ブルーアーカイブ2077   作:装甲大義相州吾郎入道正宗

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ドウモ、サイバーなニンジャ新作が発売されたので初投稿ニンジャデス。キヴォトスではオーガニックユウカフトモモがまだ合法で接種出来る聞いてやって来ました。ウィーヒッヒッヒッ!


序章 キヴォトス・スゴクタカイビル奪還作戦・ヴィランサイド
第一話 銀貨30枚の結末


 

 

ーーー町外れでサイコ野郎と戦って相討ち。

 

 散々悪党紛いの犯罪に手を染めてまで成り上がった筈の俺の末路は、華々しさも派手さも無い実にアッサリした最後だった。

 

 元々、自身の戦闘能力向上を目的としたサイバーウェア…機械で強化した人工臓器(クローム)の全てが、とある事件の影響で誤作動に次ぐ誤作動を引き起こし、更にトドメを刺すような医療事故によって使用不能になった身ではあった。

 

 医師からも日常生活を送るなら程度ならまだしも、戦闘のために稼働させればどうなるかは保証出来ないと宣告されていたにも関わらず、俺はついさっき全力で無茶をして…。

 

 もはや身を起こす事すら出来ないほど、ぶっ壊れてしまった。

 

 近くに専門医であるリパードクの店でもあれば話は別だが、昔は頼りになった予備心臓もポンプ式の強化肺も停止して、生来の残った臓器のお陰で何とか即死していないだけだ。

 

 まさか親から貰った健康な肉体を安易に差し出したツケを、こんな所で払う羽目になるとは…こういうのを因果応報って呼ぶんだっけか。

 

 …今にも死にそうな俺だが、完全にくたばるにはまだほんの少しだけ猶予があるらしい。

 

「おい、坊主。俺の胸ポケットにあるタバコ…咥えさせてくれ」

「えっ、あ…その…」

 

 壁に背を預けて座り込んだ俺の前にいるのは、ついさっきまで見知らぬガキだった小僧。

俺がこんな目に遭ったのも、偶然通りかかったコイツがサイコ野郎に襲われてたのが原因だ。今の俺なら無視して然るべき状況下だったんだが、何というか…勝手に身体が動いてしまった。

 

 一応戦いそのものは俺の圧勝で終わった訳だが、それでもこんな醜態を晒すとは落ちる所まで落ちたと逆に感心する。

 

 最盛期には世界を牛耳る巨大コーポレートのアラサカ相手に喧嘩を売り、最先端科学と暴力が支配するこのナイトシティで一躍有名になるまで成り上がった俺がこんな道端でゴミのように転がるなんざ…実にこの街らしい。

 

 さて、小僧はついさっきまで繰り広げられていた激しい戦闘を目の当たりにしてまだ放心気味のところ悪いが、生憎とこのまま悠長に落ち着くまで待ってやれるほどの時間がねぇ。

 

 多少脅してやれば、震えながらタバコを差し出してくるので唇で受け止め、辛うじて動く右腕を使いライターで火を付ける。

 

「ふー…」

 

 肺はもう動かないので吸い込むのは無理だが、スッと空に立ち消える煙の軌跡が何とも心を落ち着かせてくれる。

…これで最低限、アイツみたいなキザな格好は付くだろう。

 

「あ、あのよ、助けてくれて礼を…いや……ありがとうございました!」

「…おう。次からはこんな人気の無い場所に来るんじゃないぞ。そういう場所はアイツみたいな奴が居るから、人が寄り付かないんだ」

「任せてくれっ!」

 

 本当に分かってんのか、コイツ? 俺が今にも死にそうなのも分からずに能天気そうな顔を浮かべやがって…。

 でも……やっぱりそうか。

 

「はっ」

「?」

 

 何で知らないガキを身を挺してまで助けたのか、自分自身まるで分からないと思ったが、よーく見ると似てるのか…アイツに。

 

 好奇心旺盛で、物事を良い方向ばかりに捉える底抜けのムードメーカー。かつてどん底だった俺を救ってくれた大恩人で…あの時、目先のビッグチャンスに目が眩んで挑んだ危険な依頼で、俺だけを残してくたばっちまった、相棒の面影を。

 

 いつの間にかこんな小僧に重ねてしまったのか。

 

「な、なぁ…アンタの名前は? すっげえ強かったよな!」

 

 はっ、新しいオモチャを見つけた子供みたいに興奮する部分も似てるなおい。憧ればかりに目を向けて、足元をお留守にするんじゃねえぞ。

 

「……俺はV(ヴィー)。今はもう燃えカスになったロートルさ」

「そんな事ねぇよ! さっきのアンタはとんでもなく格好良くて、痺れる感じで、こう…とにかく凄い奴なんだ!」

「クックックッ…なんだそりゃ」

 

 勢い任せで喋る姿もソックリとか…そんなの駄目だろう。あまりにおかしくて、笑いそうになって、涙が出てきそうだ…。

 

「なぁ、ジャッキー。………やっぱり伝説になるのは…憧れるのは…難しい…な……ぁ…」

 

 とうとう訪れる最期の時。

 薄れていく意識の中で、思い浮かぶのは最後まで迷惑を掛けてしまった恩人達の顔だった。

 

かつての、相棒。

一心同体だった、憧れの人。

気の置けない、親友達。

忠義の塊だった、武人。

信念に殉じる、軍人。

自由を求めた、小鳥。

 

 そして。

 

 そういえば…。

 友人の中で特に風変わりなアイツは今頃、どこで何をしているのか? そんな事を気にしながら…俺はゆっくりとこの世界での命を再び失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ーーーおめでとうございます。』

 

『この度お客様は、特典付きハイエンドクラスサービスに当選なさいました』

 

『差し出がましいようですが、この機会に是非ご利用を』

 

『尚、行先はーーーキヴォトス。この世界とは一風異なるキヴォトス学園都市でございます。』

 

『お荷物も以前お預かりした物を充分積んでございますのでどうか、ご活用下さい』

 

 

 

『ーーーそれでは、今度こそ良い旅路を……V様』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キヴォトス学園都市、ブラックマーケット。

 

 ここには自分勝手な悪行を働いて学籍を失った者や、脛に消えない傷を負った爪弾きの生徒達が集う箱庭社会の吹き溜まりだ。

 

 よく目にするのは、ヘルメット団やスケバンといった有名どころの不良生徒が多いが、彼女らを相手に商売を営む怪しげな獣人かロボットも相当数がこの場所を根城にしており、賑やかさだけなら三大学校にも匹敵する。

 

 そしてごく僅かだが、何らかの不備や不幸が原因で学校を追い出された善良な生徒が、止むを得ず身を寄せるのも珍しい光景ではない。

 

 ここでは違法取引。禁輸。偽造販売。詐欺。恐喝。といった犯罪行為が平然と行われる反面、そういった悪行に良心の呵責さえ覚えなければ、元より優れた身体能力を持つ生徒達なら何とか食い扶持を見つけて生活が可能だからだ。

 

 しかし世の中にはそんな社会的弱者ですら私利私欲を満たす相手として接する外道も少なからず存在する…。

 

「あの! ちょっと待って下さい…報酬が聞いてた額の半分しか…」

「あぁ? 必要経費を引いただけだろうが、契約書をちゃんと読んでねぇのか」

「そ、そんな…読もうとしたら大丈夫だからって急かしたのはアナタじゃ…」

「うるせぇなガキッ! こっちはキッチリ仕事してんのに後出しで文句付けてんじゃねぇよ! 迷惑掛けてるのが分からねーかなー! おい!」

「す、すみません…それでいいです…」

「チッ!」

 

 人通りが少ない街角の奥で、仕事を終えた生徒の一団に報酬の支払いを渋るクライアントが居た。

 

 どうやら犬の獣人である彼はキチンと務めを果たした彼女らに対して、始めから満足に報酬を払うつもりが無かったらしく、最初の少女に続いて次もその次も、何かとイチャモンを付けては大声を張り上げる。

 

 ただそれだけの威嚇行為だったが、人生経験が少ない生徒達を萎縮させるのに十分な効き目を発揮しているようだ。

 

 もしこれがスケバン等、場数を踏んだ連中であれば結果は違っただろうが、この獣人は姑息にも仕事を依頼する時点でまだ表側の気質を残していそうな生徒を選んで集めていたのだろう。

 

(へっへっへっ…これで臨時収入増し増しだぜ)

 

 そうして相対した最後の相手は、短髪に刈り上げた黒髪にTシャツとジーンズだけというシンプル過ぎる出立ちで、色気のカケラも無い少女だった。

 しかも他の生徒より一回り以上小さな身長も相まって、小学生と呼ばれても疑わないほどの子供にしか見えない。

 こんな奴なら今まで以上に楽勝だと内心でほくそ笑む獣人は、まずは思いっきりビビらせてやろうと犬歯を剥き出しに大きく口を開き、

 

「ーーー弱い犬ほどよく吠える…ってのは日本のコトワザだっけか? 俺のコックもすんなり入りそうな大口だな」

 

 喉に突き刺さる勢いでハンドガンの銃口を叩き付けられて、発声を封じられる。

 

「あがっ!?」

「へい、ワンちゃん。今から社会の基本を躾けてやるからよく聞きな」

 

 子供は虚勢を張る様子も無く、ただただ慣れた仕草で追撃とばかりに獣人の片足を蹴り飛ばし、銃口を突っ込んだ状態を維持して地面に叩き付ける。

 

「1つ。ろくに金を払えない奴は、頭をぶち抜かれても文句は言えねぇ」

 

 銃を押し込む。歯軋りの音がする。

 

「2つ。クレジットだけで人の上に立った気になるのは辞めときな。コッチはもう暴力で解決するしか選択肢が無くなっちまう」

 

 スライドを引き、弾丸を装填する。

 

「3つ。……相手が誰か、ちゃんと確認するんだったな」

 

 そして躊躇なくトリガーを、引いた。

 

「………………わふん」

 

 カシャンと空撃ちの音が鳴ると同時に、悪徳獣人は白目を剥いて気絶してしまう。

 側から見ればお腹を見せて甘える小型犬に見えなくも無いが、実際にはチョロチョロと出してはいけない液体が下半身から溢れており、完全に気絶しているのを物語っている。

 

「さてと…」

 

 子供はスライドをロックすると、銃身に纏わり付いた唾液をガンスピンの要領で高速回転させて弾き飛ばす。そしてその慣性のまま腰のホルスターへ勢いよく銃を納めると、倒れた獣人の胸元から財布を抜き出して自分の分を抜き取り、残りをアワアワと状況を見守る事しか出来なかった少女達に投げ渡した。

 

「次からは言われるだけになるなよ、チューマ。躾は得意だが子守りは今回きりにさせてくれ」

 

 後ろ姿で手を振って、この場を後にする子供の姿があまりにも大きく見える。そんな感想をこの場にいる全員が抱き、見た目の年齢差など些細な問題だと、そっと憧れの感情を抱く者すら居た。

 

「あの! あなたの、名前!」

 

 だからこそ、一人の生徒は意を決して、端的な言葉をその背中に投げかけた。それは子供にとっては無視していい程度の薄い内容だったがその言葉が先ほどまでとは違う、勇気を振り絞った声量に免じて応える事にした。

 

「ーーー俺はV。この街に来たばかりの、ただのVだ」

 





V
 サイバーパンク2077の主人公。
 伝説のアーチ級テロリストにして、脳内チップに転写されたジョニー=サンとニューロンが繋がった事で、トテモアブナイナイトシティのドン底から這い上がった最強の傭兵。その活躍ぶりとは裏腹に、彼が迎えるのは報われない結末の数々。詳細については是非原作をプレイして頂きたい。
 実際スゴイ悲しい。

 またプレイヤーの選択にもよるが基本的に義に厚く、モータルや困った相手にはどうしても甘くなる性格の持ち主。偽善者! 逆に敵対するものには一切の容赦が無く、敵陣のど真ん中でボスを忍殺した後、帰る足でクローンヤクザ全員にハイクを詠ませて組織ごと壊滅させるなど、狂人めいた精神も併せ持つ。

また、先天的にサイバーウェアによる人体の機械化、つまりサイバネ化に対する耐性が凄まじいらしく、中身がほぼサイボーグレベルの徹底した改造に至ってもまるで正気を失う様子が無いほど。それが伝説級の強さに達した一助にもなっているようだ。
つまり彼は忍者。

※本編とは一切関係ありません。

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