さぁ、いよいよアルトリアオルタ戦でございます
カルデア一同は彼女に勝利することができるのでしょうか
「これが大聖杯、超抜級の魔術炉心じゃない...なんで極東の島国にこんなものがあるのよ……」
オルガマリーが息を呑む
俺たちはついに洞窟の最深部、大聖杯の元へとたどり着いた
『資料によると、制作はアインツベルンという錬金術の大家だそうです』
『魔術協会に属さない、ホムンクルスだけで構成された一族のようですが』
「ねぇ、マシュ。ホムンクルスって何?」
「...ホムンクルスというのは「おっと、そこで止まりなマスター」」
立香とマシュをキャスニキが遮る
「悪いな。お喋りはそこまでだ。奴さんに気付かれたぜ」
「___________」
一同が丘に立っている者を見る
「なんて魔力放出...あれが、本当にあのアーサー王なのですか…?」
マシュが声を漏らす
『間違いない。何か変質しているようだけど、彼女はブリテンの王、聖剣の担い手アーサー王だ。伝説とは性別が違うけど、何か事情があってキャメロットでは男装をしていたんだろう』
『ほら、男子じゃないと王座にはつけないだろ?お家事情で男のフリをさせられてたんだよ。きっと。』
『宮廷魔術師の悪知恵だろうね。伝承にもあるけど、マーリンはほんと趣味が悪い』
ロマニが何故か呆れたようにアーサー王の説明をしている
おっと、どうやら彼が動き出したようだ
「キャスターさん僕たちに結界を張ってください」
「は? 何言って...そういうことかよ」
一瞬、訳が分からない顔をしていたが彼も気づいたようだ
キャスニキが空中に文字を書くように指を動かすと、俺たちの周りに結界が張られる
次の瞬間
ガンッ!
「「「!!!!!!!」」」
結界に
「ほう、完全な死角から狙ったのだが防がれてしまったようだ」
剣が刺さった方向から、男の声が聞こえる
「やっぱりセイバーと一緒に居やがったか、信奉者サンよう!」
キャスニキが獰猛な表情を浮かべる
「信奉者になった覚えはないがね。だが、つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」
「あ、アーチャー?!」
スレ民はアーチャーの登場にパニックを起こしている
まぁ、なかなかイレギュラーな事態なので仕方がないのだが
「ハッ!どうだかねぇ。にしてはセイバーに付きっきりだったようだが?」
「私が彼に頼んだのだ。キャスター」
冷酷な声でキャスニキに語りかけるセイバー
「なっ⁈ テメェ、喋れたのか⁉ 今までだんまり決め込んでやがったのか⁉」
驚くキャスニキをセイバーは冷たく、呆れたような目で見る
「ハァ、いい加減
おいおい、イレギュラー過ぎるだろ
こんなセリフ知らねぇぞ
「まあいい。ここはいつも通り答えるとしよう」
「何を語っても見られている。故に案山子に徹していた」
「だが、それも終わりだ」
「構えろ、マシュ・キリエライト」
ドウッ!とセイバーの体から魔力が吹き荒れる
「どうして私の名前を...」
マシュは狼狽する
「くっ!あん野郎!」
「させると思うか?」
キャスニキがセイバーを止めようとするがアーチャーによって防がれる
「君の相手は私だ。クランの猛犬」
「へっ、やっぱりこうなるか。嬢ちゃん任せたぞ!」
「嬢ちゃんの盾なら、アイツの宝具も防げるはずだ!」
「ッ!はい!」
マシュは雑念を振り払い、盾を構える
アーチャーとキャスニキの攻防が始まった
アーチャーは剣で接近戦を仕掛ける
キャスニキは杖を槍のように使い、それをさばいている
うん、何か変
「アーチャーって剣で戦うんだっけ?」
「先輩、おそらく彼が特殊なだけだと思います...」
立香とマシュが気の抜けた会話をしていた
弓を使うアーチャーの方がこの世界では珍しいことを彼女たちはまだ知らない
「貴様らに、よそ見をする余裕はあるのか?」
「「「ッ!!」」」
セイバーの魔力放出の圧がこちらにまで届く
立香は思わず後ずさりをしてしまった
『セイバーを中心に魔力の濃度が急激に上昇した!!気を付けて!』
ロマニがいつもの柔和さが消え、真剣な雰囲気で伝える
「マシュ!お願い!」
「はい!マスター!」
少女は震える手をごまかすように盾を握りなおす
黒の騎士と盾の少女は同時に宝具を展開する
「真名、偽装登録。行きます!」
「極光は反転する、光を飲め!」
「ロード...」
「エクスカリバー...」
「カルデアス!!!!!」
「モルガァァァン!!!!!!」
竜の息吹は雪花の盾によって防がれる
はずだった
「くっ!」
マシュは必死にセイバーの宝具を防ごうとするが、押し切られそうになる
徐々に、いや、確実に彼女の足が一歩、また一歩と後ずさる
「マシュ!頑張れ!」
立香は彼女を励ます
「せん、ぱい」
しかし、それとは裏腹にマシュは片膝をつく
盾から出る幾何学模様は辛うじて、俺たちを守っていた
彼女の背中からは諦めの感情が伝わってくる
このままでは、本当に押し切られてしまうだろう
「ッ!マシュ!!!」
立香は俺の横から飛び出し、マシュの元へと駆ける
「藤丸!戻りなさい!」
立香は右手で盾をマシュの手の上から握り、左手で彼女の背中を支える
「先輩⁉ どうして⁉」
当然マシュは驚く
「だって、私にはこれしかできないから」
「ぇ?」
「私はカナ君みたいにマシュと肩を並べて戦うことはできない」
「でも...」
「こうやって、マシュを支えることはできる!!!」
立香はマシュに笑顔を送る
恐怖に涙を浮かべても、それを押し殺して作った笑顔を
あぁ、綺麗だ
「私は、マシュを信じてる!」
それを聞いてマシュは覚悟を決める
「見ていてください!!!マスター!!!」
二人の想いが奇跡を起こす
盾は眩い光を放ち、幾何学模様は純白の城壁へと変貌した
「「ハァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」」
城壁は竜の息吹を押し返し、セイバーへと直撃する
土埃が舞う
「ハァ、ハァ、ハァ、防ぎ、ました」
がくっと膝をつくマシュ
「マシュ!大丈夫⁉」
立香はマシュを支える
『マシュ!よく頑張った!君がみんなを守ったんだ!』
「よくやったわ!マシュ!」
皆、マシュ褒めたたえる
「おい、何を終わった気でいる?」
鋭く、冷酷な声が響く
「な、なんで...」
「直撃したはずなのに...」
煙が晴れた先には、黒の騎士が立っていた
無傷とまではいかないが、それほどダメージはない様子
皆は、信じられないものを見る目でセイバーを見る
「確かに、貴様たちが見せたものは、私の想定外だった」
「無力ながらに支えようとする貴殿の心意気は実に感動的だった」
「だが、無意味だ」
そう言うと、もう一度セイバーの体から魔力が放出される
「そ、そんな」
立香は声を震わせる
『セイバーは聖杯のバックアップを受けているんだ...おそらく跳ね返ってきた攻撃が直撃する瞬間に魔力を放出させてダメージを減らしたんだ』
ロマニの声色には焦りが見える
キャスニキは、未だにアーチャーと戦闘を続けている
キャスニキもアーチャーもどちらもそこを動くことができないのだろう
ランサークラスのクーフーリンであるならば状況は変わったかもしれないが
「大丈夫です...まだ勝負は、くっ」
「マシュ...」
マシュの体は満身創痍であった
先ほどの宝具で体力も気力も使い果たしてしまったのだろう
「そうだ!藤丸、令呪を使いなさい!」
「令呪を...」
立香は右手を見る
「そう!令呪を使えばサーヴァントに魔力を与えることができる」
「もう一度マシュは戦えるわ!」
オルガマリーがこの事態を切り抜ける突破口を見つけていた
「分かりました!」
立香は令呪を使おうと拳を握り、胸の前に持ってくる
令呪が赤く光り出す
そして...
『ダメだ!立香ちゃん!!』
「ぐ、あぁあああぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!」
一体ぐだ子の身に何が起こったのでしょうか?
感想・考察・アドバイス等お待ちしております