ファラオ・アーカイブ   作:めろんムーン

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プロローグ
プロローグ・キング


 

 夢を見ている。

 そう気がついたのは、これがありえない光景だからだ。

 緑がかった水色の長い髪をした友人が、私の前を歩いている。

 ピンク色の短髪の後輩が、その横を歩いていて。

 そして、砂のない地元の綺麗な街を歩いている。

 そんな素敵な日常の夢。

 

 

 

 

 

「クックック…起きてください、ナツミ」

 

 そう声をかけられて、黄金の玉座に座る1人の少女が目を開ける。

 

「黒服…貴様、なぜここにいる?余の玉座たるここに入れるのは余の認めたものだけのはずだが」

 

「王に謁見するのですから、正面から入ったのですが」

 

「……まぁよい。それより、あのたわけの失踪は事実なのか?」

 

「ええ、そのようです。連邦生徒会長が失踪したと思わしき時期からの犯罪係数は鰻登り。各種手続きも滞っているようですので。」

 

「ふむ…仕事ができる人間、それもトップが失踪するとは…やつは治める者としての器があったと思っていたのだがな……」

 

 少女は再び目を閉じ、思案する。それを、黒服と呼ばれた全身が黒い、スーツの男が見ている。

 

「……ならば余は今こそ動くべきであろう。時は来た」

 

 そう言って、黒いTシャツとスカート、黄金の首飾りを身につけている、ナツミと呼ばれた少女は、杖を片手に立ち上がった。

 黄金の玉座から降り、黄金の階段を下り、レッドカーペットを歩いて黄金の部屋の外に向かう。

 

「クックック…言い忘れていました。厄災の狐がDUで暴れているそうです。連邦生徒会長の残した、キヴォトスに大きな影響を与える何かを破壊するつもりだそうですよ?」

 

「それを疾く言わんか!アレを抑えられるモノなどごく一部ではないか!!ええい!!」

 

 ナツミは全力で走り出した。

 

 

 

 

 

 〜先生side〜

 引き継ぎ業務を終えたリンが帰って行った。

 これから、私は連邦捜査部シャーレの特別顧問として、先生として、このキヴォトスのあらゆる問題を解決していかなければならない。それを改めて強く認識した。

 早速業務を始めようかな━━

 

 

 

              ドッゴォォオオン

 

 

 

 …え?

 

「ふん、厄災の狐を退けた者がどのような存在か確認しに来てみれば、なんだ?貴様は」

 

 ━━そこにいたのは、紛れもなく王だった。

 

 黄金に輝く髪、真紅の瞳、煌っている首元の黄金と宝石の首飾り。女性にしては長身な、しかし完成されたバランスの取れたその肉体には、真っ黒なTシャツと、チェック柄のスカート。金の意匠の入ったサンダル。

 手に持っているのは握りの部分が鍵型に曲がった、金と青の縞模様の杖。

 ラフな格好に見えて、権威と圧力を周囲に撒き散らすその少女が、扉を完全に、完膚なきまでに破壊し、そこに立っていた。

 

「答えよ。余の問いに応えることを赦す」

 

 そう声をかけられ、ハッと正気を取り戻す。

 

 "私は先生。連邦捜査部シャーレの特別顧問だよ"

 

「ほう、シャーレとな?あのたわけが何やら用意していたのは知っておったが……」

 

 "君は?このシャーレはまだ仕事を始めてもいないんだ。要件を聞きたいな"

 

 そう話しかけると、その少女は途端に機嫌を悪くした。

 

「君、だと?余に軽々しく語りかけるか。不敬であるぞ。余を誰と心得る」

 

 もしかしてすごく偉い人だったのかと思い慌てつつ、訂正する。

 

 "初対面の人に君は悪かったね、ごめん。でも私はキヴォトスの外から来たから貴女のことを知らないんだ。教えてくれないかな"

 

 そういうと、少女は気を取り直して、

 

「ほう?外界からの使者…いや、たわけが用意したとなればこちら側の住人にした向こうの人間か。なれば赦そう。そして偉大なる余の名を心に刻むがよい。」

 

「我が名は神殿ナツミ。砂漠より来たりしキヴォトスの王にして、この可能性の箱舟の唯一絶対の支配者である!」

 

 そう言い放った。

 

 ……王?

 

 "キヴォトスは数千の学園がそれぞれに運営する自治区と、キヴォトス全体の行政を担う連邦生徒会が管理していて、王はいないんじゃないの?"

 

「ふん、それもまた正しい。しかし余は砂漠の王。王権の神秘を持ち、支配によって繁栄をもたらす者よ。故に、余はキヴォトスの王なのだ。」

 

 砂漠の王…外の世界のエジプトのような?この少女はおそらく紛れもなく王だ。カリスマとプレッシャーがさっきからビシバシと飛んでくる。

 それに全身に金を纏っていることから大金持ちでもあるだろうし…あの手に持っている杖はたしかヘカと言ったっけ…たしか…王権の象徴?

 

 "と、ということは、あなたはもしかして…Pharaoh?"

 

 おそるおそる、敬意と畏怖を込めてそう聞くと

 

「……フフフ、フハハハハ!!認めたか、シャーレの先生とやら。ファラオというのが何かは知らぬが、貴様の中ではそれは王を示す単語なのだろう?貴様のこれまでよりもなお心地よい最上位の敬意を感じたぞ!!善い。赦す!!余はファラオであり、敬う者に恩恵を授けし者なり!!」

 

 …なにか勝手に納得されたような?そういえば、外の世界で以前見たアニメにもこういう金ピカの王様がいたっけ…しっかりと敬えば褒賞をくれるような…

 そうとわかればこの生徒は純粋に敬意を払って接すればいいはず!

 

 "はい!王よ!私はあなたを敬い、このキヴォトスをより良いものにしていきたいです!"

 

「うむ!良い!貴様の働きを赦す!!」

 

 さっそく業務に手をつけようとすると、一番上に『生徒の募集』と書かれた紙を見つける。

 

「ほう、生徒をこの組織の人員として徴収するのか」

 

 募集欄には学校名と名前から始まり、様々なことを記載する欄がある。

 

 "そういえば、王はどこの学校所属しているの?"

 

 そう聞くと、王は、

 

「余はどの校にも所属しておらぬ。」

 

 えっ…それじゃあ身元はどこに…

 そう聞こうと思い、咄嗟に顔を上げて王を見ると、

 

「ほう、余を貴様の生徒にしたい、と?」

 

 盛大に勘違いされた。

 

「なるほど、余が無所属であるのとシャーレに所属するのでは、後者の方がより権威を示すことができると…貴様、よく考えておるではないか」

 

 いえ、違うんですけど

 

「よい!これより余は貴様の生徒となり、貴様は余の臣下となる!!」

 

 あれー?なんでそんなにハイテンションなんですか王様??

 

「なれば!余と貴様は対等だ!!シャーレの先生よ!」

 

 "は、はぁ……"

 

「余は貴様を先生と呼び!貴様には余のことをナツミと呼ぶことを赦す!!」

 

 "あ、ありがとうございます……?"

 

 

 

「む?そういえば余はここに入るときに扉を破壊したのであったな」

 

 "たしかにそういえば…これ経費で落ちるのかな…"

 

 私がそう言うとナツミは懐から取り出した小袋を開けた。

 

「砂金だ。換金する手間があるが、キヴォトスの外から来た先生への余からの選別だと思うが良い。良きにはからえ」

 

 生徒からものをもらうなんて断固として断りたかったが、断わればどうなるかわかったものではないので、受け取らざるを得なかった。私はこの先金銭感覚と生徒との向き合い方に苦労するだろうなぁ…

 

 





 立ち絵とかはそのうち入れたいなと思ってます。
 ヘイローは、アビドスマークである、
 【三角形の中に太陽】の逆の、【太陽の中に三角形】を考えてます。
 

ナツミの出番は

  • ん、王様の一人称の出番もっと増やして
  • ん、王様の三人称の出番もっと増やして
  • ん、王様の出番は今のままでいい。
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