ガンゲイル・クローバー   作:めろんムーン

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第18話

 

「ん……さて」

 

 通信が終わり、クローバーは2km先に聳える、灰色の壁を見ました。

 

「……この銃は、置いていくしかないか」

 

 クローバーは、平均時速30kmで前回の位置から移動したT-Sに追いつくには、対物ライフルという、弾を含めて合計15kgにもなる重荷を下ろす必要があると感じていました。

 

「……レン、もっとAGI鍛えるべき……今度レベリング手伝うか」

 

 この重荷を背負っていてもなお、レンと同速を誇っていたクローバー。ランカーは伊達ではない、ということを示すレベルの暴力でした。

 

「フゥーーー……」

 

 銃を置き、息を整え、走るフォームをとり……

 

「フッ!!」

 

 「ドパンッ!!」という音を残して、クローバーは走り出していました。

 

 

 

 

 

 酒場では、すでに戦闘が終わったクローバーよりも、砲撃戦とも言えるSHINCとPM4の戦いで盛り上がっていました。

 

「PTRD1941とM107A1の狙撃対決!!すごいな!!」

 

「これで、TAC-50と合わせて対物ライフルが1大会に3丁!!BoBを超えたぞ!?すげぇな!!」

 

 ボスたちSHINCは、《PTRD1941》……ソビエト製対戦車ライフルを、破壊不可能オブジェクトにした仲間を台座と盾にして放ち。

 

 エムがM107A1を用いて応戦しますが、破壊不可能オブジェクトにした死体を貫くことは叶わず、無敵の盾を崩されていました。

 

 すでに、PM4の狙撃銃を持っていた太っちょ覆面男は、対戦車ライフルによって弾き飛ばされた盾によって死亡し、他4人は必死に隠れています。唯一ピトフーイだけが、ワクワクウキウキとその砲撃戦を眺めていましたが。

 

 そして、そう時間がかからずエムの最後の盾を吹き飛ばされ、M107A1も破損。エムたちは撤退を余儀なくされました。

 時間は、14:08分。

 

 

 

 

 

 レンたちは、ボスたちがエムの盾を崩したのち、秘策として用意していたピンクスモークのグレネードをばらまき、奇襲を開始しました。

 

 しかし、その機会を同じく待ち構えていたKKHCの生き残り、女スナイパーのシャーリーが横取りし、なんとかレンはシャーリーを倒したものの、ピトフーイは右目を撃ち抜かれ、瀕死に。

 

 エムたちPM4は、近くの山荘に引き篭ったのでした。

 

 

 

 

 

 と、いうのが14:10分、スキャンを壁上で見ていたクローバーに、レンとフカ次郎から届いた報告。

 

『ど、どうすればいい!?どうすればいいの!?』

 

『お、落ち着けレンや……ここで待つってのも一つの手だぜ?』

 

『で、でもそれじゃあせっかくのチャンスを……』

 

「ん、落ち着いて。ギリギリのピトフーイを倒しても、レンが倒したらリアルで会うっていう約束をピトフーイが覚えてるかわからない。ちゃんと対面して、約束を確認してからハチの巣にしないと」

 

『そ、そっか……じゃあ待つよ。ピトさんに会う機会ができるようちょっかいかけてみる』

 

 

 

『そういや、T-Sのアイコンはまだついてるけど、どしたの?』

 

「ん。遠目から見た限りだけど、彼ら、自転車を使ってるみたい。壁上には辿り着けたけど、倒すまではいかなかった」

 

 およそ5分で2kmを走り、壁上に到達したクローバー。その速度は、およそ24km。直接速度では負けていますが、十分人外じみた速度です。

 

「今も走ってる。彼らは、MMTMを警戒して1km程度しか移動してなかったみたい。今は、スキャンを見るために止まってる。マップに映らない私なら、気が付かれずに十分辿り着ける」

 

『じゃあ、そいつらを倒したら合流してくれる?』

 

「ん、任せて」

 

 そういい、話すのをやめるクローバー。イヤホンからは、レンとフカ次郎による山荘ちょっかい作戦の実況が流れてくる。

 

「……フフッ」

 

 少し笑みをこぼしながら、クローバーはT-Sに近づくのであった。

 

 

 

 

 

 一方、スキャンを見ているT-S。

 

「なぁー、リーダー?どうする?いつのまにかドーム北側にいたはずのMMTMはドームの()()に移動してるけど」

 

「そうだなぁ、東側の山荘にはPM4とSHINC、LFCがいるけど……1kmも離れていない位置に、3チームも固まってるし……MMTMも多分そこに向かってる。どこかが勝つまであそこで戦うんだと思う」

 

 既に残っているのは、北側の壁にいるT-S、ドーム()()にいて、()()()()()()()()()()()MMTM、東の山荘にいるLFC、SHINC、そしてPM4の5チームのみだった。

 

「じゃ、そっちまで行ってみる?」

 

「そうだなぁ。それで、戦いを見届けるしかないと思うなぁ」

 

 そんなことを呑気に話していました。

 

 

 

 

 

(……誰1人、壁上を警戒していない。みんな、壁の下を覗いてる……)

 

 クローバーは全力疾走しながら、そんなことを思っていました。

 

(……杜撰。でも、ここまで生き残ってきている……運が良かったね)

 

 T-Sの死は、すぐそばまで近づいていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドーム南側を、東側に向かって最高速で走っている、一台のハンヴィー。

 

「……ボルド、ジェイク、サモン、ラックス、ケンタ……」

 

 この大会で死んだ順に、仲間の名前を呟く、MMTMのリーダー。

 

「……勝ちを捨ててすまねぇ……だが、俺にも一矢報いたい奴はいる!やらせてもらうぞ!!」

 

 その目は、闘志に満ちていました。

 

 

 

地の文は

  • です、ます等の敬体のままでも良い
  • 〜である、〜だった等の常体にして欲しい
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