激震! 中世ヨーロッパ警察24時!!!【完結】 作:PureFighter00
あ、評点だかが100超えたから読み上げ機能がアンロックされました!
地味に嬉しいがこれ以上評価上がっても実績アンロックされないのがネ……100毎に声のバリエーション増えるとかにはならんのかしら。無理かしら?
中世ヨーロッパ警察は語る。
「異端審問はどんな風に行われるかと言う話をしよう。まず特徴的なのは密告が基本で、告発者が誰かは記録されない。そして異端審問により異端者が見つかると、偶に報奨金が出る」
「……現代日本の不法滞在者摘発プログラムみたいだね!」
「で、基本は異端審問は教皇とか教会側が主導して行う。何故だろう?」
「……ん〜と、なんでだろ?」
「キリスト教神学と言うものは複雑怪奇であり、それを全て間違いなく判断して適用するのは大変だからだ。例えば民草が聖母マリアを「崇拝」してしまうと異端になる。崇拝対象はあくまで父なる神と、その子であるジーザス・クライストと聖霊でなければならない。聖母マリアは崇敬してもいいけど、崇拝しちゃダメ」
「崇拝と崇敬の違いって……?」
「小職は中世ヨーロッパ警察であり異端審問官では無いのでなんとも。管轄が違う。ぶっちゃけ布教政策の都合でちょいちょい解釈論とか変えてるし、時に蛮族の習慣を取り込んだりしてるから……例えばケルトやゲルマンの巨木信仰は異端だ。だがそれを強制すると反発されるので「モミの木」で綺麗な二等辺三角形状の樹をクリスマスに飾るのは良いとした。それにベツレヘムの星をてっぺんに付けたり、知恵の実や生命の実みたいな装飾追加したらベネ。ヤドリギの下に居る異性にキスしていいのは勘弁したる……こんな感じで異教の風習を習合してキリスト教に変えて行った。
割と誤解されてるが、キリスト教会勢力はガチでキリスト教徒になると救われるので、親切心から布教を勧めている。異端は憎むべき敵ではなく、回心させて救うべき民草だ」
「では、異端審問って……」
「基本は『それは異端やから、正しい教えを守ってね』であり、おかのしたしたら赦された。信者増やすのが目的だし、隣人愛説いておいて異端は死ねではロジックが通らない。また、精神疾患で『俺はキリストだーっ!」とか『神はこう申されたーっ!』みたいな人は普通に精神病だししゃーないね判断もある」
「難しそうでんなぁ」
「更に異端審問は悪用可能だから教会側もすごく慎重だった」
「なんで?」
「異端審問官が買収されたりすると、難癖レベルの訴えで人を貶める事ができる」
「ヒェッ!」
「実際これが悪用されたのがスペイン宗教裁判と、フランス国王によるテンプル騎士団潰しだ」
「前話でスペインはやりましたね」
「テンプル騎士団の話は十字軍と十字軍の変遷語らないと始められないんだけど、ぶっちゃけテンプル騎士団がアホほど金を持ってて、エルサレム防衛が上手く行かなくなった辺りから風向きが変わって来た」
「……やな予感が」
「まぁ、財政的にも厳しいし、こいつら潰して金奪ったろと、そういう事だ」
「だから拷問、拷問、アンド拷問でキリスト教的に間違いの無いソドミィ(ぶっちゃけ、ホモ)と、悪魔崇拝とかをでっちあげた」
「……でも、回心したらええんやで、なんでしょ?」
「赦したら金取れないやん。とっ捕まえて全員死刑よ」
「えーっ! 異端でも回心したら赦されるのにぃ?」
「信者にして救うのが目的ではなく、財産没収が目的なんだから仕方あるまい。スペインもフランスも異端審問官は王様側にべったりよ」
「まぁ、普通はここまでいかない。異端を焼いて回ってるとキリがないからな。間違いは正せば良いし、みんな原罪背負っててアレなのをジーザスに救われたんだから、なぁ
「ちょっと待って下さい、中世ヨーロッパって教会権力がツヨツヨなんじゃないですか?」
「教会権力が一番強かった頃がカノッサの屈辱の頃だが、あれ1107年。12世紀初頭だな。フランスの難癖でテンプル騎士団潰されたのが14世紀初頭。ジャンヌちゃんがイギリスにハメられて火刑食らったのがそのちょい後で、スペイン宗教裁判が15世紀。段々と教会権威が世俗権力に押され始めて近世に向かう道筋な訳だよ。で、キリスト教カトリックはルネサンスで活版印刷出て来てプロテスタントと言う分派を生み出してしまう」
「テンプル騎士団以前に異端はいなかったんですか?」
「勿論いたが、それは悪魔崇拝などではなく先鋭化したり他の宗教と混ざった文字通り『キリスト教異端』だ」
「それじゃぁ、やっぱり……キリスト教の教義解釈とか出来ないと裁けない、か」
「んむ。真面目な方の異端審問だな(比較論ですが)」
カタリ派の諸問題などがこれに当たる。カトリック側は最初は穏健にカトリックへの帰順を促し、教皇勢力の拡大忌避とカトリックの腐敗を嫌がるところで意見一致して、最終的にはヨーロッパ内部への十字軍(アルビジョア十字軍)が組織され、惨殺されてしまう。
で、このカタリ派の処遇を見て「使える!」とそのやり方をフランスやイギリスやスペインが為政者の都合の良いように悪用したと。この様にして教会権力と世俗権力の綱引きが続き……結論から言えば、教会権力は失墜してゆく。
調べ物しながら書くと執筆速度落ちるねぇ。
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