激震! 中世ヨーロッパ警察24時!!!【完結】 作:PureFighter00
なんか仲間からリストラ食らった転生主人公は嘆いた。武器屋に来たのだがフレームアームガールズは兎も角頑丈な鋼の剣すらない!
「なんだよ鉄の剣かよ。【中世ヨーロッパなんだし】鋼の剣ぐらい……」
ピピー、ピッピッピ!
「はいそこの君、中世ヨーロッパ違反だからこっち来てー」
「へ? 何? 白バイ?」
「いやぁ、君もついてないねぇ。まさか中世ヨーロッパ警察の前で中世ヨーロッパ違反するとは……」
「なっ……なんスか、何が違反なんスか!」
「中世ヨーロッパに鋼の剣ほぼ無いんだわー」
世界中の他の地域ではヨーロッパより遥かに昔から鋼が利用されているから誤解されがちだが、いわゆる中世ヨーロッパでは鋼の剣は無いのである。中世盛期(10〜11世紀ごろ)のロングソードなどは鍛造した鉄の剣であり、焼き入れして固くした刃を持っている。このぐらいの時代に鋼を作る方法としては坩堝などを用いた少量生産方式に限られる。
「でも、なんか鉄の剣って脆いじゃないですか? フルパワーで切り付けると折れたり曲がったりするし、エクスカリバーとかデュランダルみたいな硬い剣無いンすか?」
【エクスカリバー】
伝説によるとやたら硬いし切れ味が鋭い。
【デュランダル】
柄に聖遺物が納められててなまら硬い。敵の戦利品にされるのは癪だってんで岩に叩きつけたら岩が切れた。
上記の2振り共にもしかしたら伝承初期には他の効能があったのかもしれないが、キリスト教視点だと神以外の超常の力は全て悪魔の力であり、それ故にキリスト教圏の勇者の剣は余り無茶な能力持たせられないの。デビルマンみたいになっちゃうから。
「大体意気地なく曲がって折れるから、石を断つとか石に刺さる剣が聖剣になるんやね」(ニッコリ)
「でも、想像だけでやたら硬い剣とか思い付きます? 何かモデルがあった筈でしょ?」
「ほほぅ、中々察しがいいな。無論あったさ……十字軍さ」
「へ?」
「中世ヨーロッパには無かったが、ローマ時代やオリエントには鋼の製法が保持されてたんだ。十字軍で戦利品としてイスラム国家から持ち込まれた鋼の剣はあった」
まぁ、それ以外にもシャルルマーニュ大帝時代にはヨーロッパにイスラム教徒居ましたし。
「え? じゃあ切れ味鋭いレイピア何かは……」
「銃火器が発展して全身鎧がオワコンになってから流行った剣だな。一般的な中世ヨーロッパでは余り無い」
「銃火器って、いつ頃?」
「日本に伝わったのが16世紀だな。西暦1500年代」
「その頃ヨーロッパは?」
「ミケランジェロやダビンチの時代だな。北方ルネサンスとかだ。その後17世紀初頭にはドン・キホーテが著されていて、古風な騎士道精神なんて時代錯誤だって筋書きになっとるね。てか、中世最後期の百年戦争時代には黒太子がロングボウ部隊で騎士をバッタバッタ倒していてランチェスターの第二法則が適用され始める時代だな。ジャンヌダルクもこの辺の時代」
「マジかー……じゃあ吟遊詩人としてアニソンでも流行らすかー。お巡りさん、服屋さんどこ?」
ピピー
「え? また?」
「既製服は無いんだわ。生地買って自分で縫うか、お針子さんに頼んで仕立てて貰うんやで」
中古服ならいざ知らず、基本被服はテーラーメイドかハンドメイド。これは日本の江戸時代なんかもそう。大名の奥方とか反物屋や呉服屋で反物買ってるでしょ?
「……まさか、武器屋があって防具屋が無いのは……」
「鎧も採寸して身体に合わせたの作るからですな。多少のサイズ調整は出来るけど」
ヨーロッパが先進国になるのは蒸気機関が発明されて工業化進んでからじゃ。鉄砲(火縄銃)なんて鉄砲伝来からさほど経たずに日本国内で超量産され、ヨーロッパ全土にある数より日本にある数の方が多かったなんて話がある。
たたら製鉄とか鋼加工技術はヨーロッパの何年も何十年も先に行ってましたし。
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