ペルソナ4 落ち武者の神   作:三尺

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いもといもうと(2011/10/30)

 八十神高校の文化祭では、ミスコンテストは男女とも毎年恒例で行われている。そして毎年、参加者の数が振るわない。そんな近況を打破すべく、今年の企画を取り仕切った教師の意向により、他薦でも強制参加との決まりができた。しかし八十神高校の生徒は根が真面目なのか、それとも面倒事が嫌いなのか、今年のコンテストで本人の意思に反して推薦された者はいなかった。結果的に女子の出場者は自薦の二人だけで、男子は一人もいなかった。

 

 この高校に麗しい女子生徒は何人もいる。例えばカンフー好きの少女、老舗旅館の娘、休業中のアイドル、探偵王子もとい探偵姫だ。しかし彼女ら四人は自ら出場しようとはせず、冗談で推薦して仕返しで女装コンに推薦される迂闊な男もいなかった。

 

 そんな寂しい限りのミスコンでありながら、会場の体育館には意外と人が集まっていた。さすがに満席というわけにはいかないが、一つのクラス分くらいの人数はいた。人が見たがるものは、美しいものや感動的なものばかりではない。芸人が体を張る系統のコントは昔から人気がある。芸人自身に芝居のつもりがない、いわゆる天然系も。

 

『文化祭二日目のメインイベント! ミス八高コンテストを開始します!』

 

 体育館正面奥の演壇には、赤いカーペットが敷かれている。その端では司会役の生徒がマイクを握っている。ピンクのアフロヘアーのかつらをかぶり、赤の蝶ネクタイを結ぶという、冗談そのものの扮装で。

 

『では早速……エントリーナンバー一番! 柏木典子さん!』

 

「うふふ……坊やたち、今日はお姉さんの魅力を存分に味わうといいわよぉ?」

 

『ご覧ください! 僕らの人生の二倍を超える年月をかけて、磨き上げた成果です!』

 

 出場者が天然な一方で、司会者は精一杯の努力をしている。大仰な身振りを添えて、現職の教師を紹介する。

 

『続きまして、エントリーナンバー二番! 大谷花子さん!』

 

 巨岩が服を着て歩いているような女子生徒でも、紹介の文句を捻り出す。

 

『どーですか! これぞ稲羽の自然が生み出した神秘! ある噂によれば、原付バイクには乗れないそうです!』

 

「当ったり前よ。アタシを誘うんなら、ちゃんとしたバイクじゃないと」

 

 観客の生徒たちからは、失笑の合間にこんな論評が出る。

 

「すげえ……大谷、分かってねえ。原付乗らねえじゃなくて、乗れねえって言われてんのに」

 

「柏木も分かってねえ……。地味に四十超えてるって言われたようなもんだろ、あれ」

 

 前の方にいる生徒たちからは、本質を突く声が控え目に上がっている。その後ろ、体育館の出入口近くで立っている四人組の間からは、遠慮のない大きな笑い声が上がっている。

 

「こんなマンガみたいな連中、マジでいるんだ。ここまで来ると逆に面白いね」

 

「あはは! おばさんとおっきな人がならんでるー!」

 

 ステージの下から見下ろして笑っているのはあいだ。そして見たままの有様を笑っているのは菜々子である。楽しそうにはしゃぐ娘と笑う女子高生の後ろで、父親と『彼氏』は困惑気味にしている。

 

「なあ悠……この子、お前の友達なんだよな」

 

「そうだけど?」

 

「あと十年もしたら、菜々子もこうなるのか……?」

 

 人は変わるものだ。その要因は、生来の素質の開花や本人の努力など色々ある。中でも人との出会いというものは、非常に大きな要因になり得る。そして人が変わる幅は、若い頃から変わり始めた場合ほど大きくなる。同じ人間でも、七歳と十七歳では全くの別人のようになることもある。と言うより、別人になるのが普通だ。幼い頃は天使だった子供が、成長すれば女帝や皇帝になることだってあり得る。

 

「恐ろしいこと言わないでよ……」

 

 ウェーブした金髪をたなびかせ、派手な化粧をして、ヒールを履いて沖奈の駅前辺りを闊歩し、バイクに乗ったクラスメイトに足になれと命令する十七歳の菜々子。そんな従妹の姿は、悠は想像もしたくなかった。

 

 そうやって『あり得る未来』に男たちが恐れ戦いていると、少女たちの話は飛躍した。

 

「菜々子も出るー!」

 

「え、ちょっと……マジで?」

 

「お姉ちゃんも出ようよ!」

 

「しょうがないわねえ……そんじゃ、一緒に飛び入りしよっか!」

 

「お、おい! 菜々子!」

 

 十歳差の少女たちは演壇へ向けて、揃って歩いて行った。男たちが止める声は、もちろん届かなかった。

 

『おおっと!? まさかの飛び入りですか!?』

 

「そうよ」

 

 最前列まで辿り着くと、あいは体育館の床と演壇を結ぶ短い階段を、さっさと上る。もちろん菜々子も一緒である。そして司会からマイクをひったくり、壇上を歩む。ざわつく観客たちには目もくれず、スタイルを誇示するモデルのように背筋を伸ばして、堂々と足を進める。そのままステージの中央にたどり着くと、長い金髪を振り回すように勢いをつけて、観客の側を向いた。

 

『海老原あいでーす!』

 

「お……おおー!」

 

 良くも悪くも、あいは校内では有名人であり人気者だ。これまでのコントとは方向性の異なる美少女の登場に、俄かな期待が溢れた太い声が上がる。しかしあいは湧き上がった歓声に手を振りもしない。腰を屈めて、ついて来た菜々子にマイクを向けた。

 

『堂島菜々子でーす!』

 

 人は誰しも状況によってペルソナを使い分ける。普段は内気な正義の天使は、小さな女帝に釣られて気が大きくなっている。明るく大きな声で名前を名乗った。

 

「おおー!」

 

「かわいー!」

 

 歓声の色がまた変わったところで、あいは膝を伸ばして立ち上がった。マイクは持ったままだ。

 

『お集まりの皆さーん! 年増と丸太だけじゃつまんないでしょ? あたしたちに投票してくれてもいいわよー!』

 

 これはコントではなくコンテストである。出場者のお披露目が一通り済んだら、優勝者を決める投票が行われる。

 

『そんじゃーねー!』

 

 言うだけ言って、あいはステージの端にいる司会にマイクを放り投げた。そして上った方とは反対側の階段を下りて、悠の前まで戻ってきた。もちろん菜々子も連れている。

 

「さてと、行くわよ」

 

 戻るや否や、悠を促してきた。もうここに用はないと言わんばかりである。

 

「結果、聞かなくていいのか?」

 

「いいのよ。優勝インタビューとか鬱陶しいだけだし。菜々子ちゃんでも困るし、さっさとずらかるの」

 

 今の飛び入りで、あいが優勝するとは限らない。柏木や大谷はないにしても、菜々子に票が集まる可能性はある。しかしそうなったらなったで、より困る。いくら何でも菜々子にあれ以上ステージで喋らせるわけにはいかない。下手をすると、堂島が心配した十年後の菜々子の姿を決定づけてしまいかねない。天使と女帝のどちらが勝つにしても、長居は無用である。

 

 かくして飛び入りした二人組と父兄は体育館から去った。

 

 

 コンテストの結果については、敢えて言うまでもないだろう。ただ投票用紙を持った生徒たちの、密やかな会話を記しておく。

 

「なあ、あのちっちゃな子、誰だったんだ?」

 

「んー……確か二組の鳴上の妹……じゃなかった? 一緒にいたし」

 

「でも堂島って言ってたろ。名字違うのに、妹なん?」

 

「つか、海老原さん。あの子とどういう関係なの?」

 

「さあ……」

 

 小さな、ごく小さな噂が八十神高校の生徒の間で囁かれた。

 

 

 コントで始まり乱入で終わったミスコン会場を出た四人は、その後も文化祭の出し物を見て回った。そして夕方の時間が近づいた頃、廊下に出された甘味処の前で、見知った顔に遭遇した。

 

「あ、お姉ちゃんたちだ!」

 

 菜々子が『お姉ちゃん』と呼ぶのは、あいだけではない。結実もそうだし、千枝と雪子もそうだ。大体において、『兄』の知り合いの女性をそう呼ぶ。例外はアイドルとしてテレビに出ていた頃から『りせちゃん』と呼んでいる、りせくらいである。そして今、菜々子は『姉』たちを見つけた。リーダーを除く特別捜査隊七人が勢揃いしていた。

 

「おおー! ナナチャン! クマに会いに来てくれたクマかー?」

 

「クマさん、こんにちは!」

 

 ちなみにクマは着ぐるみではなく、フォーマルな美少年の姿でいる。かくして高校生が八人と、そうでない者が三人。合わせて十一人が廊下の一角に集まった。ちょっとした人だかりが突然できあがったところで、群衆の最後尾から電子音が発せられた。出所は堂島の胸ポケットだ。

 

「はい、堂島です。ええ……はい、今から向かいます」

 

 電話の着信である。スマートフォンではなく、昔ながらの携帯電話に入った。叔父が事務的な話を数秒程度して通話を切ると、甥が話しかけた。

 

「仕事?」

 

「ああ、話していたと思うが、県庁に出張だ。そろそろ出ないといかんから、菜々子をよろしくな」

 

「分かったよ」

 

 相変わらず堂島は忙しい。今日は市外への出張が入っていて、そのまま出先で一泊する予定だ。

 

「お父さん、行っちゃうの……?」

 

「済まんな、菜々子……明日には戻るから」

 

 堂島の胸中は複雑だ。父親として、もちろん菜々子の傍にいてやりたい。何しろ娘はこの世のものではないかもしれない、異形の怪物に狙われたことがあるのだから。しかも今週は後半から雨が多くなると予報されている。また霧が出たらと思うと、夜も眠れないくらいだ。だがそれならなおのこと、本業は早く片付けなければならない。

 

「君にも世話になったな。礼を言う」

 

 去り際に、堂島はあいに礼を言った。半年前にシャドウに襲われながら、今はすっかり元気になっている少女に。それ自体を一つの救いのように感じながら、真実の気持ちを短い感謝の言葉に込めた。娘に真似はしてほしくないが。

 

「どういたしまして」

 

 そうして唯一の大人が去って子供だけになった。こうなると鬼のいぬ間に何とやらである。

 

「ね、菜々子ちゃん。今晩、うちに泊まりに来ない?」

 

 話を切り出したのは雪子だ。聞きようによっては際どいセリフであるが──

 

「え? え? え? ユキチャン、今なんて?」

 

 そちらの意味に受け取ったのは、色狂いの人外だけだった。

 

「旅館で打ち上げ?」

 

「いいんすか!?」

 

「うん、空いてる部屋あるし」

 

 特捜隊は全般的に話が早い。何か企画が立ち上がると、あっという間に決まってしまうのが常だ。それは互いの仲が良いことの証明と言える。時には危険な雰囲気が持ち上がることもあるが、深刻な亀裂はまだ入っていない。

 

 菜々子は特捜隊の部外者だが、捜査や戦いと関係のない日常には既に溶け込んでいる。ゴールデンウィークのジュネス行きを始めとして、7月の悠の救出祝いなど、特捜隊全体と接する機会は何度もあった。ただこの場には、菜々子以外に部外者がもう一人いる。

 

「あいお姉ちゃんは?」

 

 部外者の一人が話を向けると、もう一人は笑った。

 

「あたしはいいわ。うちの親、最近心配性だから」

 

 4月に倒れてから6月に退院するまで、あいは両親に大きな心配をかけてきた。そこへ急に外泊するとなったら、駄目とは言われないにしても、きっとまた心配をかける。それはあいの本意ではなかった。眼前の集団は悠と菜々子以外は特に親しい間柄でないことも手伝って、あいは旅館への誘いを断った。

 

 ちなみに特捜隊の雰囲気が危なくなる要因は、主にリーダーの女関係である。その点は、実はあいも当事者の一人なのだが、悠との関係は知られていない。ほとんど名ばかりの彼氏彼女でいる為に、噂にもなっていない。そしてあい自身の悠に対する態度にも、ライバルたちの警戒心を呼び起こすものがない。

 

「それじゃね、菜々子ちゃん。お兄ちゃんとお父さんと仲良くするのよ」

 

「うん……ありがとう!」

 

『彼氏』よりも、その『妹』により多く気を配るくらいに。

 

 

 特捜隊にリーダーの『妹』を加えた九人は、揃って校舎を出た。天城屋旅館に向かう為だ。ちなみに着替えなどは宿で用意してくれるとのことで、一度帰宅せずにそのまま向かうことになった。

 

「あ、君……」

 

 しかし校門の前まで来たところで、特捜隊は意外な顔に遭遇した。

 

「マリー……」

 

 ベルベットルームの見習いで作詞家もとい詩人だ。特捜隊とはバンド演奏をした日に、全員と面通しを済ませている。初対面なのは菜々子だけである。その菜々子は普段は内気で、知らない人を見ると父や『兄』の陰に隠れてしまいたくなる癖がある。現に今日の昼間に『兄』と合流した時は、居合わせた謎の人物から隠れた。

 

 しかし今は隠れなかった。

 

「マリー……さん?」

 

 菜々子は年上の女性を見ると、年齢がよほどかけ離れていない限り大抵は『お姉ちゃん』と呼ぶ。しかしどうしてか、マリーをそう呼びはしなかった。だが悠は『妹』の呼び方に気を留めなかった。意外な場所で見つけた少女に気を遣う。

 

「大丈夫か?」

 

 様子がおかしいのだ。赤いチェックのアームカバーと、白黒の縞模様のニーソックスに包まれた腕と足は震えている。一見すると凍えているようだった。いつものパンク風ファッションの装いが、深まる秋の季節にそぐわないかのように。そして緑の瞳は出くわした時は悠を認めたが、今は脇に落とされて何も見ないようにしている。

 

「ん……」

 

 悠が声をかけても、マリーは生返事をするだけで答えない。

 

 実のところ、マリーは大丈夫ではない。今日の正午頃にここで謎の『二人』と遭遇して以来、ずっとこの調子である。あれから数時間が過ぎているが、校舎に入ることもベルベットルームに帰ることもできず、この場に立ち止まっていたのだ。その間、道行く人から声をかけられたこともあったが、そのいずれにもマリーはまともに応じなかった。ちょうど今、悠に対してしているように。

 

「マリーさん……? だいじょうぶ? ぐあい、わるいの?」

 

「ん……誰?」

 

 しかし菜々子が声をかけると、マリーは返事をした。

 

「わたし、菜々子! お兄ちゃんのいもうと!」

 

「何だ……君、いもうといるんじゃん」

 

 ここでようやくマリーはまともに返事をした。話は噛み合っていないが。悠に『妹』がいるなら、それが何だと言うのか──

 

「ね、お兄ちゃん。マリーさんもいっしょに……」

 

 しかし菜々子にそれを気にする様子はなく、『兄』のズボンを掴んで引っ張った。

 

「ん、何? 何の話?」

 

「ああ、俺たちこれから旅館に行くんだが……」

 

「マリーさんも行こうよ!」

 

 説明しようとした悠を遮るように、菜々子の明るい声が上がった。普段の菜々子らしからぬ積極性である。『妹』は『兄』や『姉』たちから誘われれば、大抵はついていく。しかし自分から声をかけるのは珍しい。ミスコンの飛び入りから始まった、珍しい行動が続いている。まるであいが去った今も、大胆さに釣られるのが継続しているかのように。

 

「りょかん……?」

 

 しかし菜々子の心理の深層までは、悠にも分からない。ただ珍しいことに自分から人を誘っている。菜々子にこう来られると、悠は無下にできない。確認を求めるつもりで後ろの雪子を振り返った。

 

「大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だよ。もう一人くらい、全然平気」

 

 雪子は即答した。いつものことだが、特捜隊は話が早い。

 

「行くか? 君が良ければだが」

 

「……うん」

 

 少々の間を置いて、マリーは首肯した。

 

 繰り返すが、特捜隊に危うい空気が生じる原因は、主にリーダーの女関係である。しかし今日この時においては、危険な雰囲気は生じなかった。

 

 

 

 

「マリーさん、きれいだね!」

 

 天城屋の露天風呂に特捜隊女性陣四人と菜々子、そしてマリーが入っていた。秋の夜の冷たい空気に触れて立ち上る湯気が、霧のように人の姿を曖昧にしている。その洗い場で、マリーの背中に菜々子が張り付いていた。白い靄に溶け込むような少女の肌に、女児は自分の肌を当てている。

 

「ちょ、恥ずかしいって……」

 

「菜々子ちゃん、すっかりマリーちゃんに懐いてるね」

 

 千枝と雪子、そしてりせと直斗は体を洗い終えて湯に浸かっている。菜々子も終えているのだが、マリーに構っている。相変わらずの『さん』呼びで。それでいて、他人行儀では全くない。むしろ初対面にしては過剰なくらいに距離が近い。まるでかつていた、誰よりも親しい人をマリーから連想したように。

 

「おふろ、入ろう!」

 

「これ、クガタチ……?」

 

 やがて髪と体を洗い終えたマリーは、菜々子を連れて湯に入った。いや、菜々子に連れられてと言うべきだろうか。中世以前の神明裁判かと怪訝な顔をするマリーを、菜々子は繋いだ手を引っ張るようにして、二人で同時に足を入れた。

 

「きもちいいね!」

 

「火傷は……しないね」

 

 菜々子はマリーに懐いている。もし菜々子が先月の霧の日、シャドウに『声』をかけられなかったら。幻のようなピアノの旋律から、忘れかけた思い出を無意識の闇から呼び起こされていなかったら、マリーも『お姉ちゃん』と呼んだかもしれない。つまり悠の周囲に大勢いる、他の『姉』たちと同列に見なしたかもしれないが。

 

 だが何にせよ、今の露天風呂に危険な雰囲気はない。菜々子が誰に取り分け懐いても、四人の女子高生はそれに気を揉むようなことはない。菜々子の言動を原因として、女たちの間で騒動が持ち上がることはない。持ち上がるのは──

 

「むっほ、広々クマ! クマかき披露してやるクマ!」

 

 男が絡んできた時である。

 

「って、ええ!?」

 

「あああアンタらっ!?」

 

「なななな、なんでオメーらが!?」

 

「こ、こっちのセリフ!」

 

 世界は不条理に満ちている。ただし不条理の種類は有限である。人間が思いつく悪徳は、古代には全てやり尽くされていたように。よって同じ類の不条理が時と場所を変えて何度も繰り返されるのが、人類の歴史というものである。二年前の11月、京都の旅館で起きたのと似た騒動が、遠く離れた稲羽市の天城屋旅館でも繰り返された。

 

「ぜ、全員、撤退!」

 

 二年前との違いと言えば、男たちが食らったのは氷の魔法ではなくタライで、被害は自力撤退が可能な程度で済んだ点。そして事の原因は男性陣の自業自得ではなく、女性陣の不注意であった点か。

 

 

「ちきしょう……さっき確かめたけど、あの時間の露天は男湯だったぞ……」

 

「もうここには二度と泊まらん……」

 

「賛成……つか、あいつらとお泊まりは二度としねえ……」

 

「なんか、クマの頭がデコボコしてるなー……」

 

「それ、たんこぶだな……」

 

 男たちは四人揃って広い上部屋の畳に腰を下ろし、膝を抱えている。各々この世の理不尽を、存分に噛みしめているところだ。噛みしめているだけである。四人は空耳を聞きはしないし、鴨居にお札が貼られていることにも気付かない。この部屋にはゴールデンウィークの頃から、当代最強のペルソナ使いが何度も宿泊しているせいで、妖気や残留思念の類はすっかり祓われたのかもしれない。

 

「もう寝ようぜ……」

 

 陽介は目に見えないものを感じることなく、ただ目に見える現実だけを見た。そして諦めて、皆を促した。しかし──

 

「いーや! ここで寝たら男が廃るクマ!」

 

 まだ諦めていない男がいた。

 

「ナナチャンとお泊まりクマよ!? こんな大チャンスに、寝顔も見ないで寝られるクマ!?」

 

「おま、寝顔って……よ、夜這いする気か!?」

 

「はっ……カンジ! やっぱりクマの体目当てだったクマねー!」

 

 話が飛躍した。浴衣に身を包んだ美少年は、わざとらしく胸の前で手を組む。

 

「こーしちゃおれんクマ! クマ、カンジに奪われる前に純潔を捧げてくるクマ! みんなに寝起きドッキリ、もとい寝込みドッキリ、ヨーソロー!」

 

 クマはやにわに立ち上がり、部屋から出て行った。その足取りは軽く、速い。

 

「お、おいクマ公! つか、みんなって何だ!? まさか直……って、待てやコラァ!」

 

 果たしてクマは菜々子の寝顔を見たいのか、直斗を含む皆の寝顔を見たいのか。完二は最後まで追及せず、ただ色狂いの人外を追いかけた。テレビの中では敏捷性に欠けるタイプでありながら、先輩二人に止める間も与えない猛烈な速さで完二は走り去った。

 

「あー……アホどもが走ってく……。てか、何か前もこんなのあった気が……」

 

 陽介が言っているのは、林間学校の夜だ。あの時も完二はテントを飛び出して、朝まで昏倒することになった。詳細は陽介も知らないが、とにかく6月はそうなった。そして相棒の二人だけが広い部屋に残された。

 

「お前は行かないのか?」

 

「あ? 行かねえよ」

 

 陽介は膝を抱えた姿勢から胡坐になり、腕を組んだ。

 

「タライ攻撃だけでお腹一杯だっつの……この上蹴られてやるかって」

 

 陽介が夜這いなどすれば、蹴りその他の攻撃が待っているだけだ。そしてそれ以前に、陽介はそもそも彼女らにそちらの興味を抱いていない。だから今日行われたミスコンに、冗談で彼女らを推薦したりしなかったし、クラスの企画として際物を提案したりもしなかった。

 

「お前こそ行かねえの? 案外、歓迎されるかもしんねえぜ?」

 

 しかし悠を煽りはする。

 

「行くわけないさ」

 

 だが相棒に煽られても、悠は腰を浮かせはしない。やはり胡坐をかいて腕を組む。

 

 もし悠が女子部屋に忍び込めば、本当に歓迎されるかもしれない。だがそれならなおのこと、悠は夜這いなどするわけにはいかない。千枝と雪子とは何事もないまま絆が極まったし、りせとの絆は安全な道を選んだ。それを後悔することは一度もなかったとは言わないが、今となってはあれで良かったのだと、悠は思っている。ついでに言うと、直斗とは運命のコミュニティを先週から始めたばかりだが、それも何事もなく済めばいいと思っている。せっかく問題が少ない状態になってくれているのに、自分から蒸し返すつもりはない。

 

「お前ってさ、どんな女の子がタイプなんだ?」

 

「ん? そうだな……」

 

 硬派な雰囲気を醸し出していた相棒たちは、急に『合コン』のような話を始めた。『本来は』昨日聞くべきだったのに企画が持ち上がらなかったので、今その埋め合わせをするように。

 

「……よく分からん」

 

「それ、女なら誰でもいいってことか?」

 

 もしもそうだとしたら、随分な回答である。特に彼女持ちの男が言うのはかなり不適切だ。曖昧に答える相棒に向けて、陽介は片目を閉じて笑った。

 

「お前こそどうなんだ。どんな子が好きなんだ?」

 

「ん? そうだな……何つーか……」

 

 相棒の反問に、陽介は笑みを消して真面目に考え込む。

 

「ナース……かな?」

 

 そして真面目に答える。回答はやはり随分なものだが、真面目に答えているつもりである。

 

「それなら知り合いにいるから紹介しようか?」

 

 確かに悠の知り合いに看護師はいる。コミュニティの担い手の一人で、十歳くらい年上の大人の女が。もし陽介を紹介すれば、かの悪魔のナースはきっと喜んでくれる。ひたすら面白がって、初心な少年を掌で転がしてくれるだろう。しかし──

 

「リアルで好きなわけじゃねえよ。優しい人っつーか、守ってあげたくなるっつーか……そういうの」

 

 陽介は眉を顰めた。現実にその職業にある人が好きなのではなく、そこから連想されるものが好きなだけだ。周囲から白い目で見られてばかりだった、八十稲羽に来て間もない頃に優しくしてくれた人や、シャドウから守ってやりたかったが、できなかった人のように。そしてそういうタイプの人は特捜隊の仲間内にはいない。

 

「ちょっと失礼……」

 

 相棒の告白を聞いたところで、悠は胡坐を解いて立ち上がった。

 

「ん? どした?」

 

 陽介は再び片目を閉じて笑った。意図的に胡散臭さを醸し出した、芝居めいた顔である。やっぱり夜這いに行くのかと、言外に仄めかしている。

 

「トイレだ」

 

 相棒のからかいを一言で切り捨てて、悠は部屋を出た。一人でいるには広すぎる部屋に残された陽介は、近頃は珍しい孤独の中で考える。

 

(三組の小沢か……)

 

 陽介は校内の噂に特別詳しいわけではないが、相棒に関するものなら大体知っている。そしてその噂に特捜隊の女性陣は出てこない。いや、一学期の頃はかなり頻繁に彼女らの名を相棒の噂の中で聞いていたが、近頃はめっきりである。それは陽介にとっては、あまり面白くないことであるが──

 

(ま、しゃあねえわな。誰と付き合うかなんて、悠の自由だ)

 

 花火大会の日以来、陽介は悠の女関係に釈然としない思いを抱いていた。これまで仲良くやってこれた特捜隊に、深刻な亀裂が入るのではないかとの心配もあった。しかし何事につけ、人にはできることとできないことがある。夜這いしてやれなどと煽っても、悠にその気がなければ、陽介にはどうしようもない。死んだ人を思い続ける陽介の気持ちを、悠は変えられないように、陽介も悠の人間関係を変えられない。その道理を噛みしめて、陽介は悠を特捜隊の内輪で独占することを諦めた。

 

(もう寝よ……)

 

 落ち着きを取り戻した陽介は、露天風呂の騒動を頭から追い出して一人で布団に入った。相棒の戻りを待つこともなく。

 

 

 用を足した悠は、すぐに部屋には戻らなかった。しかしもちろん女子部屋に忍び込みはしない。旅館の建物の外に出て、夜風に当たった。

 

(海老原に何て言うかな……)

 

 忙しい日々においては貴重な一人の時間を作って、悠は考える。考え事の内容は、今日は菜々子の相手をしてくれた『彼女』だ。あいとは別れようと、悠は十日近く前から決心している。だが諸般の事情により、これまで先延ばしにしてきた。しかし懸案だった文化祭が終わった今、先送りにはできなくなった。具体的に何と言うか、考えなければならない。

 

(でも、あいつは割とあっさりした性格だしな。あまり深刻に考えすぎない方がいいかな)

 

 そこへ一陣の風が吹いて、悠は体を震わせた。浴衣越しに感じる10月の終わりの空気は冷たい。特に風呂に入りそびれた体には、かなり堪える。これでは考え事などしていられない。外に出て一分もしないうちに、悠は旅館に戻ろうとした。しかし──

 

「口だけの人間、嘘吐きな大人……」

 

 悩める少年を追いやろうとした風は、引き留める声を届けてきた。

 

「ん?」

 

 声の出所を見てみれば、旅館の駐車場の隅の一角に人がいた。こちらに背を向けて立っている一人の女だ。普通は声など聞こえない距離だが、雑音のない夜の風に乗った高い声は、意外によく通った。

 

「世間体とかいう奴、正義の顔した偽善者」

 

 悠は駐車場を歩き、出所の人のもとへ向かった。旅行シーズンの週末である今晩は、何台かの車が停まっている。しかし独り言が並べられたそこには何もない。

 

「マリー?」

 

 声をかけると、マリーは振り返ってきた。いつものパンク風ファッションではなく、旅館の浴衣を着ている。羽織っている半纏の色は赤だ。遠目にも目立つ青い帽子はかぶっていない。青に隠されていない黒い髪の全体を見るのは、久しぶりな気がした。

 

「自分……」

 

「何だ?」

 

「リスト。嫌いなものの」

 

 夜の独り言は詩であったようだ。7月に聞いたピエロの詩以来の、久々の新作である。ただしこれまでとは文体が違う。一聴しただけでは、詩だとは分からないくらいに。

 

「じゃあ好きなものは?」

 

「動物……可愛いのだけ。猫とか。ミルクティー、レモンもいいけど」

 

 だがここで重要なのは詩の形式ではない。悠を目の前に置いて、マリーは詩を口にしている。盗み聞きに怒りもせず、促されれば続きを聞かせてくる。

 

「黒。青。グレーも、濃いのは許す」

 

 つまりマリーは悠に聞くことを許している。初めて読んだ5月に比べれば、随分な進展度合いである。ちなみに先ほどの露天風呂の鉢合わせ騒動にはマリーもいたのだが、マリーにそれを気にする様子はない。非は女性陣にあったからではなく、元から気にしていないのだ。菜々子もそうだが、マリーはタライを投げていなかった。もちろん落雷もなかった。

 

「あと……」

 

 ここでマリーは腕を組んで、口を噤んだ。

 

『あと、貴方』。もしそう言えば、悠はどんな反応を示しただろうか? 人は歌手が歌の中で『愛している』と連呼しても、それは聞き手に言っているのではなく、そもそも特定の人間に向けて語られた言葉ではないものとして受け取るのが普通だ。そのように、ただの詩句として流しただろうか。それとも──

 

「……」

 

 しかしいくら待っても、マリーは続きを述べなかった。詩は終わったのか終わっていないのか、判別するのも難しい。すると──

 

「で、で、出たぁぁー!」

 

「あ、や、や、ささ触んなって!」

 

 朗読を強制的に中断するように、旅館の建物から二種類の悲鳴が聞こえてきた。どちらも聞き覚えのある声である。

 

「クマ、完二……?」

 

 振り返ると、ちょうど部屋の一つに灯りが点いた。上がった悲鳴は、夜這いに行った二人組のものだ。どうやら二人は気付かれたようだ。だがそれにしては言葉の内容がおかしい。

 

「私たちの部屋の隣だね、あれ」

 

「隣?」

 

 見てみれば、悲鳴が上がった部屋の隣は暗いままだ。

 

「君のいもうとと、女の子たち。またお湯に浸かってるよ」

 

「ああ……」

 

 マリーの説明で、悠は状況を何となく理解した。一日に何度も風呂に入る温泉客は多い。間が良いと言うか悪いと言うか、彼女らは夜中の訪問をかわした。そしてそれに留まらず、哀れな弟子と後輩はそもそも襲撃先を間違えていた。つまり寝込みドッキリ作戦は二重に失敗したわけだ。作戦に参加しなくて良かったと、しみじみ思う。

 

「で、君はもう温泉はいいのか?」

 

「いい。油塗ったし」

 

「……?」

 

 マリーが言っているのは、今月10日に歌詞の使用料としてジュネスで買った香油のことである。だがそれの用途や象徴するものを知らない悠は、マリーが何を言っているのか分からなかった。マリーも説明はしない。

 

 ──

 

 この時、二人の間に再び風が吹いた。『油』の説明や詩句などの言葉ではなく、言葉にならないものを届けてきた。

 

 鼻孔に侵入し、頭を痺れさせる花の香り。それは一瞬の間、少年の思考力を奪った。浮気をしていいものではないと決心したのに、行動に移せずにいる未熟な少年の心を、本人にも気付かせない間に転がしてしまう。人は夢の中でも自由に行動できないように。

 

(いも)に恋ひ()ねぬ朝明(あさけ)に吹く風は、妹にし触れば我れさへに触れ」

 

 一瞬の夢うつつ状態に陥った少年を、五句三十一音が我に返らせた。

 

「ん?」

 

「君のいもうとって、小っちゃいね。でもすぐ大きくなるよ。君くらいに……」

 

 往々にして、マリーの話は飛躍する。散文詩を読んだと思ったら和歌を突然詠み出し、また話が切り替わる。そして悠も話題の転換に付き合う。

 

「そりゃあな」

 

 堂島は今日のミスコンで菜々子の将来に恐れをなしていたし、悠も似たような気分になった。しかし時間は平等だ。十年後には、菜々子は今の悠と同じ年齢になる。人の手足が伸びるのを止める術はない。あいのような金髪になるのは、阻止したいところではあるが。

 

「ね……ああいうのってさ、私にもあったのかな?」

 

「……それは……」

 

 普通であれば、当然だとでも答えるところである。しかし悠はそう言えなかった。マリーに菜々子のような時期があったのかとは、簡単には答えられない問いである。それはマリーとの『契約』に、きっと大きく関わってくる。

 

「……」

 

 悠が言葉を見つけられずにいると、マリーは半纏に手を差し込み、入れていたものを取り出した。櫛だ。名前さえ自分のものでないマリーの、唯一の自分のもの。

 

「まだ何も思い出せないのか?」

 

 マリーは何者か。そして悠は何者か。この問いの答えを互いに探そうと辰姫神社で『契約』をしてから、五ヶ月以上が過ぎている。悠が八十稲羽にいられる時間は、もう半分を超えた。それなのに『契約』は何も進んでいない。詩は鍵になると思ってはいるが、これまでは抉り出される真実に痛めつけられるばかりだった。

 

「……」

 

 マリーは櫛を見つめるだけで答えない。詩の他にきっともう一つの鍵になる、それを持つ手は震えている。

 

「怖いのか?」

 

「……」

 

 マリーはまだ答えない。櫛を下ろして天を見上げた。晴れた秋の夜空には、刀のように細い三日月が浮かんでいる。マリー自身の髪のように黒い闇を、金色の刃が切り裂いている。その様は、マリーにまた別の恐れを呼び起こす。

 

(あの人……違う、人じゃない……。あれもきっと、子供の頃なんかなかったんだ)

 

 今日の昼間、学校の校門前で見た存在だ。あれは人ではないと、マリーは一目見て分かった。意地や思い込みでは使命も宿命も変えられないこの世界にあって、変えるだけの力がきっとあり、自分が誰なのかもきっと知っている強大な存在。何の力もなく、自分が誰なのかも知らない自分とは対照的な、恐ろしい人外──

 

(人じゃない、何か……怖い、何か……)

 

「マリー……」

 

 黙っている間に、マリーの怯えは膨らみ続ける。櫛を持った手から始まった震えは、もう全身を覆っている。その様に、悠は思わず足を進めた。常とは異なる装いと態度を示している、この土地に来て最初に会った少女に向けて、少年は自分から近づいて声をかけた。しかし──

 

「あ……!」

 

 少年の接近に反応して、少女は下ろしていた手を思わず持ち上げた。存在の鍵になる櫛で、自分と少年との間を別つ。反射的な拒絶によって、少年の足は止まった。

 

 ──

 

 ここでまた風が吹いた。櫛で別たれた二人の間を風が取り持った。人の体を吹き飛ばして、手近にいる人に抱き着かせる強い風ではない。肌に少しの寒さを覚えさせる程度の、微かなそよ風だ。そんな弱い風に乗って、頭を痺れさせ理性を奪うものが再び少年を襲った。

 

 それは小賢しい策略や下らない理屈を打ち砕くもの。救世主の称号の由来で、それに近しい女を象徴するもの。目から鱗を落とし、価値観を転倒させ、生死の境を曖昧にしてしまうもの。悠はそれをマリーに与え、そしてマリーは使ったのだ。

 

 聖別の印にそうとは知らずに触れた悠は、一つの真実を悟った。

 

(あ、そうか……俺は……)

 

 つい先ほど陽介に聞かれた、どんな異性が好きなのかとの問い。悠はこの点に関して、自分自身を詳しく分析したことがない。だから女に押されれば押し負けてばかりだった。そして親友に問われた時にも答えられなかった。だが今なら答えられる。悠が好きな女は、陽介のそれと同じだ。『守ってあげたくなる人』だ。

 

 この日、悠は月に怯える少女を守ってやりたいと思った。つまり恋をしたのだ。不条理にも。この世の恋は、どれも不条理であるように。




 没ネタ:

 一条「よう鳴上。ミスコンに出るんだってな」
 長瀬「いいか、優勝狙えよ!」
 悠 「……お前らも出ろ」
 一条「はは、馬鹿言うなよ」
 悠 「女子の方に里中が出ることは知ってるな? お前が優勝したら、水着審査を追加するように言えばいい」
 一条「え……?」

 悠は一条の制服の襟を掴んで、職員室へ向けて引きずっていった。長瀬は逃げた。

 一条「ちょ、無理矢理はやめてー!」
 あい「何してんの、あんたたち」
 悠 「お、海老原。ちょうどいい。こいつをミスコンに推薦してやってくれ」
 あい(一条君……あたしを振った仕返ししてやろっか?)
 あい「あたしを推薦しないんなら、いいわよ」
 一条「いやだあああぁ!」

 ──ミスコン当日。

「キャー! コウちゃーん!」

 ゴスロリ風の衣装を着た『康ちゃん』が登場すると、黄色い歓声が上がった。メイクを担当したのは一条のクラスメイトであるあいだ。コンセプトは『オフィーリア』である。二年一組の出し物である劇で、一条が演じた戯曲の登場人物繋がりという事で。

※早紀以外の女に興味を失った本作の陽介は、たとえ悪ふざけでも仲間の女性陣をミスコンに推薦したりしないだろう……と思った為、ミスコンイベント出演は男女とも却下しました。合コン喫茶も同じ理由により却下しました。
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