

 

 

 

「はっ、はっ、はっ…」

 

その時シュラは、学園内をランニングしていた。今は寮に戻る最中であり、寮の前に着くと足を止める。

 

「はっ、はっ……ふぅ…」

 

「朝から精が出るな、サーペンタイン」

 

「!織斑千冬「ふっ!」甘いっ!!」

 

「ちっ、避けたか。学園では織斑先生と呼べと言っておるだろうが」

 

ランニングを終えたシュラを出迎えた千冬の拳は空を切り、シュラはサッと千冬から距離を取る。

 

「失礼、運動直後のため少々興奮しておりました。おはようございます、織斑先生」

 

「ああ、おはよう。早朝トレーニングは構わんが、遅刻はするなよ」

 

「はっ、勿論です」

 

「分かっているならいい。ほら、もう戻れ」

 

「では、失礼します」

 

シュラは千冬の横を通って寮に戻る。すると千冬が「サーペンタイン」と言い、シュラは振り向くと同時に何かが自身に向かって飛んで来ているのを見て咄嗟にキャッチして確認すると、千冬から投げ渡されたのはペットボトルのスポーツドリンクだった。

 

「持って行け」

 

「!ありがとうございます」

 

そう言ってシュラは寮の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、シュラー!ここ空いてるぞー!」

 

そして朝の食堂。シュラも身支度を済ませて朝食を摂りに来ていると、一夏がシュラを呼び、シュラは一夏に近付いた。すると隣に箒が座っている事に気づく。

 

「おはようシュラ」

 

「ああ、おはよう……そっちは…篠ノ之箒だな?ここ、失礼するぞ」

 

「…ああ」

 

シュラと箒が一夏を挟むような形で並んで座り、共に朝食を摂りながら談笑を始めた。

 

「一夏、昨日は大丈夫だったか?寮の同室相手と何か問題は…」

 

「ああ、それなら同室は箒だったぞ」

 

「!そうか、彼女が同室相手か。それはなんというか、不幸中の幸いだったな」

 

「そう言うシュラはどうだったんだよ?同室は誰だったんだ?」

 

「…オルコット殿だった」

 

「ゲッ、よりによってかよ!?だ、大丈夫だったのか?」

 

「部屋に居る間常に睨まれたぞ、正直、今からでもせめて相手が変わったりしないかと思っている」

 

「た、大変だな…」

 

「全くだ…む?」

 

「サーペンタイン君、隣いいかな?」

 

シュラが反対側の席の方に顔を向けると、クラスメイトの三人が居り、そう訊いて来た。

 

「ああ、構わないぞ…何故着ぐるみ…?」

 

三人組の一人が着ぐるみの様な服装をしている事に疑問を持ちつつも、シュラがそう言うと三人は嬉しそうにしながら席に座り、朝食を食べ始める。

 

「わぁ、二人とも朝すっごい食べるんだ〜」

 

「特にサーペンタイン君は凄いね…朝からそんなに食べれるんだ…」

 

「ランニングして来たからな、これくらいは食べなければ」

 

「ていうか、女子って朝それだけしか食べないで平気なのか?」

 

「あ〜…わ、私達は、ねぇ?」

 

「う、うん、平気かな…」

 

「お菓子よく食べるし!」

 

「…私は先に行くぞ」

 

先に朝食を食べ終えた箒はそう言って去っていった。そしてクラスメイトに箒との関係を訊かれて答える一夏の話を聞き流しながら、シュラは黙々と朝食を済ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑、お前のISだが、準備まで時間がかかるぞ」

 

「え?」

 

朝のHRの時間、千冬が一夏にそう言うと、クラスが騒がしくなる。

 

「せ、専用機!?一年の、しかもこの時期に!?」

 

「つまりそれって、政府からの支援が出てるって事で…」

 

「良いな〜!私も早く専用機欲しい〜!」

 

「?専用機があるって、そんなに凄い事なのか?」

 

「ああ、今世界にあるISは467機。それを各国で振り分けて使い回しているのが現状だ、新しい機体を作る為には違う機体を解体してからまた作るしかない。そうやって作られる専用機は本来ならば企業、または国家に属する者にしか与えられない」

 

「だが、お前の場合は状況が状況なのでデータ収集も兼ねて専用機が用意される事になった。分かったか?」

 

「は、はい…」

 

するとセシリアが勢いよく立ち上がり、一夏に迫る。

 

「安心しましたわ!クラス代表決定戦、私とあなたでは勝負は見えていますけど?流石に私が専用機であなたが訓練機ではフェアではありませんものね」

 

「お前も専用機を持ってるのか?」

 

「当然!私はイギリスの代表候補生として既に専用機を持っていますわ!」

 

「へぇ〜…って事は、同じ代表候補生のシュラも持ってるのか?」

 

「ああ」

 

こうして一夏に専用機が与えられる事になり、その後は箒がISの開発者である篠ノ之束の妹である事が分かったりしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む?」

 

放課後、シュラは学園の道場に赴いていた。すると道場の入り口で何人かの生徒が中を覗くように見ている。

 

「どうしたんだ?皆で道場を覗き込んで」

 

「あ、サーペンタイン君。実は今織斑君と篠ノ之さんが中で剣道をしてるの」

 

「ほう?」

 

シュラも女子生徒達に混ざるようにシュラも中を覗くと、二人は竹刀を振って打ち合っていた。

 

「なるほどな…今は篠ノ之箒が圧倒的だが、一夏も同じ道場に通っていただけはある。惜しいな、中学も剣を振れば、少なくとも彼女と同等の実力は持っていただろうに」

 

「サーペンタイン君はそういうの分かるの?」

 

「ある程度はな。しかし、私も剣を振ろうと思ったんだが…」

 

「良いんじゃない?二人に混ざって来たら?」

 

「いや…ここ引くとしよう」

 

(篠ノ之箒は一夏を独り占めしたいらしいからな)

 

『あの人は関係無い!』

 

『……私は、篠ノ之束の妹です』

 

(…自ら否定した姉の名前を使ったほどだ、よほど一夏の為に何がしたいのだろう。彼女に出来る事は少ないかもしれないが、そもそも一夏は知識も何も無い素人だ。現段階では教えるのが誰であろうとあまり変わりは無いはず)

 

「変な虫が付くよりはいい…」

 

「ん、何か言った?」

 

「いや、何でもないさ。それより、君達もいつまでも覗くのは感心しないな」

 

「わ、サーペンタイン君に怒られちゃった!」

 

「逃げろ逃げろ〜!」

 

シュラが軽く注意すると女子達は蜘蛛の子を散らすように逃げていき、シュラは「全く…」と呆れて笑いながら自分もその場から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、これがブルー・ティアーズ…」

 

「………」

 

「なるほど、狙撃型の…これは、BT兵器か…!」

 

「………」

 

「サイドスカートからミサイル…これもBT兵器か?」

 

「………」

 

「しかしこの動きは…なるほど、ビットを動かしている間は本体が…」

 

「………」

 

「ふむ……敵では無いな

 

「今すぐ撃ち抜いてもよろしくて!?」

 

セシリアはキレた。目の前で堂々と自分の戦闘映像を見て分析しただけでなく、敵では無いと断言した男に。

 

「む、気を悪くさせたのならすまない。決して君を貶した訳では無いんだが」

 

「貶しているようにしか聞こえませんでしたが!?というか、よく私の目の前で私の対策を立てられますわね!?」

 

「仕方ないだろう、同じ部屋なのだから。後、本当に貶している訳では無い。オルコット殿とブルー・ティアーズは確かに強い、しかし今回は機体の相性が私に有利過ぎる」

 

「相性…?」

 

「ふむ…私はこうして情報を集めているのに、君は私の情報を集めようが無いんだ、コレではフェアでは無いな。少し、私のISについて説明させてもらおうか」

 

シュラはそう言ってタブレットを操作してセシリアに差し出す。セシリアは渋々といった様子でタブレットを受け取り画面を見ると、ギョッとしてシュラを見る。

 

「あ、あなたコレ…!」

 

「何、見られて困るようなデータは入ってないさ」

 

「だからといって不用心過ぎますわよ!?はぁ…まあいいですわ。それで、何々…ブラックナイトスコード、シヴァ…全身装甲(フルスキン)ですのね…近接特化型で……フェムテク装甲……

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ!?

 

セシリアはシヴァのフェムテク装甲の説明欄を見るとバッとシュラを睨む。

 

「ちょっと何ですの!?このビーム、レーザー射撃を完全に無効化するというのは!?」

 

「言葉通りだな」

 

「私のスターライトMkⅢは!?」

 

「効かないな」

 

「ティアーズは!?」

 

「効かないな」

 

「あ、あ……」

 

「ブルー・ティアーズの武装でフェムテク装甲にダメージを与えられるのは、ミサイルビットの直撃と近接用のショートブレードだな」

 

「……ミサイルも直撃させないと駄目ですの?」

 

「でなければ効かないだろうな」

 

「硬すぎません事?何故独立したばかりのファウンデーションにこのような新技術が…!」

 

「それは知らん」

 

(…ですが確かにコレは…本当なら相性は最悪ですわね…こちらの主な武装はほぼ無力化され、ミサイルビットは数に限りがありますし…インターセプトは…近接特化型の機体に接近戦など愚の骨頂…ではどうすれば…)

 

「…セシリア殿、実は私は使うつもりは無いのだが、本国よりレールガンを貰っているのだがな、使うか?」

 

「!ふざけないでくださいまし、敵からその様な施しを受けるつもりはありません!機体の相性くらい、技術で…!」

 

「技術でどうこう出来るレベルでは無いと思うがな。確かに機体の相性を覆すほどの技量を持つ事も代表候補生としまて求められる能力かもしれない、しかしな…」

 

シュラはネックレスの剣の飾りを手に取り、ジッと見つめる。

 

「このままでは勝負にならんぞ、確実にな。まだ専用機が分からない一夏の方が期待出来る」

 

「──っ!」

 

「射撃兵装が無力化された狙撃型のISなど恐るるに足らん、まだ試験で戦った教官の方が脅威だな」

 

「くっ……」

 

「…セシリア・オルコット…私は君と勝負がしたい。誰もが納得する形で君に勝ちたい。そうでなければ、クラス代表は務まらないと思わないか?もし、このまま勝負して負けた時、君は納得出来るのか?」

 

「それはっ…!………それは…」

 

セシリアは両手を握り締め、肩を振るわせている。シュラは何も言わずにセシリアの言葉を待っていると…

 

「分かりました…」

 

「……」

 

「非っ常〜に、癪ですが!あなたの言う事も理解出来ます…レールガンは有り難く使わせていただきます」

 

「そうか…私も感謝しよう。私の我儘に応じてくれた事に感謝する。当日は、お互い全力で臨むとしよう」

 

「ええ…同じ代表候補生として、あなたには必ず勝利します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、シュラ、セシリア、一夏の三人がそれぞれの時間を過ごしながら、クラス代表決定戦の当日がやって来た。

 

「なぁ、箒…」

 

「何だ?」

 

まだ自分のISが到着していない一夏は、ピットで専用機を待ちながらこの一週間を振り返り、箒にある質問を投げかけた。

 

「ISの事を教えてくれるって話だったよな?」

 

「……」

 

「えっ、目を逸らすなよ!」

 

因みに一夏はこの一週間、箒の指導の下、体力作りや剣道の稽古しかしなかった。

 

「し、仕方ないだろう、お前のISはまだ届いていないのだから…!」

 

「ISが無くても、知識とか基本的な事があるだろ……だから目を逸らすなったら!」

 

「落ち着け、一夏」

 

「シュラ…」

 

一夏と箒が話し合っていると、同じピットで待機していたシュラが会話に混ざって来る。

 

「前向きに捉えろ、まだ参考書の内容が覚えたてなお前では知識があってもオルコット殿相手にそれを生かすのは不可能だろう。経験の差を考えれば、付け焼き刃の知識よりも今回は、専用機と自分の感覚を頼りに戦った方が良いかもしれん。そう思えば、彼女の指導法は間違いでは無い」

 

「う、うむ!その通りだ!流石だな、サーペンタイン!」

 

「ええ…いや、まぁけどそうなのか…?」

 

「お、織斑くん織斑くん織斑くん!!」

 

すると三人が居るピットに真耶が小走りで一夏を呼びながら現れ、千冬が後に続くように歩いて現れた。

 

「山田先生落ち着いてください。はい、深呼吸」

 

「すー…「はいそこで止めて」!?……プルプル」

 

「目上の者には敬意を払え!馬鹿者!」

 

「イテッ!!」

 

「山田先生も付き合う必要はありませんよ、呼吸してください」

 

「ぷはっ!来ました、織斑くんの専用IS!」

 

「おお、やっとか」

 

「織斑、すぐに準備しろ。アリーナを使用出来る時間は限られるからな、ぶっつけ本番でものにしろ。この程度の障害、男子たるもの軽く乗り越えてみせろ、一夏……シュラ、お前とセシリアが第一試合だ、出撃準備をしろ」

 

「了解。ではな一夏、さっさと最適化を済ませておけよ」

 

「おう、シュラも頑張れよ!」

 

「ああ」

 

シュラはシヴァを身に纏い、出撃カタパルトに立つと背中からビームマントが発生する。

 

「あれが、シュラのIS…」

 

「黒い騎士の様だ…」

 

「出撃シーケンス完了。サーペンタイン君、どうぞ!」

 

「シュラ・サーペンタイン。シヴァ、出るぞ!!」

 

そうしてシュラは勢いよくアリーナへと飛び出していった。

 

「……来ましたわね…」

 

「待たせたな、オルコット殿。レールガンには慣れたか?」

 

「ええ、それはもう十分に」

 

「そうか、それは良かった…」

 

(ブルー・ティアーズ、少し姿が変わったか…?これは…)

 

『試合開始まで、10、9──』

 

カウントダウンが鳴り響き、シュラとセシリアは互いの武器を構える、そしてカウントが0になった瞬間…

 

「ッ!」

 

セシリアはレールガンを発砲し、シュラはシヴァのシールドであるロック・シールド・スヴァローグからビームシールドを発生させ、セシリアに高速で接近する。

 

「くっ…!」

 

「はあっ!!」

 

接近したシュラはセシリアに向けて右手にあるジャマダハル型の武器ディス・パテールの赤熱化した刃が振われる。セシリアは回避行動を取り…

 

(右かっ!)

 

心を読んでセシリアの回避先を読んだシュラは、ディス・パテールが避けられた後に直ぐさまシールドのクローを右側に振るうが…

 

「何っ…!?」

 

「頂きですわ!」

 

既にセシリアは距離取り、再びレールガンで攻撃するがシュラは咄嗟に回避し、シールドを回転させ反対側のクローをセシリアに突き出すと同時にクローが射出され、ワイヤーを伸ばしながらセシリアに向かっていく。セシリアはそれを落ち着いて回避し、シュラはその動きを見て確信した。

 

(明らかに映像で見るよりも速い!これは…そうか…!)

 

シュラはセシリアが纏うブルー・ティアーズをズームして改めて確認すると、ビットであるティアーズが装備されていた箇所がスラスターになっている。

 

「パッケージ換装かっ!!」

 

「ご明察ですの!高速戦闘用のストライク・ガンナーですのよ!」

 

セシリアがしたり顔をしながらレールガンを放ち、シュラもマスクに覆われた顔に笑みを浮かべながら、再びセシリアに向かって突撃した。

 

 

 

 

「オルコットさん、どうしてパッケージ換装をしたんでしょうか…?それに狙撃銃も本来の武器から変わっていますし…」

 

「ん、山田先生は知らなかったか、サーペンタインのISの事を」

 

「織斑先生は知っているんですか?」

 

「ああ、あのISは見ての通り全身を装甲で覆った全身装甲(フルスキン)タイプのISだが、アレには特殊な装甲技術が使われている」

 

「装甲技術…?」

 

「ああ、簡単に言えばレーザーによる射撃を無効化してしまう装甲だ。セシリアがBT兵器を使わずに、レールガンを持っているのはそれが理由だろう」

 

「なるほど…!ですが、オルコットさんはどうやってそれを知ったんでしょうか…?」

 

「大方サーペンタインが機体相性が有利過ぎると思って教えたのだろう、アイツは武人気質だからな。レールガンもアイツが用意した可能性が高い。しかし…果たしてそれだけでサーペンタインを上手く捌けるか?」

 

 

 

 

 

「ぐうっ…!」

 

ブルー・ティアーズの装甲がディス・パテールによって切り裂かれる。シュラが追撃を入れようとした瞬間にサイドスカートのミサイル砲を展開し、ミサイルを至近距離で発射する。

 

「はぁ、はぁ…!」

 

爆炎に包まれたシュラに向けて距離を取りながらレールガンを向けると、シュラは爆炎の中から勢いよく飛び出して来た。

 

「先程からそればかりですわねっ!!」

 

セシリアはそう叫び、射撃するとレールガンの弾丸がシュラに当たる直前に、シュラの姿がブレて弾丸が当たると同時に消えた。

 

「なっ、ぐっ!?」

 

「そちらも先程から同じ事の繰り返しだろう!距離を取ってレールガンで狙撃、詰められれば至近距離でミサイル…だが、ミサイルはもう弾切れではないか!?」

 

セシリアの横を通り過ぎる様に切り裂いていったシュラは背後を取ると再びシールドのクローを飛ばすと、セシリアの左脚を掴む。

 

「捕らえたっ!!」

 

「しまっ…!」

 

シヴァがワイヤーを巻き、セシリアはスラスターを全開にしてそれに抗いながら体勢を持ち直してレールガンを構える。

 

(そのまま撃つつもりか、しかしこの距離なら直ぐに詰めれる!撃たれる前に…!)

 

ワイヤーを巻きながらセシリアに向かって全力で飛んだ、その瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「っ、何っ!?」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

シュラが一瞬動揺した瞬間、ブルー・ティアーズが一気に加速する。

 

「インターセプトォ!!」

 

そう叫び、左手にインターセプトが握られた瞬間に…

 

ガァァァァァァァァァン!!

 

シヴァとブルー・ティアーズは激しく激突し、ブルー・ティアーズの速度に押されてシヴァは背中から地面に激突し、地面を削りながら滑っていく。

 

「ぐっ、瞬時加速(イグニッション・ブースト)…!」

 

(この土壇場で…!)

 

「ハァァァァ!!」

 

シュラを押し倒し、乗り掛かったままセシリアはインターセプトを振り下ろすが、シュラはディス・パテールでそれを防ぐと、左腕に目を向けるが、セシリアの()()に抑えられていた。

 

(右手がフリー!不味い!)

 

「コレで…!」

 

セシリアは右手に持っていたレールガンをシュラの眼前に構える。そしてトリガーに指を掛けた瞬間…

 

「ぐっ、はあっ!!」

 

シュラはディス・パテールを手放し、インターセプトが右肩に突き刺さるのを厭わずにレールガンの銃身を掴んで逸らすと、シヴァの顔面の左側にレールガンが発砲され地面が抉れる。

 

「っ!!だったら、インターセプトでぇ!!」

 

「いや、コレで終わりだ!!」

 

インターセプトを再び振り上げたセシリアに対してシュラがそう叫ぶとシヴァの胸部装甲が開く。

 

「なっ…!?」

 

セシリアが目を見開き、そして次の瞬間、胸部から大量の針が発射され、ブルー・ティアーズを襲った。

 

ガガガガガガガガガッ!!

 

装甲を襲う針の音がアリーナに響き渡り、連続して襲い掛かる針の衝撃にセシリアは吹き飛ばされ、ガシャンと地面に落下する。

 

『オルコット機、ブルー・ティアーズ、シールドエネルギー0。模擬戦終了、勝者、シュラ・サーペンタイン!』

 

そして真耶の放送がアリーナに響き、勝者が確定した。シュラは立ち上がるとセシリアに近付く。

 

「大丈夫か、セシリア?実戦で使うのは初めての武装だったが…やはりアレ殺意が高くないか…?」

 

「…私、負けましたのね…」

 

「そうだな…しかし、今回は俺も学ばされる事が多かった。予め考えた対策はパッケージ換装で台無しにされ、最後の最後は意表を突かれ、接近戦であそこまで追い詰められた、サイドスカートのミサイルの残弾がまだあったら更にダメージを負っていただろうな」

 

「…サーペンタインさん…」

 

「誇れセシリア・オルコット。お前は強い。この一週間…いや、今まで並々ならぬ努力を積み重ねたのだろう。そんなお前とこうして戦えた事、俺は光栄に思っている」

 

そう言うとシュラは右手を差し出した。それを見たオルコットは満足そうに笑ってその手を取り、立ち上がる。

 

「サーペンタインさん…今までの数々の非礼をお詫びしますわ。申し訳ありませんでした」

 

「!そうか、あまり気にしてはいないが…謝罪は受け取ろう。動けそうか?」

 

「えっと…飛ぶのは難しそうですわね…」

 

「ふむ…では、少し失礼するぞ、オルコット殿」

 

「え?きゃっ!?」

 

機体が損傷し、飛ぶのが難しくなったセシリアに対してシュラはセシリアをお姫様抱っこでピットへと連れて行く。観客席から黄色い声が聞こえ、セシリアは顔を真っ赤にしながら運ばれて行った…

 

 

 

 

 

そしてシュラの二回目の模擬戦。機体の損傷の度合いを鑑みてセシリア対一夏は第三試合となりシュラは連戦で一夏と戦ったのだが…

 

「うわぁっ!?」

 

「遅いっ!!」

 

「いやシュラが速すぎ…足からサーベルがっ!?」

 

終始一夏は接近戦で圧倒され、与えられた専用機である白式のワンオフ・アビリティーである零落白夜も残像で全て躱され、シュラの四刀流にあっけなく斬り裂かれていった。

 

続く第三試合も、セシリアがBT兵器を使い本領発揮。なんとか一矢は報いたが普通に負けてしまった一夏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…」

 

クラス代表決定戦が終わり、夕方となった頃、一夏と箒は並んで寮へと帰っていた。一夏は明らかに落ち込んだ様子で、箒もなんと声を掛けるべきか迷っている。

 

「…なぁ、箒」

 

「!な、何だ?」

 

「何やってんだろうな、俺」

 

「?」

 

「最初、シュラとオルコットさんの試合を見た時、本当に凄いって思った。そりゃ、オルコットさんが凄いのは当たり前なんだけどさ、シュラまであんな強いなんて思わなくてさ…」

 

「一夏…」

 

「二人の戦いを見て、俺ちょっとだけ思ったんだ…()()()()って。情け無いし、本当に悔しかったけど…そう思わされた」

 

一夏は足を止めて夕陽を眺める。箒も足を止めて一夏の表情を見ると、一夏は悔しそうな表情をしていた。

 

「けど、専用機を貰って…千冬姉と同じ力を貰って、負けられるかって思って、頑張ったんだけど…結局ダメだった」

 

「一夏…そう気に病むな、相手は代表候補生だ、初めてならあそこまで戦えれば十分…」

 

「けど、シュラはISを初めて動かしたのは俺より後だったんだぜ?それなのに俺は…」

 

「それは…」

 

「…クソッ…悔しいな…俺は…強くなりたい。もっと、もっと…あの二人に負けないくらいに、だから…!」

 

一夏は箒に向き直ると、バッと頭を下げ、箒はビクッとする。

 

「頼む、箒!明日からも俺を鍛えてくれないか!?」

 

「一夏…?」

 

「これからも強くなる為に、箒に鍛えて欲しいんだ!だから、頼む!」

 

「………お前こそ、私で良いのか?」

 

「え?」

 

箒の言葉に一夏は顔を上げると、箒も悔しそうな表情をしていた。

 

「私は…一週間、お前に…ISの事を、何も教えられなかった。サーペンタインはああ言ってくれたが…もっと出来る事が、あったのではないかと…私ではなく、最初にお前を誘ったあの先輩の方が…」

 

「箒…」

 

「…これからサーペンタインに鍛えてもらえ、アイツなら快く引き受けてくれるだろう。ISに於いても剣道に於いても、アイツなら私より上手く教えてくれる筈だ」

 

そう言って箒を振り返って歩き出そうとすると、咄嗟に一夏は箒の手を掴む。

 

「ま、待ってくれ箒!!」

 

「っ、い、一夏!?」

 

「俺は…俺は箒じゃないと駄目なんだ!!」

 

「っ────!!?!?」

 

一夏の言葉に顔を真っ赤にして動揺する箒。その様子に全く気付かない一夏は言葉を続ける。

 

「いやっ、勿論シュラにも色々教えてもらおうと思ってるけど…けど俺は、箒にも教えて欲しい」

 

「な、何故だっ!?私は…」

 

「いや、だって幼馴染だしさ、俺の事なら色々分かるだろ?だから俺は箒に…頼みたいんだ」

 

箒は更に顔を真っ赤にさせ、掴まれた手をバッと振り払って顔を隠す為に一夏に背を向ける(夕陽に照らされたせいで全く気付いていない)

 

「……ふ、ふん!!仕方ない奴だ、そこまで言うなら鍛えてやる!言っておくが、あの二人に追い付くのは簡単では無いからな、明日からは今まで以上に厳しくいくぞ、分かったか!?」

 

「お、おう!望むところだぜ!よろしくな、箒!!」

 

「ああ、いつかあの二人を、ギャフンと言わせてやろう!!」

 

夕陽に照らされた二人は、決意に満ちた表情で手を取り合い、そう誓い合ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、セシリアは自室のシャワールームでシャワーを浴びていた。

 

「…シュラ・サーペンタイン…」

 

頭に浮かぶのは今日対戦したシュラの事だった。

 

(完敗でしたわ…悔しかった…ですがそれ以上に湧き上がるこの感情は一体…?)

 

今日のシュラとの対決を経て、セシリアにはある感情が湧き上がっていたが、セシリアはそれがなんなのか分かっていなかった。シャワーを終え、セシリアは着替えようとすると…

 

「あら、着替えが…」

 

シュラの事で頭が一杯になっていたせいか、着替えを持ち込むのを忘れていたセシリアはタオルを巻いたまま出ると…

 

「む…!?」

 

「あっ…!?

 

そこには帰って来たシュラがいた。二人は顔を見合わせ、シュラはセシリアの、セシリアの自身の今の格好に目を向けると顔をどんどん赤くしていき…

 

「ぬあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「きやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

二人して大音量で悲鳴を上げたのだった…

 

 

 

 

 

 

 

「本当にすまなかった…」

 

「い、いえ、私も不用心でしたわ…」

 

あの後シュラはすぐさま出て行き、セシリアが着替えてから再度部屋に入ると即セシリアに土下座した。

 

「さ、サーペンタインさん、頭を上げてくださいまし。不慮の事故ですわ」

 

「いや、だとしても嫁入り前の女性のあのような姿を見た罪は重い。どうか私を罰してくれ」

 

ネグリジェ姿見てる時点で手遅れな気はするが、そう言うシュラにセシリアはどうするべきか悩む。

 

(…さ、先程から胸がドキドキしていますわ…あのような姿を見られたから…?いえ、ですが、コレは怒りというより、嬉しいというか…ま、まさか、私は彼にあのような姿を見られて喜んでいるとでも…!?)

 

セシリアがそう考えているとシュラの身体がビクッと動く。

 

(サーペンタインさん…強く、気高く、真っ直ぐで高潔な人…わ、私は…あなたの事が…)

 

「……で、でしたらその…一つお願いを聞いてはくれませんか?」

 

「──な、何だろうか」

 

「わ、私の事はセシリアと呼んでくださいまし。今までのような丁寧な対応ではなく、織斑一夏さんと同じような感じで接してくれればと…私も、あなたの事をシュラさんとお呼びしますので、それでこの話は終わらせましょう」

 

「え、いや、それは…」

 

「だ、ダメでしょうか…」

 

「…い、いや、君がそれで納得するなら…」

 

「っ〜!で、では!これから改めてよろしくお願いいたしますわね、シュラさん!」

 

「あ、ああ、こちらこそよろしく頼む、セシリア」

 

「はぅ〜…!」

 

自分の恋心を自覚し、シュラに名前で呼ばれたのが滅茶苦茶嬉しいセシリアは嬉しそうに身体を揺らしており、シュラはそれを見て戸惑いながら「で、では私もシャワーを浴びてこよう」と言ってシャワー室の方へ向かった。

 

 

バタン…

 

 

扉を閉めるとシュラは洗面台の前に立って台に手を着く。

 

(いや何故セシリアが私に好意を抱いているんだ!?)

 

そう、心を読めるシュラにはセシリアの恋心がバレバレであった。

 

(いや、昨日まで睨んできたんだぞ、それなのに何故!?今日の決闘が原因か!?だとしたらチョロすぎるだろう!!)

 

頭を抱えたシュラ。これからもセシリアとは同室なのにこの関係は不味くないかと昨日までとは違う意味で不安を感じていた。

 

(いや、彼女の恋心は私がどうこうすべきものではない…ここは静観だ、静観……しかし…)

 

シュラは先程のセシリアのタオル一枚のみを纏った姿を思い出す。

 

「…とんでもない破廉恥だった…」

 

このむっつりスケベめ。

 

 

 

 




フェムテク装甲強すぎぃ!!いやホント強い何だコレ。はい、という訳でね、セシリアがシュラ君の第一ヒロインですよ。ブルー・ティアーズって何気にフリーダム系列に似てるよね。感想高評価待ってまーす…いやホントに、モチベ維持の為に。
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