ここは管制室、今から今回の特異点、及び今後の方針についての会議が始まろうとしていた
「臨時所長はこの僕、ロマニ・アーキマンが務める。不慣れな事が多いと思うけど...精一杯頑張らせてもらう、よろしく」
「「よろしくお願いします」」
当初、ロマニは自身がこの役職に就くのには役不足だと反対していたのだが生き残ったカルデアスタッフの熱い支持により、臨時所長という立場になったのだった
「そして、新しく技術者として彼?彼女?うーん...と、とりあえず入ってきてくれ!」
締まらないロマニの声と共に管制室のドアが開く
そして、一人の絶世の美女が歩いてくる
「やぁ、新しく技術担当になったレオナルド・ダ・ヴィンチだ。気軽にダ・ヴィンチちゃんと呼んでくれたまえ」
ざわざわとスタッフたちが動揺する
「あ、あの!」
「ん?そこのお嬢さん、私に質問かな?」
「は、はい!その、レオナルドさんは、サーヴァントなのでしょうか!」
女性スタッフの一人がダ・ヴィンチに質問する
「それは、僕から説明させてもらうよ」
ダ・ヴィンチの隣にロマニが立つ
「カレはカルデアの召喚英霊三号、実を言うとマリスビリーの時から召喚されていたサーヴァントなんだ」
「どうして、ダ・ヴィンチさんの存在が秘匿されていたのでしょうか?」
別のスタッフが質問する
「それは、私の意向でね。天才の頭脳が悪いことに利用されないようにマリスビリーに無理を言ったのさ」
「でも、君たちの決して諦めないという雄姿に私は感動してしまってね。全面的に協力させてもらうことにしたのさ」
おぉ、とスタッフたちから歓声が上がる
彼らには暗闇に差す一筋の光のように思えたのだろう
なんせ「レオナルド・ダ・ヴィンチ」といえば世界有数の頭脳の持ち主
女性の体になっていることなど誰も気にしなかった
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「よし、まだまだ謎は多いが今回の特異点についての情報は以上だ。オルガマリーのことは残念だけど、僕たちは前を向いて進まなければならない。どうか彼女を惜しむ気持ちは胸の中にとどめておいてくれ」
レフ・ライノールの裏切り、そしてオルガマリー・アニムスフィアの消滅
スタッフたちの顔は暗い
「では、今後の方針について話を進めよう。先ずは、特異点を調査する人員の選出だ。レオナルド、データを」
ダ・ヴィンチは頷き、中央の液晶にマスター適性者のデータが映し出される
「そ、そんな!」
スタッフの一人が悲鳴に近い声を出した
「見てもらえば分かる通り、マスター適性者は48番藤丸立香を除いて全員凍結している」
絶望という二文字が空間を支配した
「『藤丸立香』。彼女はレイシフト100%という驚異の数字をたたき出した逸材だ。性格は優しく善性に溢れた人物であり、過酷な環境下でも柔軟な対応をすることができていた」
人類の希望は魔術師の家系ではない一般人の少女ただ一人
善性の塊のようなカルデアスタッフたちはたった一人の少女に自分たちは過酷な運命を背負わせることになるのだと息を飲んでいた
「続いて、デミ・サーヴァントとなった元Aチーム『マシュ・キリエライト』。サーヴァントとなった後、不慣れな戦闘、恐怖心を持っていたのにも関わらず、立香ちゃんのために身体を張って戦っていた。マスター同様善性に溢れている」
爆破前は無機質な雰囲気を持っており、苦手意識のあったスタッフもいたが特異点での勇敢な姿を見て、応援してしまった者も少なくない
「ただ、これは
ダ・ヴィンチはデータを切り替える
スクリーンに映し出されたのは、皆が頭を抱える存在
「...皆は良く知っていると思うけど、彼の名は『彼方・エイトスターズ』。マスター適性者第0番だ」
『彼方・エイトスターズ』、マリスビリーの代からカルデアに在籍しており、魔術の才能はないながらも人柄のいい性格で皆から好かれる存在だった
そう、
彼は一時期を境に豹変することになる
やれ悪魔に憑りつかれただの、ストレスで拗らせてしまったなど彼に関する噂であふれかえったことがあるほどだ
「な、何故彼方さんは、マスター適性者第0番なのでしょうか?」
疑問に思ったスタッフがロマニに尋ねる
「...彼はとある事情でカルデアに来たんだ。その際にマスター適性を調べられたんだろう。マリスビリーによって秘密裏に登録されていた、今回レイシフトできたのもそれが原因だろう」
ロマニは彼がデミ・サーヴァント計画に大きく関わっていることを隠した
情報を公開してしまえば、マシュに関するデータも公になる可能性が高い
そして、カルデアがおこなったきた人体実験の数々は到底褒められたものではない
現時点でカルデアに対する不信感を高めないための処置としてロマニとダ・ヴィンチで話し合っていたのだ
「彼も立香ちゃんと同様にレイシフト適性100%をたたき出している。ただ、彼に関しては問題がいくつもある」
ダ・ヴィンチはため息を吐きながら、スクリーンを切り替える
「特異点調査中における数々の問題行動、これには僕も頭を抱えたよ」
誰彼構わず人を小馬鹿にし、マシュに対して道具扱いするなど散々である
あの藤丸立香がビンタを炸裂させるような人間性だロクなものではない
「また、彼は非常に合理的な思考をしている。オルガマリーの件もそうだ」
「「...」」
オルガマリーがカルデアスに飲み込まれそうになっていたとき、彼方は立香から彼女の手を放したのだった
正反対の性格をしている立香と共にマスターになってしまえば取り返しのつかない事態になることが明確であった
「やはり、彼方君はマスターにふさわしくないのではないでしょうか」
スタッフの一人が声を上げる
他のスタッフも否定することができなかった
「しかし、彼は人理修復に必要な人材だ。魔術はもちろん、神造兵装『ビルド』を使いこなす戦闘能力、傷を負っても即座に行動できる回復力など能力面においては最高の人物だ」
ダ・ヴィンチの言葉に皆は唸る
サーヴァントと渡り合う姿はスタッフたちの度肝を抜いたのもまた事実なのだ
立香やマシュが彼方によって救われた場面もいくつもある
「彼に関しては、看過できない行動を犯してしまった場合、直ちに調査員から外れてもらうことにする」
ロマニだって、このようなことは決して言いたくない
しかし、これは「人類を救う戦い」どんなに自身の助手を信じたくても心を鬼にしなくてはならない
もっとも、昔のような優しい彼に戻ってくれるのが一番なのだが
(まぁ、君の助手がそのようなことをするとは私は思わないがね。立香くんやマシュに対する態度に関してはお説教が必要だけど)
ダ・ヴィンチは、彼方のこれまでの言動から最悪の事態は起きないことを予測していた
「『藤丸立香』、『マシュ・キリエライト』そして『彼方・エイトスターズ』の三名を調査員候補として決定する!明日本人たちの意志を確認したのち最終決定をおこなう。皆、それでいいかな?」
不安(ほとんどが彼方)は尽きることはないがスタッフたちは覚悟を決める
「ありがとう。三人が人類のために戦ってくれるというのなら僕らは全力で支えよう!」
「「「はい!!!!!!」」」
あとがき
第三者視点に挑戦してました
ダ・ヴィンチちゃんやロマニのエミュいかがだったでしょうか
このカルデアでは主人公君が一番の問題児です
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