激震! 中世ヨーロッパ警察24時!!!【完結】   作:PureFighter00

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本編に入る前に、エルサレム落としたが誰も占領して防備固めようとしなかったので、修道会が騎士団結成してエルサレム防衛や病院経営して、オリエントの知識を修道会に持ち帰ったり、銀行業務(ヨーロッパで預けた金をエルサレムで引き出せたりした)したりした。
後、西ヨーロッパ勢力が東ヨーロッパより南東側に進出して十字軍国家を形成したためにシルクロードの交易を直接行えるようになったり、東ローマはあちこちから(特にスラブ系)圧力受けてヒーヒー言った後にモンゴルに攻められて死にかけた。

十字軍は実の所東ローマによって隠されていたオリエント世界を西ヨーロッパが知る機会をもたらした。このオリエントの光が中世ヨーロッパをルネサンス経由で西洋先進国に押し上げる原動力になるのだが……

追記)
ベルトラン氏の感想を鑑み、ランキング載せる事にしたンゴ。


十字軍のハナシ──接触編

第一回十字軍の成果は多岐に渡る。ただ単に宗教的目的を達成するだけではなく……と細かく解説したくなる所だが、そんなんやって数万文字書くのも読むのも筆者および読者の両者にとって益なき事なので、ここは一発100年ぐらい時間進めてゴブリンキング「獅子心王リチャード」と、イケメンゴブリンスレイヤー「サラディン」の話をしたいと思う!

 

この2人、中世ヨーロッパ期を通して「騎士道精神の極み」と「異国異教の気高き武人」として愛されており、特に獅子心王は全体的に見てイングランドを大混乱に陥れているのに……そのやらかしはほぼ全て欠地王ジョンに転嫁された。哀れジョン。

 

 

第三次十字軍。

世界史をきちんと学んで忘れてない人はご存知だろうが、「成功した十字軍」は第一次十字軍だけである。たまたま内紛してたイスラム勢力に初見殺しの宗教狂いの蛮族作戦で勝ったような物だから……宗教戦争だと見抜いてイスラム勢力を束ね、組織的抵抗始めたら……キリスト教側に勝ち目はない。なんせ東西対立もしてましたし、キリスト教圏。

 

で、先ずはサラディン(サラーフッディーン)であるが。

クルド人であった彼は若き日から軍功を重ねまくり、エジプト、シリアを始めとする地域を平定してアイユーブ朝を作り上げた超偉人である。そして遂には西ヨーロッパ諸勢力が奪ったエルサレムを再征服。西ヨーロッパ勢力を多いに驚かせた。まぁ、エルサレム落とされたのも休戦協定や様々な約束を西ヨーロッパ側の「十字軍国家」が反故にしまくり、それでガチギレしてジハード発動したからなのだが。

 

 

【ジハード】

イスラム圏における最終闘争。聖戦。聖戦で死ぬと天国行き確定となり、乳と蜜が流れる世界で楽しく過ごせるので、真面目なムスリムは死を恐れぬ戦士と化す。富や権力欲で戦う西ヨーロッパの騎士はこのジハード戦士に太刀打ち出来ず、言うなればイスラムは北方蛮族に狂信による蛮族返しを仕掛けたと言っても良い。

 

 

そしてこのジハード発動により攻め落とされた聖地エルサレム再奪還の為に組織されたのが第三次十字軍である。流石にメンツの問題もあるのでフランス・ドイツ(神聖ローマ帝国)・イングランドの王までが参戦して十字軍としては最大規模の戦力になるのだが……っ!

 

1.第一次十字軍の時から東西ヨーロッパの間で険悪な雰囲気

西ヨーロッパ(カトリック派)が勝手に十字軍国家建国して、最初の約束(十字軍で取得したエリアを東ローマ領とすること)が履行されなかった。また十字軍国家がシルクロード交易にアクセスして胡椒などの産品東ヨーロッパ飛ばして交易したから収入激減(なお、それ以前は東ローマが暴利を貪っていた模様)

 

2.イングランドとフランスの微妙な力関係

ここが理解しにくいと思うんだけど、イングランドはイギリスで自国領を持ち王政を敷いていたのだが、イングランドはフランス側にも領地を持っていて、そのフランス側の領地をフランスに臣従する形で維持していた。つまりどちらも王様だが、イングランド王家はフランス王家に臣従しているという二重構造になっていた。後の英仏百年戦争に繋がる話だ。

 

この様に三者三様の複雑な事情を持った十字軍はまとまりを欠いており、サラディン率いるジハード兵団に対して効果的とは言い難かったのだが……ここに1人、物凄いハッスルした変態がいた。その名も気高き獅子心王、【リチャード1世閣下】である。

 

このリチャード氏、親父殿と折り合いが悪く……若き日にフランス国王フィリップ2世に臣従したりなどした。この時フィリップの異母姉と婚約するのだが(フィリップ的には政略結婚大成功で嬉しい話)後に正式に婚約破棄した。もちろんフィリップ2世は面白く無い。

 

リチャード1世閣下は大してキリスト教に入れ込んでいたわけでも無いのに十字軍参加に妙な関心を寄せており、なんか無茶苦茶な税を新設したり、スコットランドの臣従者を売っぱらい、買い手がいるならロンドンだって売ると言い放った。後で苦労するのは次の王であるジョンだった。

 

で、聖地目指す道すがらシチリアで揉め事に首を突っ込みメッシーナを占領してシチリア王をキャン言わせた。

リチャードの母ちゃんが妹のジョーン(シチリアでの揉め事の元凶)と婚約者連れてシチリアに来て、一緒にエルサレムに向かったが……女衆が乗った船が難破してキプロスに捉えられて身代金要求されたら……キプロス占領してそこで結婚式挙げた。何してるんだ、このおじさん……

 

その勇猛さは勇猛を超えてギャグの領域に踏み込んでおり、騎兵突撃して落馬したら、徒歩のまま突撃して戦うなど常軌を逸した活躍をした。(王が配下を指揮する形だから、王が死ぬと配下の統制が取れなくなるんだがなぁ)

余りにおっかなかったので、後のムスリムは子供のしつけにリチャードの名を利用するなどした。悪い子はリチャードが捕まえに来るよ、などと。

王自ら前線に立つからイングランド軍の士気は旺盛。旺盛過ぎて、アッコンを制圧した際に共に攻めたオーストリア公が旗上げたらリチャードの部下が旗をはたき落としてオーストリア公激おこ。オーストリア公は帰国した。

 

同じ勢力であるキリスト教国をガンガン敵に回し、更にサラディン率いるジハード軍も敵に回し、寧ろムスリム側から「すげえ敵」と賞賛される始末ではあるのだが……内部連携という要素を欠いた第三次十字軍はエルサレム再々征服出来なかった。脳筋かつ十字軍の結束をほんのりと乱している獅子心王は、キリスト教的には真面目では無いので……フリーダム全開でイスラム側と停戦交渉して、武装解除したキリスト教徒が聖地巡礼する権利などは勝ち取った。宗教的にフリーダムなもんだから、サラディンの弟に「妹と結婚してキリスト教徒にならないか?」と持ちかけ、サラディンに呆れられたりなどした。なんだかんだで好敵手として互いに認め合うサラディンとリチャードであった。(まぁ、サラディンも捕虜を無条件釈放したりして「気前の良いおっちゃん」だったから、割とキリスト教圏で愛されキャラになりやすかったのはあるが……)

 

まぁ、こんな感じでドッタンバッタン大騒ぎして国に帰るのだが、先のオーストリア太公がアッコンでの事をしつこく恨んでて、帰国途中にオーストリアに捕まり身代金要求されたりした。つくづく面白いお方である。

この脳筋突撃獅子心王が中世ヨーロッパの騎士道精神の規範になったというのだから、世の中というのは分からないものである事だなぁ。




余りにエピソードがデカいので駆け足で解説したが、丹念に語るとこの4〜5倍は文字数が必要になる。いつの間にか本話がモリモリ文字数増えていたらお察し下さい。

まぁ、未亡人だった妹を救い出すとか、大国フランスの王族ではなく小国のお姫様見初めて、それを取り返すためにキプロス島を占領して挙式挙げるとか、異教徒とバチバチに最前線で戦うとか……漫画の主人公的ではあるわな。


人類は、偶に大谷翔平とかナポレオンとか獅子心王みたいな変な生き物を生み出すのだ。

リチャード獅子心王の話書きたいんやけど

  • 誰それ?
  • あの面白いおっさんか! 書け!
  • 欠地王も忘れずに書け
  • あ、フランスDisる気だなてめー
  • 修道騎士会の事書いてからな!
  • むしろサラディン
  • 胡椒の話を飛ばすな
  • 飯の話は?
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