DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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今回は2話連続投稿で締めます。
しかし………えっ、ランキングに………本作が、載ってた…?
し、信じられないと言う気持ちで一杯ですが、描く事は変わらないのでこれからも頑張って行きます!!
では、本編へどうぞ!!


第14話 限界を超えろ!!スラッグ撃破!!

 ラディッツは急ぎ東の都へと飛ぶ中で何度もクウラと何者かの戦闘の余波で吹き飛びそうになりながらも悟空達の下へ近付き、そして遠目にクウラが闘う姿が見え始めた。

 

「むっ、クウラ様は矢張り最後の変身を行われている!! 

 そしてあの闘っている相手は………もしや、奴が歴史の侵略者である暗黒魔界の魔族、その片割れか!?」

 

 そのラディッツの視界の先にクウラと敵が拳をぶつけ合い一瞬静止した為、クウラが最終形態と言うフリーザを超える切り札である1つ上の変身を切り、その敵が普通の人間の風貌では無い事も視認してそれが暗黒魔界の魔族だと理解するのも早かった。

 そして、クウラがいきなり最終形態を使うと言う事はそれ程の強敵だと言う証明になり、ニィープが語る実力差と言う物を嫌でも悟り敵の底が知れないと強敵と闘う喜びよりも恐怖が勝っていた。

 

「むっ、クウラ様がフルパワーでデスフラッシャーを放とうとしている!? 

 拙い!!」

 

 更にラディッツの目にクウラがフルパワーのデスフラッシャーを放とうとしている光景が映り、東の都付近の廃墟に身を隠し衝撃に備えた。

 その瞬間その戦場ではクウラとミラの気功波が衝撃し気の奔流が風を引き起こし、距離が離れているラディッツにすら風が届くレベルの恐ろしい衝突が発生した。

 

「う、うおぉぉぉ………!!!? 

 な、何と言うパワー…!! 

 クウラ様もそうだが、あの魔族の片割れも凄まじ過ぎる…!!」

 

 ラディッツは余りのレベルの違う闘いや気の衝突により冷や汗が止まらなかったが、原典の物語から乖離したラディッツはこの恐ろしい物から逃げる考えを捨てており、気の衝突が終わった瞬間カカロットとピッコロの下へ向かおうと決めていた。

 流石にクウラが動き出してしまう敵相手は無理ではあるが、弟やピッコロが闘うスラッグらしき気は3人が限界を超えた倍率の界王拳を使えば互角になり上手く行けば倒せると判断出来る物だった。

 そうして大爆発が起き、気の奔流が止まった瞬間ラディッツは飛び出し猛スピードで悟空とピッコロの下へと再び急ぎ飛び立つ。

 

「………よし、着いたぞ!!」

 

 そうして東の都へと辿り着き、隠れている悟空とピッコロの下へと降り立つラディッツの視界に倒れてる悟飯とヤムチャ、少し傷付いている悟空達が入る。

 

「ご、悟飯、ヤムチャ!! 

 カカロット、ピッコロ、2人は無事なのだな!?」

 

「ああ、何とか生きてる。

 あのスラッグって奴、オラ達3人で限界以上の界王拳を使わねえと勝てねえ…悔しいや、アレだけ修行したのに上が居るなんてよ…! 

 けど、変に拘って負ける訳には行かねえから一緒にやるぞ…!!」

 

「分かっている! 

 しかし………クウラが相手する暗黒魔界の魔族………奴め、まるで全力を出していないのに今のクウラでも全くダメージを与えられてない!! 

 ニィープの奴が遠回しに告げた実力差と言う物をこれでもかと見せ付けられたぜ…!!」

 

 ラディッツは悟飯、ヤムチャの無事を確認した後に悟空とピッコロと共に自身達とスラッグの戦闘力差を再確認していた。

 無論悟空達は1対1で闘っても勝てないと悔しがりながらも、星を荒らし尽くし住民達を蹂躙する悪に負ける訳には行かず、絶対に勝つとして3人で掛かる様にすると決めた。

 が、問題はクウラが相手する暗黒魔界の魔族ミラだ。

 全力を出しているクウラに対してミラはつまらない様子を見せて全くダメージを負っていない為、全く勝てないと理解していた。

 これには悟空もお手上げであり、もっと強くなるにしても超神水を使った時の様な何らかの限界の壁を超える要素が必要だと考えていた。

 

「………しかしクウラ様は全く諦めていない。

 ならばあっちはクウラ様に任せるしかない。

 これはニィープの受け売りだが適材適所、己がやるべき事を見極め見失うな…それが戦士には必要な事だと話していた。

 ならば俺達はスラッグを倒し、上空にあると思われる寒冷化装置を破壊する!! 

 カカロット、ピッコロ、良いな!?」

 

「ああ、分かってるさ兄ちゃん!!」

 

「よし、スラッグの奴もまだ俺達を見失いクウラ達の方に目を向けているだろう。

 ならばその隙を突かせて貰うぜ!!」

 

 それからラディッツは悟空、ピッコロと共にミラはクウラに任せて自分達はスラッグを必ず倒すと決意し頷き合う。

 更にスラッグが自分達を見失ったその隙を突くとした上で物陰から飛び出して悟空とピッコロは正面から、ラディッツはスラッグの背後に回る様に走る。

 悟空達もこの闘いには負けられないのだ、卑怯も何も無くただ悪を討つ事へ全意識を集中する。

 一方スラッグは上空で未だ戦闘するクウラ達に恐れを抱いていた。

 

「し、信じられん!! 

 このスラッグ様を上回る者が存在するとは!? 

 しかもあの魔族がオレよりも上だと!? 

 あり得ない、何かの間違いだ…!!」

 

 スラッグはクウラやミラの存在により自尊心を完全に破壊され、特に魔族のミラが底知れぬ強大さを秘めているとこの戦闘で初めて理解し魔族の頂点だと信じていた自分がこんなに小さな存在と信じる事が出来ずにいた。

 これも全ては暗黒魔界の存在を知らなかったが故に起きた弊害だが、そんなスラッグなど眼中に無くクウラと興味を失いつつあるがトワの命令で足止めを続けるミラの闘いは続く。

 

「スラッグ!!」

 

「貴様の相手は俺達だ、忘れるんじゃないぞ!!」

 

 その時、悟空とピッコロが再びスラッグの眼前に立ち高らかに叫びながらそちらに注意を向かせる。

 ただでさえ自身よりも上の存在に怒りを持ちつつあったスラッグは未だ挑んで来る羽虫に苛立ちを覚え、血走った目で悟空とピッコロを睨み付けた。

 

「この羽虫共め…今のオレ様は気が立っているんだ………貴様達を確実に殺してやるぞ!!」

 

 ただでさえ短気なスラッグは悟空達に怒りを向けて戦闘力を解放し、3300万と言うとんでもない力を悟空とピッコロに見せつけながら襲い掛かろうとした………正にその時である! 

 凶悪化と自尊心破壊、更に苛立ちと言った要素により注意力散漫になったスラッグの背後からラディッツが限界を超えた倍率………20倍界王拳使いながら飛び出し、スラッグの後頭部に強烈な蹴りを叩き込む!! 

 ニィープも言っていた、サイヤ人の誇りを優先して闘うのと負けてはならない闘いを見失う様ではクウラが語る1流の戦士には程遠いと。

 ならば時には1人で闘う拘りは捨てて必ず勝ちに行けと! 

 ラディッツはそれが今だと理解していた!! 

 

「今だカカロット、ピッコロ、畳み掛けろ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「でぇぇぇぇぇいっ!!」

 

「こ、この羽虫共がぁ!!」

 

 ラディッツが攻撃した瞬間、悟空とピッコロも20倍界王拳を使用して3000万と2800万のパワーをスラッグにぶつける!! 

 当然自身達の限界を超えた倍率の20倍界王拳など長時間保つ訳が無く、ニィープも20倍界王拳を使うならば必ず短期決戦で決めろと念押しして使う事を許していた。

 そうして3000万が2つと2800万のパワーに押されるスラッグは焦りに焦り、手数の足りなさもあり3人の攻撃を受け始め明確なダメージを負い始めた。

 悟空達は好機と判断し、3人で強烈な一撃を叩き込み距離を引き離させる! 

 

「く、くそう…!!」

 

「20倍界王拳のぉ〜、か〜め〜、は〜め〜!! 

 波ぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「食らいやがれ、魔貫光殺砲ッ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ、ウィークエンドォォォォ!!」

 

 更に悟空は亀仙流の代名詞であるかめはめ波を、ピッコロはこの歴史で初めて敵に使いながらも様々な短所を修行で潰せた魔貫光殺砲を、ラディッツはファイナルスピリッツキャノンではなく自身の技であるウィークエンドを放ち三重の光線は的確にスラッグを捉え吸い込まれる様に直撃する。

 その瞬間無人の東の都で大爆発が起き、都市の一角に巨大なクレーターが出来上がった。

 その爆心地に居るスラッグもアレだけの強力な攻撃を受ければスラッグも流石に死ぬ………悟空達は反動でへばりながらもそう考えていた。

 寧ろそうあってくれと考えていた。

 

「………………ぐっ、ぐぅぅ………貴様等………!!」

 

「こ、この声は………奴はまだ生きてやがる…!!」

 

「けど………感じられる気も小さい………これなら界王拳の反動がキツイオラ達でも絶対に勝てる………!!」

 

「それに、はぁ…はぁ…仙豆もある訳だしな…!!」

 

 しかしながらスラッグの声がしており、だが感じられる気も自分達同様小さくなってる為後一押しで勝てると確信しながら構えていた。

 しかも仙豆がある為、勝敗の天秤は自分達に傾いていると3人は考えた。

 そうして爆炎が晴れスラッグの姿が見え始め………その姿に悟空達は驚愕する。

 

「あ、あの顔………!?」

 

「お、俺と同じ………」

 

「ナメック星人………だとぉ………!?」

 

 何とボロボロで頭のフードも消え去っていたスラッグの顔はナメック星人そのものであった。

 これには悟空達も驚きを隠せず、限界を超えた倍率の界王拳の反動もあり攻撃の手を緩めてしまった。

 

「ゆ、許さんぞ………ダ、ダメージは気になるが………確実に殺す奥の手を使ってやる………うおぉぉぉ!!」

 

 その攻撃が緩んだ隙を突く形でスラッグは奥の手………巨大化を行う。

 戦闘力は本来の7分の1程度に下がったが、今の悟空達を殺すには十分な1500万まで再び上昇し戦況が再びスラッグ側に傾いた。

 しかも界王拳の反動で行動がワンテンポ遅れ………悟空達はスラッグの攻撃を許してしまう。

 

「死ねぇぇぇぇ!!」

 

【ドゴォ!!】

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

『ピッコロ!!』

 

 先ずはピッコロが吹き飛ばされ地面に横たわる。

 死んではいない様だがこのまま巻き込まれれば死は確実と言える程消耗し意識を失っていた。

 だが巨大化スラッグはまだ魔の手を伸ばす。

 

「次は貴様等だ、サイヤ人共!!」

 

【バゴッ、バギッ!!】

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 先ずはラディッツがパンチで廃墟にその身が飛ばされ、次に悟空がキックでピッコロとは別の方向へと蹴り飛ばされた。

 2人はサイヤ人特有のタフさで意識を保っていたが、このままスラッグの攻撃が続けば如何に丈夫なサイヤ人でも死ぬ。

 そして仙豆を食べられない程動けなくなり最早この場で闘えるのはクウラのみだが、そのクウラも未だミラに足止めされている。

 最早勝利の女神はスラッグに微笑んでしまっているとロザック星を見つめる北の界王も悟っていた。

 

「ま、まさかスラッグが突然変異の純度100%、悪のナメック星人だったとは………!! 

 20倍界王拳を使った悟空達に最早勝ち目は………それに、あ、あのミラと言う暗黒魔界の魔族はクウラですら勝てない………す、全て終わってしまった………」

 

 スラッグはピッコロや地球の神とは違う突然変異種である悪のナメック星人、しかも半分に分離していないが故にパワーもピッコロとは段違いだったがそれがあの暗黒魔界の魔族達が何処からか………恐らく歴史を渡る者達は別の歴史から地球のドラゴンボールを運び込み、神龍でスラッグを若返らせた上に神精樹の実らしき物を食べさせた事で恐ろしいパワーアップを施されていた。

 それでも今の悟空達ならば勝てるかも知れなかった結果はこの有り様。

 更にミラがクウラを歯牙に掛けぬ恐るべきパワーを秘めてるとも見抜き、この世界は終わったと諦めてしまっていた。

 その間にスラッグは悟空をジワジワと踏み潰そうとゆっくり足に力を込め始めていた。

 

「グッフッフッフ、オレ様を此処まで傷付けた事は褒めてやるが貴様等をこのスラッグ様をコケにした!! 

 だからこそジワジワと嬲り殺し、いずれはあの魔族共を超える力を手にしてやるぅ!!」

 

 スラッグは壊れかけた自尊心を怒りで持ち直して悟空達を殺し、今は無理だが何時かはミラ達を超えると豪語しながらその足に更に力を込め始めた。

 その光景を意識を取り戻した悟飯がうっすら見ており、しかし手に力が入らず見ている事しか出来なかった。

 

「お、お父さん………ピッコロさん………ラディッツ伯父さん………!!」

 

 悔しさの余り涙を流し、しかしそれでも身体が動いてくれない悟飯はこのまま悲鳴も上げられないまま嬲り殺しに遭う悟空達を見続けるしか無かった。

 上空のクウラも此処で終わるのか、より高みへ登るのは見込み違いだったのかと思い始めていた。

 ………そんな時、スラッグの足裏から、1つの廃墟から、金色の光が漏れ始めた。

 

「むっ!?」

 

 スラッグは足の裏からとんでもない力を感じ始め、同じ様なパワーが近くにもう1つある事も察知し何か拙い!! 

 そう思い一気に足に力を込めた………が、踏み潰せない! 

 それ所か………悟空はスラッグの足を持ち上げ始め再び立ち上がり始めた! 

 更に廃墟な突っ込んだラディッツもその穴から姿を現す! 

 しかも2人共目は白目を剥き明らかに理性が飛んでいた。

 その刹那、身体から金色のオーラが吹き出し先程の20倍界王拳をも上回るパワーを悟空とラディッツから湧き上がっていた!! 

 

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

「なっ、ぐおわぁ!?!?」

 

 悟空とラディッツは信じられない速度、パワーで巨大化スラッグを圧倒し、仮に20倍界王拳の攻撃を受けず100%のパワーがあろうとも圧倒出来る程の力が今の2人にはあった!! 

 

「なっ、アレだけボロボロだった2人に一体何が………ま、まさか、これが伝説の戦士………超サイヤ人なのか………!?」

 

 北の界王は信じられない光景に慄き、これが血と殺戮を好むサイヤ人の伝説で語られる超戦士である超サイヤ人なのかと思っていた。

 しかしこれをニィープが見れば違うと断言するだろう。

 これは謂わば疑似超サイヤ人と呼べる段階、まだ条件が足りず真に覚醒し切っていない状態である。

 しかしそれでもこのスラッグ程度ならば圧倒し得る力を引き出せるのだ。

 この光景を見た悟飯は父や伯父が此処まで凄い力を秘めてた事を驚きながら、でもニィープはもしかしたらこれよりもまだ先を目指しているのでは? と感じずには居られなかった。

 

『うおぉぉぉらぁぁぁぁぁ!!』

 

「ギャァァァァァァ!!」

 

【ズン、ズン、ズン、ズン、ズガァァ!!】

 

 そうして巨大化スラッグは2人の湧き上がったパワーに蹂躙され、廃ビルを幾つも薙ぎ倒しながら宇宙船に突っ込みその巨体が埋まる。

 そうして………存分にスラッグ相手に暴れ回った悟空とラディッツはほぼ飛んでいた理性が漸く戻り始める。

 

「オ、オラ達は…一体…」

 

「スラッグを圧倒したのは確かだが…だが、何だったんだ、あのパワーは………?」

 

 悟空とラディッツは困惑しそれぞれヤムチャに悟飯やピッコロ、ロザック星人達が蹂躙されそれを守れない事への怒り、アレだけ力を付けてもまだ巨悪に負け続ける事への怒りで理性がほぼ飛んでいた事は覚えていてもそれがあのパワーに繋がる理由が悟空は分からなかった。

 だがラディッツはニィープから伝説の戦士に至る条件を聞き及んでいる為、もしかしたら其処に半分足を突っ込んでこうなったのかと思い始めていた。

 

「………いや、今はそれよりもこの状況を終わらせる事だ。

 カカロット、今の内に仙豆を食え!」

 

「あ、あぁ!」

 

【カリッ、ボリボリ、ゴクン!】

 

 しかし、今はこの惑星寒冷化を解消する事が先だとラディッツは優先順位を思い出して悟空に共に仙豆を食べる事を指示した。

 悟空も困惑していた意識を戻して仙豆を食べて界王拳の反動も含めた全てのダメージを回復し、十全に力が戻った。

 …否、十全では無い。

 死の淵から蘇るとパワーが上がるサイヤ人の特性が働き更に力を増して2人は蘇っていた。

 今の状態で10倍界王拳を発動しただけで巨大化前のスラッグに迫るパワーを引き出せる、そんな確信が2人にはあった。

 

「………よし、カカロットは雲よりも上へ飛び寒冷化装置を破壊しろ! 

 俺はピッコロや悟飯達に仙豆を食べさせて来る!」

 

「分かった兄ちゃん、ピッコロ達は任せた!!」

 

 ラディッツは次に二手に分かれてピッコロ達の救出、寒冷化装置の破壊を並行して進めるべく悟空に寒冷化装置を壊す様に指示した。

 悟空も雲よりも上へ飛べば太陽から元気を分けて貰い強い元気玉を作れる計算があり、ラディッツもそれを計算して悟空の方に寒冷化装置破壊を命じたのだ。

 そうして2人は地上と空中に分かれて行動を開始………しようとしたその瞬間、悟空の足に緑色の手が伸びる! 

 

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

『スラッグ!?』

 

 何とスラッグはまだ生きており、巨大化が解けてもしぶとく悟空を狙い足に手を伸ばしたのだ。

 しかしその戦闘力は今の悟空ならば十分対処が可能な程弱っており、悟空もラディッツも自身の行動を優先した。

 更に分厚い雲の中で悟空はスラッグについでにかめはめ波を当てて更にダメージを与えつつ距離を離し、それから雲の上へと出て寒冷化装置を見つけながら手を掲げた。

 

「ロザック星を照らす太陽よ、あの装置を壊せるだけの元気を分けてくれ!!」

 

 悟空は早速元気玉を作り始めロザック星を照らす太陽から元気を分けて貰う。

 そんな悟空にまだしつこくスラッグが突っ込んで来ており諦めが悪過ぎると悟空も感じていた。

 が、そんなスラッグよりも元気玉完成の方が早く済み、オマケに寒冷化装置と一直線に並ぶ位置にスラッグが飛んでいた。

 

「よ~し、元気玉ぁ!!」

 

「なっ、ぐおぉぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

【ゴォォォォォォォ、ズドォォォォォォォォォンッ!!】

 

 悟空はスラッグに元気玉を投げ込み、その勢いでスラッグの身体は寒冷化装置へと吸い込まれて行き更に着弾。

 その瞬間スラッグは元気玉の威力により消滅し、寒冷化装置も同時に破壊され遂にロザック星を覆い包んでいた分厚い雲が消えて恵みの太陽光が地上に降り注ぐ。

 

「あらら、結局こうなっちゃうのね。

 けどキリは集まった事だし今はこれで十分ね。

 ミラ、帰るわよ?」

 

「…分かった、トワ」

 

【シュンッ!!】

 

 更に事の顛末を見守っていたトワはアレだけ場を盛り上げるセッティングをしても結局歴史通りスラッグは悟空達に敗北した事を残念がり、しかしラディッツも交えた闘いだったが故にキリの集まりも良かった為上機嫌でミラに帰還指示を出した。

 ミラも既にクウラに興味が失せていたのでその指示に従い共にその場から消え去った。

 一方少し息を切らしながら見逃される形でその場に残されたクウラは屈辱だ…そんな感情を抱くと同時に悟空とラディッツが垣間見せた可能性を目にしそちらに感情が向いていた。

 

「あのパワー、あの輝き…サイヤ人は大猿にしか変身出来ない筈があの変化…しかし俺の見立てではアレはまだ不完全。

 まだ先がある筈だ。

 それを引き出せば、あの2人はこの俺にも並び得る戦士に至る筈………そして、この俺を更なる高みへと誘う筈!! 

 ふっ、ならば今はこの屈辱は甘んじて受けよう。

 だが暗黒魔界の魔族…トワとミラ………貴様達を俺は、この歴史の俺達は超えてやる…覚悟して置く事だな…!!」

 

 クウラはあの先のパワーが引き出された悟空、ラディッツの存在を想像し、それが自分を更なる高みへと誘うと確信しながらもうこの場には居ないトワとミラに拳を突き立てる。

 この歴史の俺達は貴様達の様な歴史の外から来た余所者を超えてやる、屈辱を呑み込みながらそれを誓い更なる強さへの渇望を見せる。

 全てはあの何処までも底が見えぬ強さの頂、あの親父すら怯え頭をヘコヘコと下げるしか無かった真の強者、この宇宙最強の存在である破壊神ビルス。

 このクウラが唯一憧れを抱いた強大さを持つ彼以上の力を身につけ手合わせして勝つ為に!! 

 この宇宙のクウラもまた原典の物語と違う変化を見せ、飽く無き挑戦を胸に秘めた戦士として存在するのであった…。

 

 

 

 

 

 

 その同時刻、全員で協力して神精樹から漸く全ての元気を吸い上げて枯らし、それをキープして惑星寒冷化が解けるまで待っていたクリリン達は漸くこの身体で暴れ回る星の命と言う強大な物を吐き出せると安堵した。

 

「よ、よし、皆俺に触れてくれ!! 

 今度はさっきとは逆にロザック星に元気を与えるぞ!!」

 

「よ、よかった………もうボクの身体がバラバラになりそうだった………!」

 

「わ、惑星1個のエネルギーは此処まで大きかったのは想定外だが、それで限界を超えた力を一時は体験出来た………修行でその域まで至る目標が出来た事は収穫だ…!」

 

 クリリン達はバラバラになりそうな身体を何とか保たせた後遂に惑星へ元気を与え始める事で身体が楽になって行く。

 天津飯やナッパも一時的に手にした惑星1個のエネルギーによるパワーの頂、それを体験した事で目指す目標が出来た為上機嫌だった。

 後はその域まで修行あるのみと意気込み、更なる強さへの渇望を抱くのはクウラだけでなくZ戦士やナッパ達もそうだった。

 そしてそれは………気の探知で悟空とラディッツが恐らく疑似超サイヤ人に至った事を察知し、更にクウラの現在のフルパワーと矢張りそれをも上回るミラの存在。

 これ等を知れたニィープも同じだったが、全員それぞれ目指す視点が少し違うのだ。

 

「(サイヤ人としてカカロットやラディッツが伝説に至る扉に手を掛けたのは嬉しいけどそれはそれとして置いて行かれるのは癪だから今は無理でも私も絶対に超サイヤ人になってやるわ! 

 それに………ミラ、やっぱりアイツ魔人ブウ編に出て来る様な敵以上の力を秘めてると見たわ。

 下手したら魔人ブウを超えてるかも知れない………ならばそれすら超える!! 

 超サイヤ人の壁も何もかも超えて、何処までも強くなってやるわ!! 

 そして………クウラ様、貴方も私にとっては目標なんですよ)」

 

 ニィープは身近なクウラが明らかに自分が考えるよりも上を………もしかしたらビルス様レベルを目指しているのだと考えていたが、そんなクウラも暫定魔人ブウを超えるミラも何もかも超える。

 ニィープの中に流れるサイヤ人の血がそんな強さの欲求を常に齎しフリーザを超えれば次は………と未来も見据えながらもそれより強くなると目標を立てていた。

 ニィープもこの点は本当にサイヤ人らしかった。

 そうしてクリリン達のグループが様々な考えに耽る中漸く惑星に全ての元気が還元されて星の寿命も伸びた。

 但しあくまでもクラッシャー軍団とスラッグ魔族の手で縮めら切った物がほんの少し………人間からすれば長いが惑星にとっては短い数百年程度である。

 

「ふう………後はナメック星に着いてあっちのドラゴンボールでこの星をターレスやスラッグが来る前の状態に戻せるか現地で聞いてみようかな?」

 

「まっ、吸い上げられた元気を戻しても削られた寿命は簡単には戻らないって皆同じ考えだしそれは後々考えましょう。

 今はちょっとの事後処理と、再びナメック星への旅に戻る事よ」

 

 クリリンも惑星の寿命が全て戻る訳では無いと考えていた為、ナメック星のドラゴンボールを使う事を検討しながら空を見上げていた。

 その隣にニィープが立ちこの後の処理を終えてナメック星への旅へ戻る事を告げる。

 そう、ニィープはこの後フリーザとの闘いが待っている。

 それを確信しながら空に拳を握り締めて怨敵をサイヤ人の手で滅ぼす事を改めて目の前の目標に据えるのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
これにてロザックでの闘いは終わりです。
悟空とラディッツは疑似超サイヤ人となりスラッグをボッコボコにした後無事元気玉でフィニッシュ。
そして本作のクウラはこの宇宙の頂点、破壊神ビルスの強さに憧れ、あの頂に立ちたい、超えたいと言う思いから原典のクウラとはまた違った強さへの貪欲さと飽く無き挑戦心を秘めた戦士となってます。
故に毒でも何でも引き込む様になり、行動方針にまで影響が出ました。
つまりビルス様の強さに脳を焼かれてしまってた訳です。

次回もよろしくお願い致します!
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