ハッピーエンドに導く方法   作:ギリギリニート

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黒の騎士VS黒の破壊兵器

 

「...貴様に一つ聞きたいことがある」

 

 

セイバーは俺をジッと見る

 

 

「貴様は何のために戦う」

 

「何のために血を流してもなお私の前に立つ」

 

 

黄金の瞳は真剣そのものであった

 

さて、どう返すのが正解なのかねぇ

 

立香を守るためだ!、何て言ったら今までの悪役ムーブがパーである

 

ここは適当に誤魔化すとしよう

 

 

「そうですねぇ、宝物を守るためでしょうか?」

 

 

「宝物?」

 

 

「えぇ、そのためには人類の未来を守る必要があるんですよ」

 

 

「何を犠牲にしたとしてもか?」

 

 

「誰が死のうが誰が傷つこうが僕には関係ありません」

 

 

「ッ...!」

 

 

セイバーは俺の言葉に顔をこわばらせる

 

 

「ではなぜその者たちを、その娘を守った!」

 

 

彼女は叫ぶ

 

 

「デミ・サーヴァントと契約なんてしていなければそのまま消し炭になってくれて良かったんですけどねぇ」

 

 

ニヤリとヒールな笑みを浮かべる

 

 

「お前にはもう誰かを守りたいという心はないのだな」

 

 

「そういうのは転がってるオレンジ頭に頼んでください」

 

 

そう言って、ハザードトリガーをベルトに挿し、フルボトルを振る

 

 

ラビット タンク

 

 

スーパー! ベストマッチ!!!

 

 

ドンテンカーン! ドンテンカーン! ドンテンカーン!

 

 

「なんだそのけたたましい腰巻は」

 

 

セイバーは訝しげにビルドドライバーを見る

 

 

ガタガタゴトッズッタンズッタン! ガタガタゴトッズッタンズッタン!

 

 

剣呑な雰囲気とは裏腹に軽快なリズムで漆黒の金型「ハザードライドビルダー」が展開される

 

金型には黒と黄色のテープがそこら中に張られ、誰が見ても危険だということが分かるだろう

 

 

Are you ready?

 

 

「変身」

 

 

瞬間俺の身体はハザードライドビルダーによってプレスされる

 

 

「なっ!」

 

 

 

チーン

 

 

 

アンコントロールスイッチ!!! ブラックハザード!!! ヤベーイ!!!

 

 

「黒い...ビルド」

 

 

オルガマリーは声を漏らす

 

一同は、その漆黒の鎧から放たれる無機質な殺気に固まっていた

 

 

「食らいやがれ!!!」

 

 

「ぐッ!」

 

 

俺とセイバーの間にアーチャーが乱入する

 

 

「くっ! 先にこちらを片づけるか...」

 

 

キャスニキとは相性が悪いと判断したのかターゲットを俺に切り替えたようだ

 

未だに動かない俺に急接近する

 

 

「ハァッ!」

 

 

剣を投影し、剛腕を振るう

 

 

 

しかし

 

 

 

俺は剣を砕き、鳩尾にアッパーを決める

 

 

「ガハッ!」

 

 

マックスハザードオン! ガタガタゴットンズッタンズッタン

 

 

素早くハザードトリガーを押し、レバーを回す

 

黒い靄が俺を包む

 

 

ready、go!

 

 

アッパーで浮いたアーチャーを地面に向かって殴りつけ、最後に蹴り飛ばす

 

 

オーバーフロー! ヤベーイ!!!

 

 

「セイ、バー...」

 

 

アーチャーそう言い残すと光の粒子となって消える

 

 

「マジかよ...」

 

 

キャスニキも流石に驚愕しているようだ

 

これが『赤い弓兵』であるならばここまでスムーズにはいかなかっただろう

 

影のサーヴァントは耐久力が低い

 

よってこのドン引きの状況を作り出した

 

 

「...アーチャー」

 

 

セイバーは口を開く

 

 

「息遣いさえ分からない、お前の方がよっぽど案山子のようだな」

 

 

彼女は俺を睨んではいるが殺意が薄い、どちらかと言えば悲しんでいる?

 

おかしいな、とんでもない殺意を向けられると思っていたのだが

 

セイバーの表情に疑問を浮かべながらも、ビートクローザーを生成

 

彼女はジェット機のような速度で斬りかかる

 

 

「アンザス!」

 

 

その声と共にセイバーに炎の玉が直撃する

 

 

「...キャスター」

 

 

彼女は炎の出どころを睨む

 

 

「おいおい、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ?」

 

 

キャスニキは俺の隣へ歩いてくる

 

 

「獲物を取られちまったからな、邪魔するぜ」

 

 

「あの弓兵が勝手に突っ込んできたんですよ」

 

 

「坊主、よく聞け」

 

 

彼の表情が真剣なものへと変わる

 

 

「俺がヤツの動きを止める。その隙にお前がトドメを刺せ」

 

 

「分かりました」

 

 

「ヘマすんじゃねぇぞ」

 

 

「そのままそっくりお返しします」

 

 

俺は走り出した

 

セイバーの魔力を纏わせた攻撃をギリギリで避けながら距離を詰める

 

 

「私の剣をすべて避けるとは、出鱈目な奴だ」

 

 

「剣からビームを出す貴女の方がよっぽどデタラメですよ」

 

 

彼女に向かって一閃

 

しかし、俺の攻撃は空を切る

 

 

 

ガキーン!!!

 

 

 

一瞬で背後に回った彼女の剣を受け止める

 

 

「ほう、記憶は無くとも体は覚えているというわけか」

 

 

「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!」

 

 

すかさずキャスニキが杖を振るうがバックステップで避けられる

 

 

「ハァ!」

 

 

セイバーはどす黒い光を放つ

 

 

「うおっ!」

 

 

「...」

 

 

キャスニキは上に跳び

 

俺は上半身を後ろに倒すことで回避した

 

 

●トリックス避けである

 

 

俺と着地したキャスニキは一気にセイバーへと駆ける

 

 

「オラオラオラァ!!!」

 

 

「...」

 

 

「くっ!」

 

 

二人の猛攻にセイバーが押され始める

 

魔力放出で吹き飛ばそうにも魔力を溜める余裕がない

 

俺が彼女の攻撃を予測して、剣を振るっているからだ

 

簡単に言えば後出しじゃんけんのようなものである

 

俺とキャスニキは自然と連携が出来ていた

 

まるで前から共に戦ってきたかのように

 

さらに俺はハザードトリガーから発生される強化剤によって常時ハザードレベルが上昇している

 

攻撃すればするほどキレは良くなっていく

 

 

『報:ハザードレベルが3.5に上昇しました』

 

 

「オラッ!」

 

「ハッ」

 

 

「ガハッ」

 

 

俺の拳とキャスニキの杖がセイバーの鳩尾に入った

 

この最大の隙を逃すわけもなくキャスニキは地面にルーンを描き、樹木でセイバーを拘束する

 

 

「今だ! やれ!!」

 

 

マックスハザードオン!

 

ガタガタゴットンズッタンズッタン! ガタガタゴットンズッタンズッタン!

 

 

黒い靄がセイバーに纏わりつき、彼女の防御力を大幅に減少させる

 

もう一度レバーを回す

 

 

ガタガタゴットンズッタンズッタン! ガタガタゴットンズッタンズッタン!

 

ready go!

 

 

 

「...強くなりましたね。 マスター

 

 

 

ハザードフィニッシュ!!!

 

 

必殺の一撃がセイバーの急所、霊核を破壊する

 

 

「ごぼっ」

 

 

セイバーの口から血が噴き出す

 

彼女の姿は鎧から漆黒のドレスへと変わる

 

俺もそれを見て変身を解除する

 

 

「ちょっと彼方! 何をし、て...」

 

 

オルガマリーが俺を咎めようとしたが次第に声は小さくなっていた

 

彼女の目線の先には胸がぽっかりと開いたセイバーがいた

 

そこからは血が絶えず流れている

 

それでもセイバーは堂々と立っている

 

 

「殺す気で戦ったのだが、貴様には勝てなかったな」

 

 

「何の抵抗もせずトドメを刺されたくせによく言いますよ」

 

 

そう、セイバーは必殺技を受けるまで一切の抵抗をしなかった

 

 

「フッ、私も誰かに似て甘くなってしまったようだな」

 

 

自嘲気味に話す彼女は目を閉じ俯く

 

 

「結局、私一人では同じ末路を迎えるという事か」

 

 

「あ? どういう意味だそりゃあ。テメェ、何を知っていやがる?」

 

 

「いずれ貴方も知る、アイルランドの光の御子よ」

 

グランドオーダー、聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりという事をな」

 

 

セイバーは俺の方を向き、暖かい笑みを浮かべると光の粒子となって消えていった

 

 

「オイ待て!それはどういう...って!ここで強制送還かよ⁉」

 

 

キャスニキもセイバー同様、光の粒子となりつつあった

 

 

「チッ、納得いかねぇがしょうがねぇ! お嬢ちゃん、坊主、後は任せたぞ!」

 

 

「うん!ありがとうキャスター!!」

 

 

彼は立香の声を聴き終わると完全に光の粒子となって消えた

 

 

「セイバー、キャスター、共に消滅を確認しました...わたしたちの勝利、なのでしょうか?」

 

 

『あぁ、よくやってくれたマシュ、立香ちゃん!...彼方君は帰ってきたらお説教だからね』

 

 

ジト目でこちらを見るロマニ

 

 

「説教?称賛の間違いではないですか?」

 

 

『君ねぇ、いくら立香ちゃんの令呪発動を止めるためとはいえガンドを使う必要はなかったよねぇ』

 

 

「そうだよカナくん! 私すっごくビックリしたんだから!」

 

 

立香が頬を膨らませる

 

彼女は心の広さが太平洋ほど大きいのだろうか

 

正直、ぶん殴られても仕方がない程のことをしたと思うのだが

 

ビックリで片づけてしまっていいのだろうか

 

あそこまでして嫌われないのはもうどうしていいか分からない

 

 

冠位指定(グランドオーダー)...あのサーヴァントがどうしてその呼称を?」

 

 

「アニムスフィアさん、指示を」

 

 

「え...?そ、そうね。よくやったわ、立香、マシュ...ついでに彼方」

 

 

彼女もジト目で俺を見る

 

 

「一人、問題行動があったけれど、ここでミッションは終了とします」

 

「まずあの水晶体を回収しましょう。セイバーが異常をきたしていた理由...」

 

「冬木の街が特異点になっていた原因は、どう見てもアレのようだし」

 

 

そう言って水晶の回収を促すオルガマリー

 

 

「はい、至急回収____な⁉」

 

 

マシュの動きが止まる

 

 

 

パチパチパチ

 

 

 

嫌に不快な拍手が洞窟に響いた

 

 

 

 

 





あとがき

ハザードがついに登場しました

サーヴァントとビルドの力関係がかなり難しいですね


「もう少しビルドを強くした方が...」や「サーヴァントはもっと強い!」など皆さんの意見もお待ちしております

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