激震! 中世ヨーロッパ警察24時!!!【完結】   作:PureFighter00

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貧乏人がパン食ってる中世ヨーロッパもんばイネガー(なまはげ風)


パンの秘密

よくありがちな現代社会から貴族の末娘に転生した娘っ子が、食卓を前に無愛想な顔をしている。

 

目の前にあるのは黒パンだ。

現代日本にあるライ麦入りパンなどと言う紛い物ではなく、正真正銘ライ麦100%で、しっとり重くてふかふかの白パンでは無い正真正銘の黒パンである。

私は、貧乏だから黒パンしか食べれないんだわ。

せめて人並みにふかふかの白パンが……【中世ヨーロッパ】みたいに……

 

 

ぅおおおん! パープーパープーパープー

八女の耳に聞き慣れたサイレンが聞こえる。え? 何っ!

八女以外の全ての時間が停止する中、食堂のドアが勢い良く開かれた。

 

ジャジャーン!

 

「ノーバディエクスペクツ! スパニッシュインクエッションッ!」

 

それは見事なフライングクロスチョップであった。フィールドプレートメイルに覆われた騎士の姿をした男が幼女の胸にルチャドーラーの様な華麗な一撃を加え、幼女は壁に吹っ飛ばされた。

 

「中世ヨーロッパ警察だ! 中世ヨーロッパ違反で摘発するっ!」

「けほっ……い……一体何を……」

「中世ヨーロッパで貧乏人がパンなんか食うかボケェ! お前の食ってる黒パンは紛れもなく貴人の食い物じゃー!」

 

説明しよう!

そもそも小麦は比較的南国の植物である。クレオパトラとかいた時代だとエジプト辺りが小麦の大量生産地である事から予想出来ると思うが、ヨーロッパ高緯度地域では寒過ぎて小麦の生産に向かないのであるっ!

よって、高緯度地域では寒冷地栽培に向くライ麦や大麦を作った。小麦に執着すると反収(たんしゅう)が足りず民衆が飢えて死ぬのである。

そして次っ! 実はパン食が民衆レベルまで広まったのは中世最後期であり、雑にサクッとまとめられてる「中世」という時代区分に農民や貧乏な都市生活者が食っていたのは「麦粥」である!

なんせ当時は階級チョーキビジィーッ社会であり、社会階層により食うべきものや食うべきでは無いものが暗黙の了解で定められており、上等な人間はよく轢かれて目の細かい小麦粉やライ麦の粉から作ったパンを食い、低所得者層は突き臼で精麦(せいばく)して、精麦度合いが十分ではない荒く粉砕された麦を煮込んだ麦粥を食うのである。

てゆーか、製粉に利用する風車や水車は領主のもので、もしもこれらを利用しようとしたら金を取られた。また更にパン焼き窯を作ることさえ領主の許可と税金支払いが必要なのであるっ!

 

「え? ……えっ?」

「パンが食えてるだけまともに貴族だし、別にパンの中にふすまや荒い粒混じって居ないならそりゃ貴族って事だ!(きめ細かな粉作れるのはある種の「貴族の特権」である) 黒パンなのは領地の気候特性の問題でそれは貧富の問題では無いっ!」

「でもでも、お父様は小麦を租税として王国に……」

「封建主義チョップ!」逆水平が綺麗に決まった!

「グハァっ!」

「国王に租税納める封建領主がいるかボケェ! 王には軍役課されるぐらいで租税徴収を国で一元化して、そっから給金払うのは中央集権が進んだ近世の話じゃあっ!」

 

 

尚、黒パンを貧乏人の食い物なんて言ったら、ドイッチェランドの民にジャーマンスープレックスホールド食うぞ。あいつらの魂の食い物だから。

また、実は黒パン(ライ麦全粒粉パン)は栄養価も高く腹持ちも良い。

そもそもですね、中世ヨーロッパ貴族は生野菜食わないし(生野菜食うのはイタリア人ぐらいで、アルプス以北は煮炊きして食う)、肉、肉、アンド肉と食生活のバランスが破綻しており内臓疾患や栄養の偏り、また更に近親交配によるアレとかソレで更に軍役! 割と皆様短命だ。

貴族として下位であり、粗餐に耐える貧乏貴族は割と栄養価とか遺伝子の多様性という意味で勝ち組であり、元気があれば何でもできる!のアントニオ猪木理論では可能性の塊であると言えよう。

 

下手に王族とかに生まれ付いたら、ハプスブルグ家の顎お化けみたいなんと結婚する羽目になるんやぞ。(ハプスブルク家 顎で検索してみよう!)

 




別に中世ヨーロッパと言わなければどうでも良い。

てかね、印刷技術発展前の中世ヨーロッパの話って意外と日本では知られてないの。日本人ベルサイユのばら(フランス革命前後)とナポレオン時代ぐらいしかヨーロッパの歴史に詳しく無いし、マニアでも三銃士とかドン・キホーテ(何も騎士様が形骸化した時代背景)、まぁまぁ頑張ってジャンヌ・ダルク(それでもマスケット銃や大砲がある時代。ギリギリ中世後期)で、中世ど真ん中のシャルルマーニュ大帝時代とかほとんど知らぬ。
大体飯は手掴みで食器はナイフぐらいしか無いし、スープは食卓の窪みに配膳されてたやで。流石インド・ヨーロッパ語族だな!(だからフィンガーボールがある訳でして)

この様に前提となる「中世ヨーロッパ知識」が無いのだから、なんとなく形成されたナーロッパなる架空世界が本邦においてファンタジーの基準となるのもやむなしと言えるだろう。日本で言ったら平安時代ぐらいの頃だ。自国の平安時代の庶民の生活知らない人が他国の同時代の事詳しかったらちょっと怖いわな!

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