Baroque Academy / シティスクールストーリー 作:R.C.S.
2012年11月28日(木)朝 奈良・宿泊施設
「(アナウンサー:)樋串武学園修学旅行実行委員会がお知らせします。皆様、おはようございます。本日も絶好の日和ですよ。今日も全開気分で張り切っていきましょう!!」
起床時間だ。7人は起きる。
「(清子:)......。」
「(アーサー:)おはようございます、清子様。歯を磨いて、朝食を済ませましょう。」
「(清子:)...うん。」
「清子」は寝ぼけた顔をしていて可愛らしい。朝食を済ませてバスに乗り、次の目的地「京都」に移動する。1時間ほどで到着するくらいだ。
「(源郎:)おれら7人だけで物足りるものなのか?」
「(魂二:)...気のせいじゃんよ。気にしない気にしない。」
同日・二日目 京都
ここは京都...の呪禁の森。担当者は「フレイムガール」こと帰宅部幹部の「穂村アツコ(ほむら)」。まずは彼女の口から説明する。
「(アツコ:)わしらの二日目の宿じゃが...。」
「(魂二:)異議あり!!二日目の宿って、この森の中のこと?」
「(アツコ:)...そうじゃが、宿の裏手に雑木林(ぞうきばやし)があっての、周囲にパワースポットが集中しとることもあってか、呪いの聖地とかで俗人どもの隠れた名所になっとる。それ自体は好きにすりゃあいいんじゃが、放置された藁人形が問題でな。」
「(魂二:)待った!!雑木林の中に藁人形って、いささかできすぎないの?出木杉内だけに。」
「(アツコ:)いちいち気にしたって、どうにもならんの。とにかくじゃ、肝試しということで根回しはしておくゆえ皆には藁人形の処分を依頼したい。」
「(魂二:)僕達トリオは炎能力者じゃないし、パスということで。」
「(源郎:)おう、そうだな。」
「(典子:)......。」
新派閥「桃姫FC」トリオ「源郎」「典子」「魂二」は二日目クエストに参加しないようなので、他の派閥とは別行動になる。帰宅部2人や生徒会2人なら帰宅部のわがままに付き合うはず。
「(杏璃:)...仕方ありませんね。帰宅部幹部の頼みとあらば引き受けましょう。何か燃やせるようなものは...。」
「(清子:)森を燃やすような真似はしないで頂戴(ちょうだい)。森林法に抵触しかねませんので。」
「(杏璃:)...火起こししてでも完遂しなければなりません。」
「(清子:)でしたら、お目付け役としてお付き合いしますわ。」
「(杏璃:)...付きまとうなり勝手にどうぞ。」
「(アーサー:)勝手ながら付き添います。」
クエストの目的は雑木林(ぞうきばやし)のどこかにある「藁人形」の処分である。二日目クエスト「呪禁の森」のパーティは4人「清子」「アーサー」「杏璃」「健太」でいくことになった。
残留したマイナスの念を目印に宇宙から得体のしれない意思が這い寄ってくると一大事なので、森ごと燃やしてでも敵将「藁人形」を見つけ次第、即刻焼却処分するべく探し回る4人。
「(杏璃:)呪いの聖地にしては、何か物足りません。」
「(健太:)雑木林(ぞうきばやし)だから仄暗く、探すのに苦労しそう。」
視界が悪く、探すのに骨が折れそうだ。
「(清子:)藁人形...といえば、五寸釘(ごすんくぎ)を刺された藁人形。つまり、木を一本ずつ調べるくらいかしら。」
「(アーサー:)そのとおりです。木を見て森を見る、地面ばかりにとらわれないことです。地面に藁人形が転がっているとは限りません。」
地面より木を一本ずつ確認してみると、五寸釘を刺された藁人形を発見。
「(清子:)そういうことですの杏璃さん。責任をもって持ち帰るとしますかね。」
「(杏璃:)あ......。」
せっかく見つけたので、今ここで「藁人形」を燃やさず、そのまま持ち帰ることになった。
「(清子:)...呪いの人形にしては、持ち帰る形であっさり終わってしまうとは呆気ないですわね。」
「(アーサー:)同感です。あっさり終わってしまうのは面白くありません。清子様、この前の話の続きでもしましょう。」
「(清子:)わたくしもアーサーさんのこと詳しく知りたい。話の続きを聞かせてくださいませ。」
「(アーサー:)では誰にも話したことのない私の事について話しましょう。腰掛けてお聞きください。」
前回に続き、「アーサー」は誰にも話したことのない自身の事を「清子」に話すことにした。
「鈴木アーサー/Arthur Suzuki」は「樋串武学園」の生徒である前は4人「雅史」「杏璃」「健太」「典子」と同じ「平凡な中学校」出身、その一人である「アーサー」は新米の生徒会だった。あの頃は風紀委員ではなく、ただの会計に過ぎなかったが2009年7月以降に転機が訪れた。「雅史」をはじめとした複数人が「樋串武学園」へ移籍していき、「アーサー」は生徒会側についたことで生徒会側のみ所属できる生徒会直下の帰宅部側勢力討伐隊「風紀委員」に所属した。戦闘向きの能力者が集まる生徒会直属の風紀委員に。
手始めに帰宅部をはじめ「雅史」とその幼馴染2人「杏璃」「健太」、「典子」のほか、旧友3人「須原」「上本」「吉沢」を注視していたが、同じく風紀委員であり、よその学校から移籍してきた「清子」の介入で彼らの変わりざまを確認されると三日坊主のごとく注視対象から外した。注視する必要ないと判断した、それだけであった。
あれからずっと注視しなかったのだが、2009年11月頃に起きた事件「衣笠典子and楠田ツヨシ事件」ならびに2010年に起きた大規模な事変「ネット史上最大最悪の絶望的事件」を機に帰宅部の監視を再開、それと同時に帰宅部を弾圧してきたものの、生徒会書記「シャドウ・デイモン」の動機「生徒会側所属生徒に自身が何故生徒会に従うのか再確認させるため」ならびに学園長の考えに疑問を抱き、やはり信用に足る「清子」を信じることが重要であると改めて認識した。2011年以降、めったなことに会話はしていないものの、「清子」のそばにいることが多くなったという。
「(清子:)...雅史さんと同じ中学校出身は初耳として、それ以降は存じております。ちらっと見かける程度で、実際はあまりお話していなかった。」
「(アーサー:)生徒会直下ゆえに人と話す機会がなかっただけです。今はこうしてあなた様と話しています。」
こうして「清子」と会話するのは親睦を深めるためなのか?
「(清子:)...気づかないうちに雅史さんの他に、親睦を深めるべき相手ができましたわね。アーサーさんとの親睦を深めるためにもっとお話したいですわ。」
「(アーサー:)お話したいのは山々ですが、続きは宿に戻ってからです。なにより帰宅部幹部アツコ様が私達の帰りを待っているのでしょう。さて、宿は目と鼻の先です。」
「(清子:)...そうしますわ。」
そういうことなので2人は宿に戻り、話の続きをするのであった。
一方二日目クエスト「呪禁の森」参加を拒んだ新派閥「桃姫FC」トリオ「源郎」「典子」「魂二」は、金閣寺を観るために雑木林(ぞうきばやし)の中を彷徨う。
「(魂二:)先輩、森の中に金閣寺なんてあるのかな...。」
「(源郎:)修学旅行あるところに金閣寺あり。おれの知っている修学旅行はな、そういう名所があってこそなんだ。雑木林の奥まで進み、見つけるぞ。」
「(魂二:)先輩がそう言うなら、最後まで付き合うよ。」
「(典子:)この修学旅行、やはり私らが知っているものとは違う。人の気配が感じられないし、決められたルートでいくことになってるし、金閣寺があるかはあやしいほど。」
「(魂二:)人がいようがいないようが気にすることないじゃん。僕はただ、学園の方針に従うだけ。」
「(典子:)...私、宿に戻る。違和感だらけの修学旅行に金閣寺なんて、ありっこない。」
「(魂二:)ついていけないならお好きに。僕はそのまま源郎先輩とともに金閣寺を見つけてみせるからさ。」
「(源郎:)...やっぱりやめた。戻るぞ。」
「(魂二:)えー源郎先輩まで打ち切るんかい!!...うん、僕達の周りに人がいないようだし、宿に戻ろっ。」
違和感だらけの中で金閣寺を見つけられるはずないので新派閥「桃姫FC」トリオ「源郎」「典子」「魂二」は宿に戻ることにしたのであった。
同日20時 宿泊施設
「清子」に手柄を取られ、何の結果が残せなかった帰宅部2人「杏璃」「健太」は帰宅部幹部「アツコ」や幼馴染「雅史」に示しがつかない結果を嘆く。
「(杏璃:)...帰宅部幹部の頼みを成すつもりが、生徒会に手柄を取られてしまっては、雅史くんに示しがつきません。アツコ...雅史くん...申し訳ありませんでした......。」
「(健太:)......おかっぱだけじゃなく、もうひとりの風紀委員がいるからなのか......。」
そろそろ就寝時間が近づいてきたので、三日目に備えて7人は寝ることにした。
...明日が修学旅行最終日だ。最後の舞台にどんなイベントが来るのか?