ファラオ・アーカイブ   作:めろんムーン

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 長めです

 勘違いしてたんですけど、クレジットと円で表記揺れてるんじゃなくて、先生のカードで払ったりしてるのがクレジット、キヴォトス基本通貨は円らしいですね。円の方がわかりやすそうだしお金の単位は円に修正しました。
 勘違いばっか……
 まだ変え忘れが残ってたら教えてください(露骨なコメ稼ぎ


 気付き

 

 先生とナツミはアビドスのとある場所を目指して歩いていた。すると、声が聞こえると共に、車とその周りに4人の人が見えてくる。

 

「どこに行く?」

 

「うーん……」

 

「特にアテもなさそうだし、またゲヘナに戻る?」

 

 どこかへ行く相談をしている便利屋68の面々。

 そこへ辿り着いた先生とナツミが、声をかける。

 

 "みんな、気をつけてね"

 

「去るか、便利屋よ。疾く失せよ。息災にな」

 

 それに反応する便利屋。

 

「!!」

 

「えっ……!!」

 

「シャーレの……」

 

「クフフ、金ピカさんの方は心配してくれてるのか早く出ていってほしいのかわからないな〜?」

 

「どちらもよ。貴様らは既に余の目に適う道化である。なあ、カヨコよ」

 

「ナツミが面白がってくれるなんて……さすが社長」

 

「ど、どういうことなのよ!!そもそもシャーレはアビドスについてるのにどうしてここに!?」

 

 "ちょっとね"

 

「わからないわよ!!」

 

「まぁまぁアルちゃん、先生や金ピカさんとは仲良くしたくない?」

 

「うっ……そ、そうね……」

 

「私達ももうアビドスから出るんだし、敵対もしなくていいと思うよ」

 

 "どこか行くの?"

 

「ま、また別の依頼を求めてちょっと移動するだけよ!」

 

 "そっか、また会おうね。アルも、みんなも"

 

「ええ!今度ね!今度!」

 

「クフフ、アルちゃんってば爆破しちゃった柴崎ラーメンに紅茶卿から貰った1億円も渡しちゃったからね〜」

 

「ここはいいところだったよ、ナツミ」

 

「ふん、当然である。また戻ってくるが良い、カヨコよ」

 

 そうして言葉を交わした便利屋68は、荷物を乗せたトラックと共に路地の向こうへ消えていった。

 

 

 

 その後、2人は柴関ラーメンの大将のお見舞いに病院へ来ていた。

 病室には2人の生徒がいた。

 

「セリカちゃん、アヤネちゃん、2人ともお見舞いありがとうなぁ」

 

「いいのよ大将」

 

「大丈夫ですよ」

 

 "大将、お身体は如何ですか?"

 

「ああ、先生に……キミはナツミちゃんかい?久しぶりだねぇ。身体は大丈夫さ」

 

「うむ。久しいな大将よ。息災というわけではないようだが」

 

「まあな。でも久しぶりに来てくれたのに食わせてやれなくてごめんなぁ。もう店は畳むつもりだったからよ」

 

「えっ!?お店閉じるんですか!?」

 

「ちょっと!大将どういうこと!?」

 

「ちょっと前から退去通知を受け取っていてね」

 

「退去通知……やはり、風紀委員会のメトさんが言っていたここはアビドスの土地ではないというのは……」

 

「ホシノはこれも知らなかったのか?最後の生徒会の役割を放棄しておるでないか……」

 

 そうため息をついて話し出すナツミ。

 

「数年前、アビドス生徒会は借金を返せなくなり、建物と土地をカイザーに売っている。余はユメ……最後の生徒会長に聞いていた。ホシノめ……あやつが生徒会としての責務を全うしていれば、書類の確認ぐらいはしていると思っていたのだが……」

 

「う、嘘!?アビドスの自治区なのに!?というかホシノ先輩が生徒会!?」

 

「そもそも語っておらんかったのか……?」

 

「そ、それが本当なら急いで学校に戻らないと!」

 

「大将!引退とか考えないでよ!わかった!?」

 

「あ、ああ……あっ、そうだセリカちゃん。最後に、お店のところにお金が大量にあった変なカバンがあったんだけど、何か知ってるかい?」

 

 "お店の再建のために使ってください"

 

「言わぬが花、というやつだ、大将よ。また貴様のラーメンを食せる事を楽しみにしているぞ」

 

「お、おう……」

 

 

 

 こうして学校に戻ってきた4人。校門に辿り着くと、そこにはノノミがいた。

 

「あら、先生。早かったですね?大将の具合はどうでした?」

 

 "うん。大丈夫だって"

 

「そうですか……良かったです」

 

「それよりノノミ先輩、風紀委員会のメトさんが言ってた『ここはアビドスの土地ではない』がどういうことかわかったの!!」

 

「ホシノ先輩とシロコ先輩も呼んで、緊急会議をしたいんです!!私たちは資料を探すので、2人を呼んできてもらえませんか?」

 

「……何があったかはわかりませんが、わかりました〜⭐︎呼びに行ってきますね⭐︎」

 

 "私とナツミはいつもの教室に行ってるね"

 

「わかりました!!」

 

 

 

 しばらくいつもの教室に先生とナツミの2人で待っていると、ホシノ、シロコ、ノノミの3人がやってくる。

 

「うへ〜……」

 

「……」

 

「……」

 

「む?どうした、そのような辛気臭い顔をして。余の前であるぞ?」

 

「うへ、そうだよね。なんでもないよ〜」

 

「ん」

 

「ええ」

 

 同時に、急いで入ってくるセリカとアヤネ。

 

「先輩たち!見てこれ!」

 

「アビドス自治区の関係書類を持ってきました!これを見てください!!」

 

「ん〜?これって……地図?」

 

「直近までの取引が記録されている、アビドス自治区の土地の台帳……「地籍図」と呼ばれているものです。これを使って、風紀委員会のメトさんの言っていた『この土地はアビドスではない』の真意を見極めます!」

 

「午前中に行った大将のお見舞いで、ナツミ先輩が爆弾を落としてくれちゃったんだから!!説明してくれますよね、先輩?」

 

「うむ。2年前まで、アビドス生徒会は借金を返せなくなり、建物と土地をカイザーに売っていた」

 

「えっ!?そんな……」

 

 ホシノが地図を捲る。地図の大部分は、アビドスではなくカイザーが所有しており、アビドスの保有する土地は校舎周辺のみになっていたのだ。

 

「そんなっ……」

 

「……」

 

 声を上げるノノミと絶句するホシノ。

 

「ん。既に砂漠の土地のアビドス高校本館、その周辺の数千万坪の荒地から……」

 

「まだ砂漠化が進行してない市内の建物や土地まで……!?」

 

 

 

「ホシノよ、ユメにこのことは?」

 

「……聞いてない」

 

「貴様ら一体生徒会で何をやっておったのだ……まぁよい、仕事をしていなかったのは貴様も同じだが、そもそもユメはそれ以上に阿呆だったわ……」

 

「うん……そうだけど、これは……ユメ先輩が……?」

 

「然り。もっとも、ユメ以前の生徒会からだがな……やっていたのはユメが最後だろう」

 

「…………」

 

 

 

「学校の自治区は、学校のもの……当たり前すぎて気づくことができませんでした」

 

「生徒会は……一体何を……」

 

「……」

 

「そういえば、ホシノ先輩はアビドス生徒会でしたよね?」

「そ、そうよ!ナツミ先輩!ホシノ先輩がアビドス生徒会だってどういう事!?」

 

「ふん、単純な話よ。2年前、アビドス生徒会はとある理由で活動を停止した。その時の副会長が、此奴であったということよ」

 

 そう話を振られたホシノは、粛々と話し始める。

 

「……うへ、まぁそんなこともあったね。2年も前のことだし、あんまり覚えてないけど」

 

「……」

 

 その言葉にナツミは険しい顔をするが、何も言わない。

 

「在校生も二桁になってたし、教職員もいない。授業もとっくに途絶えてた」

 

「生徒会室だって、そうと言われなければ気が付かないようなただの倉庫みたいなところだし、書類も結構紛失してたりもした。ちょうど砂漠化を避けて学校の建物を何度も移転してた時期だったからね」

 

「生徒会のメンバーも、生徒会長のユメっていう先輩と、私の2人だけ」

 

「……ユメ先輩は無鉄砲で、会長なのに校内でも随一のバカで……私の方だって、嫌な性格の新入生で。よく生徒会に所属してないのに生徒会室によく遊びにきてたナツミ先輩にドヤされてたっけ」

 

「当時のホシノはそれはそれは愉快であったぞ?具体的には━━」

 

「うへ、やめてよ〜ナツミ先輩」

 

 少し顔を赤くしたホシノがナツミを止める。

 

「ま、そんな感じでね……何もかもめちゃくちゃだったんだよ」

 

 そんな話しをされた対策委員会の面々。

 

「校内随一のバカが生徒会長……?何それ、どんな生徒会よ」

 

「貧乏くじで誰もやりたがらなかったが故だ。バカだが学校想いの生徒会長であったぞ」

 

「うへ……そうだね」

 

 ホシノの顔が曇る。

 

「実態は、バカ2人の集まりだったって事だよ……こんな、書類を整理するだけで気がつくようなことも気が付かないようなバカ2人の。ほんっとバカみたいに、なんにも知らないまま……」

 

「……」

 

「ホシノ先輩……」

 

「ん……ホシノ先輩が責任を感じることじゃない。昔の事情は知らないけど、実際に生徒会が解散になった後……アビドスに対策委員会ができたのは、間違いなくホシノ先輩のおかげ」

 

「う、うん……?」

 

「……ホシノ先輩は怠け者だし、色々とはぐらかしてばっかりだけど、大事な瞬間には絶対に誰よりも前に立ってる」

 

「フハハハハ!傑作だぞホシノ!過去を振り返らず前を向けと後輩に言われるなどなあ!」

 

「や、やめてよナツミ先輩!」

 

 "そうだね。いつも先陣を切ってくれてる"

 

「先生まで……うう」

 

「ん、ホシノ先輩は色々とダメなところもあるけど、尊敬してる」

 

「ちょ、シロコちゃん!もう!」

 

「まぁ、ホシノが最後の生徒会であることは事実である。ホシノが学校を抜ければ、もうこの学校には生徒会が無い扱いになろうよ。過去に守られている、ということもあるということだ」

 

「……えっ?」

 

 ナツミが言った瞬間、ホシノが硬直する。

 

「ちょ、ナツミ先輩!?どういうこと!?」

 

「どうも何もそういうことだ。ホシノが生徒会として仕事をしておらず、貴様らが知らなかったということは、貴様らは連邦生徒会に生徒会の変更の手続きも行なっておらんのだろう?ならば、ホシノがこの学校の全権を持っておるのに等しいのだ」

 

「……」

 

 いまだに硬直したままのホシノ。

 

「先生よ。カイザーはアビドスの砂漠で何かしているとゲヘナの風紀委員長、ヒナに言われたのであろう?」

 

 "うん"

 

「ならば、カイザーは初めからそれを狙いアビドスの地を買い占めておるのであろう。一連のアビドスへの襲撃や借金も、全てそのためであろうな」

 

 "……アビドスはカイザーに嵌められた、ってこと?"

 

「然り」

 

「な、何よそれ!私たちはずっとカイザーに弄ばれてたの!?」

 

 "セリカ、落ち着いて。悪いのは、騙されることより、騙すことだよ"

 

「……」

 

「ふむ、そうさな……ここまで周到ならば、先ほど言ったホシノのみが生徒会である事にも気がついておるやもしれん。ホシノよ、気をつけるがいい」

 

「う、うん……」

 

 "ホシノ?"

 

 すると、シロコが何かに気が付いたかのようにホシノに詰め寄る。

 

「ん……もしかして、さっきのって……」

 

「し、シロコちゃん……ちょっと……」

 

「ん、ダメ」

 

 "……どうしたの?"

 

「ホシノよ、よもやもうすでに貴様を狙った奴らの手が伸びてきている、ということはあるまいな?」

 

「う、うへ……」

 

 ホシノがその問いかけに挙動不審になる。それを見ていたシロコが、口を開く。

 

「ん……先生、ナツミ先輩、そしてみんな……これ」

 

 そうしてシロコが出したのは、一枚の紙。

 

「……ホシノ先輩のバッグに、入ってた」

 

 

 

 そこには、『退会・退部届 対策委員会 小鳥遊ホシノ』と書かれていた。

 

 

 





 ナツミの慧眼によってホシノが唯一の生徒会役員だって簡単にバレちゃった!やめて!ホシノが学校を退学してくれなかったら黒服の研究はどうなっちゃうの!?

 次回『黒服死す』デュエルスタンバイ

アビドス編後は

  • ナツミのプロフ
  • メトのプロフ
  • 2人のプロフ
  • 2人のプロフと小話
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