ペルソナ4 落ち武者の神   作:三尺

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魔障調伏(2011/7/9)

(クマは……何者クマ?)

 

 自分は何者か──

 

 人間にとっては普遍的な、だが恥ずかしい為に世間ではあまり顧みられない問いを、クマは自らに発していた。

 

 自分は何者なのか、分からない。名前以外に自分を表す言葉を自分は知らない。いつから存在しているのかも分からない。もしかしたら自分は何かを忘れているのではないか。知らない間に何かを失ってしまっているのではないか。ならば取り戻さなければならない──

 

(センセイ……)

 

 思い起こされるのは一人の男だ。最近は鼻が不調で、この世界に落とされた人を見つけるのも思うようにいかない。このまま何もできなくなって、皆の役に立たなくなったら、きっと捨てられてしまう。そんな不安を抱いていた時、先生はそんなことないと自分を慰めてくれた。そんな優しい先生の為に、自分も何かをしたいと思う。先生は自分の為に、きっと何かをしてくれるから──

 

 何かを。何を?

 

(クマは……センセイにどうしてほしいクマ?)

 

 どんどんおかしくなっていくこの世界を、昔のように綺麗にしてもらう。自分は先生に頼んで約束してもらったのだ。だがその約束は、果たして何の為だったのだろう?

 

(ここで静かに暮らしたいから……)

 

 約束した頃は確かにそれを望んでいたはずだし、先生にそう言った覚えもある。では『静か』とは何か? 誰もいない世界で、たった一人で、ひっそりと暮らすことなのだろうか。一切の波風が消失した孤独と寂寥のうちに永遠に存在し続けることを、望んでいたのだろうか。

 

(違うクマ……きっと違う……)

 

 自分はずっと一人でいた。しかし自分はずっと他者を求めていたのではないだろうか。霧に惑うシャドウには、何を求めても何も得られずにいたことは確かだが、他者を求める気持ちは失っていないはずだ。先生がこの世界にやってきた時には、楽しい気持ちになれるから。

 

 ではその気持ちはどこから生まれたのか? 何かを忘れてしまっているような気がするが、そこに思いの源がありはしまいか。例えばこの世界の本当の姿とか。

 

(この世界、今はクマとシャドウしかおらんけど……昔はどんな世界だったクマかねえ?)

 

 綺麗な世界だった。それは覚えている。ではそこに誰かがいたのだろうか? 乱暴で恐ろしく、言葉の通じないシャドウではない、何かがこの世界にいたのだろうか。自分以外の誰かがここに住んでいたのだろうか。自分はその世界で何をしていたのだろうか? その世界の何だったのだろうか?

 

(クマは……この世界は……)

 

 クマは考える。中身がなくても考える。考えるクマは、そこに存在する。考えるという行為自体が、存在の証明となる。

 

 この世界で最も弱く、儚いクマは考える。考える葦となる。クマを滅ぼすのに、この世界全体が牙を剥く必要はない。その辺をうろつく一匹のシャドウが口を開けて、飲み込んでしまえば十分だ。だが言葉を持たないシャドウよりもクマは尊い。なぜならクマは考えるから。先生の先生は、毎年若者にそう教えている。

 

 根を詰めて考える。全身全霊を傾けて考える。そうしているうちに、ある閃きが走った。

 

(この世界には、プリチーな女の子がたくさんいたクマ! チエチャンユキチャンリセチャンみたいな子が、ぎょーさんいたクマ! んでもって、クマはそこの王様だったクマ! そーに違いないクマ!)

 

 クマは考える。しかし考えた結果、得られた答えが正しいとは限らない。

 

(ん? 王様? 王子様? それとも神様……だったクマか?)

 

 中身がないから間違えるのではない。中身があるから正しいのでもない。無謬があり得ないのは、人間も人外も変わらない。神ならぬ者は誰でも間違える。神でさえも絶対に間違えないとは言いきれない。

 

(ま、どれでもいいクマ!)

 

 楽しい想像は、どこまで行っても楽しいだけである。

 

 

「クマ! しっかりしろ!」

 

 赤紫の光が目に痛い、テレビの世界のストリップ劇場。その最も奥まった区画に悠はいた。ただしステージからは降りている。ハートマークの模様が一面に描かれた、けばけばしい床に膝をついて、倒れた仲間に呼びかけていた。

 

「クマ君、生きてるの……?」

 

「と言うか……元々生き物なのかしら?」

 

「天城先輩、難しいこと言わねえでくださいよ……」

 

 自称特別捜査隊の面々は、揃って床を見つめている。そこにはクマが倒れている。と言うより、薄く広がっている。空気が抜けた風船のように、平べったくなっているのだ。自慢の毛並みも、アイロンでもかけられたようになっている。言葉を選ばずに言えば、無残な姿だ。

 

 やったのは悠である。劣勢に追い込まれた戦いの最中にクマが前に出たので、シャドウから庇ったのだ。しかし勢い余って押し潰してしまった。高校生が全体重をかければ、内側から支える人が入っていない空洞の着ぐるみはこうなってしまう。

 

「セ、センセイ……?」

 

 だがそれでもクマは喋れる。考えることもできる。

 

「大丈夫か?」

 

「シャ、シャドウはやっつけたクマ……?」

 

「ああ、お前のおかげだ」

 

 平たくなったクマの手を掴んで、悠は立ち上がった。クマは足も平らになっているので、自力では立てない。毛がすっかり圧縮されて薄くなった手を、悠はそのまま持ち続けた。

 

 悠がクマの手を取るのは、4月14日に不気味なマンションで初めて会った時に続いて、これが二度目である。思い起こせば、あの時もクマが来てくれなければ眼鏡のなかった悠たちは霧の迷い人になっていたはずだった。

 

「今の霧、お前が出したのか?」

 

 陽介が声をかけると、クマは布をねじるように揺らめいた。首を横に振っているつもりであろう。

 

「ち、違うクマ。あれは、センセイの……」

 

「いや、お前の手柄だよ」

 

 だが悠は遮った。りせの影にも見通せない白の洪水を生み出したのは、マリーに貰った便箋だ。何が何だか分からない間の出来事だったが、それくらいは分かる。だがやはり、クマのおかげでもある。特捜隊結成以来の最大の危機を救ったのは、マリーとクマだ。今日は二人に『守られた』わけである。

 

「ん……ここって……」

 

 だがそれ以上、感慨に耽っている暇はなかった。ステージの上から少女の呻き声が聞こえてきたのだ。

 

「あ、そうだよ! クマ吉より、りせちゃんだよ!」

 

 そうして皆は再びステージに上がった。端の辺りで、三角巾をかぶったりせが身を起こす。そしてそのすぐ傍に水着姿のりせが倒れていた。

 

「ごめん……なさい……。私のせいで……」

 

 特捜隊の姿を認めるや、りせは謝ってきた。

 

「へへ……大丈夫さ」

 

「りせちゃんのせいじゃないよ」

 

「……」

 

 陽介と千枝がりせを励まし、完二と雪子も頷く。仲間の四人が事件の被害者を見守る後ろで、クマを連れた悠は一歩身を引いていた。その視線は、未だ倒れたままのりせの鏡像に向けられている。つい先日、金の瞳の少女を現実の少女の中に幻視してしまったばかりだったから。何とはなしに恐れる気持ちがあった。

 

「ごめん……今まで辛かったね。私の一部なのに、ずっと私に否定されて……」

 

 だが悠が何か言うまでもなく、りせは鏡に向き合った。映った像も立ち上がる。

 

「私……どの顔が『本当の自分』か、考えてた。けど……それは違うね。そんなふうに探してちゃ……」

 

 話が早い。極めて早い。しかしこういう展開は、悠や陽介にすればいつものことである。これまでの被害者たちは、影が暴走すると気を失う。そして影が倒されると決まって目を覚ます。そして目覚めた時には、自分の身に何が起きたか、自分と同じ顔をした存在が何者なのか、ある程度を理解しているのだ。特にりせの場合は理解して当然と言える。今日の戦いはまさしく神がかりに入っていた巫女が、雷鳴の託宣を受ける形で終わったから。

 

「『本当の自分』なんて……どこにもない」

 

 だがこの言葉は少々まずかった。真実も時と場合を選ばなければならない。そうでなければ深刻な結果をもたらすこともある。

 

「本当の自分なんて……ない?」

 

 悠に手を取ってもらい続けている、クマは呟いた。思わずといった態で。思いがけない時に思いがけない形で襲ってきた刃に、ないはずの心臓を貫かれたように。無論、りせはクマに対して悪意などない。ないのだが、たとえ善意の言葉であっても、そこに刃が見出されることはある。

 

「本当? 自分? くくく……実に愚かだ」

 

 舞台に続く花道の床に、一枚の巨大な鏡が突然立ち上がった。クマと悠を始め、ステージ上の皆が一斉にそちらを振り向く。

 

「お、おわあ!?」

 

 貫かれた『心臓』はクマの中から外に出てきた。見方を変えれば、それはクマは一見空っぽのようでいて、実は心も心臓もあることの証明であるのだが──

 

「本当の自分……貴様ら風に言えば『真実』か? それは常に霧に隠されている……」

 

 証明の方法としては、決して良いやり方ではない。霧の鏡に姿を映すのは、一種の劇薬である。

 

「現象の背後に存在する実体を掴むなど、人間には決してできぬ。なぜなら貴様らの認識は現象を超えられぬからだ。人間の理性に無謬があり得ぬという次元の問題ではなく、宿命なのだ。認識を得ても、それが真であると保証してくれるものはない。それはもはや実体などそもそも存在しないと言っても過言ではない。即ち事実はなく、解釈だけがある……」

 

 しかも言うことが迂遠すぎる。

 

「な……何言ってるクマか! お前の言うこと、ぜ~んぜん分からんクマ! クマがあんまり賢くないからって、わざと難しいことを言ってるクマね!」

 

 突如として現れた新たな鏡像。クマは悠に支えてもらいながら、鏡に向けて声を荒げた。

 

「失礼しちゃうクマ! クマはこれでも一生懸命考えてるの!」

 

 クマはまさしく考える葦である。間違いは多いが、それでも考える。潰されて平たくなっても、なおも考え続ける。

 

「それが無駄だと言っているのだ……お前は初めから『空っぽ』なのだから。失われた記憶など、お前には初めからない」

 

「そ、そんなのウソクマ……」

 

「だが安心せよ。空っぽなのはお前だけではない。人間は誰しも虚ろな器に過ぎん。汚物を詰め込んだ皮袋と、空っぽの着ぐるみの間に差異などない。満たすべきものを失った……いや、自ら捨てた者たちは、霧を彷徨うのみである。よってお前は決して特別ではないし、お前の愚かしい隣人たちもまた然り……」

 

 鏡に映るクマの姿は見上げるような巨体だ。ステージの下にいながら、その金の瞳は本物のクマはおろか悠たちの視線より高い位置にある。何の感情も示していない、まさに虚ろな金の光が着ぐるみと人間たちを見下ろしてくる。

 

「ち、違うクマー! クマはカラッポじゃないクマ! センセイだって、センセイだって……!」

 

「では教えてやろうか……いや、知っているはずであるのに目を背けている、『真実』とやらを。お前は……」

 

「やめろ!」

 

 クマより先に悠が遮った。クマの手を取った左手を後ろに回し、背中に庇った。最初期から行動を共にしている仲間に代わって、迷い出た悪霊に向けて右手の刀を突き付けた。

 

「それ以上喋るな!」

 

 悠は『なぜか』昂ぶっていた。悠は自分を怒りやすい性格ではないと見なしている。実際の話、八十稲羽に来てから怒りを感じる機会は少なかった。露わにしたのはより稀だ。数少ない例外は4月15日、陽介の影と戦った時だ。言うなれば、今日はその再現である。

 

 悠はこの世界の鏡に自分の像を映したことがない。敢えて言うなら、瞬きをする少年がジュネスのテレビに映ったが、あれは悠を責めたり詰ったりしなかった。とんだ面倒くさがりだなと呆れられはしたが、その程度だ。そしてその程度で良いのだ。

 

 翻って、金色に光るクマは危険な香りがした。これまでにない、訳が分からないくらいの焦りを悠は覚えていた。これ以上喋らせてはいけないと、頭の中の何かが警鐘を激しく鳴らしていた。感情をまるで見せず飽くまで淡々と事実を指摘するような、それでいて難解な物言いが、これまでの仲間たちのケースより危険を強く感じさせる。

 

 思い起こせば、陽介の時は失敗してしまった。初めての鏡の出現に動揺してしまい、好き放題に言わせてしまった。あの時は、有無を言わさず叩きのめしてやれば良かったのだ。千枝や雪子、完二やりせの時も、そうしてやれば良かったのだ。もっとも後半の四人は、保護するのが間に合わなかったという、やむを得ない事情があった。

 

 だが今は間に合う。

 

「言ってやれ、クマ。お前は俺じゃないと!」

 

 戦いは先手必勝。理屈をこねる暇があったら、力でねじ伏せてやれば良いのだ。そして自分にはそれができる。刀はその為にあるのだから。ペルソナもその為にこそあるのだから。もったいぶって余計な言葉を並べられるくらいなら、さっさと宣戦を布告してやるべきだ。

 

「相棒!? 何言ってんだ!」

 

 陽介が声を上げたが、悠は耳を貸さない。悪鬼悪霊には言葉よりもまず力。話はそれからだ。ものの道理を教え諭してやるのは、力の次だ。すると金の光は笑った。

 

「鳴上悠……使命を与えられた者の一人にして、信心を束ねる者か。古き良き力……その新たなる形でもって、魔障を調伏する者。虚ろな心を恵みでもって満たす者……」

 

 実像を隠された鏡像は笑っている。これまでの仲間たちと違って、本物を庇われても怒り出しはしない。むしろ虚ろだった金の瞳を、喜びを表す形に歪めた。

 

「ふふ……良かろう。さあ、小さき者よ! 我を否め! 師の教えに従い、影を光へと転じてみせよ!」

 

 これぞまさに、話が早くて助かるというものだ。『師』は『弟子』の側を振り返らず、その鏡像を見据えて決意を表明する。

 

「大丈夫だ、クマ。俺たちが守ってやる!」

 

「しゃあねえか……。俺らだってみんな、シャドウが出たら戦うしかなかったんだ」

 

「分かってても、やんねえといけねえ……。男には、そういう時もあるもんすよ」

 

「うん、心配ないよ。私たちがいるんだから!」

 

「もうひと暴れしよっか!」

 

 仲間たちも同調してきた。シャドウが出れば戦うのみ。同じ経験を既に経ている皆は、物分かりが良い。まるで我が為のように、クマの為に体を張ってくれる。

 

「あ、あの……」

 

 だがここにはもう一人、忘れてはならない人がいたのだった。

 

「!」

 

 悠は思わず振り返った。すっかり忘れていたが、今日そもそもテレビに来たのは、りせの為だった。取り敢えず確保はできたものの、決着はまだだった。振り返った先には、水着姿のりせがまだそこにいる。霧の鏡にりせの像は映ったままでいる。シャドウは未だ影のままで、光に転じてはいない。その傍らに三角巾をかぶった本物のりせがいる。

 

 この日初めて、悠とりせの目が合った。もっとも眼鏡をしていないりせの目に、悠の目はどこまで映っているだろうか──

 

「うん……」

 

 だがそれでも、りせは頷いた。そして再び鏡に向き合う。

 

「お願い、力を貸して。貴女も私も……テレビの中の『りせちー』だって……私から生まれたの。全部……『私』なんだから」

 

 全くもって話が早い。本体が認知するや、鏡像は青い光を放って姿を変えた。りせの影はアンテナの仮面をかぶっていたが、ペルソナとなってもそれは同じだった。ただ元は極彩色の裸体だったのが、黒い体に白いドレスを着た姿に変わった。手にはヘッドマウント式のディスプレイを持っている。その様は、神に捧げる供え物を盆に乗せた巫女のようである。

 

「ヒミコ……」

 

 ペルソナ呼称は、まさしく姿に相応しいものだった。鬼道に(つか)へ、よく衆を惑わす──

 

「私は多分、その子と同じことができる……今度は、私が助けてあげる!」

 

 りせは振り返ってきた。顔には疲労の色が見られるが、それを補えるだけの決意が伺えた。これで前線を支援する役もできたわけである。りせの影は直接的な戦力では低かった分、皆に余力は残されている。気持ちも一つになっている。つまり準備は万端である。

 

「クマ」

 

 あとは仕上げに入るだけだ。

 

「よ、よーし……耳の穴かっぽじって、よーく聞くクマ!」

 

『弟子』は右手を『師』に取ってもらっている。平たくなっている青い左手を、大きく振りかぶった。湧き上がっているはずの恐怖や不安を、芝居がかった仕種でもって抑える。そして現れた魔障を指差した。

 

「お前なんか、クマじゃないクマアァァ!!」

 

「ふふ……言ったな! では我も貴様らの影に倣い、言挙げしてやろうぞ!」

 

 実像の絶縁宣言に応えて、鏡像はますます笑う。眼鏡を通すと見えなくなる白い霧を、眼鏡でも見通せない黒い霧へと変じさせる。混元の霧は鏡のもとへ集まり、凝り、形を成す。

 

「我は影……真なる我!」

 

 自らを定める言葉と共に、閃光が四方に走った。影は名乗りによって鏡の中から抜け出てきた。虚像は身体を得て、現実に転化した──

 

「あう……センセイ……」

 

 悠に手を掴まれたまま、クマは崩れ落ちた。毎度のことであるが、シャドウが名乗ると本体は気を失う。あたかも自らの存在を乗っ取られるように。そして毎度のことである為に、悠も倒れたクマに余計な心配はしない。影を倒せば本体は自分を取り戻すことを、そろそろ慣れてきた悠は分かっている。

 

「クマを後ろへ!」

 

「おう! りせ、持っててくれ!」

 

 重さがないに等しい軽い着ぐるみを、すぐ後ろにいた陽介に手渡した。そこから更にリレーのように手渡され、あっという間に最後尾のりせの元まで送り届けられた。

 

「さあ……見せてみよ! 人の可能性を! 来たるべき滅びの日において、貴様らは賭けるに足るものであると示してみせよ!」

 

 黒い霧が晴れると、ステージ下の花道に大穴が開いていた。クマの影はそこから巨体の上半身だけを出している。顔の左半分は欠けて、暗黒の虚空を覗かせている。夜のような闇の中から、虹色に光る眼がペルソナ使いたちを見据えてくる。そして床に乗せた両手からは、金属質な鋭い爪が生えていた。普段のクマからは想像もしづらい、異様なまでの存在感がある。

 

「こんな不気味なのが……あのとぼけたクマ君の中に?」

 

「クマの奴、見かけよりずっと悩んでたみたいだな……俺達で救ってやろうぜ!」

 

「うん……でも、何かの強い干渉を受けている……そんな感じがする」

 

 平たいクマを抱えたりせは、ペルソナが捧げ持つディスプレイで目を覆っている。外から隠されたその目には、ある不自然な事象が映されているのだが──

 

「行くぞ……ネコショウグン!」

 

 戦場に立った者たちは、余計なことを考える暇はない。悠は星のアルカナに属するペルソナを召喚した。だがまずは直接攻撃せず、仲間たちに光を纏わせる。膂力や魔力を一時的に向上させる、補助の魔法だ。

 

「受けよ……」

 

 対する影は爪の生えた両手を掲げ、床に叩き付けた。すると氷の壁が立ち上がった。視界の全面を覆うほどの、広く高い壁だ。そこから刺すような冷気が襲ってきた。

 

「くっ……」

 

「ああ!」

 

「雪子!」

 

 広範囲に展開する氷結の魔法である。これまで経験したことがないほどの衝撃だ。特に雪子にはかなり堪えている。最初の一撃で、これは容易ならない相手だと察せられる。だが元よりシャドウを恐れず、そろそろ場慣れもしてきた悠は、即座に作戦を組み立てた。特捜隊を指揮するリーダーとして仲間たちに指示を出す。

 

「天城と里中は組んでいけ! 里中が前に出て、氷から天城を庇うんだ!」

 

 大半のペルソナとシャドウは何らかの弱点を抱えている。雪子は火炎を無効化し、氷結に弱い。千枝は逆に氷結を無効化し、火炎に弱い。ペルソナに備わった耐性が対照的なこの二人は、上手くやれば互いの長所で短所を補い合うことができる。

 

「う、うん! 千枝、お願い……!」

 

「任せて! あたしが守るよ!」

 

「花村は攪乱、完二は狙い澄ましていけ!」

 

「おうよ!」

 

「了解っす!」

 

 陽介は疾風に強くて電撃に弱く、完二はその逆だ。ただしこの戦いにおいては、二人の耐性は戦術に影響しない。するのはペルソナに由来する身体能力だ。陽介は身のこなしが非常に素早いが、一方で耐久力に欠ける。完二は逆に敏捷性に難があるが、膂力と耐久力は優れている。持ち味を活用する作戦で、この一戦に臨むことにした。

 

「ペルソナ!」

 

 そして悠は再び黒猫のペルソナを召喚した。治癒の光を仲間たちに纏わせ、敵の先制攻撃で受けた傷を癒やした。複数のペルソナを操るワイルドは戦術の幅が広い。自ら先頭に立って戦うことは無論、補助や回復魔法で仲間たちを補佐する役も担える。臨機応変がワイルドの戦い方であり、人を使うのがリーダーの仕事である。

 

「スズカゴンゲン!」

 

「アマテラス!」

 

 特捜隊の反撃が始まった。まず千枝が女武者のペルソナで切り込み、雪子はその陰から女神のペルソナで猛火を放つ。いずれも過たずに、巨体のシャドウを捕える。

 

「ふふ……貴様らは既に、一つの恵みを享受しておるか」

 

 だが影は余裕を崩さない。再び両手を掲げる。青い光がそこに集まり、魔法を放とうとしてくる。

 

「氷、来るよ!」

 

「させっか!」

 

 りせの警告とほぼ同時に陽介が飛び込んだ。ステージから一足飛びに跳躍し、影の懐に入ろうとする。だがさすがに距離が離れすぎているので、挙動が相手から丸見えだ。影は魔法を一旦止め、右の掌を陽介に向けて突撃を受け止めようとする。または掴み取って、捻り潰さんとするが──

 

「ジライヤ!」

 

 寸前で陽介は後方に宙返りし、影の手をかわした。空中でペルソナを召喚し、それを踏み台に方向転換したのだ。身軽で反射神経に優れた陽介ならではの、空中機動である。そして回転しながら素早く制服の上着に手を差し込み、取り出したものを投げ付けた。

 

「小賢しい……!」

 

 影の右手に二本、顔に一本の短剣が突き刺さった。時代劇の忍者が使いそうな投擲武器、いわゆる飛び苦無である。陽介は両手に大振りの短剣を持ち、戦闘は主としてそれを使うが、投げる為の細い短剣も懐に仕込んである。もっとも小さい分だけ威力は期待できないが──

 

「行くぜえ、タケミカヅチ!」

 

 陽介の牽制に影が気を取られた隙に、完二がペルソナを召喚した。髑髏の意匠を胸に施した大柄なペルソナだ。手に持った稲妻を模した剣を振りかざし、大きく踏み込んで床を震わせる。そして影の脳天へ向けて渾身の斬撃を叩き込む。陽介が作った隙を突いた、狙い澄ました一撃である。

 

「ふん……四人ともそれなりに心から力を生み出すか。では貴様自身は?」

 

 言い終えるや、影は元より身を潜ませている穴に全身を潜り込ませた。逃げる気かと一瞬思わせたが、すぐに戻ってくる。それと同時に体全体を斜めに構え、左手を頭上に掲げた。掌には眩しい光の球が出現している。外からは見えない穴から取り出したのか、自分自身で生み出したのかは判然としないが、とにかく禍々しい何かを感じさせるものだった。

 

「え、何? やな予感がする……。みんな、これは危ないよ!」

 

 りせが最後尾から再び警告してきた。だが影の構えは何とも大仰すぎる。左手を大きく振りかぶって、そのまま静止している。全般的にシャドウは動作が大きいが、これは大きいを通り越していっそ芝居がかっている。これから攻撃しますよと言わんばかりだ。テレフォンパンチもいいところ。場慣れしている者ならば、かわそうと思えば容易くかわせる。何も難しくない。だが──

 

(クマ……!)

 

 今のクマの影の構えは、奇しくも本体が影を否定した時と同じ形だ。もし影の狙いが悠たちではなく、りせが抱えている本物のクマだとしたら──

 

「皆、下がれ!」

 

 悠はステージから飛び降り、前に出た。クマがりせの影から皆を庇って、無謀にも前に出たように。邪悪な光を掲げた影が潜む穴の一歩手前、特捜隊の最前列まで躍り出た。

 

「相棒!?」

 

「ふっ……!」

 

 陽介が叫んだのと影が笑ったのは、ほぼ同時だった。そして影は静から動へと急激に変化した。それまでの隙だらけの動きは全て芝居で、これこそが真の力だと言うように。仲間たちが余計な気を遣って悠を庇う、その隙を与えまいとするように。影は風よりも音よりも速く、まさに光の速さでもって魔手を突き出してきた。

 

 巨大なほうき星が悠を襲った。それが暗示するものは来たるべき天変地異か、神々の政変か。いずれにせよ不吉な何かを象徴する、天を切り裂く彗星のような一撃が、悠の心臓目がけて一直線に飛来してきた。対する悠は刀を胸の前で構えた。この刀は現実の商店街で購入した、刃の引かれた模造刀に過ぎないものだ。しかし悠はクマを守る心を刀に込めた。剣豪が気迫でもって竹光を真剣と化さしめるように。祭司が神霊を勧請して、鉄の塊に神剣の霊験を与えるように。

 

 ──

 

 放たれた必殺の魔手は止まった。悠は左手で刀の束を持ち、右手を峰に当てがっている。影の爪は立てられた刃に触れている。悠が受け止めたのか、それとも影が自ら止めたのか、どちらであるのかは判然としない。だがとにかく心を貫き、命を粉砕する一撃は止まった。そして悠と影の目が合う。

 

「技も力も未熟……智慧も十分とは言えぬ。奥義には遥かに遠い……だが心は示したか」

 

 影の目が光った。シャドウの証である金色ではなく、虹色に光っている。闇に潜む存在でありながら、その目は豊饒な色彩を表している。

 

「留意せよ、人の子よ。我らはいつでもすぐ傍にいる……。我らは常に貴様を見ているからな」

 

 影は左手を引き、体を起こした。そして両手を上に掲げ、ふらふらと揺らす。まるで降参するような仕種である。

 

「先輩! チャンスよ!」

 

「ああ……」

 

 りせが声をかけてきた。悠は振り返らず、戦場における指揮官がそうするように刀を頭上に掲げた。

 

「全員、総攻撃だ!」

 

 リーダーの命令の下、全員が影に殺到した。

 

 

「およそ軛の下にありて奴隷たる者は、己の主人を全く尊ふべき者とすべし。これ神の名と教えとの謗られざらん為なり」

 

 特捜隊の総攻撃によりクマの影は倒れた。これまでの五つの前例に倣って、鏡から抜け出た影は鏡に戻った。体を潜ませていた穴はいつの間にかなかったことになり、巨体の鏡像は劇場の床に普通に立っている。現れた当初はあれだけ饒舌だったのに、今は悠が命じた通り口をきかず、沈黙しながら佇んでいる。そんな中、クマの声がした。

 

「信者たる主人を()てる者は、その兄弟なるに因りて之を軽んぜず、(かえ)って弥増々(いやますます)これに(つか)ふべし」

 

 クマは薄いままだ。だが紙切れのような体を前後にふらふらと揺らしながら、一歩ずつ前へと進んでいく。体を支えられるとは到底思えない平たい足で、テレビの世界を歩む。

 

「おい、クマ?」

 

 りせの影と対峙した時も、クマが読んだ言葉は意味が分からなかった。そして今もクマが何を言っているのか、悠には分からない。神道でもキリスト教でも、それを否定するのは学んでからにしろと諸岡から教わっている。しかし未だ聖書を手に取ったことはなく、ミッションスクールに通ったこともない悠には分からない。

 

「クマ公、大丈夫か?」

 

「おーい、戻ってこーい」

 

 もちろん他の仲間たちにも分からない。信心の乏しい現代日本では、そちら方面の教養がある人は少数派だ。

 

「その益を受くる主人は、信者にして愛せらるる者なればなり……」

 

 まして文語で語られては、何が何やらさっぱりである。しかしテモテへの第一の手紙の朗読は、ここで終わった。

 

「クマ……クマは、自分が何者なのか分からんクマ。ひょっとしたら、答えないのかも……なんて、確かに時々、そんな気もしたクマ」

 

 鏡の前まで辿り着いたクマは、現実に戻ってきた。そして悩みを口にした。

 

「大丈夫だ」

 

 悠はクマの頭に優しく手を置いた。揺らめく心を抑えて、虚空から湧き上がる怒りや戸惑いを、そして不安を手でそっと包み込むように。

 

 悩みならば悠にもある。『自分は何者か』。諸岡に問われマリーと約束したこの問いの答えを、悠は未だ得ていない。どうすれば得られるのかも分からない。『本当の自分などない』と言われれば不安にもなる。あるとしても、それはろくでもないもののような気もする。たとえば諸岡が言うところの腐ったミカンとか。

 

「きっと見つかる」

 

 その不安を押し殺して、悠はクマを励ました。軛にある者が神に対するのと等しく捧げてくる愛に、神に愛される主人が報いるように。

 

「センセイ……」

 

 クマはこの時、絆を確かめた。元より確かにあったものだが、役に立っていない思いから揺らいでいたものを、再確認したのだ。そして鏡から光が放たれた──

 

 

 

 

『キントキドウジ……』

 

 足立が一人で視聴していた、日付が7月9日に変わった瞬間に開始したマヨナカテレビは終わった。謎の着ぐるみが少年たちに諭されて、球体に四肢が生えてミサイルを掲げるペルソナを得たところで、放送は終了となった。

 

(本当の自分なんかない、ねえ……)

 

 ただの箱に戻ったテレビの前で、足立は今晩のキーワードを内心で繰り返した。右手の指に挟んでいた煙草の火は、既に消えている。

 

「ふん……青臭い。そんなもん、なくて当然だろう」

 

 吸殻を携帯灰皿に押し込みつつ、声に出してしまった。

 

 本当の自分、本当の気持ち。磨き抜かれた仮面以上の本音が、心の中に実体として存在すると見なすこと。それはとても素朴で、誰にでも分かりやすい考え方だ。だがそれは妄想でしかないと足立は考える。確かに人の性格に裏表はあるが、それらに本物も偽物もない。『本当の自分』とは本人が表明した途端に遠ざかる無限後退だ。

 

 要は絵に描いた餅に過ぎず、そんなものに拘泥するのは子供の証明だ。『本当の私って、こうなの』などと言うのは、『俺が本気出したら、こんなもんじゃないぜ』と嘯くのと同じであって、まともに取り合う意味もないくらいに馬鹿馬鹿しい話だ。人間を定義するのは行動であり、認識ではない。ファンタジックな力に覚醒してはいても、基本的にリアリストである足立はそう考える。

 

(すると僕は……)

 

 ここまで考えたところで、足立は己を省みた。足立透は何者か──

 

(ふん……簡単な話だ。僕は人殺しだ)

 

 しかし内省は一瞬で終わった。否定のしようがない厳然たる事実がある限り、そしてその事実を存在自体でもって容赦なく突き付けてくる、一人の少年がいる限り、足立は己を表す一つの言葉から逃げられない。逃げる気もない。自首や懺悔などするつもりはないが、目を背けるつもりもない。だからそれ以上は考えなかった。

 

 犯罪者から町を守る警察官、シャドウから人々を守る特殊部隊員、左遷されたキャリア組、堂島の相棒、独身の若い男。その他諸々の己を表す言葉を意識から遠ざけた。一つの事実を見つめるあまり、その他の事実に目を向けなかった。

 

 マヨナカテレビの放送が終わって、ただの箱に戻ったテレビ画面は仄暗い鏡だ。しかし足立はそこに映った自分の顔を見ようとはしない。代わりにこの日二本目の煙草を箱から取り出して、火を点けた。

 

「ふー……」

 

 苦い煙を吸い込み、また吐く。そして咥えたままベッドに寝転んで、紫煙が薄暗い部屋を満たす様を何とはなしに眺めた。

 

(何か最近、本数増えてる気がする……。携帯じゃなくて、普通の灰皿買った方がいいかな……)

 

 

 一方その頃、足立以外のもう一組の『視聴者』もマヨナカテレビをやはり見ていた。雨の夜のテレビ鑑賞は既に習慣となっている。

 

『これが特出し激情よってか。あー……駄目だ。ギャグにもキレがねえ……』

 

 見ているのは主にミナヅキだ。皆月も見てはいるのだが、すっかりやる気をなくしている。体の主導権をミナヅキに譲ったまま、心の中で大の字になっている。りせの影戦からクマの影戦にシーンが移った頃には、ミナヅキの目を通して見てはいても頭には入れなかった。

 

『しばらく一人にしてほしいクマ。毛が生え変わるまで、トレーニングにハゲしく励むクマ!』

 

 少年少女たちが拠点としているスタジオに戻り、着ぐるみが腹筋運動を始めたところで、今夜の放送が終わった。テレビ画面の仄暗い鏡は、十字の傷が刻まれた少年の顔を映しだす。

 

「翔、おかしいと思わないか」

 

 鏡に話しかけるように、ミナヅキは声を出した。

 

『あ?』

 

「使命を与えられた者……。着ぐるみのシャドウは鳴上をそう呼んだ。どういう意味だ?」

 

『知るかよ!』

 

 皆月はふてくされている。元より皆月は癇癪を起こしやすく、なかなか話はしづらい。だが最近は特にその傾向が顕著だ。テレビに入れず、入れてもらえず、霧の日に出歩くことも止められている皆月は、遊び道具を全て取り上げられたに等しい状態なのだ。そして取り上げたのはミナヅキだ。だからミナヅキが話しかけても皆月には取りつく島もない。そういう機会が増えていた。

 

 相談する相手がいないミナヅキは、一人で黙って考えるしかない。

 

(あのシャドウ、本体とアルカナが違った……)

 

 ミナヅキは情報系の能力を持っている。その目で見れば、マヨナカテレビの画面越しでもシャドウやペルソナのアルカナくらい分かる。だが今晩の解析結果は腑に落ちないものだった。クマは星で、そのシャドウは月だったのだ。なぜなのか?

 

 シャドウと本体は根源的に同一に限りなく近い存在である。現にこれまでテレビで見た者たちは、両者のアルカナはどれも同じだった。しかしなぜかクマのみ異なっていた。そしてアルカナが異なる『二人』と言えば──

 

(俺と翔も違うが……)

 

 ミナヅキは月で、皆月は太陽だ。だがこの二人は異なって当然である。そもそもミナヅキと皆月は、シャドウと本体ではないから。ミナヅキは皆月の中で目覚めたが、皆月が生み出した人格の一部というわけではないのだ。もしクマとクマのシャドウの関係も、それと同じか類似したものだとすれば──

 

(シャドウのアルカナは俺と同じだった。月と言えばニュクス……もしやあの着ぐるみも死の欠片を持っている? いや、待て)

 

 一つの仮説が思い浮かんだ。しかし直後に自分で待ったをかける。

 

(可能性はゼロではない。だがアルカナが同じだからというだけで、俺と同列に考えるのは早計だ)

 

 いつの時代でもどこの国でも、月は普遍的な存在だ。象徴が符合しているからといって、何もかもを同じに考えてはいけない。今の時点では象徴から推測を重ねるよりも、事実から出発すべきである。そしてこの場合の事実とは、マヨナカテレビを視聴して分かる確かな事柄だ。

 

(あのシャドウは明らかに、調伏されることを望んでいた。致命の一撃を自ら止めたことからも明白だ。テレビの中のシャドウが全般的に弱いことも考慮に入れると……やはり鍵は鳴上の使命か。ならばあのシャドウが鳴上に使命を与えた? いや、待て。それなら鳴上を『使命を与えた者』と呼ぶはずだ。それに奴は最後に『我ら』と言った。ならば奴は使命を与えた上位者の眷属か?)

 

 調伏されることを自ら望む者。乗り越えられる壁としてある者。倒されることを宿命づけられ、それでいて悔いることのない者。なぜそのような者が存在するのだろうか。そして倒されるべき者を倒した者は、どうなるのか?

 

(使命とは何だ……。信心を束ねる者……信心……)

 

 足立は考えないような事柄もミナヅキは考える。観察力が鋭く観念的な思考にも長けているミナヅキは、目に見えている僅かな事実から推論を展開させていく。

 

(神……? 鳴上を神にする? いや、それとも……神を祀る祭司か?)

 

 そしてある仮説に辿り着いた。




 クマの影は『誰かさん』の干渉を受けている。原作でもりせが言っていますが、興味深い話ですね。本作ではとある事情によって、『誰かさん』風味を原作よりも強くしました。

 さて、足立が自分の罪を自覚し、ミナヅキが事態の背後関係を考察し始めたこの話をもちまして第1章は終了となります。

 本作ではなぜか現実でもシャドウが出現し、それを契機としてP4Uの要素がP4本編に侵食してくるという形で進めて参りました。ただし特捜隊には、その影響がほとんど及んでいません。原作との違いと言えば、堂島が悠を疑わなくなったことと、尚紀にチクッとやられている程度です。その為、原作と変わらない推理パートはほぼ全て省略し、戦いは足立と皆月たちがマヨナカテレビで見るという形を取って、特捜隊の描写は大幅に削りました。

 おかげで悠以外の特捜隊はモブ状態ですが、第2章から彼らの行動も原作から少しずつ変わっていきます。

 なお、なぜ現実でシャドウが出現するようになったのか? 事の発端であるこの問題の答えは、追々明らかにします。もうお分かりの方も、いらっしゃると思いますが。
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