激震! 中世ヨーロッパ警察24時!!!【完結】 作:PureFighter00
いや、残りの回で何話すかなと思って熟慮してた。
中世盛期っぽいヴァイキングがスパムの歌をスパムスパムと歌う世界に防御力カンスト系転移者がやってきた。ヴァンダル極まる世界の中で、転移者は転移者らしく最高の鎧を探し求めるのだが……
「こんなんじゃなくて、鉄板の鎧は無いのかよ! アーサー王みたいなっ!」
「はぁ? メイル(鎧)ったらメイルだべ? 何言ってっだ?」
それは、俗に言うチェインメイルであった。膝あたりまであるホウバークって奴だ。大体この時期は下に厚手のキルトみたいな物を着込み、チェインメイル着て更にチュニック着て太めのベルトをビシーっと締める。頭からはチェインメイルの頭巾(コイフ)被って、必要ならばその上から鉄兜。
いつの間にかノルドやゲルマンの戦士が周りに集まり、興味深そうに眺めている。
「こんなんじゃぶん殴られたらそのまま打撃通るじゃん! どうやって身体護るんだよ!」
「トルケル、見せてやってくれ」
「おうよ! ビョルンくん来たまえ!」
ちぇぃぃすとぉ! とビョルンの手斧がトルケルの胸板を直撃! トルケルはふんむっ!と胸を張ると斧を弾き返した。おぉうというどよめき。流石旦那だなんともないぜ! これは猛者! 凄えぜ大隊長と賞賛の声が飛ぶ。
「切れなきゃ!」ムキっ!
「平気!」すちゃっ!
まぁ、この頃の戦士は大体身体が非常識に頑丈で、殴られてもケロっとしているのが普通。ガッツやケンシロウやオリバー・カーンみたいなのが山盛りで、若き日のハルク・ホーガンとかが群れているとお考え頂きたい。
「だいたいだな、モヤシが刃物持ってイキってるのを刃物が通りにくい鎧着て絶望させるのがいいんだろがよ。なんぼ身体鍛えてもそんなチビじゃあ話になんね」
「力はパワーっスよね!」
「まぁ、敵が鎧着てても丸太ぶん回して吹っ飛ばせば大丈夫だ」
「鎧着てても首捩じ切ったら死ぬしな!」
「この鎧着てた奴は水溜まりに顔押し付け続けたら死んだな!」
「おめぇそいつにかかりっきりで首狙われそうになってたじゃねぇか!」
まぁ、この時代はメイル(鎧)と言ったらチェインメイルだ。後は革とかそんなもの。切れなきゃなんとかなるし、切れても骨が断たれなければ大体オッケー。刃物もそんな切れ味良くないし、折れるし曲がるし。
「きっ……切れちゃったらどーすんだよ」
周囲、一瞬の静寂の後大爆笑!
「切れちまったもんはしょーがねー」
「トカゲじゃあるまいしなぁ」
「腕一本で4〜5人殺せれば御の字よなぁ」
「そんな弱気じゃヴァルハラ行けねぇぞ!」
「中世ヨーロッパ警察だが……特に取り締まる必要もなかったか」
「おかしいですよカテ……いや、何でもないです。でもしかしですね、確かローランの歌とかアーサー王伝説でプレートメイル着てませんでした?」
「あー、あー。なるほど、奴らにハメられたか。よくある誤解だから覚えておけよ! 吟遊詩人や宗教画家は時代考証をせんのだ」
「は?」
「例えばラファエロ作「悪魔を倒す聖ミカエル(または小さい聖ミカエル)」などを描く。ラファエロくんは別に歴史に詳しくないし、何気なく聖ミカエルは当時一般的な剣を持った姿で描かれて、別にギリシャ風とかローマ風の鎧や武器着ていない。なろう系ファンタジーと同じだ、歴史考証せずに「その時も今と大差あるまい」ってテキトーに描くの」
「……昔からそんなもんだったのか……」
「逆に最後の審判だからって、ミカエルとかウリエルがタクティカルベスト着てレールシステムのライフル構えられても困るわなぁ。小型化成功したレールガンやライトセーバー構えてても困るやろ」
「皆が西洋甲冑として思い浮かべるプレートメイルっていつぐらいの鎧なんです?」
「進化系のフリューテッドアーマーが16世紀序盤だから、13〜15世紀ぐらいかなぁ? ジャンヌ・ダルクやジルドレが着てる絵はあるが、先の問題があるから安易に信じ込む訳にもいかない」
「じゃあ、起点となる時期を13世紀にしてるのは?」
「一応、ジョストの歴史調べると11世紀頃にはジョスト開かれてるんだけど、これは模擬戦というか平地での会戦を模して人死にが出ない様にしたものの一部(トーナメントの一部)らしいんだ。だからジョストとして皆が想像する馬上槍試合の形になってない可能性がある。
で、13世紀頃からトーナメントとジョストが分離したらしい」
「13世紀……エドワード黒太子とか?」
「お、やりおるな。しかしエドワードは14世紀だ。でも時代と有名人紐付けるその姿勢は素晴らしい」
「いやぁ、僕もロック・ユー好きでして!」
「いいぞいいぞ、あの作品はジェフリー・チョーサーが何してたか分からない時期にエピソードぶっ込み、そこに同時代人である黒太子絡めるとか中々にいい考証してる。鎧の形状やBGMは敢えて外してるが、それは作劇の狙いだから目を瞑ろう」
「ジョストが流行って娯楽だったのはマジなんスか?」
「お話や吟遊詩人の歌で歌われた様な姿を目の前で見る事が出来たからな。現代風に言えば自衛隊の総火演みたいな感じかも。
トーナメントが色々アリアリだった時代は大体リチャード獅子心王の時代だし、実際リチャードがトーナメントに参加してたって話もある」
「へぇ! じゃあ十字軍で落馬しても突撃したのは……」
「トーナメント時代からそんなんだったのかもな! まぁ、武器も鎧も必要がなければ進化しないし、板金鎧って言う初期にはやたら重い鎧が生まれたのは、馬に乗って集団戦やるのが流行ったから、かも知れないね!」
筆者は昔アキバでチェインメイル買って着て喜んでた時期があったのだが、あれは持ち運ぶにはちょいと重いが、着てみるとそんなに重さを感じなかったし、買った店の人も「着て行った方が楽ですよ。銃刀法に鎧に対する記述無いからお巡りさんもOkです!」と爽やかに言われました(実話)
かつて日本で一回だけ行われたウルティマ・オンラインのタウンホールミーティングにレプリカのチェインメイル持ち込んだのは筆者だし、なんでそんなモン買ったかと言えば、当時から中世盛期のヨーロッパ好きだからである。
リチャード獅子心王の話書きたいんやけど
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誰それ?
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あの面白いおっさんか! 書け!
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欠地王も忘れずに書け
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あ、フランスDisる気だなてめー
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修道騎士会の事書いてからな!
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むしろサラディン
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胡椒の話を飛ばすな
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飯の話は?