藤丸立香を煽るときに一番効きそうなことって一体どんな言葉なんでしょうね
盾の少女
目が覚めるとそこは管制室ではなく瓦礫と炎の世界だった
管制室の被害も尋常ではなかったが、スケールが違う
見えるものすべてが燃えていると言っても過言ではない
『91:転生系名無し ついに来たー!』
『92:転生系名無し 親の顔より見た特異点』
『93:転生系名無し もっと親の特異点みろよ』
親の特異点とは一体なんなのだろう
くだらないことを考えながら俺は状況を確認する
辺りを見まわすと倒れている少女が二人
「キュー!フォーーーウ」
俺の足元にフォウが駆け寄る
「やっぱりお前もついてきたのか、白モップ」
「クー、キャーウ」(その呼び方やめろー!)
テシテシと俺の足をフォウが叩く
「はいはい、元気でなにより。ほら、お前のお気に入り一号を起こして来いよ」
フォウの文句をサラリと流し、マシュを起こすように伝える
「フォウ!キュー、キャーウ!」
「う、うぅ。くすぐったいです、フォウさん」
テクテクとフォウがマシュに近づき、起こす
『96:転生系名無し エッッッ!!!』
『97:転生系名無し 改めてみるとマシュちゃんの戦闘服エロいよなぁ』
スレ民はマシュの服装に大興奮のようだ
「彼方さん無事だったんですね」
マシュが俺に駆け寄ろうとするが手で制し、視線を寝坊助に向ける
「...っ! 先輩!」
「寝ているだけだ。起こせ」
俺の言葉にうなずき、マシュは立香に呼びかける
フォウはその間、立香の顔を舐めまわす
「先輩。起きてください...先輩。」
しかし立香はぐっすりと幸せそうに眠っている
「ここは正式な敬称で...マスター。マスター起きてください。起きないと殺しますよ」
いや、永眠させる気かよ
内心マシュにツッコミを入れると、立香が目を覚ます
「うーん、おはよう。マシュ」
「はい、おはようございます。目が覚めましたね先輩。無事で何よりです」
「なんか、物騒なこと言ってなかった⁈」
どうやら、立香の耳にも入っていたようだ
「すみません、正確には殺されますよ、が正解でした」
ペコリとマシュが謝罪する
「っていうかマシュ!傷はない?ひどいけがだったと思うんだけど...」
立香がマシュの体を凝視する
「は、はいそれについては後ほど...」
じっくり見られるのが恥ずかしいのか顔を赤くするマシュ
「カナ君も無事だったんだね!よかったぁ」
ほっとした表情で俺に話しかける
「彼方さんだ、それと最後にお前なにか言ってなかったか?」
レイシフトの直前で立香からなにか言われた気がするのだが
「い、いや。なんでもないよ!というか、聞こえてなかったんだ...」
炎のせいか顔を赤くした立香が慌てて答える
「グオオオオオオ!!!」
「「!!!!!!!!!」」
突然、猛獣のような唸り声が俺らの耳に届く
「なんなの、あれ...」
「言語による意思の疎通は不可能。敵性生物と判断します。 マスター指示を。
わたしと先輩、彼方さんの三人で_____」
「いいや」
俺がマシュの発言を遮る
「二人だ、僕は戦わない。48番、右手の赤い痣が証拠だ。お前が指示をだせ」
「私が?...分かった!マシュ、攻撃して!」
立香は俺の命令に一瞬戸惑ったが、刻まれた令呪をみて。マシュに指示をだす
「はい!マシュ・キリエライト、行きます!」
マシュは立香の指示を聞き、敵へと突進する
『112:転生系名無し どうしてイッチは戦わないんや?』
『113:星喰いの転生者 一言で言うと経験値稼ぎやな。ある程度アイツらが戦わないと意味がないねん』
ゲーム脳になっているわけではなく、実践経験をできるだけさせておいた方が死亡率が下がるからである
「ハァ!!」
スケルトンをマシュが蹴散らしている
「すごい...」
無理もない、瀕死だった少女が人間を超越した動きを見せているのだから
「...っ!マシュ!後ろ!」
最後の一匹が背後にいることを立香が伝える
「やぁぁぁぁぁ!」
立香の指示を聞き、背後のスケルトンをマシュが粉砕する
『報:半径50m 敵対エネミー 存在しません』
了解、ひとまず初戦闘お疲れ様っと言ったところか
マシュが俺たちのもとへ戻る
「不安でしたが、なんとかなりました。お怪我はございませんか 先輩」
「すごいよマシュ!あんなに強かったんだね」
「い、いえ戦闘訓練はいつも居残りでした。逆上がりもできないくらいに」
決して男が立ち入ってはならない空間が形成されているが、悪徳魔術師にそんなものは通用しない
「どうやら、一般人でも最低限の指示はできるようだね。いや実にお粗末な戦闘だったよ」
パチパチと手を叩きながら、嫌味ったらしく二人に近づく
「い、いえ。先輩の指示は完璧でした。私の動きが悪かっただけで...」
マシュは申し訳なさそうに俺に謝る
「ちょっと!カナ君ひどいよ!マシュだって頑張っていたのに!それに...カナ君は見ていただけじゃん!」
立香は俺の言動にご立腹のようだ
「どうしてそんなこと『あぁ、やっと繋がった!』...」
今にも俺につかみかかろうとする立香の動きが止まった
『もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい⁉」
「さっきの言い方、マシュに謝ってもらうからね...」
立香は俺を睨むとマシュに近づき通信をみる
『117:転生系名無し うっひゃー、立香ちゃんコエー』
『118:転生系名無し これは嫌われたでイッチ』
計画通りだ、やはり立香をキレさせるのはマシュを煽るのに限る
自分への挑発には飲み込んで消化するが、大事な後輩となると話は別である
これは他の人物にも適応されるため、最も効果的な方法だ
「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフト完了しました。
同伴者は立香、彼方の二名。心身共に問題が...」
そこでマシュの言葉が詰まる
『い、いろいろ言いたいことがあるけど何かあったのかい?』
ロマニが俺と立香に訊く
「彼方さんのマシュに対する言動がひどすぎたので、ケンカになりました」
立香は俺とは決して顔を合わせずロマニに答える
『あー、とりあえず三人が無事なのは安心したよ。それと彼方君、立香ちゃんやマシュを馬鹿にするような言動は避けるようにね!』
「...はいはい、反省してますよ」
俺はいかにも反省していないオーラ全開で答えた
『本当に頼むよ...。そしてマシュ、なんだいその恰好、ハレンチすぎないかい⁈」
ロマニの指摘で一斉にマシュをみる
「48番、どうして僕の視界を遮るんだ」
立香は俺がマシュを見ようとするとカバディポーズで視界を遮ろうとしてくる
「別になんでもない...です」
「だったら、お前が前に立つ必要は...オイちょこまか動くな」
「か、彼方さんもマシュのエッチな服が気になるんだー」
挑発的に立香は言う
「これは...変身したのです。カルデアの制服では先輩を守れなかったので」
俺たちのやり取りにマシュは顔を真っ赤にしながら答える
『変身...?変身って、何を言っているんだいマシュ?やっぱりさっきの爆発で頭が__』
「Dr.ロマン、ちょっと黙って。 私の状態をチェックしてください。それで状況が理解できると思います」
『キミの身体状況? これは おぉ、おぉぉぉぉぉ!!!』
ロマニが目を見開き驚嘆の声を上げる
『身体能力、魔力回路、すべて向上している!これじゃ人間ではなく...』
「はい、サーヴァントそのものです。経緯は覚えていませんがわたしはサーヴァントと融合したことで一命を取り留めたようです」
マシュは思い出すように続ける
「今回、特異点Fの調査・解決のため、カルデアでは_____」
マシュが説明を続けているが、これは正しくない
おそらく、ギャラハッドが記憶を改竄したのだろう
なんせ、彼は少女の境遇に怒り、融合実験で暴れるような人だ
少しでも少女がつらい過去を思い出さないようにという計らいだろう
そうだよな?『ナビ』
『是:「マシュ・キリエライト」の記憶は「英霊ギャラハッド」によって改竄されています』
これ、多分ロマニも気づいているな?
『では、君の中に英霊の意識があるのか?』
「...いえ、彼は私に戦闘能力を託して消滅しました」
俺は手を挙げた
「戦闘能力というのは?実際にお前は何かと戦ったのか?」
ロマニが俺を見てくるが無視する
「はい、一方的でしたが戦闘用のロボットが相手でした」
『戦闘用ロボット...』
ロマニが俯きながら呟く
「分かった、ではお前は真名もどの英霊なのかも不明なんだな?」
「はい、自分が手にしたこの武器もどのような宝具なのか現時点ではまるで判りません」
マシュは暗い顔のまま告げた
『...けどまぁ、マシュがサーヴァントになったのなら話は早い。何しろ全面的に信頼できる』
ロマニは言い聞かせるように話し、そして立香をみる
『立香ちゃんすまない。何も事情を説明しないままこんなことになってしまった。わからない事だらけだと思うが、どうか安心してほしい』
彼はマシュに目線を向ける
『キミにはすでに強力な武器がある。マシュという人類最強の兵器がね』
立香がうんうんと頷く
「最強というのは、どうかと。多分言い過ぎです。後で責められるのはわたしです」
ちらりとマシュは俺を見る
『まぁまぁ、サーヴァントがそういうものなんだって立香ちゃんに理解してもらえればいいんだ』
『ただし、立香ちゃん、サーヴァントは頼もしい味方であると同時に弱点もある』
「弱点?」
立香はこてんと首を傾げる
『それは魔力の供給源となる人間、マスターがいなければ消えてしまうという点だ』
「え⁈」
立香は目を見開く
『現在データを解析中だが、これによるとマシュはキミの使い魔として成立している
つまり、君がマシュの主なんだキミの初契約は彼女というワケだ』
「私がマシュのマスター...?」
これで万が一俺にパスがつながれていれば一巻の終わりだった
イマイチ理解のできていない立香を横目に一人ほっとする
ロマニがファーストミッションの計画を話そうとするが、通信のノイズが増えてきた
「ドクター、通信が乱れています。通信途絶まで、あと十秒」
『む、そうか。では説明は後ほど。君たちにはこれから2キロほど移動した先に霊脈の強いポイントがある
何とかそこまでたどり着いてくれ、それと彼方君!くれぐれも彼女たちと仲良く____』
そこで通信が切れてしまった
「消えちゃったね、通信」
「彼方さんへの小言を言い終わる前に切れちゃいましたね...」
二人は俺を見る
「キュー、フォウ」
フォウが立香の肩に乗る
「どうやらフォウさんもレイシフトしてしまったようです」
マシュと立香はフォウを撫でる
『131:転生系名無し 小動物を愛でる美少女が二人」
『132:転生系名無し ええなぁ』
『133:転生系名無し イッチ完全に邪魔者やな』
なにやら、スレ民がやかましいが見ない見ない
「あ、でもドクターには言いそびれちゃったね」
「キュキュキュ、フォーーーウ!」(あんな奴、気にしなくていいよ!)
「フフフ、ドクターなんて気にするなと言っているようです」
ドクター、ドンマイ
俺は心の中でロマニを励ました
本当に戦闘シーンというものは描写が難しいですね...
感想・アドバイス等どんどんお待ちしております