レッドマンサーガ&ワールドトリガーサーガ超決戦!!近界魔星国家 作:怪物怪人怪獣さん
三門市の公立高校 夕方の時間
何処からか無数の鳥達が自由に空高く羽ばたき図書室の窓を通り過ぎる。
??「……。」
授業が終わった下校の時間、自分の通う高校の図書室で少女は1人黙々と高校の予習をする。その光景は日本全国でありふれた光景であり、特に変わった事でもない。少女は勉強の途中ふと外へ視線を向けると、夕陽をバックに運動部の少年少女達がランニングをしている光景が映る。
??(私は何の為に勉強をしているのだろう……)
多くの人なら自分の将来の為…夢の為……と答える。あるいは、人生で勝ち組になる為にとか、親みたいになりたくないと言う反骨精神で勉強する人もいる。或いは既に親が敷いたレールに乗る事が確定しその僅かな自由が許される儚い反抗。
??(良い中学に入り……良い高校に入り…良い大学に向かい…良い大企業に入社して良いポストに就く為に……ソレが本当に良い人生設計……なのかな?)
今日まで当たり前にしていた事にふと私は疑問が生まれる。勿論、人生設計が高校1年生で明確に出来ているのは、日本全国で半分いるかいないかも良く分からない……でも考えてしまう。
自分は何の為に勉強をしているのだろう。自分のクラスで良くテストの点数が良いとかで各教師や同級生達が私を褒め称える。でもそのせいで一部の努力家の生徒達から嫉妬の目の仇にされている。
誰も私の本当の自身の気持ちなんて知らず、ここ数年で上手くなってしまった愛想の気持ちの無い作り笑いをする上辺だけの私を見て尊敬している。勿論私にも苦手な教科はあるが、私なら必ず出来ると周りは勝手に期待のハードルを上げる。私は、周りの為じゃなく自分の為と口にしながら努力して皆の期待に答える。そう答え続けている。
私にはある物より無い物の方が多い……隣の家に住む親友を見て自分が尚更、天才ではない事を理解する。
私は環境とか親のせいなんてしない。全ては私自らの意志で選択して選んだ結果だと私自身でも分かっている。でも……私の人生は此れで本当に良いのか?考えてしまうのだ。
人生が薔薇色とかでもないし、順風満帆な方なのだが……たまに周りの同級生達が羨ましいと思う私がいる。
運動部の皆は走り、打ち、投げ、跳び、舞い、放ち、白い体操服が泥だらけにも汗をかきながらも自分が何よりもやりたい事を感情のまま叫び全力全開でやっている。文字通りの目標を持って……
文化部の皆も、共通の話題で議論を熱く交わす者達もいるなら、好きな事に熱中して将棋やチェスの部活の人達は大会を目指して猛練習をする。
自分の中を突き動かす衝動……"熱"が私には無い……流れてくる物を淡々と解くだけ違うのは、定められたノルマの解く時間の差……解けた喜びよりも作業感を感じて心は常に冷めている。積極的に誰かと会話する事もなく黙々と自分の将来の為に役に立つと思う本を探しては読む行動の繰り返し……最近の流行りのドラマを始めアニメや漫画、映画にゲームの話題を知らず、会話もニュースや事務的で業務的な物……親や隣に住む親友が心配するし迷惑をかけるから軽はずみで馬鹿な行動はしない。
??(まるで…決められた動作をひたすら繰り返す機械みたい……)
周りに自分を慕ってくれる同級生達がいる。でも私は周りに私らしさを見せていない。私が私らしさが分からない……
夢を持つ者が偉いとは私は言わない……世の中夢が無くても生きている人は私を含めて沢山いる。つまらない言葉で言うなら何となく生きている。
少女は一通りの予習を終えて下校の準備をする。図書室を出て夕陽に照らされた窓が立ち並ぶ廊下を静かに歩きながら
??(このまま…普通の大人になって……普通に何処かの企業に就職して……普通に結婚して……普通に子供を産んで……普通におばあちゃんになって……普通に死んでいくんだな……)
紛争とかある外国の人から見たら私の持つ悩みは贅沢過ぎる事だと思う。普通の幸せが悪い訳でも無い……でも"本当に此れで良いのか"高校に入ってから心が時折激しくざわついている。
私は下駄箱に到着して靴を履き替えて外へ出る。運動部の人達の掛け声が聞こえる横で校門を通り過ぎ最近歩きなれた道を少女は1人歩いて行く。
??(家に帰ってたら今日の授業の所を復習しないと……)
通学路の商店街の道を歩きながら、レトロな雰囲気の喫茶店でコーヒーを飲んでいる大学生のカップルがいた。仲睦まじい様子で見てる此方が恥ずかしくなる。
女子高の女子生徒達がファーストフード店で仲良く勉強している。
他校の生徒達がゲームセンターのプリクラから出て笑顔で笑いあっている。
??「……。」
親から必要以外でのお金は貰っておらず事前に両親にあれが購入したいから費用を出して下さいとお願いしないといけない。渡された費用も必要最低限でバイトも許可されていないし、カラオケやゲームセンターや買い食いといった娯楽も殆ど禁止されている。
貴方の周囲で探せば割りといる教育に力を入れた合理的な家庭である。
父はアニメや漫画といった物は低俗的な物と言って子供に見せない人だった。必然的に私が読む物は、幼少期は童話や日本の昔話の絵本関係……小学生では国語の教科書に載せそうな内容の読み物で早い内に文学小説を読み……三門市図書館で人生始めて読んだ漫画は【はだしのゲン】と【火の鳥】だ……絵で物語を表現する作者の魂の籠もった熱に私の中の世界は衝撃を受けた………漫画の内容も内容の為に子供の私は衝撃を受けた。
しかし自分には熱を持つ物を見る羨ましいとより思う。そしてその思いは歳を重ねる度に大きくなるも……未だに私自身に激しく突き動かす熱はない。
ただ何かを真剣に打ち込む周囲の人達を大人びた目で心の底から羨ましいと感じる日々を過ごす。そんな傍からみたら羨む満たされた人生なのに何処か自分に足りない物を模索している。
其れが私……
私は商店街を出る道を歩いていると見慣れた赤い短髪が私の目の前に見えて私は自然と足を止める。
??「どうも。」
同じ高校へ入学してクラスは別々になったけど隣に住む親友が気さくな笑顔で私を待っていた。
??「……わざわざ待ってくれたの?」私は目を小さく見開く。
香取「別に……ちょっと、私、授業で分からない所があるからさ。華に聞きたい事があるから待っていたのよ。」
??改めて染井「……少し寄り道していかない?」
誰かに自分の話を聞いてほしい思った時に、不思議と親友は私の前に姿を見せる。
香取Side
私の眼鏡を掛けた親友は幼い頃から良く勉強をしている……家が隣だと関わる機会が増えるし自然と会釈程度から互いについての何気ない会話のキャッチボールをしてそれを繰り返し親しくなるのは通り越して幼馴染になるし幼稚園や通う学校も同じになる、親友の父親は厳しそうな性格の人で正直に苦手である……逆に親友の母親は優しくて本人の前では恥ずかしくて余り言わないけどウチのお母さんに負けない綺麗な人で親友も大きくなったらこんな美人な女性になるんだろうなぁと夢想する。
香取『華。ちょっと付き合って!?』
学校が同じでもクラスが違う事は普通にある事で私はそんな時、良く親友のクラスに顔を出して色々と遊びに誘う。学校のクラスにいる時の親友は何時も机の前で難しそうな本を持ち静かに読書をしているか、授業のおさらいや予習を黙々としている様子が私の目に映っていた。最初は勉強が好きな変わった人間かと見ていたけど……小学高学年くらいになったら何か……親友は自分の家族と一緒にいるのに一人ぼっちに見える事が増えた……親友と同じ高校を目指す為に私はらしくない受験勉強を真面目にしていた。それは名門として名が高い高校で中学の当時の私の成績では少々厳しいとお母さんと三者面談の際に担任に言われた。
進路の三者面談を終えて私はお母さんと帰宅する途中ふと口に出してしまった。
香取『ムカつく…』
友人関係が年寄りになっても続く人達もいれば、何かの拍子で崩れる人達もいる。それは親の仕事の転勤による引っ越しとか親の離婚と言った家庭の事情とか個人の我儘ではどうしようもない物もある。幸い親友が選ぶ高校は三門市内にあり電車やバスを使わず徒歩で歩けば行ける高校だ。そしてこれは……私自身が"努力"すれば何とかなる事だった……中学時代に培った同級生達の人脈を使い必死に勉強した……その結果春……私は念願の親友と同じ高校に受かった。あの時の親友の驚いた顔は忘れらない。予期せぬサプライズ大成功。でも……高校入学の目標を果たしてしまい、私の中で何か……ぼんやりする事が増えた…難しい授業の毎日の中で新しい友達や楽しい事が増えたのに……何処か…燃え尽き症候群で無気力になっている。モヤモヤする……高校は同じでも親友とクラスは別々になった事に不満は無い。でも目的を果たした為に何か覇気が無くなってしまった……私は親友と違う高校を通うのが嫌で必死に足掻いた……でもそれは本当に正しい事なのか私には分からない。そう思うと心無しか通う高校の同級生に苛められている訳でもないのに足取りが重く息苦しい物に感じてきた。真面目な皆が憧れる優等生は土台私には無理で、必死に誰に言い訳する訳でもなく私は自宅で遊ぶ事より勉強する事が増えた。此れで正しいと思うのだけど……何処か…心の中で私を数歩離れた場所にいる冷めた私が言うのだ……
親友と同じ高校を受験しなければ良かった……そうすればもっと自分らしく自分の時間をやりたいように使えるのに……
家族は今の私にどう話し掛けたら良いか分からないようだ。親友と同じ高校を受験する時は、心の底から皆私に応援してくれた。
分かっていた事だ……高校生になると言う事は…義務教育の外へ行くと言う事……中学より高い教育を学ぶと言う事になる。私は親に期待された訳じゃない。自分の意志で選んだ道だ。息が苦しくても足取りがどんなに重くても通う理由があるなら私は通ってやる。
………私がこの高校を選んだ理由は、親友と離れるのが嫌だからだ。親友が時折見せるあの寂しそうな顔を私といる時ぐらいは笑顔にしたいからだ。放っておけないからだ!!
だから無理に大人にならないでありのままの私達で良いんだよ……華……
香取Sideout
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河川敷の道
小学生の頃二人で良く通った河川敷の道を私は親友と共に歩く。
親友は授業で分からない所と言いつつ今日の学校の出来事を口にする。私は親友と違い積極的に話す方ではない為に、会話の話題は何時も親友が沢山してくれる。でも……この日は…
染井「ねぇ、葉子。」
香取「何よ。華。」
染井「私ってつまらない人間だと思う?」
私は親友と向き合う事なく流れる川を見つめながら聞く。
香取「……学校で何かあったの?」
私の言葉に心配する反応を見せる親友。
染井「ううん。……ただ、何となく…今までの自分の行動とかを振り返ってみたら、何か……周りが羨ましいと思って……」
香取「そう?私は華が何時も嫌な顔をせずに将来の為に勉強しているの素直に偉いなぁって思うわよ。私の家族も良く私と比べているしさ。」
裏表も無い率直な感想を口にする親友に私は言う。
染井「ありがとう……でもね葉子。私ね。やりたい事が無いの……」
香取「やりたい事?」
染井「確かに……大人になっても親のせいにしないように自主的に色々と出来る事を増やす為に勉強している。でもそれは、世の中が学歴社会だからとかが理由じゃなくて私自身明確な目標がこれっぽっちも無くて私の中でこのままで本当に良いのかなって思う事が最近増えてきたの……」
香取「考え過ぎじゃない?私達はまだ高校1年生。心配しなくてもその内やりたいだって見つかるわよ。」
親友の楽天的な意見だが反論する言葉が見つからない。
染井「その内か……」
明確なビジョンも見えない中、問題を先送りするいつもと変わらない……私は焦っているのだろうか?……一体何に?何かを求めているの?それは何処にあれば見つかるの?誰に出会えば分かるの?
香取「………此処で必死に考えて答えがでないなら、考えるだけ時間の無駄になるし疲れるだけよ。他の事を考えよ考えよ。」
自分の事で悩む私に親友は優しく心配してくれて新しい話題を私に教えてくれてこの時は心穏やかな時間を過ごしたと思う。
??「う〜む。自転車はやっぱり難しいぞ修。」
??「大丈夫だ。空閑。前よりは真っすぐに進んでいる。成長しているぞ。」
河川敷近くの橋の下では何処かの二人組の中学生が自転車を漕ぐ練習をしていた。
親友と帰る途中に見掛けてたその二人の中学生がやけにその日の私の記憶に残った。
そして私は私にとっての息苦しい冷たい牢獄……自宅へ帰ってくる。
香取「んじゃあ、後でね。」
染井「えぇ。」
私達は互いの自宅の前で別れる。後で2階の互いの自室で会話する事が可能だけど別れるこの瞬間は何時も寂しいと感じてしまう。自宅の玄関に足を踏み入れると、素の自分に仮面をつけて家族に見せる"私"にならないといけないからだ。互いの自宅に差がある物の……私は親友の家に親友の温かい家族仲が心の底から羨ましいと感じる。
染井(どうして、私の家族は葉子の家族とは違うんだろう……どうして私の父は葉子のお父さんと違うのだろう……どうして…私の母は父の顔色を何時も伺うのだろう……どうして…私の兄は葉子の兄と違うのだろう……)
何もかもが違う……どうして私がこんな家に生まれたのだろう。
私は……私は……どうして家族の前で本当の自分を見せられないのだろう。
誰か……誰か……私に教えてよ。私は本当に……何の為に………
生きているのだろう。良い大学……良い会社に入れば本当に人は幸せなのかな……私のやりたい事って本当にあるのかな……
親友が考えても時間の無駄と言った悩みに私はまた考えてしまう。それはまるで出口を探す暗闇の迷路に迷い込んだように前に進んでいる。その前の道の先に答えがあるのかも分からないのに……行き止まりなのかも知れないのに…
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翌日 朝
目覚まし時計の音に反応して規則正しい時間に起床する私。
隣の窓から見える葉子の部屋では昨日夜遅くまで携帯ゲームしていたのかぐっすりとイビキを出しながら寝ている姿が見える。放っておいても親友の葉子は母親に起こして貰えるから問題無いとして私も私で朝の準備をしないといけない。
染井「………。」
染井(……私がいなくなっても何も変わらないんだろうな……)
自分の親が私を心配するとは思えない。母は心配するだろうが、結局自分から何かアクションは起こさない。頭が固く厳格な父は私が死んでも悲しまないだろう。
いつもと変わらない日常……私は家族と黙々と朝食を食べて準備した鞄を持ち学校へ登校する為に家を出る。
何気無しに玄関の扉を開けて外に出ると……私の家の前の道に車も来ていないのにタイヤの走行音が聞こえて更に突然目の前で3度の閃光が何処からともなく光ると共にソニックブームを起こし
染井「っ!!」
驚きの余り私は一瞬瞬きをすると銀色の外車が氷に覆われた状態で忽然と前触れも無し姿を見せ私の家の前を通り過ぎ私の隣の親友の家の前に停車するのであった。
染井「……。」
香取「ちょっと五月蝿いわよ!?近所迷惑でしょ……。」
幼馴染の親友はイチゴジャムを塗った食パンを食べている途中で玄関から顔を出して自分の家の前に真っ白い氷で覆われた外車の姿を見て宇宙猫状態になる。
染井、香取「「っ!!」」
やがて私達の目の前で扉の部分の氷が砕けながら外車の扉が上へ開く。これまた見たことの無いヘルメットやジャケットを着た少年達がヨロヨロと車の中から次々と出てくる。
「……酷い目にあった…」
黒野「ちょっと痛い!?」
鏡「皆ゆっくりと出てくれよ。腰が……」
その内の1人が眩い朝の日差しを見て
「馬鹿な……朝だと!どうなっている……」
"少年は何故か外が朝である事に驚き"……続いて私と親友の視線に気付き私達と目が合うと、彼の目はゆっくりとそして限界まで大きく目を見開かせた。
「っ!!」
染井(どうして……驚くの?どうしてそんなに驚愕な顔をするの?)
染井の母親「どうしたの?華。」
染井の父親「華。何をしているんだ?学校に遅刻してしまうぞ。」
後ろから声が聞こえて姿を外に見せた家族に私は何気なく両親の方へ振り返ろうとする。
「っ!!!?」
でも私でも感じた驚きの視線に私は慌てて少年の方に視線を向ける。
「………。」
まるで幽霊を見るかのように私を…違う……私の家族を少年は驚愕な瞳で見つめていた。
香取「スペースゾンビ!!」食パンを食べていた葉子は少年の姿を見て口を大きくして言う。
「へっ?」
私と少年は葉子の発言に何とも言えない反応をするのだ。
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余りに一瞬過ぎたの一言に尽きる……
深夜の三門市の警戒区域に制限速度を守らずに直線道路で爆走したコセイドン号と悪輸送トラックの追跡劇は、自分達の想像をつかないレベルの展開で終わった。
亡くなった筈の染井華の両親の姿を見て驚愕な顔をしながら片手で頭を抱えてもう片手でコセイドン号の方に手を置く夢想。
「良いか。夢想。落ち着くんだぞ。慌てる事もない。そう。コイツは夢だ。僕は今、ちょっとばかりヘビィな夢を見ているだけなんだ。」
一方、拓也は香取葉子の家を軽く眺め見て
鏡「ウチに負けないくらい年季の入った家だな……」
と一言余計な事を言う。
香取「何ですってこのスペースゾンビの仲間が!?宇宙人の癖に人間に変身したんでしょう!!」
「っ!?」
葉子の何気ない一言にビクッとする夢想。
香取「この変身野郎が!?コレでも喰らえ!?」
慌てて自宅の方に引き返す葉子。
「ちょっと!?香取さん!!話しを聞いて下さい!?」
染井(っ!?あの子、何で葉子の苗字を知っているの?)
香取家の表札の前を少年は此方が見ている限り見ていないのに、ピタリと言い当てた。
黒野「夢想、拓也!コセイドン号に戻るぞ!?ここ何か変だ!?」
状況が良く分からないが周囲の街並みに何か違和感を覚える黒野は騒ぎが大きくなり人が集まってくるのを恐れて再びコセイドン号の中に搭乗する
鏡「たくっ!?どうなっているんだよ!?」
拓也も葉子が戻ってくる前にコセイドン号に戻り
「……っ!?」
最後に残った少年は私と私の家族を信じられない表情で見て名残惜しい表情になるも踵を返し外車に搭乗する。
黒野「博士!?出して!?」
鹿野「了解!」
銀色の外車は勢い良く走り出して私達の前から去っていく。
染井「………。」
香取「クソっこの宇宙人の化け物が!?」
野球のグローブも野球ボールを持って戻ってくる葉子だが既に外車は何処かへ言ってしまった。
一連のアレは一体何だったのか私達は良く分からない。でも何か常識を超えた普通じゃない出来事だと私は直感で分かってしまった。
仮に普通なら3回の閃光は何処から来たのか何故普通の家近くでソニックブームが発生したのか。何故季節外れに車体が真っ白な氷で覆われていた科学的な説明がつかないといけない。
そして……少年の驚いた顔が頭から暫く離れないのだ。
もう二度と会う事が無いと分かる筈なのに……何故だが私の中で何かが音を立てて動き出した気が……する。
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状況が良く分からないのは香取や染井達だけではない。コセイドン号に乗っている人達も起きている現象に戸惑いを隠せなかった。
外車は……コセイドン号は暫く目的の場所も分からずに町中を走り続ける。
鏡「ったくどうなっているんだよ!?ってかさっきのって染井華か?彼女いつの間に髪をあんなに延ばしたんだ?」
「博士、先輩……此処、何かおかしいよ……」
亡くなった筈の染井さんの両親の姿…それに、染井さんが着ていたのは六頴館高等学校でも無い制服姿に香取さんの三門市立第一高等学校のセーラー服でも無い姿……二人共、制服が同じだった……何より二人が住んでいたあの家は3年前の近界民の第一次大規模侵攻で⋯⋯もう…⋯一連のさっき見た光景が頭に焼き付いて離れず何気なく周囲の街並みを車の窓から見る夢想。完全に頭がパンク状態である。そんな息をつかせぬ状況の中で決定的な追い打ちを貰う。
黒野、鏡、鹿野、スポーク「っ!!!」
コセイドン号を道の真ん中で停車させて博士達が息を飲む音が聞こえて
黒野「見ろ……夢想。」
黒野先輩に言われて夢想が先輩が言った方向に視線を向けると、
「そんな、まさか……あり得ないよ……」
その光景に目を大きく見開かせて信じられない光景を見た夢想。
黒野「いや、残念だが……この光景を見て俺の頭の中で考えたパターンの一つと一致した。」
冷静に……しかし黒野自身も内心穏やかではないのが言葉と共に出てくる。
三門市の中心に聳え立つ自分達が所属する白い巨大な正方形の砦界境防衛機関ボーダー本部の姿が無い事に剣持達は気付くのだ。
黒野「どうやら……鹿野博士達が言っていて多次元宇宙の一つ……並列世界の三門市に俺達は来てしまったようだ。」
鏡「嘘だろ……」
スポーク「本当だ……」
鹿野「コレって実験成功した事を喜んだ方が良いのかな?」
マイペースに言うも博士も結構ビックリしている。机上の空論を実地試験する為コツコツしていたとはいえ、どう成功するのか、博士達も具体的に分からなかったのだ。
「並列……世界の……三門市…」
(さっきの染井さん達は…並列世界の染井さんや香取さん……僕を知らない別人。)
【ーーーーッ!!!】
並列世界の洗礼を望まずに貰った夢想の危険探知能力に反応が出る。そしてこの反応は……
(ビッグライガーと一緒に地球を目指していた宇宙人と……暴君怪獣!!)
複数の怪獣の部位を使い誕生した暴君怪獣タイラントの気配をこの三門市で感じてしまうのだ。
(怪獣がこの三門市の何処かにいるのか!!?)
鹿野「えっ?嘘でしょ。」
燃料切れを知らせるメーター音が鳴り…
鏡「どうしたんですか?」
スポーク「コセイドン号の燃料切れだ。」
スポーク博士から告げられた
黒野「ガス欠かよ!?……皆、取り敢えず車から降りよう。」
鏡「マジかよ〜〜」
【拓也の隠さない落胆の声を聞きながら僕らはガス欠になったコセイドン号から降りてコセイドン号を両手を押し出しながら前途多難な並列世界の三門市の地を己の足で歩む事になるのだ。】