DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

19 / 92
告知していた通り、第18話目を投稿致します。
いよいよ………いよいよナメック星最大の闘いが幕を開けます!!
書いていた自分もいよいよか、と思いながら書いています。
そして、今回は本当にクウラも動かないと拙いので頑張って貰う予定です。
では、本編へどうぞ!



第18話 大激突!! 戦場となるナメック星!!

 ギニュー達は回想を始め事の発端は2日前の事、念の為特戦隊もナメック星遠征へ付いて来る様にと命令を受けてから最後の補給地点の惑星へ降り立った時の事………その時、あの2人は立っていた。

 自分達の上司であるフリーザを知りながら全く恐れず、更に暗黒魔界の魔族と言う自分達特戦隊も伝説上の世界、悪の巣窟とされる世界から来たトワとミラが堂々と話し掛けてきたのだ。

 

「それで、暗黒魔界の魔族である貴女方が私達に何か用で?」

 

「ええ、この先のナメック星には強い戦士が一杯居てね~。

 そいつ等がナメック星のドラゴンボールを独占しようとしてるのよ。

 でもそいつ等もまだ7つのボールの内1個しか手に入れてないみたいだから今の内に向かえばドラゴンボールを奪い返せるわよって情報と………あるプレゼントを届けに来たのよ。

 表宇宙の帝王であるフリーザとその部下達にね」

 

 トワはナメック星のドラゴンボールを狙う者が現れた事の情報、今向かえば間に合うと急かす様子を見せつつ帝王に差し入れをすると言う魔族らしく明らかに何かを企んでいる事を大体の者が察していた。

 それはフリーザ様も同じ筈、そうこの場に居る者達は信じていた。

 

「フリーザ様、こんな怪しい連中の話を聞く必要は無いです!! 

 我々は我々自身の手でドラゴンボールを」

 

【ビュウンッ!!】

 

「黙りなさいアプール、お前がこの2人と話をしているのでは無いんだぞ?」

 

 だがフリーザ様はこの時から可笑しくなった、そうギニュー達は語る。

 本来のフリーザならば「アプールさん、私が話しているのですから下がってください」と圧入りの注意をする筈がいきなりアプールを処刑したのだ。

 この時のフリーザは既に目が血走り紫黒いオーラに包まれて明らかに正気では無くなった。

 そしてアプール処刑を発端としてザーボンやドドリア、他の兵士達も皆フリーザと同じ様に可笑しくなってしまった。

 まるでトワの言う事に従う様に話を進め始めたのだ。

 

「成る程、凶悪化でトワの言いなりになった訳か。

 アンタ達は良く正気を保っていたわね?」

 

「わ、我々も可笑しくなりかけたのだが………必死に新しいファイティングポーズを考えると言う方法でギリギリの所で何かに抗って正気を保ったのだ。

 そして………トワ達はクラッシャー軍団が食してる神精樹の実らしき物を俺達も含めて渡してナメック星へと行く様に促した…。

 フリーザ様達はそれを食べてしまわれたが、私達5人は食べるフリをしてグルドの息を止めてる間は時間停止する能力で実を隠し、後で燃やして処分したのだ………」

 

 更に神精樹の実・悪を渡された後にフリーザ達はそれを食べ、ギニュー達はグルドの能力で食べたフリを演出して正気のままナメック星へと到達したのだ。

 

「ナメック星のドラゴンボールならば正気を失われたフリーザ様を元に戻せると信じて先陣を切ったのだが………まさか全ての願いが叶えられた後だったとは………!!」

 

「…タイミングが悪かった、いやトワとしては絶好のタイミングを狙ったか。

 神精樹の実・悪の効力をドラゴンボールで消されぬ様にする為に。

 そしてフリーザ達は実を食べたならその寿命と引き換えに絶大なパワーを得てる筈。

 ギニュー達には悪いがフリーザ達はナメック星の闘いを生き延びても直ぐに寿命で死ぬ様にあの実には魔術の細工が施されているのだ」

 

「そ、そんな!!」

 

 ギニュー達はドラゴンボールの願いを頼り、その力でフリーザ達を元に戻して欲しかったのだが………2日前は丁度願いを叶えた時期。

 トワは其処を狙いフリーザの悪の心に付け入り操り、そして実の力で寿命死を本人達の知らぬ内に目の前に設置した上でナメック星での闘いを演出したとクウラや悟空達は確信する。

 更に実の効力を聞きギニュー達は此処でフリーザ達が生き残っても寿命で死ぬと告げられてしまい絶望してしまった。

 これでは自分達は何の為に正気を保ったのか………その意味を見失ったのだ。

 

「ヘッヘッヘ、見てたぞギニュー特戦隊!!」

 

「な、その声………てめえキュイじゃねえか!!」

 

「な、何でキュイが此処に居るんだよ!?」

 

 その時、近場の岩陰からキュイが現れバータとジースが自分達以外が此処に居る訳が無いのに何故現れたと驚いていた。

 しかしそれは悟空達も同じで、ギニュー達5人以外の気は全てフリーザの側に居た筈なのにいきなりキュイだけが移動して来ていたのだ。

 

「ハッ、『2時間』も何処をほっつき歩いているかと思ったらまさかお前等特戦隊がクウラ軍のスパイだったなんてな!! 

 フリーザ様に可愛がられながらその恩義を裏切った代償はデカいぞ、裏切り者共!!」

 

「に、2時間!? 

 馬鹿な、まだ我々が行動してから20分しか経過していない筈………!?」

 

 キュイは『2時間』も特戦隊が戻らなかったので探していた様な発言をしながらこの光景を見て、ギニュー達5人がクウラ軍のスパイと判断しスカウターに声が拾われる様に大声で裏切り者と叫んでいた。

 当然ギニューは自分達のスカウターにセットされた時間は破壊されてから計算してもまだ20分しか経過していない為、空白の1時間40分が生まれていた事に脂汗が流れていた。

 クウラやピッコロ、ニィープと言った頭が働く組はキュイと特戦隊及び自分達の間にある時間の差異について考え………直ぐにそんな差異を生み出せる存在に行き当たる。

 そう、トワとミラだ。

 

「そうか、トワとミラ!! 

 連中は時間移動が出来る、ならば時間に関する事象も操れるんじゃないの!?」

 

「恐らくそうだろう、俺達の世界で今の時間と1時間40分後の時間、この2つを映像を編集する様に切り取って繋げたのだ!!」

 

「アイツ等………特に悪辣なトワの事だ、それが出来るなら本当にやりかねん!!」

 

「な、なんちゅうこった………!!」

 

 ニィープ達が自分達で気付いた事を周りに伝える様に叫ぶと悟空や悟飯にラディッツは絶句し、更にトレーニング中にトワ達が地球での自身とカカロットの闘いに横槍を入れていて同じ事を時間を飛び越えて繰り返してると説明を受けたベジータとナッパはふざけやがってと頭に血が上り始めていた。

 サイヤ人の闘いに横槍を入れて愉しむトワと言う悪辣な女魔族とクウラすら超えるミラと言う男魔族、ある意味フリーザ以上に厄介且つ余計な邪魔者である為特にベジータはそいつ等を見掛けたらぶっ殺してやると考えていた。

 しかしそれより今はキュイへの対応だとベジータは怒りながらも戦略家としての思考も働き誰より早く動く! 

 

「はぁ!!」

 

【ドゴッ!!】

 

「ゴバッ…!!?」

 

 ベジータはキュイの隙だらけの腹を貫きかねない威力のパンチを繰り出し、更に顎に蹴りを入れてその意識をほぼ刈り取った直後に上空へ飛ばしたキュイの肉体に向かい2本の指を向けて体内にパワーを送り込み、そのまま静かな爆散を起こさせキュイを殺害する。

 

「けっ、汚い花火だぜ…! 

 おいニィープ、フリーザ達はキュイの音声を既に拾ってる筈だ!! 

 直ぐにナメック星に展開しているクウラ軍全兵に伝達しろ、奴等が動き出すぞと!!」

 

「もう送ってるわ!!」

 

 キュイの始末直後にベジータがニィープにクウラ軍全体にフリーザ軍が動き始めると警告したが、既にニィープは何時も持っている電子パッドを操作し、クウラ軍全体のスカウターにフリーザ軍が動き出し戦争が始まった場合を想定した警戒アラートが鳴る信号を送信し兵士達に戦争が始まった事を報せていた。

 

「フリーザ達の側に居る兵共が動き始めたな。

 俺の部下達も迎撃態勢を取り始めている…サウザー! 

 機甲戦隊はクウラ軍の指揮を執りナメック星に来たフリーザ軍を殲滅しろ!」

 

「りょ、了解しましたクウラ様!! 

 ドーレ、ネイズ行くぞ!!」

 

 クウラはフリーザ軍の進軍が始まった事を探知するとサウザー達機甲戦隊にフリーザ軍の殲滅を命じた。

 それを承ったサウザー達3人は全体指揮を執るべく行動を開始し主に3つの戦場の指揮地点にそれぞれ分散する。

 

「クウラ、おめえの部下達はフリーザの手下達に勝てんのか?」

 

「気のコントロールを得た俺の探知出来る範囲で一般兵共も戦闘力の平均が1300から2万を超えてパワーアップしている。

 だが俺の部下達はより精鋭を集めた兵ばかり、戦闘力は4万を超えているので一般兵には油断しなければ殺られはせん」

 

 悟空はクウラ軍の一般兵が無事で居られるのか心配しクウラへ実力が如何なるものか聞くと、どうやらクウラ軍の一般兵はナメック星人最強だったネイルと同レベルの戦闘力を持つらしく如何に神精樹の実・悪でパワーアップしても油断しなければ負けないレベルであると断言され、悟空も無用な心配かと悟る。

 そしてナメック星の彼方此方で戦闘が勃発し、遂にフリーザ軍とクウラ軍の全面戦争が始まった! 

 

「だが問題は側近のザーボンとドドリアだ。

 奴等も神精樹の実・悪で大幅なパワーアップをしているが故に戦闘力は既にギニュー特戦隊や機甲戦隊を上回る500万を超えている。

 ヤムチャと餃子が600万前後と下から数えた方が早い連中と互角レベルにまでパワーが膨れ上がってる事を感知してる。

 オマケにザーボンは変身タイプの宇宙人だ、戦闘力は更に上の700万前後に上昇するだろう。

 そうなればヤムチャ達では荷が重い、よってザーボンには戦闘力800万ラインのクリリンと天津飯を送り込みこれを撃破させ、ヤムチャと餃子はドドリアの始末をさせる。

 残りは780万前後に第1形態時点でパワーアップした愚弟(フリーザ)を全力で始末する」

 

 各地で戦闘が起きる中でクウラはザーボンとドドリアが厄介になった事を告げ、悟空達もクウラに似た気のフリーザの次に大きな2名…これがザーボンとドドリアと言う敵だと理解すると、どうやらザーボンの方はクリリンと天津飯で相手しないと危ないらしく、ドドリアはヤムチャと餃子に倒させ残りはフリーザを全力で殺す作戦を立てていた。

 トワ達の介入で予想以上にパワーが上がったフリーザ達にはこの作戦しか有効な物が無くなり、クウラも超短期決戦でこの闘いを終わらせナメック星を脱出するしか無いと結論付けてるのだ。

 

「ちっ、サイヤ人の王子であるこの俺がフリーザの次はクウラに従う事になるとは………とんだ蝙蝠野郎に成り下がった物だぜ…!! 

 だがこのパワー…その作戦に乗る以外フリーザを殺す手段が無いのも事実、ならば恥を幾らでも呑んでやるさ………サイヤ人をコケにしたあのクソ野郎をぶっ殺せるならな!!」

 

「それでこそベジータだ!! 

 じゃあ久々に大暴れしようぜ、フリーザの前に居る雑魚共を消し飛ばしてさっさとフリーザの首を取ろうぜ!!」

 

 ベジータはこの想定した物より最悪の状況で自分の置かれた立場よりもフリーザを確実に殺す短期決戦を優先する事とした。

 サイヤ人としては臆病風に吹かれた様な作戦を気に食わないが、可笑しいパワーアップをしたフリーザを、サイヤ人を笑い物にした最悪野郎を殺す為ならそれ等を甘んじて受け入れて打倒フリーザに専念すると冷静に状況を見極めていた。

 勿論ナッパも同じ考えであり、ベジータの隣に立ちパワーを解放するとギラついた目でその方向に居るであろうフリーザを睨んでいた。

 

「なら早速動くぞ。

 俺とクリリンがザーボンと言う奴を倒すんだろう、そいつは何処に向かってる?」

 

「………西の戦場だ! 

 ザーボンの気はこれで間違いない! 

 天津飯、クリリン、気を付けろよ!」

 

「ああ、サンキューなラディッツ! 

 最初はお前の事嫌な奴だって思ったけど………あれ謝るよ、お前は立派な戦士だよ!」

 

 それから天津飯、クリリンがラディッツの感知でザーボンの向かう西の戦場へと向かう。

 その直前に空中でクリリンはラディッツに最初の印象を謝り、立派な戦士だと改めて褒めると天津飯を追って全速で飛び立った。

 ラディッツも最初はクリリン達を弱いと思っていたが、その認識を改め共に闘う戦友として見ていた。

 特にクリリンは弟の親友で人柄がZ戦士の中でも特に良いフレンドリーな奴だった為かナメック星に行くまでの間にラディッツとナッパ、更にはクウラとまで親交を深めており全員が良い奴だと認識するまで至っていた。

 

「ヤムチャ、餃子、遅れてドドリアが東の戦場に向かってるわ。

 貴方達なら油断しなければ負けないけど、一瞬でも油断すれば死ぬから気を付けなさい!」

 

「うん、分かった!」

 

「じゃあ行ってくるぜ皆!! 

 それとニィープ、アンタは初めからアンタ自身が思ってる程ベジータみたいな冷酷なサイヤ人って訳じゃ無さそうだと俺達は感じたぞ!!」

 

 次にニィープが餃子、ヤムチャに指示を出して東の戦場へ向かい始めたドドリア撃破を油断せずにやる事と警告した。

 勿論ニィープは前世の記憶でこの時期には既に死んでいたヤムチャと餃子が何時死んでも可笑しくないと思っていたのでそうならない様に警告した程度だが、此処までの旅路でZ戦士達はニィープが当初のナッパや今でも悪いサイヤ人のベジータみたいな残忍で冷酷なサイヤ人では無い、そんな風に見せようと振る舞っていただけだったと思う様になり、ヤムチャがそれをカミングアウトした。

 勿論ニィープは僅かに呆気に取られるが、直ぐに別の行動を取り始める。

 

「後ギニュー特戦隊………アンタ達はもうフリーザに裏切り者認定された。

 戻れば無駄に処刑されるだけよ。

 だったらサウザーと合流して正気を失った軍をアンタ達の手で終わらせてやりなさい! 

 それが同じ戦場で闘って来た仲間達への最後の情けって奴よ」

 

「う、うぐ………悔しいが、ニィープちゃんの言う通りにするしか無いみたいだぜ………!!」

 

「こんな形で仲間と闘う事になるなんて………隊長、俺達本当に悔しいぜ!!」

 

 ニィープは残っている特戦隊に声を掛け正気を失ったフリーザ達への最後の情けとしてその手で終わらせてやる事を勧めた。

 リクーム、グルドはこんな筈じゃ無かったのにと本気で悔しいのか涙を流していた。

 それはバータとジース、そしてギニューも同じであった。

 

「ぐぅぅぅ、うおぉぉぉぉぉぉ!! 

 ならば、俺達ギニュー特戦隊はフリーザ軍として寿命を削り暴れ回る仲間達を苦しまぬ様に眠らせてやる事が最後の任務だ!! 

 お前達、気合を入れるぞ!! 

 ファイトォォォォォ!!」

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 そうしてギニューは最後の任務として正気を失った仲間をこれ以上苦しまない様に眠らせてやろうと決意し、何時も以上の気合を5人で入れて飛び立つ前に悲しみを表現したファイティングポーズを涙を流しながら取り、全速力でサウザーとの合流を目指し始めた。

 そして何時もはあのノリには付いて行けぬ者達も不思議と先程のポーズは悲しみに満ちていたと、ベジータでさえ認識する程だった。

 更にファイティングポーズがカッコ良いと思う悟飯も本気で悔しいのだと共感していた。

 

「………それじゃあオラ達はこのまま北で留まってるフリーザを倒す、それで良いんだなクウラ?」

 

「ああ、それで良い。

 最後にニィープ、トテッポとトーマの仇であるドドリアを殺す事は諦めて貰うが良いな?」

 

「………フリーザを殺せるなら………トーマ達も浮かばれる筈です」

 

 それから悟空達はフリーザを倒す為に北上しようとするが、クウラがニィープにトーマ、トテッポの直接の仇であるドドリアを諦める事を問い質すと大元のフリーザを殺せるならと少し考えながら了承していた。

 ベジータはこの時ニィープが下級戦士のパンブーキンの娘であり、カカロットやラディッツの親父であるバーダック達と交流があったのだと今更思い出していた。

 ラディッツもフリーザを倒せたなら親父達も安心出来ると考えていたのでニィープが冷静なままで居てくれた事にホッとしていた。

 

「よっしゃ、なら行こうぜ!!」

 

「ええ良いわよぉ〜。

 但しクウラとニィープ、貴方達2人はダ〜メ♪」

 

 そして悟空の合図で飛ぼうとしたその時、時間移動して来たのか背後にトワとミラが立っており悟空達は身構えていた。

 が、クウラとニィープは自分達が狙いだと悟り悟空とラディッツ、ベジータ達を見ながら叫ぶ。

 

「貴様達、トワ達の狙いは俺達2人だ!! 

 孫悟空、ベジータ、貴様達は早くフリーザの下へ行け!!」

 

「ラディッツ、私の代わりに父さん達の仇を討って!! 

 ピッコロ、ナッパ、悟飯くん、折角其処まで強くなれたんだから死なないでよ!!」

 

「くっ、済まねえクウラ!!」

 

「ニィープ、フリーザは必ず俺達で倒す、2人も死ぬなよ!!」

 

【ビュウン!!】

 

 クウラ、ニィープは自分達を置いてフリーザを倒す様にと叫び悟空達を向かわせた。

 ベジータは奴等が暗黒魔界の魔族と認識するが、それより今はフリーザだと優先順位を間違わずに飛び立つ。

 最後に悟空とラディッツがクウラとニィープに声を掛けてから飛び立ち、全ての戦場の中心地点であるこの場にクウラとニィープ、トワとミラが互いに向き合うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西の戦場にてザーボンが到着した時には矢張りと言うべきか、ドーレが指揮を執るクウラ軍が優勢でありフリーザ軍の兵士達に情けないと苛立っていた。

 

「貴様等、フリーザ様が見ておられるのだぞ!! 

 情けない闘いを見せるなら私がフリーザ様に代わりお前達を」

 

「どどん波!!」

 

「何ッ!?」

 

 ザーボンがフリーザ軍の指揮を執ろうとする直前、天津飯が牽制に放ったどどん波がザーボンに直撃。

 無論ザーボンはガードしてダメージを最小限に留めるが、其処にクリリン、天津飯が身構えており何時でも闘う用意が出来ていた。

 

「アンタがザーボンだな? 

 お前達を逃したら地球が危ないんだ、此処で必ず倒させて貰うぞ!!」

 

「地球? 

 まさかお前達が地球人!? 

 クウラ軍と手を組んでいたのか!!」

 

「だったらどうする? 

 おめおめとフリーザに泣き付く為に逃げ帰るのか?」

 

 クリリンと天津飯はザーボンを逃さぬ様に挑発を交えた会話を行い注意を自分達の方に向ける。

 当然凶悪化した影響で悪の心が増幅し、何時も以上に短気になっているザーボンにはこの挑発は一発でブチギレさせるのに十分だった。

 

「舐めるな地球人如きが!! 

 クウラの威を借る事しか能の無いゴミ風情がフリーザ軍エリートの私に敵うと思うな!!」

 

「天津飯、気を解放するぞ!!」

 

「応ッ!!」

 

 ザーボンが安い挑発で突撃した瞬間、クリリンと天津飯は基礎最大戦闘力の800万と830万を発揮、500万程度の変身前のザーボンを圧倒し先ずはスカウターを破壊し、更にプロテクターも傷付けながら重い打撃を与えて手痛いダメージを負わせる! 

 

「なっ、ち、地球人が此処までの戦闘力を何故!? 

 クソぉ!!」

 

【グゥン!!】

 

 余りの戦闘力の差にザーボンは驚愕し、奥の手であるが醜い姿の余り封印していた変身を早速行い、780万となったザーボンがクリリンに襲い掛かり手を互いに握りながらの押し合いとなる!! 

 

「ぬぐぐぐぐぐ…!!」

 

「こ、こんなチビの何処にこんなパワーが!?」

 

 しかもそれが体格差を無視して拮抗した為、クリリンの小さな身体の何処にこんな強大なパワーがあるのだとザーボンは慄くばかりだった。

 その間に天津飯はザーボンに狙いを定めてクリリンが距離を離す瞬間を待っていた。

 勿論クリリンは天津飯の意図を酌み、力を抜くフェイントでバランスを崩させた後強烈な蹴りで200m程に位置するクウラ軍兵士が居ないフリーザ軍の密集地帯へ吹き飛ばす! 

 

「く、くそ!!」

 

「喰らえ、『烈・気功砲』!! 

 はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「な、ぐあぁぁ!!」

 

【ボォォォォォ、ズドォォォォン!!】

 

 天津飯は新たに開発した界王拳を交えた1発の威力を強化した、気円破斬と同じ原理の気功砲でありながら基となる気功砲より負担を軽減した『烈・気功砲』をザーボンと複数のフリーザ軍兵士に放つ! 

 これにより西の戦場に居たフリーザ軍の3割が一気に吹き飛び、ザーボンもギリギリ耐えたがもう既にほぼ闘う力が残っていなかった! 

 

「止めだ、気円破斬!!」

 

【キィィィィィィィィン、スパッ!!】

 

「そ、そんな………………!!」

 

 其処にクリリンの気円破斬が放たれザーボンは身体を真っ二つに切り裂かれた。

 ザーボンが最期に考えたのはフリーザに貢献出来ない事への無念では無く醜い姿のまま死に逝く自分の惨めさであった。

 クリリンもザーボンには悪いと思っていたが、直ぐに寿命死するとは言えそれが1日なのか或いは1年なのか分からない為、地球の命運を考えた結果ザーボンに止めを刺す選択をしたのだ。

 そうしてナメック星の海にザーボンの真っ二つになった亡骸が沈んで行き、この戦場のフリーザ軍の兵士達はザーボンがアッサリ死んだ事に恐慌状態に陥り士気がガタガタとなっていた。

 

「サンキューなお前等!! 

 後は俺達に任せてお前等は仲間の所へ向かってやれ!!」

 

「ああ、分かったよドーレ!!」

 

「そちらも死ぬなよ!」

 

 それからドーレがクリリン達に礼を述べると直ぐに他の仲間達………フリーザの下へ向かった悟空達の下へと向かわせる。

 その心意気に感謝しながらも矢張り悟空達が心配な為クリリンと天津飯は直ぐに巨大な気が支配する北へと向かう。

 その後ろ姿をドーレはサムズアップで見送ると直ぐにクウラ軍の指揮に戻りフリーザ軍の殲滅に移った。

 

 

 

 

 

 

「ちくしょう、まさかクウラ軍と全面戦争になっちまうなんてツイてないぜ!!」

 

 一方東の戦場へ向かっていたドドリアだが、まさかギニュー特戦隊が裏切り者でありクウラ軍がナメック星を占拠していたとは思ってもみなかった為愚痴をこぼしていた。

 更にナメック星人の村らしき場所は無人であり、血痕や破壊痕が無い為クウラ達がナメック星人を何処かに避難させたのは目に見えており、フリーザがドラゴンボールが無いこの星を何時吹き飛ばすかもう分からない状態だった。

 当然ドドリアはザーボンと共にこんな戦場に長居はしたくないのでフリーザ様には悪いが途中で何処か遠い星へ逃げさせて貰おう………そんな算段を言葉を交わさず示し合わせていた。

 

「えい!!」

 

「なっ、身体が、動かな………!!」

 

 だがその目論見は直ぐに消え去る。

 餃子が待ち伏せして超能力でドドリアの動きを拘束したのだ。

 其処に高速で迫るヤムチャが絶対に仕留めると言う意志の下この悪人達に荒野のロンリー・ウルフの牙を向ける! 

 

「狼牙風風拳!!」

 

「あ、が、ぎゃあ!?」

 

 ヤムチャの狼牙風風拳をノーガードで受けてるドドリアは戦闘力500万程度ではあるがタフな方でまだコレだけなら余裕があった。

 しかし狼牙風風拳を受けている間に餃子も特訓して強化した超能力を強めてドドリアの胃を曲げたりする事で体内にダメージを負わせていた!! 

 

「喰らえ、かめはめ波ぁ!!」

 

「があぁぁ!?」

 

 更に至近距離でかめはめ波を撃たれてしまい大ダメージを負うドドリア。

 其処に餃子がついでにどどん波を撃ち込み追い討ちを掛けて更に深いダメージを負わせる!! 

 だがまだ止まらない、ドドリアを確実に仕留める為にヤムチャは特大繰気弾を作り出しそれをドドリアに向けて放つ!! 

 

「これで終わりだ!!」

 

「う、嘘だ、こんな訳の分からない連中に!? 

 フ、フリーザ様助け………ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

【ドォォォォォォォォンッ!!】

 

 ドドリアは最後にフリーザに助けを求めるがそんな声は届く訳も無く特大繰気弾が直撃し大爆発を起こした。

 それから気が完全に消えて白目を剥き、身体もボロボロで丸焦げなドドリアは海に落ちて行きそのまま沈んで行った。

 ヤムチャ達はまともに闘えば苦戦必至なドドリアに勝つ為に奇襲作戦に打って出て成功させ、フリーザ軍の幹部を討ち取る事に成功した。

 

「すまないが、お前達を逃がしたら地球が危ないんでな。

 確実に仕留める様に動かさせて貰ったぜ…!!」

 

「ヤムチャ、天さん達が北に向かってる!! 

 行こう!!」

 

「あぁ!!」

 

 ヤムチャは何もさせなかったドドリアに対し詫びを入れつつも地球の為に確実に仕留める作戦を立てて実行したともう餃子以外聞いていない事を呟くと、その餃子は西の戦場から天津飯が動いた事を察知しそれを追い北へ向かう事を促した。

 ヤムチャも北で気が膨れ上がって行ってるフリーザを倒すべく飛び立ち悟空達を救わんと動き出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 時を少し巻き戻しクウラとニィープはトワとミラを睨み付けながら構えており、ミラが何時動いても良い様にしていた。

 するとトワが笑みを浮かべながら口を開く。

 

「うふふ、今日は貴方達に面白い物を持って来たのよ。

 ありがたく受け取って欲しいわ」

 

「面白い物だと…?」

 

 トワはクウラとニィープ用に何かを運んで来ていた事を告げると、今日はどんな面倒事が起きるのかと2人は身構えていた。

 

「フン、『この世界の俺』は下等なサル如きと手を組みフリーザと戦争ごっこをするのか………見下げ果てた物だな、フリーザ一族の長男の名が呆れるぞ!」

 

 その時クウラとニィープの耳に聞き覚えてがあり過ぎる声が届く。

 驚きその方向を向くと、紫黒いオーラを纏いながらクウラを侮蔑の目で睨み付ける………『もう1人のクウラ』が其処に居た。

 

「馬鹿な………俺が、其処に居るだと…!!」

 

「ま、まさかトワ、アンタ………!?」

 

「そう、貴方達2人、特にこの世界のクウラにはあり得ざる闘いを起こして存分にキリを出して欲しいのよ! 

 その為に準備をして呼ばせて貰ったわ、並行世界の貴方………名付けるなら『アナザークウラ』その人をね!!」

 

 ニィープはこのもう1人のクウラの態度を見てある事に気付いた為まさかと口にした瞬間、トワは悪辣な笑みを浮かべながらクウラにあり得ざる闘いを起こして貰う為に並行世界、つまり原典の歴史の1つである『とびっきりの最強対最強』の歴史で生きてるクウラを呼び寄せたのだと高笑いしながらカミングアウトして来る!! 

 

「俺の弟フリーザは超サイヤ人に敗北し一族の顔に泥を塗りながら死んだ。

 俺は当然恥晒しな弟に代わりサイヤ人のサル如きに負けたフリーザ一族と言うの汚名を返上するべく地球に向かっていた………が、其処に並行世界の俺がサルを部下に引き入れ、あまつさえNo.2として重宝し甘くなったと聞き及んだ。

 それを聞いた俺は俺自身である貴様に怒りを覚えた………貴様は俺でありながら仲間などと言う物の甘い汁を啜り、俺自身が最強である事への誇りを忘れのうのうと生きている事に!! 

 そしてそんな情けない俺が存在する事など認める訳には行かん!! 

 フリーザ一族最強は、宇宙最強はこの俺なのだ!! 

 それを証明せずに惰性に生きる存在を俺自身の手で否定するのだ!!」

 

 並行世界のクウラ………トワが呼ぶにはアナザークウラは矢張りフリーザを孫悟空に殺された事で地球に向かい一族がサイヤ人に負けたと言う汚名をそそぐ為に行動を開始してたらしかった。

 が、この歴史のクウラの存在を知り己の全て、細胞一片に至るまで拒絶反応を起こしたらしくクウラをその手で殺して存在を否定する為にトワに誘われこの世界へ来た様である。

 

「………そうか、お前は破壊神ビルスの強さに背を向けてしまった俺なのだな………」

 

 クウラはアナザークウラを見てもしもビルスの強さに憧れを抱かなければ、ニィープを引き入れ様々な物を………知らぬ内に得ていなければ、あの様に愚弟(フリーザ)に似た思考に凝り固まりビルスと言う頂点に挑まず逃避し、己を高める為にあらゆる物を取り入れる考えを得られなかったのだろうと考えに至る。

 それはある意味では正しくもありまた哀れなと呆れる様な可能性の1つであった。

 

「黙れぇ!! 

 常に寝惚けているビルスが何だ!! 

 俺こそが最強なんだ、あんな惰眠を貪る神が俺より上などあり得んのだ!!」

 

 更にアナザークウラの言葉で確定する。

 奴はビルスの底知れぬ強さに憧れでは無くコンプレックスを抱き、その覆せぬ現実から背を向けて己の殻に閉じ籠もってしまったと。

 だからこそフリーザを倒した超サイヤ人が許せないのだ。

 だからこそ強くなる為ならどんな事も受け入れるクウラを否定するのだ。

 更にニィープはあのクウラだったなら自分は部下にならず死を選んだだろうと思い、哀れんだ目を向けていた。

 

「サイヤ人の女、貴様今俺をどんな目で見た? 

 まさか哀れなと考えたのか? 

 ………何処までも、何処までもこの俺を苛立たせるのだな、この世界は!!」

 

【キィィィィィン、グゥン、スチャ!!】

 

 ニィープの眼差しが引き金となりアナザークウラは最終形態へと変身する。

 その力は………凶悪化の影響で神精樹の実・悪を食べてしまったのか、本来の4億7000万から上昇しクウラの最終形態を超える12億と言う破格の戦闘力にまで至っていた。

 が、クウラとニィープはその力を得た方法がトワに用意された実である事からもうあのクウラには強さの拘りは無い、ただ最強の肩書に固執する妄念しか無いのだと理解した。

 そしてクウラも最終形態へ変身しニィープと共に構える………が、ニィープの後ろにミラが立つ。

 

「ニィープ、お前の相手は俺だ。

 トワの命令により、お前を足止めする」

 

「………はぁ、それはどうも!!」

 

 そしてニィープは何と界王拳15倍を発動し3億1500万まで戦闘力を上昇させてミラに突撃する。

 当然通用しない事は分かり切っているが、それでもクウラの援護を行うにはミラの妨害を振り切らねばならなかった為、せめて顔面に一撃を入れて気を逸らしてから同じく戦闘を始めたクウラを援護する………そう考えていた。

 

「無駄だ、お前の攻撃は通用しない」

 

「ぐっ!? 

【ドンッ!!】おぐぉ………!!」

 

 しかし、ミラはあっさり攻撃を受け止めるとニィープの鳩尾にパンチを叩き込む! 

 ニィープの身体はくの字に折れて力が抜けた瞬間ミラに取り押さえられてしまう! 

 

「ぐっ、クウラ、様…!!」

 

 そして凶悪化しているアナザークウラと闘うクウラを意識を何とか保って見つめるニィープだったが、その様子をトワは嘲笑い空を見上げる。

 このまま行けばクウラが死にキリが大量に手に入る。

 暗黒魔界復活の時がまた一歩近付くのだと心を躍らせながらクウラ同士の闘いを見つめるのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
アプールは犠牲となったのだ………凶悪化による影響、その犠牲にな。
更にナメック星の闘いを長引かせたら拙いので現場判断により超短期決戦で全面戦争を終わらせる選択を取りました。
そして………ニィープとクウラの前にはとびっきりの最強対最強世界線のクウラ、アナザークウラが出現。
ミラに取り押さえられたニィープ、アナザークウラを相手にするクウラ、想定よりもパワーアップしてそうなフリーザ…悟空達やニィープ達はこの闘いを無事に切り抜けられるか、それは次回以降に…。
次回もよろしくお願い致します!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。