レッドマンサーガ&ワールドトリガーサーガ超決戦!!近界魔星国家   作:怪物怪人怪獣さん

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更新。進展無しの内容。
誰かワールドトリガーの十二星座で黄金聖衣のイラスト書いてくれる人いないかな?


第6話街を歩く者達

森の奥深くにある風景と一体化したカモフラージュカーテンがされた空間を通り抜け怪獣型宇宙船⋯⋯その姿はカブトガニのような頭をしており、その宇宙船に傭兵のルナポロン星人は近付き出入り口のエアロック前で足を止める。。

ルナポロン星人「⋯⋯。」

??《今、出る⋯⋯》

ルナポロン星人の⋯⋯アトラスの右腕の腕輪型高性能通信機から聞こえた音声に返事もせずに待つ。

宇宙船の何重のエアロックが音を立てて外れて船の持ち主が姿を見せる。

ルナポロン星人「どうかしたか?心配せずとも地球の原生生物の連中は追い払っているぜ。」

身体のラインが出る宇宙服越しでも分かる無駄の無い肉体に鍛え上げられたルナポロン星人に比べて見るからに鼠色と薄い黄色の縞模様ガリガリの痩せぎすの身体、その痩せぎすの身体の中心には暖色系の色をして発光する心臓らしき物が見える特殊な肋骨を外側の外殻が覆い細長い腕の先端にある二本指から放つ念力で宇宙船のエアロックを触れずに閉じカブトガニに似た丸み帯びた頭部を持つ楕円形のバイザータイプの黄色い一つ目が発光しルナポロン星人の姿を捉える。

??「⋯⋯船の修理に使えそうな部品を探してくる。その間、ジャバラの守りは任せたい。」

ルナポロン星人「分かった。ジャバラの事は任せろ。俺もこの星で足止めはごめんだからな。」

??「それは私も同じだ。」

地球から数百万光年離れた通称ギル星雲からやってきた宇宙人は本来は地球侵略⋯⋯⋯⋯では無く母星の食料事情の研究の為に地球産の"ウシ"と呼ばれる謎の生物の捕獲しに来訪する予定だったのだ。

時たま地球産の生物は研究用に様々な星の星人がアブダクションしており⋯⋯肉食性の性質を持つ星雲人は解剖された"ウシ"が母星の食料問題を解決する手掛かりを得る為に怪獣オークションで強力な怪獣達を落札して傭兵のルナポロン星人を護衛として雇用。様々な星の連中から地球の位置を始め情報を貰い中古の怪獣型宇宙船でいざ地球へと向かっていたら、地球の防衛組織と何故かいたレッドマンのせいでかくかくしかじかの末⋯⋯地球に不時着した挙句に中古の宇宙船は破損し絶賛修理の最中であった。

ギル星雲人は固有能力の変身を使い黒いソフト帽、黒衣のトレンチコート、黒いサングラスを掛けた黒いスーツの男通称ブラック・メンに変身しルナポロン星人の背後を通り過ぎって森から街へ移動していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルナポロン星人のアトラスは雇用主にレッドスター人が自分達同然に人間の街に"突然"来ている事を教えていなかった。

 

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自分が住む三門市とは全く何もかもが違う並行世界の三門市を1人必死に走り回り怪獣の気配を探す剣持、だがどんなに集中して気配を探ろうにも怪獣の気配はまるで感知できなかった。

(バラキ同様に気配を感知出来ない怪獣なのか?)

自分の周りに度々現れる頭の左右に前方に伸びた黒い角を生やした赤い謎の恐竜型の二足歩行怪獣の姿を過ぎる剣持。

(だが一度は確かに感じた⋯⋯)

自分のいた世界で感知出来ずに自分達に攻撃を仕掛けた赤い悪魔のような怪獣を思い出す剣持とベム。あれに似た性質なのかと考えられるもベムは否定の意見を出す。

とはいえ皆と別れて歩き続けて時間と共に疲労が蓄積し、深夜の実験からワカメの怪人との追跡劇をしてからこの並行世界の三門市に到着した為に眠いし近く公園に立ち寄りベンチに力無く座り込む剣持。

「⋯⋯はぁ⋯はぁ⋯」

自分が知る知り合いは沢山この街にいるのに⋯⋯その知り合い達は自分の事など何も知らない赤の他人同然になった状況の中で、孤立感や孤独感を覚えながら剣持夢想は途方に暮れる。

(夢想⋯⋯仮に怪獣がいて戦って倒せてもあのコセイドン号の問題が解決しないと帰れない可能性がある事を忘れるなよ⋯⋯)

「あっ」

当たり前のように夢想は街を駆けずり回り怪獣の気配を探す事に集中していたが、レッドマンのベムは自分達を並行世界に連れてきたあのコセイドン号の方の事について考えていた。

 

(でもどうしたら良いんだよ⋯⋯僕らであの車の問題を解決出来る案があるの?)

(並行世界にも『お化け屋敷』の人達がいる可能性があるぞ。)

(でも大半は三門市出身者じゃないよ!?⋯⋯⋯解決出来る頭脳を持った人が三門市にいないと⋯⋯)

別行動をする前、鹿野博士達が自分の知り合いに連絡をしても繋がらなかったのを見て仮にこの世界の何処かにいたとしてもその科学者がいる研究所や大学へ行かないといけない。大学教授や博士なのだから予定なんてギッシリと詰まっているだろう。その予定が空いた時に会う予定を組むのにどれだけの時間が掛かるか分かんない⋯⋯そして当人と何とか会っても僕らの事情を1から説明する必要がある⋯⋯⋯

(絶対に頭のおかしい奴らって思われて相手にされないよ。)

(夢想。お前の思う事は間違っていないがそれでも帰る方法を考えないといけないのに違いはないだろ?)

(それは⋯⋯そうなんだけど⋯⋯)

「はぁ~〜」

俯いた剣持夢想は力無く溜息を吐き⋯万策尽きたと考えてしまう⋯⋯⋯怪獣の捜索を一度諦めてせめて皆の役に立つように、帰還する為の情報収集をしよう顔を上げるとある白い大型トラックが通り過ぎるのが見えた。トラックの看板ステッカーにこう書かれていた。

【ドクター・飛鳥・エンタープライズ 24時間営業・科学サービス】

「⋯⋯飛鳥⋯。」

剣持は凄く疑問を覚えて立ち上がり近付くより早くトラックは市街の方向へ行ってしまう。

「っ!?」

(追い掛けるぞ!?)

剣持の脳裏には鹿野博士達が話してくれたコセイドン号の研究開発をする際に大掛かりな装置ではなく小回りがきく乗り物にしようと言った博士達の親友の科学者の名前を思い浮かんでいた。

勿論、全く関係ない可能性だってあるし第一に剣持夢想もレッドマンのベムも会った事はない⋯⋯しかし、偶然にしては出来過ぎている。

(ベム⋯⋯⋯何処でも良いから公衆電話を探せそう。)

剣持⋯⋯ベムは真剣な表情でトラックの後ろ姿を凝視しながら追い掛けようと考えていたベムに意見を言う夢想。

(公衆電話?どういう事だ?)

(正確に言うと公衆電話に一緒にある電話帳だよ。)

(電話帳!?紙媒体の電話帳なんて存在するのか!?)

ベムが驚くのも無理はない⋯⋯今の電話帳と言えばスマホにある連絡先を登録・管理するアプリの事を指す。紙媒体の役割は今から数年前に終わっているのだ。

「でも紙媒体の電話帳なら調べられる事が可能なんだよ!?」

(そうか!?確か黒野先輩の今の住所の前の持ち主は飛鳥博士って言っていたな。)

(無駄骨になる可能性はあるが調べてみる価値はあると思う。行くこう。)

(応っ!?)

この公園は公衆電話が撤去されているのか無い。だったら別の場所だ。

「怪獣の次は公衆電話か!?くっ!走ってやるよ!?昭和の刑事ドラマの刑事みたいに!?」

次の目標が見つかった剣持は息を吹き返して走り出す。

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剣持が走る中、拓也は古本屋で【聖闘士星矢】を車田キャラの顔芸をしながら立ち読みしていた。

鏡(不味い⋯⋯此方の12星座の黄金聖闘士も俺達の世界の12星座の黄金聖闘士に負けずに全員、格好良い⋯⋯⋯これは普通に甘く見ていたぜ⋯⋯其れよりも俺が驚いたのは⋯⋯【SILENT KNIGHT翔】此方の世界だと大ヒットしてる事や!?)

【SILENT KNIGHT翔】とは車田正美が聖闘士星矢の連載が一度終了した後に週刊少年ジャンプに連載した少年漫画である。聖闘士星矢と異なるのに聖闘士星矢に似たようなキャラや描写設定が多く読者を困惑させた後に打ち切りとなり以降車田正美は週刊少年ジャンプから離れていった。なのに此方だと普通に聖闘士星矢と並ぶ人気作品になっていやがる。

鏡(此方の世界、俺の世界で打ち切りになった漫画とか普通にヒットしている世界なのか⋯連載終了した銀魂とかまだジャンプに連載しているよ⋯原作者が問題を起こして打ち切りなったアクタージュなんて四クールアニメとアニメ劇場版がある程の好待遇だし⋯⋯気になる漫画が多過ぎる。全部続き読みたいよ〜〜)

異なる世界の文化の違いに拓也は圧倒される間、拓也のいる古本屋の横を黒服の男が通り過ぎる。そして拓也は漫画本コーナーに意識を向けていたから気が付かなったが⋯⋯本のコーナーの中にはレッドマンが見たら驚きの表情と共に『なっ!』と叫びそうな銀と赤の体色を持ち黄色い瞳に胸に青い発光体がある巨人が怪獣と取っ組み合う絵が表紙の本が置かれていた事に⋯⋯

 

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剣持達同様に黒野は黒野で住宅街のある家の前に来て物思いに眺めていた。

黒野「⋯⋯。」

その家は他の家に比べて敷地が広く庭付きの大きな屋敷であり黒野自身⋯⋯世界は違う物の⋯お世話になった恩人が住んでいる屋敷だった。

 

目の前にある大きな屋敷の持ち主の表札にはこう書かれていた【黒野】と⋯⋯

黒野(余り此処に居てはこの屋敷に住む人達に迷惑が掛かる⋯⋯移動しよう。)

黒野「⋯⋯。」

世界は違うも短い間だが自分が住んで屋敷の姿を見て屋敷で過ごした沢山の思い出をふと思い出してしまい複雑な気持ちになり名残惜しく感じてしまう黒野は後にする。

黒野(さて⋯⋯あのコセイドン号のエネルギー切れをどうやって解決するか⋯⋯コセイドン号の方に向かった博士達の詳しい報告があるまでこの先必要そうな物を購入しておくか。)

黒野は自分のスマホの連絡先を流し見ながら考える⋯⋯本当にここに載る人達の連絡先は何も使えないのか?全員の所在が変わっているのは勿論、電話番号が変わっている可能性がある分かけても繋がらない可能性がある。しかし⋯⋯本当に何も意味も無い電話番号と決めつけるには惜しい。

黒野(だが先ずはこの三門市の地図を購入しよう。)

黒野は最寄りの地図販売店へ足を進める。

 

 

「っ!?」

街を走って公衆電話元より電話帳を探す剣持は見覚えのあるお店の看板に気付き急いで駆け込む。

【カランカラン。】

マスター「いらっしゃい。お好きな席へどうぞ⋯⋯」

最初にこの店のマスターを見た時、「わぁー。誠実で温和な雰囲気の⋯⋯⋯えっ誰!?」っと言いそうになったのに口に出さなかった事を誰か褒めてほしい。

【カフェブラックスター】

このお店は俺の世界にもある喫茶店で三門市の市外の黒野先輩の屋敷との間にある喫茶店だ。俺は勿論、ボーダーの人達や『お化け屋敷』や知り合いを含めて皆色々と利用している。

「あっ、すいません。⋯⋯電話を貸してくれませんか?」

マスター「電話ですか?⋯其れなら⋯店の奥にありますよ。」

目の前にいる店長も俺が知っている店長と同じ顔、声、体格をしているも何か知ってる店長に比べて此方の店長は言葉遣いから何から全体的に物腰が柔らかい印象を受ける。何となく客席の方を見ていると店長目当てに来てそうな客がチラホラ⋯⋯

マスター「どうかしましたか?」

「いえ、それじゃあ⋯⋯電話を借りますね。」

マスター「えぇ。」

(それとも単純にあのぶっきらぼうなアウトローな接客対応に俺達が慣れ過ぎているせいか。何か物足りないな⋯⋯)

別次元のマスターの存在を見て当たり前にある物が其処に無いと言うのをこの世界間移動でヒシヒシと感じてしまう剣持。

当たり前だが知り合いのバイトの姿は見えない。マスターがいるならと思ってはいたが⋯⋯何から何まで同じな訳じゃないと自分を納得させて剣持は案内された店の奥にある電話と近くにあった分厚い電話帳を見つける。その広辞苑に匹敵する分厚さを見て夢想は軽く驚く。

「わぁっ。)

(どうした?夢想。)

(いや、想像した以上に分厚くてさ⋯⋯⋯此方の世界だと紙媒体の電話帳って現役なんだ⋯⋯)

重く分厚い黄色い本のキャラクターが記載された電話帳の表紙を開き試しにページを飛ばし飛ばし捲っていると五十音順に電話番号が載っていた事実を知る。

(五十音順の電話番号も載っているなんて助かる⋯⋯⋯インターネットやスマホの普及や紙の冊子が減少の一歩を辿っている俺達の世界とは偉い待遇の違いだな⋯⋯)

必要の無くなった物は刻の流れと共に消えていく⋯⋯歴史がそれを物語るも⋯⋯次元や世界が違えば、潰える筈の物が潰えずに当たり前のようにこの先も残り続けている。夢想はこの時、楽観的ではない状況にいる中で別次元の世界の面白さを感じてしまう。

(夢想。何をブツブツ言っている。急いで探すぞ。)

(分かってるよ。)

剣持は五十音順の『あ』の行のページに戻って順番に電話番号を見る。

「飛鳥、飛鳥⋯⋯」

(黒野先輩の住所は確か⋯⋯)

電話帳に載っている電話番号を剣持は真剣な表情で調べる。

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

真剣な表情で名前の欄に目を通し違うページに視線を移して目的の人物の電話番号と住所が載っていないなら次のページをめくる動作を数分間続けて⋯⋯

「⋯⋯あった。」

(間違いない。黒野先輩の住所だ。)

お店の電話を使い飛鳥博士の自宅に電話を掛ける剣持。

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

「⋯⋯⋯お願いだよ。誰でも構わないから誰か出てきてくれ。」

受話器を片手に剣持は電話が繋がるのを待つ。

さっき見掛けた白いトラックに飛鳥博士本人が乗っている場合でもご自宅に伺ってよろしいか予約のような電話を掛けるか掛けないかで相手方の対応が変わる。黒野先輩の屋敷は所々何故か修理されずに壊れている箇所はあるが一般から見たら充分豪邸の類だ。

飛鳥博士で1人で住んでいるとは考え難い⋯⋯博士の助手やご家族の方か家政婦さんのような人が居てもおかしくないと考えていたが、⋯⋯幾ら待っても誰も出ないようだ。

「⋯⋯⋯。」

無言で剣持は電話を切り電話帳に載っていた飛鳥博士の連絡先や住所をスマホのカメラでカシャっと撮り電話帳をしまいブラックスターのマスターの元に近付き、カウンター席に座り

マスター「注文は決まりましたか?」

「ミルクとサンドイッチセットをお願いします。」

マスター「かしこまりました。」

ここまで歩き疲れた為に剣持は軽食を注文する。

 

一方、コセイドン号の元では鹿野博士とスポーク博士がコセイドン号の状態を確認していた。

鹿野「よいしょっ、此方は調べ終わったよ。スポーク。ソッチは?」

スポーク「此方も見た⋯⋯車の周囲に取り付けられた装置に目に見えた異常や破損は無い⋯⋯」

鹿野「此方も各装置に異常は無かった⋯⋯とするとやはり⋯」

車の運転席のガルウイングドアを開いて車から降りる鹿野博士は近付いてくるスポークと向き合って

スポーク、鹿野「「装置の動力源エネルギー切れか⋯⋯」」

声をハモらせる。

スポーク「次元転移装置のイオンエネルギーの方は問題無かったが、必要な電力エネルギーが不足している様子だ。」

鹿野「後、車を走らせるのに必要なガソリンもね。」

スポーク「そんな物はガソリンスタンドで補給すれば良い⋯⋯しかしこの次元転移装置を起動させるのに必要な電力はどうやって確保すれば良い⋯⋯」

鹿野「この車⋯⋯燃費が凄く悪かったんだね。実証実験して始めて分かった事実。貴重なデータをお陰で知れたよ。次造る時は燃費の問題を解決出来るようにしないと。」

スポーク「心配しなくても、元の世界に帰る為には電気エネルギーの問題を必ず解決する必要がある。」

鹿野「でも詰んでいない?」

『お化け屋敷』の地下の様々な施設の莫大な電気を一気に賄う動力室の動力システムを小型化させたミスター・フュージョンに似た装置に視線を向ける鹿野とスポーク。その動力源と時空を移動させる次元転移装置の起動に必要な電力をどうやって確保する必要があるか二人の博士は頭を悩ませる。

スポーク「せめて科学者や設備がある場所があれば⋯⋯」

自分達が知る当たり前の設備や知り合いがいない状態で出来る事が限られる中、博士達も空腹を訴える音を腹から出して⋯

鹿野「少し休憩しようか。」

スポーク「そうしよう。」

コセイドン号を一度、藪の中に戻しコンビニで購入した惣菜パンを博士は食べる。

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知りたい事や気になる物が多過ぎて時間がどれだけあっても足りないが、本来の目的をふと思い出した拓也は道草を辞めて自分が知る"ボーダー園"や孤児だった頃に世話になった児童養護施設の寺に目指そうと考え、先ずは同級生の古寺に教えて貰ったボーダー園の住所を記憶を辿りに進む

鏡「⋯⋯⋯⋯。」

前にボーダー園については古寺の奴に教えて貰った事がある。近界民の侵攻で両親や家族を失った子供達をボーダーが引き取り育てている養護施設だと⋯⋯話だけ聞くなら俺が世話になった寺や他の児童養護施設と同じように聞こえるも、『園』出身の子供は希望すれば優先的にボーダーで仕事が貰えるらしい。ボーダーに所属する職員達の中には『園』出身者も居るらしく其処が、他の児童養護施設や世話になった寺との違いらしい。

鏡「確か⋯⋯此処を曲がって⋯」

鏡(そうか⋯⋯考えてみたらこの世界の三門市には近界民の侵攻が無い⋯⋯其れはつまり、俺達の世界で身寄りが無くなった子供達にはこの世界では何よりも愛する家族達がいて思い出のある家だって壊れてなく年頃の悩みはそれぞれ有れど⋯⋯それこそ貧富の差はあるけど当たり前の⋯⋯"普通の幸せの中で生きている"⋯⋯それは⋯俺達の世界の近界民の侵攻で孤児となった皆がどんなに願い望んでも叶わない奇跡のその物じゃないか⋯⋯)

其れがどれだけ尊く素晴らしい物なのか孤児である拓也には分かる。

鏡「⋯⋯⋯⋯⋯そりゃあ⋯そうだよな⋯⋯」

独り考えながらも歩き続けて古寺に教えて貰った道の角を曲がり目的の住所の場所を見つけてその景色を見て拓也の足は止める。拓也の視線の先には身寄りの無い子供達を引き取る児童養護施設は何処にもなく大型の雑貨屋が当たり前のように建っていた。トリオンやらボーダーという前提条件があって始め成立する事にその前提条件が無かったら関連した施設なんて影も形も無いのは当然なんだ⋯⋯近界民によって家族を奪われた悲劇なんてこの三門市の何処にもない。しかし⋯⋯目の前の雑貨屋の姿を見て何とも言えない感覚を覚えてしまう。例えるなら自分が知ってる昔の何もない田舎の風景と今の田舎を開拓して建物だらけになって面影すら残していない景色との差に望郷を覚えるような感覚に近い。

別に誰も悪くはない。誰のせいでもない。しかし⋯⋯自分がいる場所はやっぱり違う世界と理解してしまう事に拓也は寂しさを感じるのだ。

鏡(ボーダーの他の支部に⋯⋯⋯⋯否、そもそも本部も無いのに支部なんて建てられている筈も無い。)

直ぐに他の目的地に向かおうと考える無駄と気付き拓也は静かに色々と溜めた物を吐き出すように溜息を吐き

鏡「取り敢えず、博士達の元に合流しよう。」

そう思って来た道を引き返そうと考えて後ろに振り向こうとしていると振り向く直前、雑貨屋からある袈裟姿の白髭を蓄えた初老のお坊さんが出てくるのを見えて

鏡「っ!?」

さっきまでしょんぼりした表情拓也はそのお坊さんの姿を見て目を見開き驚愕な表情に変わり思わず足を止める。

鏡(和尚さん!?)

孤児の頃、養子に出されるまでお世話になった和尚さんは何やら雑貨屋で購入したようだが、何時もいる息子さんは今日は居ないのか徒歩で寺まで帰えるつもりらしい。

鏡(否、流石に徒歩じゃなくバスを使うだろう。でも近くにバス停の標識看板は見えないし⋯⋯看板が見える場所まで歩く可能性は高い。

和尚「⋯⋯⋯。」

鏡「⋯⋯⋯。」

鏡(⋯⋯手伝う為に話し掛けるか?でも知らない人に話し掛けられてたら流石に迷惑だろう。否、普通に怪しいと思う⋯⋯けど⋯⋯)

此処では何の接点も無い赤の他人⋯⋯しかし自分がいた世界ではお世話になった人物が困った様子を見て急に気になり始めた拓也は両手に荷物を持って歩く和尚さんに手伝う為に話し掛けようか迷ってしまう。両手が塞がっているとイザと言う時に行動に起こせない。

鏡(えぇい!?成るように成れだ!?)

自分の世界で親しい間柄の相手に不信感を抱かれても構わないから拓也は自分の気持ちに嘘をつきたくない。心は傷つくも何もしない選択肢は取りたくない。拓也は和尚さんの前に接近し、

鏡「あの!?」

和尚「うん?」

拓也は大きな声を出して蓄えた白髭が特徴的な和尚さんも此方に気付き拓也は手伝いを口にしようとして⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盛大に和尚さんの目の前でギャグ漫画みたいにズッコケる。

 

 

 

アスファルトで俯せの状態で拓也の中の羞恥心が爆発した。

鏡(このタイミングでドジるなよ〜〜俺〜〜スゲェ情けなぁ〜〜もう色々な意味で泣きたいよ!!)不甲斐なさの余り涙をチョチョ切らせてしまう拓也。

和尚「大丈夫かのぅ?若いの?」

目の前で盛大にズッコケられて和尚も心配してくれて余計自分が情けないと感じた。でも何時までも心配されてしまうのは申し訳ないから拓也は涙を乱暴に拭き立ち上がり。

鏡「すいません⋯⋯。」

和尚「怪我は無いかね。」

鏡「⋯⋯⋯⋯心の怪我は重傷です。」

格好悪い所を見せてしまった恥ずかしさで和尚から目逸らししながら答える拓也。

和尚「ほほほっ⋯⋯正直者じゃな。さて⋯⋯わしに何か用かのぅ。若いの?」

鏡「あっ⋯⋯⋯」

いざ和尚に向き合った時、自分はこの人に要らぬお節介をしようとしているのではないかと悟り、無理に関わりを持つべきではないと理解する。そう思うと世界は違えど知っている人が困っているか本当に分からないのに助けようとした自分が早とちりな気がして自身を恥じた。

鏡「⋯⋯いえ、何でもありません。お邪魔してすいません。」

和尚は俺達や孤児の皆と居る時、パット見な印象を持つも時折、心の中を見透かすような目で人を見る時がある。そういう目で見られると悪い事(犯罪では無い悪戯の類)をしている子供は不思議と隠し通せずに白状してしまう。そんな俺よりもずっと長い人生経験から基づいた対応力を超えた不思議な雰囲気をこの和尚は持っているのだ。それとも本当は普通に子供の反応に何か思い当たる物がある分かって単に俺がこの和尚には凄い物があると思い込んでいるだけなのかも知れない。

本の5分も満たない時間、世界は違っても知ってる人を見た⋯⋯それだけで拓也は満足し心配された和尚に別れの言葉を言い離れようと考えていた。

 

 

和尚「⋯⋯待ちなさい。若いの。」

鏡「え?」

だから和尚に呼び止められるなんて拓也は想定していなかった。

和尚「こんな時間、学校に通わずこんな所で何をしているのかね?」

鏡「あっ⋯⋯⋯⋯」

並行世界の三門市から来ましたと自分の今の複雑な状況を説明する訳にいかず咄嗟にサボっていると口に出そうと思ったのに、和尚の見透かすような目で見詰められて言葉が出なかった。自然と申し訳ない気持ちと共に罰の悪い顔になった俺を和尚はじっと見詰め続けると

和尚「⋯⋯もし、何か急な用事が無いのなら、年寄りの坊主を助けると思ってコレを運ぶのを手伝ってくれんかの?」

和尚は雑貨屋で購入した荷物の袋を俺に見せて俺は一瞬で罰の悪い表情から戸惑いの表情に変えて

鏡「どちらまで?」

和尚「わしが勤める寺じゃよ。」裏など欠片も存在しない善意の笑みを見せる和尚に拓也は子供の頃の自分を思い出して

鏡「しょうがないな⋯⋯⋯お供します。和尚様。」

嬉しそう笑みで和尚が持っている荷物の袋を持ち一緒に並んで歩いていく。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

黒いスーツの男「⋯⋯。」

人の往来が少ない路地に歩くジュラルミンケースを持った怪しい雰囲気を持つ黒いスーツの男は、周囲に人の気配が無いか確認してジュラルミンケースを開き銀色の怪しげな小型な機械⋯⋯脳波コントロールマシンを取り出す。

黒いスーツ男はまるでラジオの周波数を合わせるようにコントロールマシンを周波数を操作して特殊な催眠電波を三門市の全周囲に飛ばす。

三門市に当たり前ように見掛ける黒い烏達が、突然本来の行動を辞めて何処かへ首の向きを変え黒い翼を広げて移動し始める。

 

「ん?」

自分の知ってる店長とは性格が全然違う店長が経営するカフェブラックスターで軽食を食べ終えてを店を出た剣持は情報収集に戻ろうと考えていたが空に飛ぶ烏達を目撃する。

「⋯⋯。」

何かあったのか剣持は疑問を覚えながら烏達を眺めるも一先ず黒野先輩に手に入れた飛鳥教授の住所の事を尋ねる為に連絡しようと視線を空から前に戻す。

 

さっきの烏達もあの白い大型トラックと同じくらい気になるが、目的を見失う訳にはいかない。

「もしもし、黒野先輩。剣持です。」

そう思って夢想は黒野に電話を掛ける。

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