DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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皆様おはようございます、第30話目を更新致します。
今回は前回で出来なかった報告+αと………皆大好きあのサイヤ人達が登場です。
しかし今作の彼等はロスマと言う存在が居るので何か違う事を踏まえて頂けたら幸いです。
では、本編へどうぞ。


第30話 伝説の来訪!ブロリー地球へ来たる!!

「………成る程、それで人造人間達はメタルクウラ達との闘いで協力すると約束したのか」

 

「はい、彼等の力はベジータや私達と同等で且つスタミナが減らないのも良い戦力になると考えました。

 勿論トランクス達の未来みたいに殺戮マシーンであるなら破壊を試みる様にしてましたが、皆に止めを刺さず殺戮マシーンには無い人間性があったのでこの判断に至りました」

 

 人造人間達との闘い及び17号達の観察と交渉の翌日、Z戦士やブルマ達は神の神殿に集まりニィープのあの後の対応等の報告を聞いていた。

 トランクス達は人造人間が味方になるなんてと驚き、ベジータは舌打ちしながら聞いていたがピッコロや天津飯、クウラにラディッツ達は厄介な敵の1つと考えていた人造人間17号達が共同戦線を張ってくれるなら悩みの種は1つ消えてターニングポイントのメタルクウラとの闘いに集中出来るとしてニィープの報告に納得していた。

 因みに安静にしてる悟空を護衛する未来のパンともニィープは出会っており、色々と複雑な感情を抱いていたりする。

 

「それにドクター・ゲロはミラやトワをかなり気にしている様子でしたからね。

 なら私達にとっても敵のミラ達との闘いに協力出来る事もあるかも知れないわ。殺戮マシーンの13号達とは何か違うと判断して、ね」

 

「成る程、だからこの場にドクター・ゲロを呼んだ訳か」

 

 更にニィープはドクター・ゲロがミラ達をかなり気にしていた事や前世の記憶と変わらず殺戮マシーンの13号達と17号達が違うと判断した事も明かし、ピッコロ達は其処でこの神殿に呼び寄せた者………ドクター・ゲロに視線を向けながらその言葉を聞き、この老いぼれが何を考えていたかを問い質そうとしていた。

 その雰囲気で自分が話す番だと理解したゲロは自身の事を語り始めた。

 なお19号はあの後回収され修理中である。

 

「………ベジータ達が攻め入るまではお前達の予想通りワシは孫悟空とその仲間への復讐の為に自分の言いなりになる殺戮マシーンである人造人間を作ろうと躍起になっていた。

 だがベジータとの闘いの際、其処のニィープが接触したあの2人………暗黒魔界の魔族2人が消えた際の特殊な波長をスパイロボットは捉えた。

 それを解析し、更に文献や資料を掻き集めた結果ワシはあの2人が暗黒魔界の魔族である事や、98%の高確率で時間移動をしていると理解した。

 さ、更に………ベジータすらも圧倒したニィープが恐ろしさの余り手を出せなかった様子や、スパイロボットの存在に気付く奴等を見てワシは今作ってる人造人間達でも奴等には敵わない、暗黒魔界が復活すれば余計な事になってしまうと考え………考えに考え、悩み抜いた末に孫悟空達への復讐は諦め、しかし私怨は捨てられなかったので痛め付ければそれでもう良い、後はあの歴史の侵略者達を滅ぼせば良いと考えて人造人間の製作目的を変更したのだ………」

 

 ゲロはどうやらZ戦士達を観察する中でミラ達の底知れなさや地球にある古代の文献から紐解いた暗黒魔界復活の弊害を加味して人造人間製作目的を孫悟空への復讐から暗黒魔界の2人への対抗札、及び人間だから私怨を捨てられないので取り敢えず地球の戦力が減らない様に孫悟空達は痛め付けて自分の作った人造人間の方が上だと証明すればもう良いと悩み抜いたと長い吐露をしていた。

 

「ふん、そうか」

 

 それを聞いたラディッツ達は確かにコイツは悪人ではあるが、ミラ達の脅威を正しく理解出来てる珍しい奴と思いその頭脳を評価していた。

 ニィープも自分があの時不意討ちすら出来なかった様子やスパイロボットに気付きながら歯牙にかけなかったミラ達のお陰でゲロの考えも変わったのかと思い納得した様子を見せながら、なら13号達は前世の記憶と何ら変わってなかったのか敢えて問い掛け始める。

 

「けど、ならば13号から15号までの3体は何故当初の目的通り殺戮マシーンとして出来上がってたのかしら? 

 お陰で民間人のみならずギニューやサウザーも殺され掛かったわよ?」

 

「そうだぞ、我々が後1歩遅れてたら民間人に犠牲者が出たんだぞ!!」

 

「う、うむぅ………本来なら13号達もミラ達にあてがうつもりだったのだが………ワシの抱いていた恨みなどと言う非科学的な物が13号達の製作コンピューターに宿ってしまい、幾ら電源を切ろうがシステムを初期化しようがお構い無しに当初の予定通りの物を造り続けてしまったのじゃ。

 その為15号まではお手上げになり、ならば以降の人造人間は自分の手で造り上げようと考えコンピューターと13号達は半ば放棄したのだ。

 そして昨日13号達は取り敢えずワシの言う事を聞く様子を見せたので連れて行ったが………矢張り殺戮マシーンをそのまま残す訳にも行かないのでお前達が13号達を破壊出来る事を祈ってしまったよ」

 

 ニィープが聞き、ギニュー達が抗議する中でゲロは何故かコンピューターが前世の記憶通りになりコントロール不能になったと答えた。

 クウラも人の負の感情がコンピューターに宿ると言う奇怪な事例を耳にし、何故そんな事態が発生したか思考すると………未来世界なら改心した様子は無く殺戮マシーンを造り続けたので説明も出来るが此方は一応改心したので何か繋がらないのにそれが起きたと思考し、それを成せる者の存在に行き当たる。

 ニィープやピッコロも同じ推論に達していた。

 

「………恐らくコンピューターに恨みが宿ってしまい貴様の手から離れた原因はミラ達だろう。

 トランクス達の未来では恐らく改心せず孫悟空への恨みを抱き続けたから予定通り13号達が完成したが、此方では貴様は恨みを置いておき人造人間を造った為キリを集めるのに都合が悪かったので別の歴史からゲロの恨みを引っ張って来てコンピューターに宿したのだろう。

 あくまでも推論ではあるがな」

 

「そ、そうなのか………奴等め、2年前にワシに接触し変な細胞を寄越して人造人間製作のアテにしろとか言って来たが………まさかその時に…?」

 

「えっ、ミラ達はアンタに接触して来たの? 

 それは初耳よ」

 

 するとニィープ達はミラ達がゲロに時間にして2年前に接触していた事を聞き、驚いた様子を見せながら其処を問い質し始めた。

 

「う、うむ、実は2年前に何らかのダメージを負った様子を見せながらワシに何か…再生能力が余りにも高く、更には妙な魔法を使う事が可能になる細胞を渡して来て人造人間製作に役立てろと言って来たのじゃ。

 ワシは無論怪しいと判断して魔術的細工や様々な方面でその細胞を検証したのだが、特に細工も無く利用しても変な………それこそ悪の感情が強まる事と言った事は無いと計算し切れたので何の意図があって渡して来たか不明だが………取り敢えずその細胞を今稼働し任務を遂行しているバイオタイプの人造人間に使用したのじゃ。

 そうしなければならない懸念事項もあったのでな…」

 

 ゲロはポツポツと2年前の出来事を語り、その中でも特徴的な変な細胞と耳にしたニィープは「(それ魔人ブウの細胞じゃないの!?)」と内心驚いていた。

 しかしゲロはその細胞を使っても問題無い上に単に戦力アップに繋がるとして現在17号達と別に稼働している人造人間に使用し、任務を遂行していると話した。

 ニィープは後でピッコロとラディッツ、クウラを呼びその細胞は魔人ブウの物である可能性が高く予測不可能な事態が起きるかも知れないと教えようと決めた後、更にゲロが口にする懸念事項を聞き出そうとした………その時、宇宙から途轍も無く強大な気が迫って来ている事をZ戦士達は悟り、空を見上げていた! 

 ゲロもパワーレーダーにとんでもないパワーが映った事に気付き驚きながら空を見上げていた! 

 

「な、何だこの巨大な気は!?」

 

「お、お父さんやニィープ伯母さん達よりも大きい…!!?」

 

「………もしかしてこれは………皆さん、俺に付いて来て下さい!! 

 俺の予想が正しければ、この気の持ち主に俺は接触しなければいけない!!」

 

「あ、ちょっと!?」

 

 Z戦士達が驚く中、ロスマが何かを悟った様子を見せながら飛び立ち始め、ニィープ達はロスマの突然の行動に驚きながらその後を追い始めた。

 なおゲロは神やクウラに此処に居ろと釘を刺されたので神殿に留まり、その気が降り立とうとしている場所へ行こうとしていると途中で16号を先頭に17号達も近くを飛んでいる事に気付きニィープとクウラが接触する。

 

「貴方達、この巨大な気に気付いたの?」

 

「16号がパワーレーダーを搭載していてな。

 とんでもなく強い奴が宇宙から来るって話したから気になって俺達もそれを見ようって話になったのさ。

 そっちも同じ様に気になって飛んでるんだろう?」

 

「ああ、それにこの気の波長………サイヤ人の特徴を強く放っている。

 しかもその近くに大きな気が2つ、これもサイヤ人の物を放っているのでな。

 それに俺達の先頭を飛ぶ未来人のロスマが何か気にしていたのでは、正体を見てやろうと考えたのだ」

 

 どうやら16号のパワーレーダーでこの巨大な気に気付き、気になって様子を見に行くと17号の好奇心が擽られた様子だった。

 更にクウラや………他のZ戦士は気の波長がサイヤ人の物と気付いていた。

 更にそれよりかは小さいが強大な気が2つ存在し、そちらもサイヤ人の物の為色々と気になっていたのだ。

 ニィープはサイヤ人の波長を持つ強大過ぎる気………此処からもしやブロリーが来たのかと思い、ならば奴の息子を名乗るロスマが慌ててるのも頷けたのでそれに黙って付いて行く気だった。

 

「さて、此処に来る様だな…」

 

 そうして気の降下予測地点に着くと、季節が夏の為最初は分からなかったが木々の配置から此処は『燃えつきろ!! 熱戦・烈戦・超激戦』の宴会会場と気付いたニィープは「(あ、これやっぱりブロリーだ)」と確信を持ちながら空を見上げる。

 するとそれなりに大きな宇宙船が大気圏を抜けて降下し、着陸してハッチが開き始めた。

 

「はぁ~、此処が地球なのね~。

 確かに聞いた通り北の銀河で1番所か、この宇宙で随一に環境が整ってるね~」

 

「うむ、他のサイヤ人達やあのクウラがこの星に留まり続ける理由も頷けるだろう『ニオ』、ブロリー」

 

『………なっ!?』

 

 そうして中から地球の大地に降り立ったのはサイヤ人の大人3人と子供1人だった。

 2人は服装や容姿で間違い無く伝説の超サイヤ人ブロリーとその父パラガスであり、もう1人の女は………その容姿を見てラディッツとニィープは驚きを隠せなかった。

 何とその顔は悟空とターレスの様にギネと瓜二つだったのだ。

 しかしニオと呼ばれたサイヤ人の女は雰囲気も少しギネと違ったのでギリギリ別人だと判別出来ていた。

 

「………そうか、我々のパワーを察知してこの場所に先回りしていたか。

 そしてラディッツ、お前の気持ちは良く分かる。

 俺も姿形が成長するにつれてバーダックの嫁のギネに似ていたことに驚いたからな。

 だが、少し話せば何処か違うと分かるだろう。

 申し遅れたな地球の諸君、未来人の3人、俺の名はパラガス。

 嘗てベジータ王に仕え、身勝手に息子共々殺され掛けゴミの様に捨てられた者だ。

 此方は息子のブロリー、そして此方は息子の嫁のニオだ」

 

「………」

 

「どうも〜」

 

 パラガスはZ戦士達が自分達の気を察知して集まった事やラディッツ、ニィープがニオを見てギネの事を思い出している事を理解しながら自己紹介し、ブロリーは沈黙を保ちニオは気さくに挨拶して来ていた。

 その後ろに子供がおり………容姿からも察せられる様にブロリーの子であり、そして此方に居るロスマと瓜二つである事からあの子は現代のロスマだと判別出来た。

 だがそれよりもパラガスはトランクス達を未来人3人と話した事でZ戦士達はパラガスの情報収集能力に驚き身構えていた。

 

「驚く事は無い、我々は3年以上も前からそろそろ環境の良い星に移住しようと計画していたのだ。

 その過程でこの宇宙で随一に環境が整った星である地球が候補に挙がったのだ。

 だが、地球にカカロットが居るだけで無くラディッツやナッパ、更にはベジータやニィープ、クウラまでもが定住し始めるとは思っても見なかったがな。

 そうして地球に俺の知り合いの科学者にスパイロボットを作成させ情報収集していた所、フリーザ親子がやって来た上に君達3人が超サイヤ人になり奴等を葬り未来人と語った事も知れた。

 故に俺達は色々と知る事が出来たのだよ………そして、未来では俺やニオがこの子を残して死に、ブロリーも心臓病に罹る事も聞いた。

 寝耳に水だったぞ、何せ伝説の超サイヤ人であるブロリーが病死するなどと、その様な事がある筈が無いと思っていたからな」

 

 パラガスはどうやら何処かの星に移住しようとしていたらしく、その関係で地球にスパイロボットを送り込み色々と聞いていた様である。

 無論ブロリーが病死する事を信じられない為寝耳に水だとも口にしていた。

 それもそうだろう、ブロリーは伝説の超サイヤ人。

 恵まれた肉体を持ち、病如きで死ぬ訳が無いと信じているのだ。

 

「(………く、クソッタレ………コイツは………ヤバイ………!!)」

 

「(こ、これが伝説の超サイヤ人…!!?)」

 

 その中でベジータやラディッツ達純血のサイヤ人は伝説の超サイヤ人と言う言葉を聞き、ブロリーを改めてじっくり見ると………サイヤ人の本能が訴え掛けた、コイツはサイヤ人としても別次元の存在だと!! 

 全てが既存のサイヤ人と違うのだと!! 

 しかし、そんなラディッツ達を他所にパラガスやニオは話を続ける。

 

「………そう、病などあり得ないと思ってたのだがな」

 

「この星に来るまでにブロリーの身体を検査してたのだけど、そしたら病を患ってる事が分かったのよ。

 しかもこの宇宙でも珍しく、特効薬がまだ無い………ウィルス性の心臓病にね。

 ブロリー、今も平気で立ってる様に見えるけど本調子じゃないのよ。

 寧ろ立ってる事が不思議な状態なの」

 

 パラガスやニオはブロリーを検査した所で何と本当に病に罹り立っている事が不思議な状態にまで症状が悪化していると話した。

 しかもそれはトランクス達の語った様に悟空が今も苦しんでいる病………ウィルス性の心臓病だったのだ。

 ニィープはコレを聞き漸く確信する、孫悟空とブロリーは鏡合わせの存在だと。

 悟空が病に罹れば同じ病になる様に世界がそうさせているのだと。

 つまり………ブロリーもある意味特異点であるのだ。

 ブロリーが生まれた年代の違いで世界に大きな影響を齎す程の存在なのだ。

 それこそが伝説の超サイヤ人なのだとニィープは理解した。

 

「………今この時に地球に来た事は本当に運が良かった。

 ブロリー………さん、どうか何も言わずにこの薬を受け取って服用して下さい。

 これは、貴方が今罹患している病を治す特効薬なんです」

 

「………本当に、君は我々の後ろに居るロスマの未来の姿なのだな。

 この目で見て改めて確信を持てたよ、君は俺の孫でありブロリー達の息子なのだと。

 ブロリー、何も言わずに薬を受け取ってやってくれ」

 

 ロスマは何か言葉を掛けたい想いがあるが、それよりも優先するべき事として悟空にも渡した心臓病の特効薬をブロリーの前に立ち手渡そうとした。

 パラガスやニオは改めて後ろの子と目の前の青年を見比べてこの未来人はロスマなのだと確信し、そんな彼が特効薬と言って渡すのだから間違い無いと判断してパラガスはブロリーに薬を取る様に促した。

 

「………これが薬か」

 

 対してブロリーはロスマを見ても今のベジータの様に興味が余り無い素振りを見せつつも、この伝説の超サイヤ人を苦しめる病と言う有り得ぬ存在を治す薬を見て受け取り、その特効薬を早速服用し始めた。

 すると自分の心臓への苦しみが少し治まり、本調子と行かないが身体を動かすのは問題無い様になる。

 

「その薬を1日3回服用して安静にしていれば心臓病は必ず治ります。

 けど、その間は超サイヤ人になるのは止めて欲しい。

 一気に心臓病の症状が悪化して孫悟空さんの様に倒れてしまう」

 

「むっ、カカロットは今心臓病で倒れたのか。

 しかも超サイヤ人になって………成る程、ブロリーが急に心臓病になったのは3年前に君達が語ったカカロットとブロリーは鏡合わせの存在と言う仮説の証明になるな」

 

「………ふん」

 

 ロスマは特効薬の服用回数や安静にする事、超サイヤ人になってはならないと忠告をするとパラガスも3年前の話を思い出しその仮説が正しかったと思いニィープを見ていた。

 ブロリーも自分を昔泣かせたカカロットが心臓病如きで死ぬのは面白く無い、俺が叩きのめすまで生きて貰うと思いながら薬を持ちながら側の木に寄り添いながら立っていた。

 そうしてニィープはブロリーを見ると頭の制御装置が無い事に気付き、迂闊にコイツに話し掛けたらヤバそうと本能的に悟りパラガス達に話し掛ける。

 

「それでパラガス、それとニオ。

 貴方達は地球への移住を希望してる様だけど何か変な野望とか計画は立ててないでしょうね?」

 

「私達信用無いね〜。

 まぁこの星の味方と確定してないサイヤ人って点で信用ならないのかな?」

 

「心配する事は無い、俺やブロリーは特にベジータへの復讐だとかは考えていない。

 ブロリーは昔自分を泣かせたカカロットを叩きのめす位は考えているが、それ以外は害意は無いと宣言しよう。

 そして、我々の目下の敵は他でもない………暗黒魔界の魔族、ミラとトワだ」

 

 ニィープは原典の物語通りの野望が無いかの確認を取り、ニオとパラガスの1つ1つの所作をクウラやピッコロと共に注意深く観察する。

 それ等の中には嘘のサインが1つも無く、またニオに至っては悪の気が薄い為彼女が嘘を吐いてる事は無いと早々に確定し残りのパラガスに注目が集まる。

 その中でブロリーは矢張り昔悟空に泣かされた事を根に持っており、しかし原典の物語よりかは軟化してるらしくボコ殴りは確定してるが殺す気は無いらしい。

 そして………パラガスの口からミラ達の名が出て来た時、全員がその視線を向け始めた。

 

「貴様………敵はミラとトワと言ったな? 

 その言い草では奴等が貴様達に何か仕掛けて来たのだと言っている様だが?」

 

「正にその通りだ。

 我々………と言うよりブロリーに奴等が干渉して来たのだ。

 当然の事ながらブロリーは奴等に対して怒りを向け見つければ必ず殺すと今でも思ってるだろう。

 無論俺達も借りを返さねばならんとしてこの星への移住と共にミラ達に対する共同戦線を取ろうと判断に至ったがな」

 

 パラガスはミラ達がブロリーに干渉して来たと言うパワーワード且つ無謀な事をやらかしたと聞き、ニィープは目に見える爆弾に何故手を出したと呆れながらパラガス達を見ており、クウラも面白い位に各方面へヘイトを買ってるミラ達にある種の感心すら覚えていた。

 一方ブロリーもミラ達の名を聞き明らかに苛立っており、頭に血管が浮き出ていたのだがニオとこの時代のロスマが近場に来るとほんの少し落ち着いた様子を見せていた。

 

「………血と殺戮を好むサイヤ人そのものである伝説の超サイヤ人があんな様子を見せるなんて………」

 

「不思議だろう? 

 ブロリーこそがサイヤ人そのものだった、それは今でも変わらんのだがな………そんなブロリーや当初はベジータ王家に憎悪を抱いていた俺達親子を変えたのは他でもない彼処に居るニオなのだ。

 ………少し語ろう、この星へ来るまでの間の、俺達の話を」

 

 ニィープはブロリーがあんなに落ち着いた様子を見せるなど何処かの歴史でサタンと出会い落ち着いた程度の物しか知らないので驚いていたが、パラガス自身すら未だ少しでも変われたのが不思議だと語っていた。

 そんな中で自分達の過去を語り始めた。

 その話に興味がある面々は耳を傾けていた。

 

 

 

 

 

 

 始まりはエイジ737、惑星ベジータが消滅するあの日。

 ベジータ王はフリーザへの反乱直前に後に不穏分子に成りかねないブロリーをパラガスごと抹殺しゴミの様に捨てていた。

 この時ブロリーもパラガスも生きており、ベジータ王家、特にベジータ王に対してパラガスは底知れぬ憎しみを抱いていた。

 

「おぎゃあ、おぎゃあ!!」

 

 そんな時、同じ様に捨てられていた赤子をパラガスは見つけた。

 サイヤ人の女の子………確か出生記録にあった名前はニオとあった筈だが、この子は戦闘力が低くて戦闘員に向かないと判定を受けていた事も王家の側近であったパラガスは記憶していた。

 きっと彼女の親はそれに無能の烙印を押して捨てたのだろうと思っていた。

 サイヤ人には特に珍しくも無い光景であった。

 

「………っ!?」

 

【ゴォォォォォォォォォォォォォ!!】

 

 だがそんな時、パラガスの背後の空から巨大なエネルギーボールが惑星ベジータに迫っていた!! 

 これの正体はパラガスは知っている、フリーザのスーパーノヴァだ!! 

 つまり………ベジータ王達の反乱は失敗に終わりサイヤ人抹殺が始まったのだ。

 パラガスはそう理解し、最早これまでかとブロリーや近くに居たニオを抱き抱えて星と運命を共にしようとした。

 

「おぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 

【キィィィィィィン!!】

 

「なっ!?」

 

 その時ブロリーはその身に宿る戦闘力1万を超える才能を赤子の段階から引き出し、何とパラガスやニオを巻き込んでバリアを張り宇宙空間へと飛び出して行きこの広大な星の海を移動してるではないか!! 

 パラガスは本能で確信した、ブロリーは伝説の超サイヤ人であるのだと! 

 その力により近場に居た自分やこのニオは助かったのだと! 

 

「………きゃっ、きゃっ!」

 

 そのブロリーに対して赤子のニオは何故かさっきまで泣いていた様子から懐く様子を見せていた。

 ブロリーに、この息子に正直恐怖心すら抱くパラガスは何故この赤子はブロリーに懐くのだと不思議がりながら見ており、理解が及ばなかった。

 そうしてパラガス達は惑星ベジータから別の星………大人のサイヤ人でも下級戦士では生き残れない上に侵略価値が無いとされた惑星バンパに降り立ち、バリアが消える。

 その間もブロリーにニオは懐いており、不思議な光景が広がっていた。

 

 

 

 

 それから数年後、パラガス達はブロリーのバリアを張って星を移動する力で様々な星を回り襲って来る馬鹿を返り討ちにしていたが………その中でもニオは相変わらずブロリーのやる事なす事の後を付いて来ていた。

 

「ええい、鬱陶しいぞ!!」

 

「ええ〜、何でよブロリー?」

 

 しかもニオはバンパで生き残ってしまった為か、サイヤ人らしくない穏やかな性格でありながら戦闘力が当初の測定よりも大きく伸びており今や上級戦士の下位に当たる6000辺りまで跳ね上がっていた。

 無論ブロリーと比べたら蟻と象であり、本気でブロリーが殴り殺しに行けば何も出来ずに死ぬだろう。

 なのにそれを分かっていながらニオはブロリーに付いて行く。

 自分の命が惜しくないのかとパラガスはニオの態度に疑問を持ち始めていた。

 

 

 

 

 更に数年が経過してブロリーが超サイヤ人に覚醒し暴れ回っていた。

 無論ブロリーは加減など知らないので辺り一面に破壊をばら撒き星を壊そうとまでしていた。

 なのに………ニオはブロリーの側から離れず、殴られてもまた近寄るを繰り返していた。

 

「貴様ぁ!! 

 いい加減にしろ、殺すぞぉ!!」

 

「え、ブロリー私を殺すの?」

 

 更にはブロリーが明確な殺意を見せてニオにエネルギー波を撃とうとしていたが、ニオはキョトンとしながらブロリーを見ていた。

 まるで自分が殺されるこの状況を理解出来ていないかの様に。

 ………否、ニオは恐らく本当に分からないのだ。

 惑星ベジータが消滅するあの日、ニオはブロリーに懐いた理由は、恐怖心を抱かずに居る理由は………サイヤ人でも持つ恐怖心、それがあの日から何らかの理由で欠如してしまったのだと、パラガスはこの時理解してしまう。

 

「………………………」

 

 更に最悪な事にニオは言葉としては死を理解しても本能が死への忌避感を欠落してしまったのだ。

 恐らく捨てられたあの日頭を打っていたのだろう。

 それによりサイヤ人の闘争本能や生物の死への忌避感が薄れてしまったのだ。

 パラガスは業が深い子供はブロリーだけで無かった、ニオも別の意味でサイヤ人の気質が生み出してしまった哀れな子だと、この日理解してしまい珍しく落ち込んでしまっていた。

 

「ぐぅぅ、いつか貴様を恐怖で跪かせてやる…!!」

 

「?????」

 

 そうしてブロリーも周りを壊す中でニオは何時もと変わらない様子を見せていたのでこの女を恐怖のどん底に何時か落としてやると誓いながら取り敢えず破壊を止めて何処かへと飛んで行った。

 ニオは恐怖心を感じる本能が薄れてしまったのでブロリーの態度が理解出来ず、しかしそれでも後ろを付いて行きその度にブロリーに怒鳴られていた。

 

「………ニオ、お前は………とっくの昔から壊れてしまっていたのだな………」

 

 パラガスはこれでも息子への情がある方のサイヤ人である為、ニオが壊れている事に大人のサイヤ人の生き残りとして責任を感じていた。

 そしてその生末を見守るのもまた自らに課せられた務めだとも理解しながら2人の後を追った。

 血と殺戮を好むサイヤ人そのもののブロリーと恐怖心や闘争本能が欠如しているニオとそれを見守るパラガス。

 惑星ベジータから生き残った3人のサイヤ人の奇妙な共同生活はまだ続くのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
ブロリーとパラガスが少しだけ軟化する理由の前半を載せましたので後半部分は早くて今日の夕方辺りに更新します。
因みにオリジナル女サイヤ人『ニオ』の名前の由来はオニオン、広義的な和名はネギです。
そしてネギが名前の由来であるサイヤ人はギネ。
よって2人が似ているのです。
悟空とターレスみたいな物と考えて下さい。
んでもってこの子、本当に恐怖心が薄いのです。
だからブロリーを怖がらないんです。
因みに戦闘で活躍させるかは未定です。

次回もよろしくお願い致します。
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