ガンゲイル・クローバー   作:めろんムーン

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 一話の長さの適切がわからない…


3.Enter the VR world

 

 

 

 まるで吸い込まれるようなほど黒い髪をした女ーー黎葉は、彼女の実家の道場のような場所で修行に取り組んでいました。友人に頼られたが故に。自分の役割を果たすために。

 独特の歩法で立てられていた人形に歩み寄り──5mは離れていたところから、瞬時に近寄ってナイフを刺し込みました。

 

「ん……良好。技の曇りなし……」

 

 そういうと、彼女は人形に刺さったナイフを片付けて、道場を去って行きました。

 

 

 

 4月1日、第二回スクワッド・ジャム……〈SJ2〉のエントリーが締め切られました。

 参加チーム数は四十九。内三つがシード枠です。

 

 フカ次郎とレン、そして黎葉のアバターであるクローバーは通話しながらルールの確認をしていました。

 

「フィールドの様子は飛ばされなきゃわからないんだよね?」

 

 フカ次郎の質問に、レンは頷きました。

 

「ん、各環境のポンチョは二人とも買ってある。問題ない」

 

 クローバーも太鼓判を推しました。

 

「おお、準備がいいね!助かるわ!」

 

 ゲームスタート時は、各チームは最低1km以上離れています。

 

「《サテライト・スキャン端末》ってアイテムが、開始直前にもらえるから。これで、地図をスマホみたいに画面に出したり、空中に立体映像で出したらできるよ。《サテライト・スキャン》は10分おきで、マップにリーダーの位置が表示されるから」

 

 話を聞いたフカ次郎と黎葉は……

 

「なるほど。同じ場所に隠れられる時間は最大10分か。そして、チームリーダーしか表示しないから、前回のレン達みたいに、相手を呼び寄せる囮に使うこともできる、と」

 

「ん、人数が少ないからパーティーを分けるのは得策じゃない。でも、有効な戦法。やられたら繰り下がるらしいけど、最初はレンでいいの?」

 

 レンは頷きました。

 

「あと、今回から点に触れるとチーム名が表示されるんだって。おかげでピトさん達がどこにいるかわかる!《PM4》ってチーム名だから、覚えておいて!」

 

「PM4ね。がってん。"ピトフーイとエムの死"か。すごい名前だね」

 

「ん。勝負するのに負ける前提、負けた結果を想定した名前は縁起が悪い。本当は負けたいのかも?」

 

「そんなことないと思うけどなぁ…あとは、SHINCっていうのが、前回のラストに戦った付属高新体操部の子達。かなり強いから、かち合わないようにする。全力で逃げる。『次があったら勝負する』って言っちゃったけど、今回ばかりはね。もちろん、ピトさんを倒した後であれば、彼女達とだけは、本気で闘うけど」

 

「えー、彼女達だけと言わず、残った全チームをぶっ殺そうよ?二大会連続の優勝を狙おうぜ?」

 

「あはは、頼もしい。MMTMってチームも強いから、要注意ね。後のチームは鉢合わせるまで武器も実力もわからない。だから……全て警戒」

 

そこまで言って、レンの表情が曇りました。

 

「本当に、わたしにピトさんを倒せるのかな…もし失敗したら、人が死んじゃうんだよ……?」

 

「ん、そのために私たちがいる。レンは万全の状態でピトさんを倒すことだけ考えればいいよ」

 

 通話越しのクローバーの言葉に、

 

「ありがとう……ねえ、フカ、クローバー…いいえ、美優と黎葉。本当にありがとう」

 

「どした?そんなに崇めてもフカ様からは何も出ないぜ」

 

「ん。借りは神崎エルザのライブ、一番いい特等席で」

 

「お!いいなそれ!」

 

「うっ!それが一番難しいかも……」

 

 

 

 2026年4月4日、土曜日。

 ちょうど12時を迎える頃から、日本中のあちこちで、GGOの日本サーバーにダイブする人が増えて行きました。

 

 よく晴れて、暖かい空気に包まれた東京の、とあるマンションの一室では、

 

「準備……よし!」

 

 澄んだ空の光を遮蔽するために部屋のカーテンを閉め、パジャマに着替えて、エアコンと加湿器を調節し、

 

「さあ──勝負だ!そして────わたしは、あの人を、救う!」

 

 アミュスフィアを丁寧に被った小比類巻香蓮が、ベッドに横たわりました。

 

 

 雪が舞う北海道の、とある一軒家のダイニングでは、

 

「さあて、暴れてくるかあ」

 

 インスタント焼きそばとスープ、お茶を飲んだ美優がアミュスフィアを手に取り、

 

「と、その前に、デザートのアイスを食べてくるかなあ!」

 

 アミュスフィアを手放して冷蔵庫に向かいました。

 

 

 日本のそれぞれの家庭で、ある女子高生達が、男達が、そして少しの女達が、アミュスフィアを被りました。

 

 

 都内某所の、カーテンが閉められた高級マンションの一室には、

 

「ああ、どきどきするね!」

 

 そう声を弾ませる若い女がいました。

 彼女は、《アイソレーション・タンク》と言われる、リラクゼーション用の装置に入って行きます。

 

「さあて、ここから生きて出られるかな……?」

 

 呟く彼女の隣には、もう一つ同じタンクがあって。

 そのタンクには後付けのフックが溶接され、中から絶対に開かないように、分厚い南京錠と、大きく「M」と書かれていました。

 

 

 そして━━北海道の、とある豪邸では。

 

「ん…仕事、開始…目標、レンの邪魔をする敵の、排除」

 

 そう呟き、ナイフや様々な種類の銃が飾られた物騒な部屋の中で、黎葉が、アミュスフィアを被りました。

 

 

 

地の文は

  • です、ます等の敬体のままでも良い
  • 〜である、〜だった等の常体にして欲しい
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