ガンゲイル・クローバー   作:めろんムーン

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 前回MMTMは退場と言ったな?あれは嘘だ

 ウワァァァァァァォァァァァ!!


第17話

 

 スキャンを眺めていたMMTMのチームメンバーの1人の上半身が弾けたのを見て、MMTMのリーダーは即座に行動へ移りました。

 

「全員ZEMALのいた方角へ走れ!対狙撃移動!」

 

 それを聞いたMMTMの残り2人のメンバーは、リーダーと共に全力で駆け出していました。

 

「リーダー!どういうことだ!」

 

「狙撃で体が弾け飛ぶなんて考えられるのは二つだけだ!一つは炸裂弾!」

 

「もう一つは!」

 

 狙撃を躱すためにジグザグと走り続けながら、メンバーは聞き返しました。

 

 

 

「対物ライフル!」

 

 

 

「……ふぅ」

 

 MMTMから1800mほど離れた、MMTMがいたのととちょうど同じ程度の高さの丘の上に伏せていたクローバーは、息を吐きました。

 

 その手には、大きく黒い槍のような銃。今回のSJにおいて、クローバーが初めて使う銃器です。

 

 見事1800mの距離で1人を撃ち抜いたクローバーは、地面に銃を置いて立ち上がり、腕を振りました。

 そして、ピトフーイがやったのと同じように、ウィンドウを操作して一括装備を行いました。

 

 

 

 それを見ていた酒場では。

 

「お、おい……俺の見間違えじゃないよな……?」

 

「あの対物ライフル……《TAC-50》……」

 

「あの持ち主は……高原地帯の『Clover』じゃなかったか……?なんであのポンチョの女の子が……」

 

「お、おい!あれ見ろ!一括装備だ!」

 

 画面の中で、謎めいた緑のポンチョの少女の姿が少しずつ変わっていきます。

 

 まず、緑のポンチョが光の粒子となって弾け飛び、中から赤メッシュの入った白金の髪を流したスーツの上にコートを羽織ったの女の子が現れました。

 

 そして、白金の髪がゴムによってひとまとめになり、ポニーテールへ。

 

 髪が纏まった後、頭の上に光の粒子が集まり、『四葉のクローバーの形のベレー帽』となって少女に装着されました。

 

 続いて、コートが光の粒子となって弾け、中に収納してあった多くのナイフなどが一緒にインベントリに仕舞われていきました。

 

 コートを脱いだ少女の両側の腰には、刃渡り40cmはあろうかという大型ナイフ。腰の後ろ側には、何やら筒のようなものが2本、尻尾のようにベルトに引っ掛けてありました。

 

 その少女の胸元から背中にかけて、光の粒子が集まり、マントの形を形成しました。

 

 そうして現れたのは、大量の四つ葉のクローバーでデコレーションされた若緑色のポンチョ。背中の中央には、大きく『♧』のマークが入っています。

 

 それを身につけ、さながらどこかの兵隊のような格好となった少女は、片手でその大きな銃──《TAC-50》を持ち上げて腰だめに持ち、MMTMを追いかけ始めたのでした。

 

 

 

「「「…………」」」

 

 酒場は静寂に包まれていました。

 

「……レンちゃん、どうやって『Murder Clover』なんかと知り合いになったんだよ……」

 

 そんな声だけが、ポツリと酒場全体に響きました。

 

 

 

 

 

「対物ライフル!?」

 

「そうだ!BoBで飽きるほど見た!ヘカートIIやTAC-50のような大口径の銃だ!」

 

「でも俺たち、ちゃんと警戒はしてたぞ!?」

 

「1.5km圏内に敵は確実にいなかった!!」

 

 走りながらそう言ってくるメンバーに、MMTMのリーダーは苦虫を噛み潰したような顔になりました。

 

「ならば、敵は1人だ!相手は『Murder Clover』!!BoBを3回とも4位、高原地帯の一角を占拠している、トップランカーの1人だ!!」

 

「な、なんでそんなやつが!?」

 

「おそらく、ピンクのチビの仲間だ!俺たちが倒そうとした緑ポンチョ!あいつだ!」

 

「そ、そんなぁ!?」

 

 走っているうちに、左手側の谷の底の一つに、何か迷彩柄の大きな箱のようなものが見えました。

 

「っ!全員左側へ進め!『乗り物』だ!!」

 

 

 

「ん……少しまずいかも」

 

 クローバーは、MMTMを全力で追いかけながら双眼鏡を覗いていました。

 

 映っているのは、MMTMが迷彩柄の布を剥ぎ取った3台の黒い箱に、3人それぞれが乗り込んだところ。

 

「……仕方ない、やるだけやる」

 

 クローバーはそういうと、持っていたTAC-50をただのライフルかのように立ったまま構えました。

 

 

 

「行くぞ!ドームを左回り!敵のいない西方向へ避難する!」

 

「おう!」「了解!」

 

 MMTMが谷間で見つけた大きな箱の正体は、3台のハンヴィーでした。

 

 発進させた直後、

 

 ゴガンッ!!

 

 という音と共にリーダーのハンヴィーの天井部分に穴が空き、フロントガラスが割れました。

 

「防弾仕様でもやられるか、出鱈目な威力だ!だが、ついてこられるか!?」

 

 一気にドリフトし、クローバーへと向く面を変え、安全性を確保。西へ西へとアクセル全開で走ります。

 

「周りは気にするな!走れ!生き残って立て直せば勝機は──」

 

 そう仲間を鼓舞しようとしたリーダーの視界の隅、サイドミラーの内側で、仲間の1人の車が突然爆発しました。

 

 

 

「ん、機関部を狙えば1発」

 

 クローバーは、超絶技巧によって、高いところから時速100kmを超えて移動するハンヴィーの機関部を、装甲を貫いて爆破させました。

 

「距離、1200……1250……1300……」

 

 スポッターもいない中、風向きやコリオリの力など、超長距離狙撃に必要な計算を全て頭の中で凄まじい速度で済ませ、狙った場所にハンヴィーが来るのを待ちました。

 

 そして、

 

「今」

 

 轟音を響かせながら対物ライフルから発射された弾は、残っていた2台のうち、1台を爆散させました。

 

 

 

「ケンタ!くそッ!やられたかっ!!」

 

 仲間が爆散してやられるのをただ見るしかないリーダー。しかし、彼は幸運でした。それ以降の追撃が来なかったのです。

 

「くそっ!くそっ!!くそおっ!!」

 

 ハンヴィーを走らせ、ドームを反時計回りに一周しながら、リーダーは悪態をついていました。

 

 

 

「……ん、射程圏外」

 

 2台目のハンヴィーを爆散させたはいいものの、先頭を走っていたハンヴィーはすでに1800m以上離れてしまっていた。

 

「……流石に狙えない」

 

 人ならばギリギリ当てられた距離でも、車の機関部を的確に、それも高速で移動しているものに当てるのは、不可能。クローバーは潔く諦めました。

 

 

 

「レン、MMTMのリーダーを仕留めきれなかった」

 

『わかった!どっちに向かった?』

 

「ハンヴィーに乗ってドームを西回り。10分以内の接触は不可能だと思う」

 

『わかった!こっちはピトさんやっつけるから、クローバーはT-Sよろしく!』

 

「ん、任された」

 

 そう言って、クローバーは聳え立つ灰色の壁を眺めていました。

 

 

 

 時刻は、14:04分。最初の、14時ちょうどの狙撃からこのわずか4分で、MMTMは3人を失いリーダーのみとなってしまったのでした。

 

地の文は

  • です、ます等の敬体のままでも良い
  • 〜である、〜だった等の常体にして欲しい
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