13時40分。
「スキャン見るよ!」
「ん」
「がってんよ!」
レンたちLFCは、巨大ドームの縁にいました。
直径約二km、高さ数百mの巨大ドームは、近づくともう山にしか見えません。
100mおきに扉のようなものが見えますので、中には入れるでしょう。
ドームの近くには、芝生が枯れて消えたような柔らかい土が広がるだけ。
SJ2、第四回のスキャンが始まりました。
強敵MMTMは、まだドーム北側の丘陵地帯にいます。
ドーム北西、ちょうど10時のところに、自分たちLFC。
真南、6時方向にボスたちのいるSHINC。
そして、ドーム内に、三チームが固まっています。
「ぐあっ!邪魔だあ!」
レンは叫びました。
「今回は“ラッキー・ガール”返上かな、こりゃ……」
「これこれ。ダメじゃぞ。日本語には“言霊”というものがあってじゃのう、口に出すとそうなってしまうのじゃよ」
「ん、縁起が悪いからやめた方がいい。運も実力のうち、前回優勝者のレンが弱いなら他はもっと弱いから大丈夫」
地図南東では、依然変わらず七つの光点がPM4を囲っています。
(ピトさんエムさん、どうかご武運を!)
そう願うレンなのでした。
「……」
これからの進撃ルートをどうするか考えながら、レンはフカ次郎とクローバーに伝えます。
「ピトさんにたどり着くには、ドームを突っ切るのが間違いなく一番早いけど、中には敵が三チームもいる……」
「だねぇ」
「ドームを迂回すると、距離が長い上に、MMTMか SHINCとぶつかる」
「だねぇ」
「三つのルートから、どれかを選ぶしかないか……」
「まあ待て。まだ決めるのは早いよ、レン」
「ん、フカのいう通り。まずはドームの中を見てから」
「そっか、そうだね。ありがとう」
そうして三人は、ドームのドアに向かいました。
「ジャングルだ……!」
「ジャングルだ……!」
「ん」
ドームの中に入ると、そこは南国でした。
先ほどまでの寒々しく色のない世界とは打って変わって、緑あふれる世界。人の背丈ほどの草が乱雑に隙間なく生えて、地面がほとんど見えません。
「高難易度エリアには、こういった土地もあるけど、青空は初めて」
そう、GGOでは大気が汚染されているので、空は赤いです。しかし、このドーム内では、作り物の青空が広がっていました。
「決めた!」
「お?何を?」
「このジャングルを、突っ切る!」
そういうとともに、ストレージから緑色の迷彩ポンチョを出して羽織ると、
「レンが消えた!」
「ん、これなら見えない」
その発言通り、緑色が草にマッチし、離れれば完全に見えなくなるほど周囲に溶け込んでいました。
「ねえ、レン」
「なに、クローバー?」
「わたし、活躍の場が欲しい」
「どういうこと?」
「私、ピトさんとエムさんまでの露払いのために参加してるのに、これまでの戦いは二回とも手助けしかしていない。だから、今回の三チーム、私にやらせて。レンたちは、私が戦っている間に安全なところを移動すればいい」
「えっ……うーん、でも……」
そう、クローバーはピトフーイとレンの戦いにはついてきません。なら、のこり十七チーム、内八が南東、内五がドーム付近のこの状況を逃したら、もう活躍の場はほとんどないといっていいでしょう。
「いいの?それで」
「むしろ、やりたいから言っている」
レンは悩みます。SHINCとの遭遇も考慮すると、あまり失いたくはない戦力。しかし、安全に素早く移動するなら、クローバーをここに置いて囮にする隙に、さっさとドームから出た方がいいのも事実。
「……わかった、任せるよ。でも、絶対負けないで」
その言葉にクローバーは、
「ん、誰に言ってるの?レンを鍛えた師匠はピトフーイだけじゃない。私もそうなんだよ?」
そう言ったクローバーは、頼られて実に嬉しそうでした。
ドーム内の一箇所に、十八人が集まっていました。
「俺たち三チームが、MMTM、SHINC、そしてLFCを迎え撃つ!SJ2を勝つのは俺たちだ!」
そう、一人がいいます。ほかの人たちも同調します。その中で一人、静観しているとてつもなく女の子にモテそうなイケメンがいました。
名前はクラレンス。
(この作戦、本当に成功するのかな?なんでもいいけど早く誰かを撃ちたいな)
13時43分。ジャングルを突っ走る、ちっこい緑のお化けが二人。レンたちです。
レンとフカ次郎は、互いの位置がわからなくならないように、バレットラインを利用した移動をしていました。一方クローバーは、前に出て偵察。もうレンはクローバーがどこにいるかわかりません。
『レン、問題ない』
しかしクローバーのマッピング能力はレン以上。そのクローバーが直進し、安全を確認すると、レンとフカ次郎が移動します。
そうやって移動していると、唐突に銃声が聞こえました。
「伏せて!」
レンとフカ次郎が柔らかな土に突っ伏しました。
『ん、5.56mm、7.62mm、あと拳銃弾。左前』
クローバーが報告します。
『多分結託してる。三チームもいるのに静かすぎる。全部同じ方向から聞こえるし』
「なるほどなるほど、ネズミどもめ、グレネードとピンクの悪魔が襲うぜ?」
「フカ、そこはスーツが襲ってくぜ、でしょ。私たち戦わないんだし」
そう、三チームは結託して罠を張っていました。銃声を聞きつけて攻撃しにきた敵を、伏兵が倒す。そういうふうに。
「私たちは少し右に迂回して移動するよう、クロ。偵察よろしく」
『ん、了解』
そうしてしばらく待っていると、通信が聞こえます。
『敵、50m先。四人…敵にあったら戦闘開始していいんだよね?隠れててね』
「わかった、頑張って!」
レンは、クローバーの実力を信じることにしました。
クローバーは、その声を聞くと、うっすらと笑って、
「じゃあ、やる。森の中で、
そういいました。
やっとオリ主ちゃんが活躍できる……
地の文は
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です、ます等の敬体のままでも良い
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〜である、〜だった等の常体にして欲しい