レッドマンサーガ&ワールドトリガーサーガ超決戦!!近界魔星国家   作:怪物怪人怪獣さん

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書きたい話を書くまでの繋ぎの話。早く書きたい話が書きたいが、他に優先すべき作品もあるからそっちを優先しないと……

オリジナル登場人物紹介
黒野賢人 界境防衛機関ボーダーB級部隊影浦隊の攻撃手。レイガストを主軸に防御と他の隊員の補助を特化にしたトリガー構成で戦いシーズンが変わる度に部隊を抜けて別の部隊に入る事を繰り返す。変わったボーダー隊員で剣持の先輩。黒野財閥のトップであり、『お化け屋敷』の変人科学者達を始め色々な人達をスカウトしてトンデモない商品開発や兵器開発を出資する。更に自身も『お化け屋敷』の隊員として活動しており、戦闘機を始め様々車両の運転免許を持っている。剣持同様映画鑑賞が趣味なのだが、変なB級クソ映画をボーダー隊員に勧める癖がある。
その正体は玉狛支部も把握していない神の国によって脳以外を改造された近界民。フルフェイスタイプ黒トリガーを持っており、
全身改造された機能を使いとある目的の為に暗躍する。
剣持夢想は気付いていないが、過去の夢想の行動のおかげで心が救われた近界民。


第ニ話 剣持達、始動テスト前にガイラットの怪人に襲撃される。

目覚まし時計、電子時計、懐中時計、腕時計、壁時計……沢山の種類の時計が時間の針を刻む時計屋のある下町の商店街に上下のジーンズを着用し朱色のダウンベストを羽織った一人の少年がスケボーで移動する。彼は移動しつつある人を探していたがら、胸ポケットに入っているスマートフォンが突然鳴り、二枚目半の特徴を持つ少年は慌ててスケボーを止めて電話に出る。

鹿野《もしもし。拓也か?》

顔につけたゴーグルを外して聞こえてきた博士の連絡に拓也こと……鏡 拓也は返事をする。

鏡「もしもし。ねぇ鹿野博士。突然どうしたんだ?」

鹿野《今何処だ?三門市にいるか?》

鏡「三門市の商店街の時計屋の前だよ。」

鹿野《よし!?居て良かった!?これから迎えに行く。》

自分が三門市にいた事に喜びの声を出す博士に戸惑いを覚える拓也。

鏡「えっ?迎えに来てくれるのは、俺も有り難いけど……」

鹿野《面白い物を開発したから凄い実験をやるから助手がいる。君は今直ぐ充電が満タンのデジタルカメラを持参して商店街に待っててくれ!?》

鏡「唐突過ぎるわ!?でっ、デジタルカメラって家のある奴?」

鹿野《そうだ。あのデジタルカメラは我々『お化け屋敷』が開発したレーザー光線発射機能付きのデジタルカメラだ!?》

鏡「そっちじゃなくて家にある普通のデジタルカメラだよ……写真?」

鹿野《そのデジタルカメラは動画撮影に特化しているのか?》

鏡「レーザー光線を発射する危ない発明品よりはずっとマシだよ。」

鹿野《防犯用なのだけどな………》

鏡「物理的に防犯特化も問題だよ。相手の姿を映した瞬間が相手の最後なんて怖すぎだよ。」

鹿野《まさに……お前の姿を捉えたらジ・エンドだな……》

鏡「全然上手くない洒落だよ。」

鹿野《では君は急いで自宅に戻ってくれ。》

鏡「ちょっと、待って!?それって他の予定より大事な事?」

鹿野《そうだ!》

普段昼行灯でマイペースな鹿野博士がハッキリと言い切るのは本当に珍しい。

鏡「一週間も雲隠れして…」

鹿野《宇宙から地球に来るデカい蛾の退治する害虫駆除の仕事をしていた。》

鏡「へぇ〜ソイツは凄いな。」

鹿野《兎に角、君は自宅に戻ってデジタルカメラを持参して商店街で待っててくれ。あっ!?自宅へ着いたら君は自分の遺書を書く事を忘れないでくれ。》

そう言われて通話が切れる。

鏡「へぇ〜〜遺書ね。分かった分かった。書いておくよ。…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………へっ!…………自分の遺書だって!!!!!?ちょっと!!」

博士の言葉を生返事して暫く経ってから意味を理解する拓也は人がそれなりに歩く商店街のど真ん中に大声を叫ぶのであった。

 

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地下研究室

鹿野「コレでよし。俺とスポーク博士は助手君を迎えに行くからその間、少し時間あるだろうから君たちも遺書の準備をしておいてくれ。」連絡を終えた電話を片手に

「えっ?遺書。」

鹿野「そう遺書だ。時空移動メカの最終始動テストで失敗してここいら辺りがどうなるか検討もつかない可能性を含めて念の為に各自遺書の準備と最後の晩餐をしておいてね。」

そう言い切るとスポーク博士と鹿野博士は助手君と呼ぶ聞いた事のある人を迎えに行く為に研究室を後にする。

 

研究室は自然と俺と黒野先輩だけになり……

「ど、どうしましょうか?先輩!?何か俺達、ヘンテコメカに乗る事もう避けられない感じになってますよ。」

黒野「……俺は自宅に一度帰る。お前も一度帰れ。」

「先輩は怖くないんですか?」

黒野「……怖くないと言えば嘘になる。だが、平行世界か………剣持は興味ないか?」

どうやら先輩は未知に不安を覚えるよりも子供のようにワクワクしているらしい。この人は……

「ヤバい平行世界なんかに到着したらどうするつもりですか!?」

黒野「そん時は、"必ず此処に帰ってくる"って己に決意表明すれば良いだけだ……義妹の真琴には自由気ままに自分のやりたい将来を見据えさせたいからな。ウチのゴタゴタは俺が引き受ければ良いだけだ。」

「でも絶対は無いんですよ。」

黒野「三門市を離れるのは不安か?」

「そ、そう言う訳ではないんですけど……」

(これまで世界各地に怪獣が出現したら超能力のワープで現地に移動した経験はあるけど……世界其の物から離れた事はまだ夢想には一度も無い。)

すると自分のスマートフォンにメールが届き夢想は確認する。

B級ボーダー部隊の香取隊のオペレーター染井華からのメールだ。

染井《一緒にランチでもどう?》

(もしかしたら今生の別れになるかも知れないから行った方が良いな……)

自宅に戻る前に夢想は大切な友人の元へ向かう。

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染井 華は、考古学の教授である父さんの友人の娘さんで、俺の小学生時代の同級生……俺の父さんとは違い厳しい父親の元で育った影響で同年代に比べてクールで達観した性格の人物で僕達が隠していた"レッドマンの秘密"を独学で辿り着く"諦めない天才"で大人びたドライな性格だが根は友達思いの心優しい性格の持ち主で………僕と同じく嵐山隊長のファンでもある。

僕がレッドマンに憑依されて諸々の誤解や事情が重なり守る為に香取さんと同じく僕から絶交状態になっても、染井さんは諦めずに……"真実"を知る為に陰ながら行動していた……時には強引に僕が行く目的地に同行したり、僕と一緒に亀型怪獣が背負ったマンションに那須隊のオペレーターの小夜子さん達と共に取り残されたり……巨大怪獣が出現するから立ち入り禁止になっているザイカーン地方のマキシボーン山で人間サイズの赤い怪獣に命の危機に晒されたりと………色々な波乱万丈な目に遭いつつ。後に華の都パリにて互いに向き合い和解する………その時は、今までの隠し事を詫びる意味で顔を殴るように顔を差し出すも、助走をつけた染井さんに顔ではなく股間を抉り込むように全力で殴られて………流石に痛かった……。

必要以上に今の立ち位置を維持して僕より親友である香取さんの方に優先させるように言っている為に変化は少ないと思う。

 

三門市 夢町ラーメン店『とんとん亭』

「ランチと聞くからてっきりファミレスとかだと思ったのに……」

染井「あら?私は昼食を食べる場所をファミレスとは一言もメールしていないわよ。」

志岐「そうだよ〜〜♪ついでに私もいるよ。ワトソン君。」

前髪で右目を隠した猫背が特徴の女の子は剣持夢想の隣に座りニマニマした笑みを向ける。

とんとん亭でラーメンを食べるボーダーのオペレーター二人は笑みを浮かべつつ夢想を見る。

「……確かに…そうだな。ホームズ君。」

志岐さんこと志岐 小夜子。ボーダー本部所属のB級部隊那須隊のオペレーターで偶然俺の秘密を知ってしまい紆余曲折の末ボーダーの中で一番最初に理解者になってしまった女性。

声を震わせられるレベルで壊滅的に年上の異性が苦手なのだが2万歳以上で年上過ぎるレッドマン相手と話している内に剣持となし崩し協力するハメになり伝説怪獣イポポの事件解決。何故か夢想相手には男性恐怖症が発症せずに打ち解けている為に協力者のポジションを得る。

志岐「意外かな?私達女子もラーメン店でラーメン食べるのは?」

「志岐さんはインスタント食品を食べる機会が多いから前に手作りラーメンを作った時には野菜多めにしたの忘れてないよね?」

志岐「栄養バランスを考えても結局はラーメンなのは変わらないよ。」

染井「………。」

染井(……良いなぁ……私も今度剣持君に何か作って貰おうかしら?)

眼鏡がラーメンの湯気に曇りながら黙々とこってりラーメンを食べながら志岐と剣持を見る染井。

「………にしても、あのマスコットはやっぱり謎だな……」

注文した味噌ラーメンを食べつつも、視線をとあるマスコットに訝しむ視線を向ける剣持。

染井「……そうかしら?わりかし三門市の子ども達に人気あるみたいよ。」

志岐「世の中何だかんだ不思議な事もあるよ。それよりも麺が伸びる前に食べちゃおう。」

「お、おう。」

頭に鶏に似た金色の奇妙なトサカ形状の冠に体毛が橙色に頭に上方他全身に茶色の模様、腕にも同様に丸い茶色の模様がついている180cmの変わった生き物のマスコットはお店の赤いエプロンを身に着けてお客にラーメンを運んでいる様子をボーダーのオペレーター二人は微笑ましく見ていた。

快獣ブースカ「お待たせしました。ご注文もラーメンです。」

染井(三輪隊の古寺隊員に声が似ているのは確かに気になるけど……)

志岐(何度見てもアレがイグアナの仲間なんて……世の中は不思議な事がいっぱいだな……)

前言撤回……やっぱり疑問はあるけど深くツッコミはしないオペレーターの二人。

志岐「それで、剣持君。何か思い詰めたけどどうしたの?」

「……俺そんな顔しているか?」

志岐「君って基本無表情だけど……顔に出る時あるよ。」

染井「そうね。今度はどんなトンデモない話なの?」

世間話のように聞いてくるも、もしもに備えてヒントを残す事にする。染井さん自体普通からかけ離れた超常的な経験をそれなりにしている為に真面目に話を聞いてくれる。

「デロリアンに強制的に乗せられて目的地不明の場所に旅に行く………とかかな?」

志岐「デロリアンって?」

染井「映画【バック・トゥ・ザ・フューチャー】に登場する特徴的なガルウイングドアのあるあの銀色の自動車。」

志岐「あぁ。あの有名なタイムマシーンね……………………えっ?剣持君。30年前にタイムスリップするの?」

「否、何か……タイムマシーンでは無さそうなんだ。」無表情ながら何とも言えない雰囲気を全身から出す剣持。

染井「なら普通に外車で旅行するの?」

「だと良いけど……でも何か改造車っぽい感じだったし……」

染井「旅行するのが怖いの?」

「もしかしたら帰ってこれなくなる可能性もゼロじゃないから遺書を書くように博士に言われているんだよな。」

志岐「これはまたトンデモない話だね……土産話を楽しみにしているよ。」

「少しは僕の事を心配してくれても良いんじゃないかな?ホームズ君。」

志岐「ワトソン君なら絶対に帰ってくるって信じているからね。心配はするけど………私が心配して何とかなる話じゃなさそうだし……」

「………そうか。確かにな………トッピング好きな物を頼んで良いぞ。奢ってやる。」もしかしたら最後の会話や晩餐になるかも知れないから夢想はらしくない行動をする。

志岐「ならチャーシューとメンマをお願いするよ。ワトソン君。」

「応。奢ってやる奢ってやる。」

染井「………。」

その剣持を寂しそうな表情で見る華であった。

 

とんとん亭で食事を終えて志岐さん曰く食後のデザートと言う事で公園にある移動販売車クレープ屋さんのクレープを購入してベンチに座りながら剣持は二人と共にトンデモない話の続きする。

染井「でも実際の話、君には倒さないといけない怪獣達や宇宙人達がいるのだから帰ってこないと地球が大変な事になるわね。」

こっちの事情をある程度知っている染井さんは剣持の

「そうなんだよな……こっちにはやらないといけない事は沢山あるし……にしても、多次元宇宙に移動するデロリアンなんて……」

染井「多次元宇宙(マルチバース)?」

志岐「アニメとか漫画に出てくる設定だよね………並行世界とかの……メジャーなアニメで説明するならドラえもんの"もしもボックス"だな。」

染井「……ごめんなさい。親にドラえもんとかのアニメは低俗だとかで殆ど観たことないの。」

「ホームズ君彼女に説明してくれたまえ。」

志岐「良いでしょう。ワトソン君。もしもボックス……ドラえもんシリーズでは割と知名度のある未来の道具で公衆電話ボックス型の実験装置なんだよ。"もしも◯◯の世界になったら"で例えば受話器を耳に当てて"魔法"が存在すると答え受話器を戻すと電話機のベルが鳴ってそれからボックスを出ると外の世界が科学より魔法が主力の世界になる。」

「【ドラえもん。のび太の魔界大冒険】の話だね……"元の世界に戻して"とか"元の世界に帰して"とか言わないとIFの世界に残る羽目になるんだよな。………志岐さんドラえもんの映画観ているんだ。」

志岐「割とね。面白い映画とかあるし……稀に普通に泣ける映画もあるし子ども映画でも馬鹿には出来ないよ。」会話しつつドラえもんの姿になる志岐小夜子。

「意外だな……」

志岐「でも使用者の望むIFの世界を新しく作る実験道具の説と条件にあったパラレルワールドに使用者らを連れて行く説に今いる世界を作り変える説とか"もしもボックス"の説明もバラバラなんだよね。」

染井「……それって凄くない?」もしもボックスの機能よりもアニメや漫画だから許される想像力に感心を覚える華。その姿はのび太君。

志岐「ぱっと聞いて凄いと感じるんだろうけど元の世界とIFの世界の良い出来事と悪い出来事の比率は基本等しいから魔法が主力の世界になっても結局魔法の勉強をある程度しないと魔法は使えないとかだからのび太君が思った結果にはならないんだよ。」

「ドラえもん達、小学生なのに魔界の魔王らと戦う羽目になるしにね。石にされたりわりかし追い詰められていたよね。」

染井「……IFの世界……」

クレープを持っている物の余り口を付けずに思い詰めたように思考する華を見て剣持は心配する。

「染井さん?大丈夫ですか?」

染井「もし本当にあるなら………ボーダーの無い世界もあるのかしら?」

志岐「ボーダーが無いドコロかトリオンが存在しない世界だってあると思うよ。」

「……その世界なら、大規模侵攻も起きていないから染井さんの家族も全員無事なんだと思う……多分…」

染井「っ!?」

剣持の言った何気ない言葉に一瞬ビクッとする染井。

3人は公園にチラッと眺める。子ども達がワイワイと遊具で遊んでいる様子や初々しいカップルがクレープを食べている光景から親子同士でサッカーをしている様子を見ていて……

志岐「今日はのどかだね〜〜。」

「あの人達の幸せを異次元の侵略者から守る為にボーダーは必要なんだよ。」

志岐「怪獣達から守るレッドマン達もでしょ。自分の存在が危険だからって無理に卑下にする必要はないんだからね。」

「分かってるよ……でもIFの世界か……僕らの性別が逆転している世界もあるのかな…」

志岐「君じゃなく病弱な那須隊長にレッドマンが憑依して滅茶苦茶健康体になった世界もあるのかも……健康体って言うより超人かな?まぁっ確かめようなんてないから好きな世界があると思うと想像力が沸き立つね…………さっきから染井さん黙っているけど大丈夫ですか?」

染井「えぇ……大丈夫よ。只……私も考えてしまったの……」

志岐「何が?」

染井「……きっと……志岐さんの言う世界が実在するなら…皆、異次元からの侵略者の近界民の脅威も怪獣とかの脅威も無く……三門市の外の町に住む人達みたいに……ありきたりな……でもとても大切な……普通の悩み事を持って生きているのよね……」

志岐「でも……その世界だと……私は、那須隊長達と出会う事ないんですね……剣持君とだって……」

ボーダーがあるから出会えた縁や切っ掛けも存在する。だからと言って大規模侵攻のような事が起きて欲しい訳では無い。

「もし、ボーダーが存在しない世界が実際にあると言うのなら、皆やっぱりどんな人生を送っているんだろうか?」

志岐「私は……クマ先輩に出会う前の根暗な引きこもりになってそうだな……その世界でも年上の男性が苦手なのか分からないけど……何となく分かる。」

「あ〜〜何か想像出来そう。」

染井「私は……ボーダーが存在せず家族が無事なら……どんな人生を送っているのだろう…」

家族が亡くなったから自立しないといけない為に親戚の三浦君の家に暫く居候をしつつも当時の自分の年齢でも働く事が可能なのと寮もあるボーダーに入った。

将来の夢とか人生の目標を3年前のあの頃の私は持っていたのかしら?

「でも……」

染井「何?」

「……いえ、ボーダーが無い世界かは知らないですけど……多分、染井さんの家の隣には親友である"香取さん"がいるから心配無いと思います。」

志岐「そういやあの人とは家が隣の幼馴染なんでしたっけ?」

接点はそこまでないが必要以外自宅で引きこもる小夜子は、同じクラスにいる香取さんの事を思い出す。

剣持の何気ない一言にゆっくりと目を見開かる染井華は小さく笑みを浮かべてクレープを食べる。

染井「……そうね。何処の世界でも私と葉子は一緒よね。志岐さん。このクレープ甘くて美味しいわね。」

志岐「剣持君はクレープは食べないの?」

「……僕はもうお腹いっぱいなんだから気にしないで良いよ。」

剣持は染井と違い寂しそうな作った笑みを浮かべてそう言い染井が食べているクレープをチラ見してから移動販売車のクレープの方向に視線を向けて

(……染井さんが何気なくクレープ屋さんで選んだ果物盛りだくさんクレープ。僕と絶交になった日の香取さんが美味しそうに食べていたクレープと同じなんだよな。……何か因果を感じる……)

染井さんが座っているベンチも丁度香取さんと俺が座っていたベンチで位置も近い……

(あの日の香取さんは果物盛りだくさんのクレープを今の染井さんと同じように美味しそうに食べていて……俺の顔を見て不動明に似ているとか言って大笑いしてくれたな……)

染井「っ?………」

何気なく移動販売車のクレープ屋さんを大切な思い出を思い出すような視線を向ける剣持に染井は奇妙な引っ掛かりを覚えた。

でもそれが具体的に何なのかまで分からず……華は少し胸に苦痛感じた。

更に夢想はクレープ屋から視線の奥にそびえ立つ白い巨大な建物の界境防衛機関のボーダー本部を見上げる。

(……ボーダー……三門市……レッドマンと共に僕の守りたい人達がいる場所……)

この公園から三門市の全貌は見えないけど、自分が隠している秘密を取り巻く事情が複雑で良く悩む事がある。ずっと悩んでも悩み事が悩み事だからボーダーの人達にも話せない。結果的に他人の力を借りずに一人で考えて答えを見つけないといけない。レッドマンじゃない普通の剣持夢想個人として……

「確かに……少し、地元じゃない遠くの場所で色々と考える必要があるのかも……気分転換の旅行と考えたら……今回のヘンテコマシンのトンデモない話はそんなに悪くないのかも知れない……」

志岐「世界の広さに比べて自分がどれだけちっぽけな存在とか」

クリームがほっぺたについた小夜子が面白そうに聞いてくる。

「志岐さんクリームほっぺたについてるよ。俺がちっぽけな存在なのは、子ども頃に染井さんと香取さんと出会ってから殆ど感じていた事だから心配ないよ。」

志岐「なぬ!?」

染井「ゴメン。」

「何で染井さんが謝るんだよ。本物の努力家と本物の天才にあって如何に自分の実力が大した事ないのか分かっただけだよ……染井さん。」

染井「何っ?」

視線を移動販売車のクレープ屋さんに向けて染井自身に背を向けたまま尋ねる。

「果物盛りだくさんのクレープは美味しい?」

染井「………えぇ。」

夢想は華達の方に振り返り彼女達と向き合う。

染井「たまにはこういう物も悪くないわね。」

何気ない笑顔を見せてくれた染井さんの姿が一瞬、在りし日の同じクレープを食べて満面の笑顔を向けた香取さんと重なった……

「っ!!…………………それは良かった。」

僕はそう答えると何だか凄く眩しく感じて……染井さん達を直視出来ずに視線を下にして声が震えるのを悟らせないように無言になり拳を握り締める。

(誰か守る為に……巻き込まない為に……心配させない為に……傷付かせない為に……嘘をつく。でも嘘を重ねる内に何が本当か嘘か分からなくなる……でも………それでも………それでも…僕は!?……僕は彼らを守り抜きたい……僕に掛け替えのない大切な物を沢山くれたから……例えそれで再び命を捨てる事になろうとも……)

志岐「でも剣持君が旅行に行くなら真琴さん達には話した方が良くない。」

「義兄の黒野先輩と一緒に多次元宇宙に行くなんて言ったら心配されるし理解出来ないと思うよ。言ってる俺も理解出来ないし。」

志岐「じゃあ真琴さん達には私達がオブラートに旅行に行くって伝えとくね。」

「頼むぜ。ホームズ君。」

志岐「任せてくれたまえよワトソン君。」

ハイタッチしてくる志岐に剣持もハイタッチを返す。

染井(年上の異性が苦手な志岐さんが剣持君とハイタッチする光景……良いな。)

志岐「はい。景気づけに染井さんも剣持君にハイタッチ!!」

「「えっ?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いに表情は何時も通りでも耳を真っ赤にしてハイタッチしました。

剣持は染井さん達に意識を向いている他所に公園の茂みの雑草に混じって1枚のワカメが蛇のように独りで動き排水溝の隙間に潜っていった。

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夕方から夜の時間になった三門市。

染井さん達と別れて剣持は自宅に帰り自室で猛毒巨虫ビッグライガーについての報告書は無事作成した物の遺書は結局書けなかった……鹿野博士達から連絡が来てしまい。慌てて合流場所に向かわないといけなくなった。"役に立つか分からないけど取り敢えず必要"な物のリュックサックに詰めて背負い

「じゃあ分身。俺がいない間、この世界の事は少し任せたよ。」

視線を自室のベッドに向けると……全く同じ姿をした剣持夢想が本を読んでいた。勿論、偽物とか影武者ではない。

「……この絵本、面白いな。」

目の前にいる剣持夢想はレッドマンの超能力の一つ"分身能力"で作った存在である。人格はレッドマン寄りで隙あらば本体を倒して本物に成り代わろうとするが、何だかんだ協力的である。彼のお陰でアリバイ作りは問題無い。染井さんは分身の事を剣持Xと呼んでいる。

「……何の絵本読んでいるの?」気になって尋ねる剣持。

「ガリヴァー旅行記。」

あっ昔、父さんの書斎にあった子どもの頃の読んだ本だ……。懐かしい……子ども頃はそういう本を良く読んでいたな。確か原本に近い小説の方は兄さんの部屋にあるんだよな。船医レミュエル・ガリヴァーの奇妙な国を冒険する話で……分身が呼んでいる絵本は小人の国と巨人の国の内容が載っているんだよな。

「じゃあ、取り敢えず……戸締まりとかしっかりして…学校やボーダーでは目立つ事をせずに…あぁ。怪獣とかが出たらできる限り『お化け屋敷』やボーダーの面目は立たせてからレッドマンに戻って……」

「ととっと合流先に行けよ!?何処のお母さんだ!?」

「うん。また会おう。」

言いたい事はまだまだあるけど社交性はそれなりに高い分身だから心配する事は無いと信じて部屋を後にする剣持本人だが「待てっ!?」とはっきりと呼び止められて振り返ろうとすると

「使いな!?」

振り向く前にボーダーの所有する自分が使用する訓練用トリガーホルダーを投げられて振り向くより速く片手で条件反射で掴む。

「コレって……僕のトリガーホルダーじゃないか。」

「念の為に持っていろ。ボーダーの連中にはダミーを用意して誤魔化しておく。無くすなよ。」

「分かったよ。無くさないように気を付けるよ。行ってくる!?」

部屋を後にする剣持夢想の後ろ姿を見て剣持夢想の分身は絵本に目を通しながらやはり今日の時空移動メカの始動テストを心配する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(多次元宇宙………ウルトラセブンの息子がベリアル銀河帝国が存在する宇宙に行ったような事が……だが地球より高度な技術力を持つM78星雲ですら移動させるのにウルトラマンゼロ一人がやっとだった……次元や宇宙の果ての壁を突き抜けるには途方ないエネルギーが必要だ。『お化け屋敷』の科学者達が変な所で優秀なのは知っているが……どうやって問題の数々をクリアするつもりなんだろう……)

この広大な宇宙でも地球より科学力が圧倒的に優れた星々は沢山あるが……次元を移動する事が可能なのは星々の中でもほんの一握り……。

(異なる世界には、異なるルールや常識がある……)

分身の脳裏に過るのは、M78星雲人達とは似て非なる別次元の光の巨人達……本体にはあぁ言ったものの……何も無ければ良いが……

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三門市 深夜の1時

必要以外は暗くなるこの時間の道路に一台の車が走る。

鹿野「そんなグッタリした顔をしなさんなよ。助手君。面白い実験を体験すれば忽ち元気になるからさ!」

鏡「グッタリもするよ〜〜自宅にあるデジカメを同級生の古寺の奴に貸していたから三門市中にいる古寺の知り合いに片っ端から古寺の居場所を探して疲れたんだからさ。」

鹿野博士の自家用車の後部座席に座る鏡 拓也はグッタリした表情で膝の上に乗っかっているデジタルカメラを見つめる。

スポーク「事前に君のスマホに連絡先を交換していないからこうなるんだ。」

鏡「お陰様で古寺と連絡先とメールアドレスを無事交換しましたよ。所でこの車の目的地は何処ですか?」

鹿野「昆虫怪獣に屋上を半壊させられたゲンブ百貨店の駐車場だ。」

スポーク「現在修繕工事を行っている百貨店の広々した大型駐車場を今回の実験テストの場所として使うつもりだ。」

鏡「あの場所か〜〜」

自分が物理的に死に掛けてプレイターとレッドマンが激闘を繰り広げた場所だと苦い思い出を思い出す鏡 拓也。

合流先の修繕工事をしているゲンブ百貨店の比較的無事だった大型駐車場に到着する鹿野博士の自家用車。

 

修繕工事の百貨店だから当然、大型駐車場はスカスカ……何処かで見た事あるデザインの大型トラックを只一台を除いて。

より正確に言うと青い車体に炎のファイヤーパターンが追加されたピータービルト・379モデル・大型トレーラートラックを見て。

鏡「………あれって実写版【トランスフォーマー】のオプティマス・プライムの奴じゃない?」

鹿野「それじゃあ皆降りようか。」

自家用車は近くに停車して後部座席のドアを開けてスケボーを脇に挟み右手にデジカメを持って駐車場を歩く拓也。

「あっ、拓也君。何でこんな時間に?」

鏡「剣持先輩。先輩どうして此処に?金属生命体とコンタクトしたんですか?」

知り合いの少年がトレーラートラックの前に立っていて拓也に気付く。

「仕事だよ仕事。否……実験の手伝いと言った方が正しいかな?」

鏡「俺もそんな所ですよ。鹿野博士達に呼ばれてさ。」

互いに友情の意味を込めて拳を軽くぶつけ合わせつつ剣持は素直に無表情の顔で

「博士達が言っていた助手君って君の事だったのか?」

お互い知らない仲ではない物の近所も学校が違う為に、プライベートの付き合いはしているが、基本怪獣関係でもないと会う事の無い同じ歳の友人の鏡拓也がまさか自分の所属している『お化け屋敷』の博士達と個人的な知り合いだったなんて……世の中の狭さを感じてしまう。

黒野《剣持?どうした?》

『お化け屋敷』隊員服を着用した剣持が万能ヘルメットを取りトレーラーの方に視線を向ける。すると腕時計型通信機から黒野先輩の音声が聞こえてくる。

「はい。黒野先輩。拓也君が博士達と一緒に来ました。どうやら今回の始動テストの記録係のようです。」

黒野《拓也君が?》

スポーク「準備をお願いするよ。黒野隊員。」

黒野《あっはい!博士達も来たし此処まで運んでいたコンテナの中のマシンを下ろすぞ。》

鹿野「じゃあ頼んだよ。黒野隊員。」

『私に良い考えがある』と言いトランスフォームしそうなトレーラーのコンテナの中でスモークとライトに隠れた後部から道板を傾斜し道路とくっつけると一台のマシンが剣持達の前にその姿を見せる。

鏡は剣持達と違い始めてデロリアンを見る為に子どものように驚きの表情を見せ感嘆な声を出す。

鏡「ヒュ~〜ワオ。こりゃあ凄いや。」

「コンテナの中にスモークなんていつの間に準備したんですか?」鹿野博士達に尋ねる剣持。スモークが凄くてコンテナの中が殆ど隠れて見えなかった。

黒野《それは俺だ。》

デロリアン元よりコセイドン号のガルウイングドアが勢い良く開き博士達の操縦マニュアルを片手に口に赤いボールペンを挟んだ黒野が姿を現す。

「黒野先輩が!?……一体何の為に?」

黒野「ワクワクドキドキを増す為さ。」

鹿野「さぁ、皆、改めてコイツを見てくれ。俺の生涯を賭けた一世一代の発明だ!?」

剣持、黒野、鏡の3人は鹿野博士の言う通りコセイドン号を間近で見る。

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黒野「たまに外車の方が格好良いのがあるんだよな。」

「先輩のガレージには高そうな世界各地の自動車が沢山ありますもんね。」

黒野「あれでも結構、厳選しているんだぜ?自動車博物館の展示品を買い取った車だってあるし…」

 

鹿野「さて時間も遅いし皆、手早く実験を始めようか!?」

剣持はゲェーッとした顔を博士達に見せて…

鹿野「心配しなさんな。乗って爆発する棺桶マシンじゃないから。」

「行き先を決められないマシンなんて欠陥品以外の何物でもないですよ。やっぱり今乗るよりシュミレーションとかもっと時間と安全を色々と考えた方が……」

スポーク「助手君。デジカメを録画機能を準備してくれ。」

鏡「あ、分かったよ。所でこのイカス車どう改造したの?」

鹿野「黙って見てろ。今に分かるから。とにかくデジタルカメラを回せ。さぁ、早くしろ。」

拓也はデジカメの録画機能を準備する合間に博士にコセイドン号について尋ねるも博士は拓也の質問を答えずとにかく記録録画してくれと催促する。その一連の様子を見る剣持。

「鹿野博士って何時も思うけどマイペースだよね。」

黒野「科学者の何割かそう言う人ばかりさ。剣持も近くにいろ。」

鏡「にしても博士達が今着てる服って?」

スポーク「今は何も聞くな。後で全部教える。」

「うん。」

【よーし。スタート。】

そうこうしている内にデジカメの録画機能を起動した撮影が始まる。カメラに向かってまず基本の自己紹介をする鹿野博士。

鹿野「こんばんわ。皆さん。私は鹿野 徹。宇宙物理を専攻する33歳のしがない科学者です。隣にいるのは、」

スポーク「……スポーク場留伽(ばるか)。38歳。専攻は鹿野博士と同じ宇宙物理学。」

淡々と自己紹介するスポーク博士。

鹿野「今私達は……三門市の怪獣災害に遭った修繕工事中のゲンブ百貨店の駐車場にいます。時間は深夜1時25分。」

鹿野博士は周囲の景色に視線を向けてその後を素早くデジカメで映す拓也。

鹿野「第1回目の始動テストを開始します。さぁ、二人共。コセイドン号に乗るんだ。さぁ、乗って乗って。」

「黒野先輩!?」

黒野「尻込みしてももう遅い。少年バトル漫画の主人公みたいに覚悟を決めようや。」

「先輩はもう少し危機感を持って下さい。危険を知らせるムズムズセンスが滅茶苦茶反応してますよ。」

黒野「例え危険でも男には、やらないといけない事がある。それが今だよ。」

「格好良い言葉を言えば何でも良い訳ではないんですからね。」

スポーク「シートベルトはしっかりしてくれたまえ。」

剣持夢想はガルウイングドアが開いたコセイドン号の助手席に乗せられて黒野も渋々乗り込む。

鹿野博士達とデジカメを持った拓也も近付いてきてコセイドン号の内部をデジカメでゆっくり映す。そして助手席に座る剣持にデジカメで映しながらインタビューをする。

鹿野「今回の始動テストに協力してくれた界境防衛機関ボーダーの訓練隊員の剣持夢想隊員です。気分はどうかね?剣持君。」

「見て分かりませんか?物凄く最悪な気分ですよ。」

鹿野「では良い旅を。」マイペースな博士の返答に

「全部終わったら覚えて下さいね。本当にキレますからね。」

鹿野「記念すべき時空移動メカコセイドン号を操縦するのは、黒野賢人隊員です。」

黒野「宜しく。皆さん。あっ、博士。念の為に操作プロポを渡しておきますよ。ハンドルとかアクセルとかブレーキが効かない時は頼みますよ。」

運転席に座る黒野は、遠隔操作用リモコンを鹿野博士達に手渡す。

鏡「剣持先輩。ガンバ!?」

「やかましい!?」

黒野「君って俺の知っているボーダーの正隊員の連中並みにお気楽な所あるよな。」

無表情で何の慰めにならない言葉を言う拓也に声を荒げる剣持と怪しげマシンに乗らないから他人事でお気楽な言葉を拓也に呆れる黒野。

鏡「それリモコンってわけ?」

鹿野博士はアンテナを伸ばしてコセイドン号のガルウイングドアを閉める。

鹿野「そうだ。あっ!デジカメのデータは無くすなよ。貴重な記録なんだからな。」

鏡「分かってるよ。どうせ俺が六頴館の皆に言いふらしても頭おかしいと思われて誰も信じないよ。」

スポーク「私達は信じるよ。」

鏡「スポーク博士は開発に携わってるから信じるんでしょ。」

 

鹿野「さて皆さん。黒野賢人君と剣持夢想君。彼らは歴史的な時空を超えた旅へ出発する所です。」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

コセイドン号運転席内にて

「先輩は本当に別の時空に行くんですか?」

黒野「そうだな。一度で良いから別次元がどうなっているか見たかったんだ。他の時空の三門市は此処とどんな違いがあるのか。後……別次元なら著作権関係とか今後の『お化け屋敷』とかで役に立つパクリアイデアがあるかも知れない。」別時空で堂々と盗作宣言する黒野に無表情でゴミを見る目をする剣持。

「そりゃあ良いや。」諦めた口調で返事をする剣持。

黒野「知ってるか?ボーダー本部が建っている場所の土地の一つには大時計が目印の裁判所が建っていたんだ。1885年 明治18年に建てられた歴史的な建築物で大規模侵攻が起きる1年前に新しい裁判所が別の場所に建設途中の最中だった。」黒野は乗り気なようで乗り気ではない剣持を元気にさせる為に三門市の雑談を話し始めて剣持もその話に食い付く。

「それなら知ってます。大規模侵攻が発生して旧裁判所が近界民に破壊されて新裁判所が建設されるまで市役所が簡易的な裁判所を作った話。」

黒野「当然だが資料の写真しか残っていないけど明治時代を再現する映画やドラマのロケ地として使われ」

【ーーーーッ!!?】

「っ!?」

黒野先輩と会話している最中突然、嫌そうな雰囲気を醸し出す無表情の剣持の両目が大きく見開き真剣な表情で窓の向こう側の景色を見る。

黒野「どうした?夢想。」

「…何かが…何か近付いて来る。」

剣持夢想……2万年を生きたレッドマンには相手の気配を読む力に長けており危機を事前に察知する超感覚がある。夢想曰くムズムズセンス。

この能力を駆使して剣持夢想は世界各地に出現する怪獣の現在位置を特定しワープ能力で急行する事が出来るし、迫る危険を感じ取る事も出来る。

黒野「…………こりゃあ大変だ。あいつらどうして此処が分かったんだ?」

剣持の真剣な様子に黒野も冷静にコセイドン号の窓から4kmの音を拾い、50kmの有効範囲を収める遠視力で迫る物の姿を見る。

鹿野「何だアレは?」デジカメの録画機能が稼働する中当初のスピーチ内容を他所に駐車場の奥に視線を向ける鹿野博士達。

深夜の駐車場の奥から見える夜の車を安全に照らすライトの光と共に何かを探すように爆走してくるのは、暴走族の集団などではなく至って普通の輸送トラックだ……但し……真っ直ぐに此方に向かっている。どうやら明らかに博士達の予定した物とは違うらしい。

鏡「こりゃあヤバい!?」トラックの上に乗っている存在に拓也も気付き二枚目半の表情から険しい表情に変わる。

鏡(ガイラットの改造人間!?)

スポーク「逃げるんだ助手君!?」

???「ワカメクエーー!!!」

更にトラックの上に乗っかっている特撮ドラマに登場するような着ぐるみを来た存在を無視しなければ……至って普通のトラックなのだ。

???「ヒカラビカイソーン!!」

 

ヒカラビカイソーン

出身地 日本近海

健康の為に「ワカメクエー」とワカメをすすめる怪人。

ひとたび怒りだすと大量のワカメを体から出して、相手を押しつぶす。その力は強力でダンプカーすらペシャンコにしてしまう。

火が弱点。

 

馬鹿丸出しで高らかに己の名を叫ぶ存在は海藻状の鞭?の両腕でバンザイのポーズをする。只の特撮ドラマに登場する海藻の着ぐるみではなく世界征服を目論む悪の秘密結社ガイラットのれっきとした人間の身体を改造した改造人間。ガイラット三門市支部所属で黒野と剣持に因縁のあるヴィランなのだ。

 

「あれ?黒野先輩アイツって何時かの海藻の怪物ですよ!?」

黒野「仕返しに来たようだ!?」

(コセイダーに着替えるには時間がない。)

黒野(剣持達が近くにいるから黒トリガーが使えない!?)

鏡(どうする?何時もの装備は持ってきてない!?)

黒野と剣持は互いに視線を向けつつ状況打開をしようにも近くに人がいる為に行動が制限させその行動が移せない。

取り敢えず黒野はコセイドン号のガルウイングドアを開けて

黒野「博士達はとにかくどっか安全な場所に隠れてくれ!?剣持。俺達であのワカメを引き付けるぞ。」

「了解っ!?」無表情で返事をしてコセイドン号から降りようする剣持と黒野だが直前にマシンガンの弾が駐車場を通り過ぎる。

直撃は避けたものの危ない事には変わりない。

黒野「卑怯だぞ!?ワカメっ!?ここはお互い漢らしく素手で勝負しようじゃないか!?」

ヒカラビカイソーン「そう言って俺を火炎放射器で火達磨にした事を忘れたとは言わせんぞ!?」

「先輩そんな事したんですか!?」

黒野「確かお前が非番の時、水分がたっぷりあるワカメを乾燥させようと考えて勢い余って燃やしたんだよ。」

ヒカラビカイソーン「覚悟しろ!?撃てぇーーー!?」

側に控えていた黒い全身タイツに白い渦巻きがあるガイラットの戦闘員ウズマキングがマシンガンを持ち剣持達に向かって放つ。

鹿野「ねぇ誰なの?あのワカメ?」

「黒野先輩に因縁のある悪の組織ガイラットの怪人!?」

剣持は鹿野博士をコセイドン号に無理矢理乗せて咄嗟に拓也は近くにいたスポーク博士の頭を下げさせて頭上を通り過ぎるマシンガン乱射をやり過ごす。

鏡「オプティマス!!!!?」

しかしファイヤーパターンのピータービルト・379モデル大型トレーラートラックは弾痕がはっきりと残ってしまい。拓也はコンボイ司令官の名を悲鳴を上げるように叫ぶ。

「黒野先輩!?」

一方、何も知らない博士達がいる為においそれとレッドマンに変身する事もコセイダーに着替える事も出来ない剣持は黒野の名を呼ぶ。

黒野「俺の事より博士達を守れ!?」

『お化け屋敷』が常備している標準装備電磁レールガンを腰のホルスターから抜きヒカラビカイソーンに向かって青い光弾を発射する。

ヒカラビカイソーン「あひん!?あだっ!?ぐぼっ!?」

全てヒカラビカイソーンに直撃するも

黒野「クソっ!?思ったより効果が薄いぞ!?こりゃあヘビィだな。応援を呼んだ方が良いか?」

腕時計型通信機を使おうとするも、次々と迫るマシンガンに連絡する暇もない。

黒野は咄嗟に鹿野博士達が乗ってきた乗用車を壁に隠れるも、

黒野「あっ、不味い。」

【ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ】

容赦なく来るマシンガンが鹿野博士の乗用車を穴だらけにして黒野は急いでコセイドン号がある所へ走る。乗用車は炎を上げて爆発して流れ弾が再びトレーラートラックに当たる。

鹿野「俺の車が……」

鏡「イボンコ」

傷ついて行くトラックを見つつ拓也はスポーク博士をコセイドン号に乗せて自分も無理矢理乗り込み。

「ちょっともう定員オーバーです。」

鏡「あっ、何か当たった。」肘が何かの車の中にある機械に当たるも気にする余裕もない。

鹿野「今度は8人乗りの車をベースにしよう。」

鹿野博士はシートベルトを締めてコセイドン号を運転しトラックに追い掛けられる黒野を助けようとする。

ガルウイングドアを開けたまま走り出して黒野の前にスライド停止して

「乗って黒野先輩!?」定員オーバーの車内の様子。

黒野「へっ!ちょっと無理無理!?」これは乗るスペースが無いから諦めと博士達が居なくなったら黒トリガーが使える機会なのに

「良いから!?穴だらけになるよりマシでしょ。」

黒野は定員オーバーの車に拒否の言葉を言うも無理矢理乗せられ

黒野「おい!?引っ張るな痛い痛い痛い狭い!?」黒野が入ると無理矢理ガルウイングのドアを閉じてコセイドン号が走る。

鏡「痛っ誰かの肩が思いっ切り当たった!?」

スポーク「ちょっと誰か肘が当たっているぞ。」

「先輩の足が顔に!?」

黒野を含めた5人を乗せたコセイドン号はゲンブ百貨店の駐車場を後にして市街地の道路を走りその後をヒカラビカイソーンが立つ悪輸送トラックが追う。

ヒカラビカイソーン「逃さんぞ!?ワカメクエーー!!?」

 

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