レンちゃん達薄めなんですけど、これは書いておかないとあとでチーム紹介の描写に困るなと思って書きました。
時間は少し巻き戻って、レン達がクローバーと合流した頃。
最初のスキャンでターゲットを決めたチーム達の戦闘が、フィールドのあちこちで同時多発的に起こりました。
マップ中央北東部の丘陵地帯では、
「やっちまえええええ!」
「ひゃはああああああああ!」
全日本マシンガンブラザーズ、略称《ZEMAL》が、一方的に相手チームを撃っていました。
「マジンガーン!やっぱりたのしーなー!」
全員がマシンガンで構成されたこのチームに、一方的に撃たれたチームは、
「こんなの勝てるかボケーっ!」
なすすべもなく【Dead】を輝かせました。
同じとき──、
北東部の雪山でも戦闘が起きていました。
いえ、
「よし、仕留めた。これで全滅だと思うが、ラックスとボルド、2人で確認しろ。残りは周辺警戒」
MMTMの戦闘が、今終わりました。
MMTMのリーダーは、彼の愛用アサルトライフル、《ステアー STM-556》のマガジンを交換しました。この銃は、ワンタッチで長い銃身と短い銃身を変えることができ、狙撃も室内戦もできる優れもの。
さらに、MMTMのリーダーの銃身には太くて黒い筒が付いていました。グレネード・ランチャーです。
「六体を確認。全滅です」
「周囲に敵影なし」
仲間達からの報告が届きました。
「よし、次のスキャンを待って、城壁沿いに山を下るぞ。警戒しつつ待機。予備マガジンを実体化しておけ」
同じとき──、
フィールド南西部では、
「マシンガン!そのまま圧力をかけ続けな!いつも通りやるよ!」
アマゾネス部隊、SHINCが戦っていました。
場所は、町の南部。駅から離れているので家々もだいぶ減って、空き地や駐車場が目立つ場所です。
灰色の砂利石の上には、太い幅のレールが合計四本あります。列車がすれ違える伏線区画です。そこで、
「ほらほらあっ!」
肝っ玉母さんマシンガナー、ローザが、
どかどかどかどか。どかどか、どかどかどかどか。
PKMの重低音を豪快に響かせていました。
ローザの後ろには、女ドワーフのソフィー。
彼女は予備の弾薬箱を手にしていて、弾切れに備えていました。
その発砲の様子をカメラが捉えて、酒場に中継されて、
「あれれっ?」
あることに気がつきました。
「あのアマゾネスのマシンガナー、いや、今撃ってないずんぐりむっくりの方──、あいつも確か、前回はPKMを撃っていたよな?」
そう、前回のSJ1では、今マシンガンを撃っていないソフィーの方もマシンガンを撃ち、敵チームを苦しめていたのです。
「まだ実体化してないんだな。ストレージにしまいっぱなしか」
「なんで?どうしてそんな、わざわざ不利になるようなことをする?」
この問いに答えられる人間は、酒場には存在しませんでした。
この後、マシンガンで牽制した敵を、SHINCのリーダー、ボスことエヴァの消音狙撃銃《ヴィントレス》が撃ち抜き、戦闘は終わりました。
このほかにも戦闘は多くありましたが、当然戦闘がなかったチームもあります。その中の一つに、
「退屈だなあっ!」
内なる心の叫びを外に漏らすピトフーイがいました。彼女達のチームは今、フィールド南東部にある岩と林の山中にいました。
手には、何も武器を持っていません。ライフルはおろか、拳銃すらも。
周囲ではエムが、そして四人の部下達が周囲を警戒しています。
エムは、メインアームであるM14・EBRを脇に置いて、双眼鏡で木々の隙間を縫って斜面の下を覗いていました。7.62mmの弾丸を弾く盾を詰め込んだバックパックをお腹の前に抱え、狙撃されても問題ないように対策していました。
「ねー、エム。なんで私達、こんなところで油を売ってるの?みんな敵を撃ってるよ?下にたくさんいるんだから、とっとと山を降りればいいんじゃない?」
緊張感ゼロの口調で、ピトフーイが通信アイテム越しに問い合わせると、
「だめだ」
「どして?エムは、ひょっとして……、戦いたくないの、かな?前回みたいに、チキンなのかな?」
エムは、前回のSJで、ピトフーイに脅されたことで戦いたくなくなり、リーダーのレンを撃ち殺して降参しようとした前科があります。
「作戦だ」
「あらそう」
「最初のくだらない乱戦に付き合う必要は、ない。そんなので死にたいか?それが望みか?」
「えー!違うけど、つまんない。退屈じゃない」
「心配しなくても、生き残って牙を剥いてきた強敵は、ピトに残すよ」
「例えば、どんな?」
「例えば、レン、とかな。あのピンクのウサギの牙は、とても鋭いぞ」
「あは!」
ピトフーイの見せた獰猛な笑顔は、幸いなことに中継されませんでした。
13時10分から13時19半までの間に、三十あるチームのうち、七チームが全滅しました。
参加者で唯一、最初からたった三人だけだったチームでは、
「やった足が生えたよ!やったよ!」
「ん、再生おめでとう。もう一回切ってあげようか?」
「やだよ!こええよ!」
フカ次郎が、行動の自由を取り戻していました。
グレネードの爆発によって欠損していた両足は、吹っ飛んだタイツとブーツも含めて、元通り。
待っている間に打った救急医療キットのおかげで、体力も回復していきます。
「ひゃっほう!私の足!嬉しいな!嬉しいな!」
フカ次郎は室内でぴょんぴょんと飛び跳ねました。
「ん、次のスキャンはここで見るの?」
「そう。あと、フカ次郎はさっき言ったようにトラップワイヤーにこれからは気をつけて。腰とか頭の位置に張られてたり、避けたところに引っ掛かるように設置されてたりするから」
「がってん!」
そんな話をしながらマップを見ると、二回目のスキャンが始まりました。
「よしっ!」
「いるねー」
「ん。強豪は全部残ってる」
レンがPM4を、美優がSHINCを、クローバーがMMTMを確認しました。
次に、自分たちからPM4までの間にある敵のチェックです。
一番近い敵は、ここから1kmしか離れていない駅に一チーム。
駅の真ん中、ホームのある位置にいました。
「ここ、南北に真っ直ぐ伸びていて、東西はロータリーで、町の中にしてはとても見晴らしがいいんだと思う。ホームがコンクリート製なら、分厚いからどんな銃弾も貫通しない。ホームの間の線路に陣地を敷いて、待ち伏せているはず」
レンはそう結論づけました。
「マータ引きこもりか!このチキン共が!列車で轢き殺してやるぞ!」
「ん、やはり列車爆弾。たのしみ」
そんなことを金と白がほざいています。
そんなのをよそに、レンは苦虫を噛み潰したような顔をしていました。
マップ南西にいた強豪、SHINCが、北東方向に向かって進んでいるのがわかったからです。このままでは、南東方向に向かう自分たちとは地図中央のドーム付近で遭遇してしまうでしょう。
それでも、レンは一旦気を引き締めて、
「駅のチームから叩くよ!家の陰伝いに移動して、近づく」
「ん、今度は活躍する。ピトさんまでの敵を倒す約束なのに、レンに任せちゃったし、フカに怪我を負わせた」
すると、フカ次郎が不敵に笑って、2人に言いました。
「お二人さん、さっきのポカのお詫びだけど、今度は私にちょっくら活躍させておくれよ」
「いいけど……」
「ん…仕方ない、名誉挽回のチャンスをあげる」
フカ次郎は笑って、
「駅のチーム、レンに1発も撃たせず全滅させてやるよ」
そう言いました。
地の文は
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です、ます等の敬体のままでも良い
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〜である、〜だった等の常体にして欲しい