カイさぁ……
七囚人の中にゲマ並みのガチのやべー犯罪者いると思わないじゃん……
キサキ様おいたわしすぎる……救わなきゃ……
シロコが出したのは、一枚の紙。
「……ホシノ先輩のバッグに、入ってた」
そこには、『退会・退部届 対策委員会 小鳥遊ホシノ』と書かれていた。
「…………」
「ほ、ホシノ先輩……?冗談ですよね?」
「ちょ、ちょっとシロコ先輩!冗談キツいわよ!」
"ホシノ……"
そう言われみんなに見られるホシノ。
ナツミが顔を歪め、不快そうにしながらホシノに語りかける。
「…………ホシノよ、そこまで歪んでいたとは思っておらなんだ……余は言ったであろう。いざとなれば貴様らの借金なぞ片手間で返せると。それを聞いておきながら、なぜ他人の手を取る?」
「……」
「なぜ、
「…………」
「確かにあの時、余は間に合わなかった。あ奴らも間に合わなかった。貴様はあらゆることを拒絶し、故に並ぶ者を失った」
「……………………」
「今の貴様はあの時のままだ。表面上では仲間たちに心を開いているかのように見せているが、その実態ではあらゆる物を拒絶している。
「あの時の過ちを、ユメへの拒絶を繰り返すか?」
「……だったら、どうしたら良かったのさ、ナツミ先輩」
「あの時みたいにならないように、頑張ってアビドスを……ユメ先輩の遺したここを守ってきたのに!!」
「
「っ……!居なくなった人が簡単に言うな!!」
「そうだな。貴様が拒んだが故に。だが……思えばあの時
そう言って頭を下げるナツミ。
「!!!!」
ナツミが頭を下げるという絶対にあり得ないことに、ホシノが一瞬止まる。
「余は個人であらゆる事ができる。しかし、余より一芸に秀でた者も確かに存在する。戦闘での単騎ならばメトが強く、モノを作らせればシスはより巧みであり、策謀を巡らせるのならばエイサの方が優れている」
「王とは何か?絶対者だ。あらゆることを成す、全てを背負う者。故に万能。故に孤独。しかし同時に、民を治め、国を栄えさせる者でもある。故に、民に頼り、また民に頼られる」
「しかし、同時に人だ。人は、過ちを繰り返す。人である以上、完全なものは存在しない。余であっても。『万能』であってもそれを使いこなす『完璧』であることはできぬ。あの連邦生徒会長でさえな」
粛々と、しかし圧倒的な存在感を出しながらホシノに語りかけるナツミ。
「貴様はどうだ?ホシノよ。貴様は『完璧』であったか?自らが望んだと錯覚した孤独と拒絶、自らが手をかけたと錯覚した離別。自らが築き上げた場所に、自分の居場所を作ったか?否、いつからか
「勝手にできた居場所だから、自分にとっては価値がないと。ユメとの思い出以外は棄てても良いとするか?」
その言葉に激昂するホシノ。
「違うっ!!」
「ならばなんだ!!」
吠えるナツミ。
「私はみんなを守りたい!!大切な後輩たちを!!ユメ先輩のようなことを繰り返したくない!!失いたくない!!!!」
「私は……先輩だから……みんなを守らなくちゃいけないから……」
「ホシノよ。貴様の守るべきは『帰る場所』。そして、『全員がいる対策委員会』ではないのか?」
「それは……」
「気がついているはずだ。何度夢に見た?
「…………」
「だが、『誰も欠けない』のは不可能なのだ。それを貴様はわかっている。故に、これ以上欠けないようにしなくてはならぬのだよ」
「私は……それを、しようと……」
「貴様が目指していた理想はホシノが欠けておるではないか!!貴様は、仲間が2度と届かないところへ行く痛みを知っているだろう!!それを押し付けているとなぜわからん!!」
「!!!!」
「当時とは違う。あの時は貴様は守られる者。しかし今は、守る者。ユメと同じなのだ」
「あ……う……」
「今の貴様はどちらだ!対策委員会か、生徒会か!!」
「わ、たし、は……」
「私たちは同じ対策委員会でしょ!!ホシノ先輩!!」
そこに響く一つの声。
「セリカちゃん……」
「そうですよ!私達を頼ってください!!」
そして、増えるホシノへの言葉。
「アヤネちゃん……」
「ん、一緒に今までもやってきた。勝手に1人だけいなくなるのはダメ」
「シロコちゃん……」
「そうですよ〜、ホシノ先輩?ちゃーんと頼ってくださいね?そして、ちゃんと私たちのそばにいてください。5人そろって、アビドス廃校対策委員会なんですからね⭐︎」
「ノノミちゃん……!!」
「行ってこい、ホシノ」
背中からかけられる声。それと同時に、そしてホシノは対策委員会のみんなの元へ飛び込んだ。
「みんなっ……!!」
ついに涙がホシノの瞳から溢れた。
それを邪魔をしないようにこっそりとナツミの横に来ていた先生。
"すごいね、ナツミは"
「何がだ先生よ」
"私ではわからなかったこと……ホシノと対策委員会のすれ違いも、ああして解決?してさ"
「ふん、ホシノのことを知っていただけだ。親交がない貴様と同じ状況ならば不可能であろうよ。それに、余は核は突いておらぬ。気が付いたか?口八丁で論点を少しずつすり替えながら傷口に塩を塗りこんでいただけだと。救うのは対策委員会よ」
"ふふ、そうかな。ずっとホシノに対してツンツンと塩を
「くくく、傷を治すのは過去ではなく未来だからな。塗ったものがどうなるかは余にすらわからぬものよ」
"でも"
「む?」
"あたりの強さはもう少しなんとかした方がいいと思うな。説教するにしても、長い時間をかけて悪役を演じるのはあんまり褒められたことではないよ"
「なんとでも言え」
対策委員会のみんなに心を開き、泣きながらホシノが1人で背負うことを辞めて数十分。
ようやく落ち着いたホシノと対策委員会が、ナツミと先生の方を向く。
「ごめん、ナツミ先輩。あの時は拒絶して」
「許す。貴様が他のものを大切とするように、貴様を大切にする者も多い。ゆめ、忘れるでないぞ」
「うん。それで、なんだけど……」
ホシノが申し訳なさそうに、そして恥ずかしそうに切り出す。
「ナツミ先輩や先生のことも……頼っていいかな……?」
そう言われたナツミと先生は、
「……良かろう。手が届かなかったユメとも、差し伸べた手を払った暁のホルスとも貴様はもはやちがう。自ら助けを求めた民に、手を差し伸べずして何が王か」
"もちろんだよ。私は、生徒に頼られるためにここにいるんだからね"
そう返した。
「━━ありがとう!!」
そうしてその日は解散し、次の日。
「対策委員会定例会議を始めたいと思います」
アビドス対策委員会の面々は、いつもの教室に集まっていた。
「今回の議題は、ホシノ先輩へのカイザーからの接触について。それと、カイザーグループがアビドスの砂漠で何をしているかについての調査の方法を決めたいと思います」
アヤネがそう言い、議題をホワイトボードに書く。
と、ナツミが口を開く。
「ホシノよ。貴様に来ていた提案はどのような物だったのだ?」
それにホシノが答える。
「私に来ていた提案は、『小鳥遊ホシノが学校を退学しカイザーに所属する、その代わりに、学校の借金の大半を肩代わりする』って契約だよ」
「何よそれ!大半ってのも具体的じゃないし、先輩をカイザーに所属させる!?」
「ん、もし受けていたらホシノ先輩はいいように使われてた」
「危なかったですね〜」
「ナツミ先輩が止めてくれなければどうなっていたか……」
「うへ、ほんとにごめんよ……」
ホシノの顔が罪悪感で曇る。
「そもそもの不備が多いではないか。こんな物をエイサに見せれば鼻で笑われてから手袋を投げられても仕方がないな」
"どういうこと?ナツミ"
「契約は『小鳥遊ホシノが学校を退学しカイザーに所属する、その代わりに、学校の借金の大半を肩代わりする』。この内、まずホシノが退学すれば、アビドス高校に生徒会はなくなる。勝手に高校が消え、カイザーの手に渡るという寸法だ」
「うっ……」
ホシノのメンタルに大ダメージ!
「次に、カイザーに所属する、という言葉。具体的に何をするとは言っておらん。つまり、学校がなくなり暴れるであろうホシノをその前に社内研修とでも称して軟禁なり拘束なりできるということだ」
「ううっ……」
ホシノのメンタルに大ダメージ!!
「そして、学校の借金の大半を肩代わりする。大半ということは、7〜8割程度であろう。しかし、その後カイザーが金利を引き上げるなり、毎月の収める額を唐突に全額にするなりすればアビドスは簡単に破綻するな」
「うううっ……」
ホシノのメンタルに大ダメージ!!!
しかし、そこに苦言を呈するノノミ。
「ですが、それをできるなら今までしなかった理由が……」
「今までしていなかったからと楽観視はできん。奴らは姑息であるからな。どうせ契約時に子供だからとアビドスの足元を見ておるであろう。金利程度は変えられると覚悟しておけ」
「そうですか……」
"肩代わりする、というのも変だよね。この契約がカイザーなら、借金を減らすだけで済むはずなんだけど"
「然り。ホシノよ、これはカイザーからの提案ではあるまい?何者だ?」
それにホシノは言葉を詰まらせる。しかし、ナツミに目を合わせて見つめられ、その真紅の瞳に見つめられ、もう1人では戦わず、みんなと一緒に戦うことを決心したホシノは語り出す。
「……黒いスーツを着た、嫌な感じの不気味な大人。私は、黒服って呼んでるんだけど」
「なんとなくゾッとするやつで……キヴォトス広しといえども、ああいうタイプは見たことない」
そう言うホシノ。ため息をつくナツミ。
「やはり彼奴か……」
それにホシノが顔をガバッとあげて反応する。
「会ったことがあるの!?何かされた!?」
「なぜそんなに反応する?」
問いかけに焦りながら答えるホシノ。
「あいつは、私がダメでも他の対策委員会の面々に話を持ちかけるって言ってた。具体的には、シロコちゃんとか……そして、ナツミ先輩には手を打ったって言ってた……」
「あいつが何をするのかはわからないけど、手を打ったって言うなら危険かもしれない……だから!!」
それに冷静に答えるナツミ。
「鎮まれ、ホシノよ。余は彼奴に何もされてはおらぬ」
それにホッとするホシノ。
しかし、続く言葉に新たな絶望をすることとなる。
「余は彼奴と同じ組織に所属しておるからな。手を打ったと言うのも方便であろうよ」
「……………………えっ?」
最初にあんなこと書いておいてアレなんですけど……
ホシノ曇らせ……カワイソウ
正直曇り具合というかホシノへの仕打ちなら原作本編の方がメンタルダメージ大きいと思うんで(黒服に縛られたホシノ見ながら)……ホシノ推しのみなさんユルシテ……ユルシテ……
というか主人公がユメの同級生のアビドス生(出放済み)の時点で曇らせしか思いつかなかった。
昔を知る人で、自分と同じコトを経験をしてて、尊敬している先輩が悪役をかぶることで、ホシノの本音をぶつけやすくさせました。さらにユメ先輩のことを知ってる先輩だから心の『おじさん』での防御も貫通します。他の位置にいるキャラだとこうは上手くいかないと思います。だから、先輩である必要があったんですね。
ただ、文章書くのが下手で、ホシノの心の機微とか対策委員会との和解シーンを書けなかったし、展開も雑に…………もっと精進しなきゃ
尊敬する先輩が大っ嫌いな大人の仲間だと知ったホシノやいかに
アビドス編後は
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