DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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予告通りに第31話を更新致します。
今回はブロリーサイドストーリーの後半になります。
ブロリーが少し柔らかくなったりブロリーの敵が彼等になった経緯が少し分かります。
では、本編へどうぞ!


第31話 異聞の交流の果て!そして始まる超激戦!!

 ブロリーが超サイヤ人に覚醒してから更に時が経ち、遂にブロリーは伝説の超サイヤ人へと覚醒する。

 その姿は正に破壊衝動の塊、血と殺戮を好むサイヤ人そのものであり全てにおいてサイヤ人が恐れ慄く姿である。

 

「ふふふふ、フハハハハハハハハハハ!!」

 

【ドォォォォォォォン、ドォォォォォォォン!!】

 

 当然の事ながら破壊衝動の赴くままに破壊して回り、時には星すら壊す程に暴れ回り最早パラガスに抑える術は無かった。

 パラガスは恐怖し近付く事すら出来なくなってしまっていた。

 にも関わらず………ニオは何も変わらなかった。

 いや、ブロリーとの命懸けトレーニング(本人談)で超サイヤ人に覚醒するレベルまで到達し、戦闘力は既にこの時点でフリーザを超えていた。

 だが表立って歴史の中で活動しない為ミラ達もまだ表立って行動するクウラがその時代最強と認識していた程である。

 その中でニオは相変わらずブロリーに話し掛けていた。

 

「ねえねえブロリー、そんなに壊して殺して楽しいの?」

 

「フッ、何を愚かな事を! 

 俺はサイヤ人、血と殺戮を求める戦闘民族そのもの!! 

 ならば星も、何もかも…全てを壊し尽くすだけだぁ!!」

 

「ふーん、でもそれで何もかも壊し切ったら後は何するの? 

 何かやる事が残ってるの?」

 

 ニオは超サイヤ人にもならずブロリーに話し掛け、破壊して回る事への疑問を投げ掛けていた。

 しかしブロリーはそれこそがサイヤ人、それこそが己の存在意義と認識していたので愚かな問いだとしながら周りをまだ破壊する。

 なのにニオは恐怖しない、ブロリーを怖い物と認識していない………出来ていなかった。

 なのでブロリーが何をしても怖がる事は無かった。

 当然ブロリーは恐怖しないこの女を恐怖させる事が最大の勝利と考えながら破壊をばら撒いていた。

 が………ニオは呆れる事も無く恐怖する事も無く、何も変わらず話し掛け続けるのであった。

 

「ブロリー、私最近新しい料理を覚えたんだ。

 今日の晩ご飯で食べてみる?」

 

「むっ………………………不味ければ殺す」

 

 更にはニオはパラガスやブロリーに料理を振る舞い食べさせていたのだが………これが美味かった。

 不味そうな素材から何で美味しく作れるんだよとついブロリーですら突っ込むレベルで美味しい料理が作れた。

 パラガスも錬金術とやらかと思ってしまう程に料理が美味かった。

 その為ブロリーはコイツを殺すと美味い物が食えなくなると途中で理解し、恐怖させて跪かせる事は変わらないが殺すのは止めようと自制が働くレベルだった。

 それ等を見たパラガスはあのブロリーに自制を覚えさせてしまったニオに対して別の意味で畏怖するに至ってしまった。

 

 

 

「う、うぅぅ、カカロットォ………!!」

 

「しまった!!」

 

 ブロリーは寝る時は常にカカロットが夜泣きで自分を泣かせた事を思い出しては魘される日々にあった。

 お陰で寝不足になり不機嫌になる事が多々あった。

 パラガスはその魘される声に気付きベッドから飛び出しブロリーが暴れない様にしようとする。

 そうして、その度にカカロットへの恨みやパラガスへの失望を募らせて行くのだ………本来ならば。

 

「ブロリー、大丈夫? 

 此処にはカカロットなんてサイヤ人は居ないし、その煩い夜泣き声は無いよ。

 此処にはブロリーの安眠を妨げる物は無いよ、だからゆっくり心を落ち着けて寝てね」

 

「う、うぅぅ………………すぅ、すぅ………」

 

 しかしこの歴史では魘される度にニオが起きて来てブロリーの眠りを妨げる存在は居ないと言い聞かせてはブロリーを寝かせると言うルーティンが出来上がっていた。

 パラガスがそれ等を見ていてあのブロリーが、何時も悪夢で魘されるブロリーが健やかな睡眠が出来るとは………。

 パラガスがこのルーティンに気が付いたのは意外にもブロリーが伝説の超サイヤ人覚醒後であった。

 また知り合ったタコの科学者に制御装置を作らせる案を実行に移す段階がニオの存在によりギリギリ入らなかった為、ブロリーが父親が保身に走る姿を見る事はまだ無かった。

 

 

 

 

 

 それから更に時が経過しブロリーとニオは20歳になった頃、ブロリーが相変わらず破壊を楽しむ中でニオはその後ろを何度も何度も付いて行く事は結局変わらなかった。

 その態度にブロリーも怒りを通り越して呆れを覚えるレベルであり、伝説の超サイヤ人を解いた後にブロリーの方からニオに話し掛ける。

 

「貴様、何故俺の側から離れない? 

 何故俺に構い続けるんだ? 

 もういい加減俺ですら理解に苦しむぞ、理由を今直ぐ話せ」

 

「理由って、ブロリー分からないの? 

 私ブロリーの事が好きだからずっと付いて行くんだよ?」

 

 ブロリーはこの訳の分からない女が何故後を追って来るのか問い質した所、ニオは照れる事も無く隠す事も無く、ただストレートに好きだからと理由を語った。

 ブロリーはまた理由に苦しむ、この女は俺の何処が好きなのだと言うのだ? 

 またしても訳が分からず問い質す。

 

「俺が好きだと? 

 一体俺の何が好きなんだ?」

 

「全部」

 

 ブロリーがその問いを投げ掛けていた時、ニオはまるで息を吐くかの様に、当然であるかの様にブロリーの全てが好きだと答えていた。

 ブロリーはこの20年で初めて驚いていた、この女は俺の事が好きだから今まで付いて来ていたのかと。

 しかもそれが当たり前になっていたのかと。

 それを理解した時………ブロリーは破壊衝動の塊である自分を直ぐ隣に居て当然の存在としてニオは扱っていた事と合点が行く事になった。

 ブロリーはこの時からニオに対しての態度が鬱陶しい物を扱うからもう居て当然の物と扱う様になっていた。

 まるで腕が付いてて当然の如く、ニオに接するランクがほんの少し上がったのだった。

 

 

 

 更に時間が経過しブロリー達が21になった頃、パラガスは本来なら片目をブロリーによって失っているのに未だまだ目の怪我を負っていなかった。

 その為、ブロリーには恐怖を抱きながらもまだちゃんと息子として対応していた。

 当然制御装置を作ってすらいなかった。

 その為ブロリーはパラガスをまだ軽蔑する事は無く普通に破壊衝動が前面に出る前は静かに親父と呼び、原典の物語より僅かに軟化した態度を見せていた。

 

「………」

 

 そんな中でパラガスは黄昏れていた。

 ベジータ王家への復讐を考えて生きていたが、ブロリーをその道具にする考えがニオの存在で狂った上にニオが居る事がもう当たり前になってしまっていたからだ。

 パラガスはそんな変化に戸惑い夕焼けを見ながら岩場の上に座っていた。

 

「此処に居たんだパラガスさん。

 晩ご飯出来たから早く食べましょう?」

 

「………ニオ、俺はお前が居る事が当たり前になってしまった。

 ベジータ王家への復讐を果たす為に何かをしようとする、ブロリーの破壊を見守る、食事をする、その何もかもの中にお前が組み込まれてしまっている。

 しかも………ブロリーもそれが当たり前と思っている。

 一体どうしたと言うのだ、俺達は…?」

 

「えっ? 

 そりゃ家族なんだから一緒に居て当たり前でしょ?」

 

 パラガスの戸惑いに対してニオはあっさりと答える。

 家族だからと。

 その言葉にパラガスはハッとしており、ニオはそんなパラガスに疑問符を浮かべながら見ていた。

 家族………ブロリーと俺は親子だから当然だが、其処にニオが居たのか………それを認めてしまったのか………俺は何時の間にか他者を受け入れてしまう様になったのかとパラガスは初めて気付いていた。

 

「(………ああ、これが………安らぎか………)」

 

 そしてニオが語ったその言葉に…不思議と安心する自分が居た。

 ベジータ王家への復讐心よりも大きく心が安らぐ物が感じられてしまった。

 パラガスはこれにより気付いてしまった、自分がこの子の存在にほんの僅かに救われてしまっていた事に。

 それを理解すると………少しだけ穏やかさを得られた感覚を得ていた。

 それと同時に俺も変わったなと自嘲しながら夕焼けを見ていた。

 

「………………………」

 

 更にその言葉をブロリーは聞いていた。

 家族………そんな物はサイヤ人には要らないと思っていた。

 だが………何時の間にかあの女、ニオが居る事が当たり前になっている自分が居た。

 その為最近は鬱陶しさも感じなくなっていた。

 更に悪夢の度にニオが声掛けをしていた事も気付いていた。

 その為か………ニオを恐怖で跪かせる事も何時の間にかブロリーはやらなくなった。

 無論諦めた訳で無くやらなくなったのだ。

 それは………ブロリーが折角手にした物を手放すのが惜しくなったからである。

 無論そんな些細な変化すらブロリーは認められずニオに対して素っ気無い態度を取っていた。

 だが………ニオは変わらなかった。

 本当に変わらなかった。

 その為………ブロリーも伝説の超サイヤ人に変身してもニオが居る周囲の物を壊す事が徐々に減り始めてしまった。

 

「………ニオ………」

 

「どうしたのブロリー?」

 

 ブロリーは自身が何故か理由も無くニオの名を呼ぶ事があった。

 その度にニオは隣に居た。

 息を吸うかの様に当然に。

 それが続き………ブロリーやパラガスは原典の物語には無い物を徐々に得て行き、パラガスも己を鍛えて超サイヤ人に覚醒し、ブロリーは理性を自ら手放して破壊をバラ撒かなくなる様になった。

 ブロリー親子は………ニオが長年隣に居た事で気付かぬ内に変化していたのだ。

 それを時間と共に理解し、ブロリーはこの女に敗北したのかと考える様になった。

 しかもそれを受け入れる自分が居た。

 この敗北は当然だと受け入れてしまっていた。

 そうして…伝説の超サイヤ人すらも負かせる存在が居た事を理解し、それでいて何時もの様に過ごす様になったのだった。

 

 

 

 

「………うっそでしょ、そんな生活があったの?」

 

「ああ、だから何時の間にか俺の中の復讐心が薄れてしまい、ブロリーも破壊衝動に自制が生まれてしまった。

 しかもベジータ王家への復讐をニオは「フリーザ如きに負けた奴なんかに構う時間なんて勿体無いと思わない?」で片付けてしまって確かにそうだと笑ってしまったよ。

 俺達は………あの恐怖を知らぬ子が話し相手となっていた事で変わって行ったのだ。

 ブロリーもそれを遂に認める様になってもいた。

 だからなのか………3年程前にニオはロスマを妊娠したのだ。

 ブロリーも………自然と抱いてしまっていたと漏らしていたよ」

 

 ニィープはそんな生活が30年も続いた事を聞き「(嘘だろおい)」と思いながら聞いていた。

 パラガスも自身の変化を認め、ブロリーまで認めるに至ってしまった。

 怖い物知らずと言うより、恐怖心が欠如した子がこの親子に穏やかさを得させるとはこのニィープも目を以てしても………いや、別の歴史で同じ様にサタンが記憶喪失だったブロリーと過ごして穏やかさを得させていたとニィープは不意に思い出した。

 ブロリーやパラガスに必要な物は誰かと話せる環境と自分達に物怖じせず気軽に話してくれる相手だったのだとニィープは改めて思っていた。

 

「そうして俺達はこれからも穏やかな日々を送るのだろうと思いながら地球への移住の準備を進めていた。

 ………所が、約2年半前に事件が起きた」

 

 パラガスはそれからもこの日々が続くと信じて疑わず、ブロリーすらも同様に思っていたと話していたが、約2年半前にそれが崩れる事があった事を話すべく更に回想を語り始めた。

 

 

 

 

 

 約2年半前、ニオのお腹が目立って来た頃の事。

 その日は本当に静かな夜でブロリーも暫くはカカロットに泣かされた夢を見る事は無くなり安眠が続きストレスが減っていた。

 ………そんな日に、事件が起きた。

 

「………ぐぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「えっ、ブロリー!?」

 

 突如寝ていたブロリーが立ち上がると同時に頭を押さえ苦しみ始めてしまった。

 ニオやパラガスは何が起きたとまるで分からず困惑していた。

 そんな2人を見たブロリーは苦しみながらも口を開く。

 

「お、親父ぃ………ニオぉ………に、逃げろぉ………!!」

 

「ブロリー、逃げろとは一体!?」

 

「早くしろぉ!! 

 俺の理性が、続く内にぃぃぃぃぃぃ!! 

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

【キュイイイイイイイイイイン!!】

 

 ブロリーは自身の中の悪の気、感情が膨れ上がり抑えられなくなって来ている事を悟り、せめてパラガスとニオを逃がす為に叫んでいた。

 それと同時に世界の色が一瞬モノクロになり始め、ブロリーが伝説の超サイヤ人に成る寸前の現象が巻き起こる! 

 パラガスはこの異常事態に超サイヤ人と成りニオを連れて家の屋根を崩して遠くへと飛んだ! 

 そうして………30秒後、家が吹き飛び中から気を完全解放し伝説の超サイヤ人となったブロリーが現れる! 

 だがその目は何時もよりも血走り、理性を敢えて放棄して暴力を振るう者から紫黒いオーラが混ざり理性が消し飛んで暴れ回る者へと変化してしまっていた! 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

【ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!】

 

 更にブロリーはその溢れる気を拡散し周りを爆破し始め、完全に暴走状態に陥っていた! 

 パラガスもこれは可笑しい、ブロリーが自分の力の制御を失うなどと言う異常事態が起きたと理解する! 

 しかし止めようにもパラガスの戦闘力は超サイヤ人に変身出来る様になるも18億、対するブロリーの最大戦闘力は1400億、差が大き過ぎて止めようが無かったのだ!! 

 だが………それでも僅かだが穏やかさを得られた息子を放って置く訳には行かないと、サイヤ人の本能が危険信号を放ち逃げる様に促す事に逆らいブロリーを止めるべく動こうとする! 

 

「義父さん!」

 

「ニオ、お前は来るなよ!! 

 出来るだけ離れろ、超サイヤ人にも成るな、お腹の子に障るぞ!!」

 

 そんなパラガスを止めようとするニオに対し、パラガス幾つも警告してから空を飛びブロリーの下へと駆け付ける!! 

 この間にもブロリーは暴れ回り、辺り一帯の地形が劇的に変わってしまっていた!! 

 

「止めろ、ブロリー!! 

 落ち着けぇぇ!!」

 

「ウオオオオオオオオオオオオ!!」

 

【ドガァッ!!】

 

「ぐおわぁぁぁぁぁ!!」

 

 ブロリーを止めようとしたパラガスはその静止が届く筈も無くブロリーに吹き飛ばされ、更にはこの歴史では今まで回避されていたパラガスの左目が潰れる程の大怪我が此処で発生する! 

 更にブロリーは無秩序に暴れ回り気弾を周りに発射しまくる中、遂にパラガスの居る位置へ飛び始める!! 

 

「義父さん!!」

 

 そんな時、身重の身体を押してニオが駆け付けてこの絶望的な状況下でパラガスを支えてその場から離れ、ブロリーの気弾で死ぬと言う事態を回避する! 

 しかし左目を押さえながらブロリーの暴れ回る姿を見たパラガスはもう止められないと判断し、超サイヤ人を解いて膝を折ってしまった。

 

「ブロリーが今まで見せた事の無い暴走をしている………もうおしまいだ、何もかも………」

 

「義父さん諦めないで、私ブロリーを止める為に行ってくるわ!!」

 

「なっ、待てニオ!? 

 お前は子供を身籠って居るんだぞ、止めろニオ、戻って来い!! 

 行くなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 だがパラガスが諦めた様子を見せた瞬間、次はニオが超サイヤ人には妊娠中の為成れないとしても意地でも止めに行くと恐怖心が欠如している事の弊害が遂に起き、死地へと飛び込んで行ってしまう! 

 それを見たパラガスは身籠ってるニオがまともに闘える訳が無いのでそれを止めるべく再び超サイヤ人に変身しその後を追って行く!! 

 

「ブロリー駄目、これ以上は星が壊れちゃう!! 

 もう止めて、貴方がこんな事を望みながら破壊して回っていない事は分かってるからどうか自分の意志を保って!!」

 

「ウオオオオオオオオオオオオ!!」

 

「ニオォォォォォ、ブロリ──────!!」

 

 ニオはブロリーの前に立ち、自分の意志で暴れ回っていない事に気付き意志を取り戻す様にと叫んでいた! 

 が、ブロリーは未だ暴れ回り遂にニオを捉えて拳を振ろうと突撃始める!! 

 それを見たパラガスは2人の名を叫びながら2人の間に飛び込み、意地でもブロリーを止めようと攻撃を仕掛けようとした!! 

 

「もう………もう止めてよ、ブロリィィィィィィィィ!!」

 

 更にその様子を見たニオはパラガスとブロリーの間に立ち手を広げながらブロリーの名を叫ぶ! 

 その時パラガスはニオが間に入った為攻撃を中止してせめてニオと身籠った赤子を守るべく盾になろうとする!! 

 ブロリーはそんな2人を見てもまだ突撃して来ており、そして拳を振り上げ………パラガスにその拳が直撃する寸前に止まる!! 

 

「ぐ、ぐ、ぐ………!!」

 

 ブロリーが止まった、何故なんだ? 

 パラガスはニオの盾になりながらその不可思議な光景から視線が外せなかった。

 そんな時………パラガスの腕に液体が滴り落ちた。

 それは自身の血ではなく………今まで涙を流す事が無かったニオが此処に来て初めて、ブロリーの制御不能な姿を見て泣いていたのだ! 

 まさかこの涙がブロリーを止めているのか………パラガスはそんな低いが、そうとしか言えない可能性に気付き始めた。

 

「ぐ、が、あぐ………親父ぃ………ニ、オォォォ………!! 

 う、うぅぅぅぅぅぅぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 

 あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 そしてその瞳に負傷した自身の親父や、初めて涙を流したニオが映り込んだブロリーは2人を呼びながら苦しみ始め、頭を押さえながら気を放出し始める!! 

 その姿はまるで親を傷付け、妻を泣かせた自身の不甲斐無さに怒る様に、悲しむ様に、そして………自身の中にある何かを追い出そうとするかの様な姿を見せた!! 

 そうして雄叫びを上げながら気を放出し続けた結果………紫黒いオーラが消え去り、元の緑のオーラしか見えなくなっていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………お、親父、ニオ………お、俺は………!!」

 

「ブロリー、しょ、正気に戻ったのか!?」

 

「ブ、ブロリー………!!」

 

 更にブロリーはパラガスやニオを呼びながら周りを見て自身がやった望まぬ破壊の跡やパラガスの左目の負傷を見ながら膝を突き、左目を庇いながらのパラガスとニオはブロリーが正気に戻ってくれた事を理解し肩に手を掛けていた。

 何があったのか不明だが兎に角正気に戻って良かった………そんな風にニオは思いながら涙を拭いていた。

 

「うっそでしょ!! 

 自分の力で凶悪化を解除するなんてあり得ない!!」

 

 そんなブロリー達の前に信じられない光景を目にしたと言った風の様子を見せる魔族の女と、その前に立つ魔族の男が黙ってブロリー達を見ていた! 

 その方向を見た3人は理解する、アイツ等が己に、ブロリーに何かしたのだと!! 

 

「貴様等………よくもこの俺に何かしてくれたなぁ………!!」

 

「うわ拙っ! 

 ミラ、今ならまだ十分ブロリーは倒せる!! 

 やってしまいなさい!!」

 

「伝説の超サイヤ人、その力………見せて貰う」

 

 ブロリーは自身に何かした2人を許す訳には行かない、親父が無駄に傷付きニオが泣いてしまった事への借りを返さねばならない、そんな怒りの感情を向けながら立ち上がり戦闘力を全開にして突撃する!!

 ミラもトワの指示を受け伝説の超サイヤ人の力を楽しむべく戦闘態勢に入り、そして此方も突撃し2人はパンチを繰り出す!! 

 その瞬間とんでもない風圧がパラガス達を襲い、ニオはパラガスに庇われながらその場から離れ、ブロリーの邪魔にならない様にする! 

 

「ウオオオオオオ!!」

 

「はぁ!!」

 

【バンバンバンバンバンバンバン、ドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガドガ!!】

 

 ブロリーの本気の攻撃をミラは全て相殺しながら気弾戦や格闘戦で互角に立ち回る!! 

 その光景を見たパラガスは伝説の超サイヤ人のブロリーと互角に闘える戦士がこの世に居るとは………そんな有り得ない光景に驚いていた! 

 だがニオや闘ってるブロリー自身は更に理解する、コイツ………伝説の超サイヤ人と闘ってるのにまだ本気を出していないと!! 

 

「貴様………本気で掛かって来い!!」

 

「お前がもっと強くなるならばな」

 

「舐めるなよ………はぁぁぁぁ!!」

 

【ドガドガドガ、ボンボンボンボンボン!!】

 

 ブロリーとミラの戦闘が更に苛烈さを増し、衝撃で空気が震える!! 

 更にブロリーは伝説の超サイヤ人であると同時に類稀なる潜在能力を秘めた真の伝説である為、戦闘をする度にその力が増して行くのだ!! 

 原典の物語で気が高まる、溢れると言う言葉は制御装置で抑圧されてた分が解放されて行くと同時に潜在能力が引き出されて行き戦闘力が増して行ってる事を表すのだ! 

 故に………。

 

「ハッハッハッハッハ!!」

 

【ドガァッ!!】

 

「っ!!」

 

 ブロリーの今の力に合わせて戦闘力を抑えているミラの動きに即座に対応する所か成長してそれを上回り始めるのだ!! 

 まだ実数値は1400億の戦闘力でもこのままでは何時の間にか1500億になっても可笑しく無い状態になっていた!! 

 ミラはこれが伝説の超サイヤ人ブロリー、成長の機会を与える度に力を増す真の伝説だと理解する!! 

 

「(拙いわね…このままだとアイツ超サイヤ人2所か更に成長して3に成って、下手したらミラを上回りかねない! 

 なら此処は…)ミラ、もう良いわ、退くわよ!!」

 

「………分かった。

 太陽拳!!」

 

【ピカァァァァ!!】

 

「ヌゥゥゥゥ!! 

 小癪なぁ!!」

 

 その時トワは矢張りブロリーはヤバイ、このまま成長を続けたら魔人ブウをも上回りミラすら超えかねないと判断して撤退命令をミラに下す。

 ミラは相変わらず不服そうだが、トワの考えも分からなくない為ブロリーとの戦闘を中断して時間移動で去る隙を作る為太陽拳を使用しブロリーに目眩ましをする! 

 この時ブロリーは直前の記憶にあるミラ及びトワの位置や恐らく避ける先に置きエイムで気弾を幾つも発射し逃さない様にする! 

 

「しま、きゃあっ!!」

 

【ドォン!!】

 

 その置きエイムは見事トワの目の前で爆発し、トワに少なくないダメージを与える!! 

 ブロリーの戦闘力はこの時点でトワを超えている為、ブロリーの気弾の爆風を受けただけでも痛手を負ってしまうのだ! 

 更に気弾がトワに襲い掛かろうとしたが、此処でミラは初めてこの歴史の者達に自らのフルパワーを見せてトワを守る為に気弾を蹴り上げた!! 

 その気弾はこの星の月に吸い込まれ、直後に大爆発が起きて月が消滅する!! 

 

「大丈夫かトワ?」

 

「え、ええ………やっぱりブロリーを凶悪化させるのは土台無理があったわね…。

 少し私達の行動を修正する必要があるわ、この歴史が無事エイジ774に到達する様にしないと………」

 

【シュン!!】

 

 ミラがトワの身を案じながら次の気弾から守ろうとしていると、トワはこの行動は無謀だったと認めつつ自分達の行動指針を修正する必要があると口にして時間移動で消え去る。

 その際ブロリーの少し良い耳にしか届かない言葉を呟きながら。

 

「ぐぅぅぅぅぅ、奴等め何処へ消えた!!」

 

 一方太陽拳の目眩ましから回復したブロリーは周りを探し始めるが全く気が探知出来なかった為、少なくともこの星所か星系から逃げ去った事を察知してかなり不機嫌ながらも次は殺すと殺意を滾らせながらニオやパラガスの下へと超サイヤ人を解きながら戻る。

 

「ブロリー、良かった………正気に戻ってくれて………」

 

「うむ………どうやら奴等がブロリーに何かしたのだろうな………痛っ!!」

 

「親父、左目が潰れてるんだ、休め。

 それとニオ………………………………済まなかった」

 

 ニオやパラガスはブロリーが無事正気に戻ってくれた事を喜ぶが、場が落ち着いた為かパラガスは漸く左目の痛みに苦しみ始めた。

 それ等を見たブロリーは珍しくその身を案じ、更にニオには…かなり溜め込んでからだが謝罪の言葉を投げ掛けていた。

 どうやら穏やかさを手にした事で少しはニオを泣かせた事に罪悪感が芽生えたらしく、このまま行けば性格はもう少し丸くなる事だろう。

 ブロリー自身は意地でも認めないだろうが。

 

「………うん、大丈夫だよブロリー!」

 

 更にニオは何時もの笑顔を見せてブロリーやパラガスの心に不思議な安心感を芽生えさせる。

 こうして、ミラ達により起きたブロリーの暴走事件は幕を閉じたのであった。

 この影響でブロリー親子とニオの関係はより良い方向へ向かい始めたのは皮肉でしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

「………以上が奴等と我々の間にある因縁だ。

 つまりはブロリーにとってはこの事件は恥部であり、俺にとってもこの左目の借りを奴等は作ったのだ。

 ならその借りをありったけ返さないと気が済まないのがサイヤ人の性だろう?」

 

「…ええそうねパラガス、貴方達の事情は良く分かったわ。

 なら地球に害を加えないなら移住しても問題無いし、ミラ達を狙うなら共同戦線を張るのも悪くないわ。

 ですよね、クウラ様?」

 

「そうだな。

 それに伝説の超サイヤ人ブロリー………その力はこの俺をより高みへ導くだろう………今はまだ及ばぬが、いずれ手合わせ出来る日が楽しみだ………」

 

 パラガスの回想が終わり、ブロリー達3人がミラとトワに因縁を持った経緯を理解したニィープは3人が地球侵略をしないなら移住を認め、更に歴史の侵略者を相手取るなら共同戦線を張る事も悪くないと発言する。

 当然クウラも同意し、伝説の超サイヤ人に未だ及ばないと認めつついずれはその域に達し、真の意味で手合わせ出来る日が待ち遠しいと1つの目標をまた立てて未来を見据えるのだった。

 

「(それにしてもトワのこの歴史がエイジ774に無事到達出来る様にって発言、何か引っ掛かるわね…。

 ドクター・ゲロの懸念事項も気になるし………何か変な事が起きそうな予感しかしないわ………)」

 

 しかしニィープはブロリーが聞いたと言うトワの発言やドクター・ゲロが少し改心する切っ掛けになった懸念事項が気掛かりとなり、何処か不吉な予感がしてならないと思い空を見上げていた。

 この世界にトワとミラ以外に何かが待ち受けている………その予感が正しいのか、或いは気にし過ぎただけなのかと分かる日はまだ少しだけ遠かった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
ブロリーとパラガスに必要だった物は会話出来る相手と安眠、そしてそれ等が揃う環境だったのだ(某ゲームでサタンのお陰でブロリーが丸くなった様に)。
そしてトワ、渾身の失敗と面倒臭い奴を敵に回したの巻。
ミラは確かに今のブロリーには余裕で勝てると言えば勝てますが…時間と共に成長したブロリーは未知数の為トワが撤退を選びました。
そもそもブロリーを凶悪化させようって手段を取ったのも少し理由があるのですがそれはいずれ判明致します。
其処までの道筋も見えてますので何卒お待ち下さいませ。

次回もよろしくお願い致します!
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