DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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連投最後の1話です。
此処からサイヤ人襲来編の異聞が始まります。
異聞であるが故に原典では起こらなかった事も起きる為少しお楽しみ下さいませ。
では、本編へどうぞ。


第3話 異聞開幕、ラディッツ襲来の時!

 エイジ761、遂にニィープがカカロットを迎えに行くと決めた年が訪れる。

 ラディッツはナッパとベジータに適当な理由を話してカカロットが向かった地球へと1人用の宇宙ポッドで向かい始めようとていた。

 それと少し前の日、クウラ軍の母船の司令室にニィープが訪れる。

 

「クウラ様、少し進言があります」

 

「ほう、貴様から進言とは珍しいな。

 それで、この俺に何を進言したいのだニィープ?」

 

「はい、実はラディッツより弟のカカロットを迎えに地球と言う星へ向かうとの話があり、私もその星にフリーザ軍にバレない様に同行したいのです」

 

 ニィープは運命の日に間に合う様に余裕を持ってクウラに進言し地球と言うクウラ達も聞いた事が無い星にラディッツの弟を迎えに行きたいとの事だった。

 クウラはラディッツの弟、地球と言う単語を聞き惑星ベジータが消滅したあの日、1つの宇宙ポッドが飛び去って行った記憶を思い出し、あの時確かに地球と言う星の名も聞いていた。

 ならばラディッツの弟がその星に居るのは間違い無いだろうと考えた。

 が、ラディッツは兎も角ニィープが向かう理由が皆無の為クウラは視線を向けながら問い始める。

 

「ラディッツなら兎も角として、貴様がその地球とやらに向かう理由は皆無の筈だが何故だ?」

 

「はい、カカロットはラディッツの弟であると同時に私の父パンブーキンが所属したチームのリーダーであるバーダックの息子です。

 バーダックは生き残ったチームメイトと共にフリーザに反逆した下級戦士でありながら中級戦士すら超える実力を持った者、その息子ならば生まれた時の戦闘力がたった2でも父から受け継いだ潜在能力を開花させれば、フリーザを超える戦士に育つ可能性すらあります」

 

「ほう?」

 

 クウラはニィープが向かう理由としてカカロットがバーダックと言う下級戦士の息子であるならばフリーザを超える戦士に育つ可能性があると豪語した事に物珍しさを覚え、何時もはベジータでも今のままなら無理、ナッパは知らん、クラッシャー軍団のターレスは神精樹の実なるドーピングに手を出したから分からんと言う程分析してはダメ出しか興味無い、まともに批評したのはラディッツ位だったのでその弟もあの愚弟を超える可能性があるとまで口にする。

 クウラはバーダックの名は確かに聞いた事があり、更にニィープが評したそのカカロットと言うサイヤ人に興味を持ち始めていた。

 

「他にも地球は如何やら北の銀河で随一の環境が整った星であり、私も一度近くの星系に立ち寄った際に少し視察しまして。

 本当に環境が整った上に食料も美味でした。

 ほら、2年前に私がクウラ様達にお土産として贈らせて頂いたあのりんご、あれが地球産なんですよ」

 

「何、あのりんごが? 

 それに北の銀河で随一の環境が整った星………可笑しい、サイヤ人が飛ばし子として送られたならその星は荒れ地になって然るべきだ。

 にも関わらず環境が整っていると? 

 ………クウラ様、何か妙では?」

 

 更にニィープは地球を北の銀河で最も環境が整った星と太鼓判を押し、更にお忍びの視察土産としてりんごを持ち帰っていた。

 それにより地球産りんごの味をどうもクウラですら忘れられない程であり、寄り道して帰って来た事を取り敢えず不問にした程だった。

 が、此処でサウザーはサイヤ人の赤子が飛ばし子として送られたなら滅びてなければ可笑しいのに2年前も健在だった事に疑問を持ち、クウラに妙ではと話し始める。

 クウラもりんごは兎も角として、サウザーの言も一理ある為不可解だと感じ始めていた。

 

「ふむ………確かに地球がそのカカロットの手で滅びてなければ可笑しい。

 もしや現地民に返り討ちにあったか?」

 

「いえ、その星の一般人の戦闘力はたった5で高くても200とか300のラインです。

 しかも地球人は脆く、同じ戦闘力5でもサイヤ人なら受けても平気な火薬を使った鉄砲弾を食らったら死ぬ位ですよ? 

 しかも地球には月があるのでサイヤ人のカカロットなら負ける要素が皆無なんですけど………確かに余りに整い過ぎてるなぁ〜と視察中に感じたのです。

 だからその疑問も解消しつつカカロットの勧誘をしたいのが主目的です」

 

 クウラはカカロットが現地民に返り討ちに遭い死んだかと口にしたが、ニィープはそれこそ視察で見た限りあり得ないと話していたが逆にそれなら何故環境が整い過ぎてるのか? 

 その原因の調査とラディッツのカカロット勧誘の手助けが主目的だと話すと、ネイズとドーレも手を挙げてどうなってるやらと言った空気感が司令室を支配する。

 

「………よかろう、ならばラディッツの地球遠征に同行し、カカロットの勧誘と地球の再度の視察を行え。

 もしも地球にカカロットを超える又は比肩し得る戦士が居るならいずれ来るフリーザとの戦いの為に引き抜け、出来なければ貴様が好きにしろ」

 

「了解しましたクウラ様。

 では早速宇宙ポッドで向かわせて頂きます」

 

 クウラはニィープの進言を承認し、地球の視察とカカロット、及びカカロット並の戦士のクウラ軍勧誘を命じる。

 更にそれに従わないなら現場判断に任せると敵ならば即抹殺が鉄則のクウラ軍の兵士への命令としてはかなり緩い命令であった。

 ニィープはその命を正しく理解しながら宇宙ポッドに向かい始めていた。

 

「クウラ様、何か命令として甘くなかったですか?」

 

「こっちの要求に従わなかったらアイツの好きにしろなんて手心を加えたらどうするのですか?」

 

「ふっ、そう言えばネイズとドーレはニィープと共に出撃した事はまだ無かったな」

 

 一方司令室に残ったドーレ、ネイズはクウラにニィープに命じた事が普段は嫌う甘い考えでは無いかと失礼を承知で進言して何故かと返事を求める。

 無論こんな事を一般兵が聞けば即処刑だが親衛隊のクウラ機甲戦隊であるが故にまだ許されるのである。

 するとサウザーがニィープと任務を共にした事が無い2人の疑問を笑っていた。

 

「何だよサウザー、何がおかしいんだ?」

 

「ニィープが手心を加える? 

 それは無い。

 何故なら奴はフリーザ様…いや、フリーザやその部下達への純度が高い殺意に満ち溢れたサイヤ人だ。

 奴の勧誘を断ればそれはそれは死んだ方がマシな拷問を受けてその間に死ぬか折れるかの何方かしか無いのだ。

 近頃奴の勧誘を受けた兵士がクウラ様以外で絶対に命令に歯向かわないのはそれが理由だ」

 

 サウザーはフリーザやフリーザ軍への純度が高い殺意に満たされたニィープが勧誘や要求を断った際に起きた拷問を見て正しくクウラ様の部下であり、一見甘そうに見えて苛烈な性質を持つ者としての面を直に見たのだ。

 故にこれから向かう地球の現地民やカカロットが勧誘を断ればどんな目に遭うか想像すると苦笑いを浮かべる程だった。

 

「そう、奴は我が弟への純度高き殺意に満ちたサイヤ人。

 例え子供が相手だろうが要求を1度断れば残酷に拷問し支配下に置こうとする。

 その過程で死のうが廃人になろうが奴は首を縦に振るまで拷問を止めはしない。

 自らを穏やかとは程遠いと良く分析してるとこのクウラが感心すら覚えた程だ。

 仮に手心を加えるとしてもそれはラディッツが主に動く時だけだ、奴の方から動けば二者択一しかない」

 

 そしてクウラもまたニィープが行う拷問の数々を見て超サイヤ人になる条件を満たしていないと自称する程であると考えながら、ラディッツから聞いた昔のニィープとの差異を以前考察した事を思い出していた。

 ラディッツの知る昔のニィープは戦闘力はあれどその気質は自分の母であるギネに何方かと言えば近かったらしい。

 しかしそれが普段の見た目は変わらずとも敵に対する情け容赦の無い苛烈な、それこそサイヤ人らしいと言えばそうらしい気質に変わった原因。

 それは言うまでもなくフリーザ達への殺意が原因であると確信していた。

 そう、ニィープは惑星ベジータが消滅したあの日から穏やかな心を失い血と殺戮を好むサイヤ人になってしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 宇宙ポッドが星の海を駆け抜ける中、ニィープは夢を見ていた。

 怨敵フリーザの高笑いする姿、父パンブーキンやバーダック達が死ぬ瞬間、ザーボンやドドリア達の薄ら笑い………それらを見る度に自身の中の殺意が更に増して行く事を感じ取りながら拳を握る。

 しかして次に見るのは徐々に強くなり遂に戦闘力2万を超せた時のラディッツの笑顔、更に生まれたばかりのカカロットの寝顔………そして前世で脳に焼き付くまで刻まれた孫悟空の顔、超サイヤ人への覚醒、そしてその仲間達の顔。

 それらを見るとほんの少しだけだが心が休まり、未来への希望があると思えた。

 ニィープは確かに血と殺戮を好むサイヤ人へとなった。

 しかし、それでも彼女の心の奥にはほんの僅かな穏やかな部分が残りこの希望の夢を見るのだ。

 此処からニィープはどんな道を歩むのか、本人も知り得なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから更に日数が経過して地球の日時で10月12日、遂にラディッツの乗ったポッド、そしてその直ぐ後にニィープの乗ったポッドが地球に落ちた。

 その様子を猟銃を持った戦闘力5の地球人が見に来ていた。

 

「な、なんだ、隕石でも落ちてきたのか?」

 

【ピッ、キュイィィィィッ】

 

「どうやらお前もほぼ同時に来れたみたいだなニィープ」

 

「ええ、其処はしっかりと計算した上でポッドに乗ったからね」

 

 その地球人の目の前でポッドの扉が開き、中からラディッツとニィープが出て来て他愛のない会話を交わしながら地球の大地に立った。

 それからラディッツは辺りを見渡して原住民の生存と余りに整い過ぎた自然環境、長閑過ぎる雰囲気に少しだけ呆れ混じりで口を開く。

 

「呑気なこの星の原住民に整い過ぎてる環境。

 ふん、カカロットめ。

 サイヤ人の血と本能を忘れたのか?」

 

「でもあのギネさんの息子だからそっちの性分が伝染ったのかもよ? 

 まぁ、それでも少しは暴れた様子を残しときなさいよとは思うわ」

 

 ラディッツに合わせてニィープがギネの性分が伝染った結果こうなってると推察を話しつつサイヤ人としての爪痕を少しは残して置いた方が良いと発言する。

 但しニィープ本人は前世の記憶から理由が赤子の時に頭を強く打ち記憶が無くなりサイヤ人の性分も鳴りを潜めた為だと分かっているが、口にすれば何故それを知っているとなる為それだけは閉口していた。

 

「ひっ、な、中から人が………な、なにもんだおめぇら!!」

 

「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…」

 

 ニィープはラディッツと農夫のおっさんとのやり取りを見て前世で何度も見た光景をまさか自分がサイヤ人側で体験するとは思わず世の中摩訶不思議な巡り合わせがある物だと妙な感覚に襲われていた。

 

「よ、寄るんじゃねぇ!! 

 撃つぞー!!」

 

「ほう、やってみろ」

 

 その農夫のおっさんはラディッツ達に恐怖心を見せながらも猟銃を向けて撃つと警告すると、ラディッツが面白がって1歩前へと前進し始め、ニィープもやれやれと思いながらラディッツを止める事はしなかった。

 

「わ──っ!!」

 

【ドォォォォォン!!】

 

 止まれと言われて止まらないラディッツを見たおっさんは当然の如く猟銃の引き金を引き、弾丸が放たれた。

 が、ラディッツは難なくその弾丸を指で摘みながらキャッチして見せる。

 最も例え直撃しようが銃の弾如きでは戦闘力を高め、基礎スペックや耐久力も高い自分達サイヤ人の肉体と傷付ける事など叶わないとニィープは知っている為ラディッツは防御の必要が無いのに態々そうやって見せてる=遊んでるのだ。

 

「な、なぁ!?」

 

「ねぇねぇおじさん、今から回れ右して逃げてくれたら見逃してやっても良いよ? 

 でないと………」

 

【ポゥッ、ドォォォォォン!!】

 

「死ぬよ?」

 

 するとニィープは農夫のおっさんに今直ぐ逃げ帰る事を勧め、さもなくばエネルギー弾で近場の地面を吹き飛ばしたのと同じ様にして殺すと最初で最後の警告を笑顔で言い放つ。

 当然おっさんはこれには泡を吹いて倒れてしまい、ニィープは心臓の音を確かめてみると鼓動はするので気絶しただけかと判断して逃げる事も出来ないビビリでひ弱な者なら殺すだけエネルギーの無駄と判断した。

 

「おうおうクウラ軍のNo.2様がお優しい事で」

 

「だって戦闘力たったの5よ? 

 どれだけ手加減してもデコピン一発で死にかねない位弱いのよ? 

 相手にするだけ無駄だからさっさと二者択一で死にたいならどうぞとするだけでしょ? 

 まっ、この通りビビり過ぎて気絶したから本当に相手にするだけ無駄だったけどね。

 さて、早くカカロットを探して目的を果たしましょうよ」

 

 ラディッツが茶化して来るがニィープは戦闘力5の雑魚を相手にするだけエネルギーの無駄使いの為さっさと警告して逃げるか無駄死にするかの何方かしか無いからああやって二者択一を選ばせたのだ。

 今回に限っては気絶したのだが。

 それはそれとしてラディッツにもスカウターを使わせてカカロットの発見を早く済ませようとする。

 因みにニィープの声、反応は拾えない様に2人のスカウターを予め弄り、その上でクウラ軍側もニィープの物だけ消す様にフリーザ軍へ気付かれないジャミングを張っており2重でスカウター越しにラディッツの側にニィープが居る事がバレない様にしていた。

 

「むっ、大きなパワーを持った奴が居る。

 距離4880…。

 これがカカロットか!」

 

 するとラディッツのスカウターが高い戦闘力の反応をキャッチし、そちらへと2人は飛び出す。

 そうして着いた場所は岩場が並ぶ荒野であり、そして其処に居たのはニィープの前世の記憶通りのナメック星人の若者…この星の神と分離した大魔王の息子である『ピッコロ』であった。

 

「ちっ、カカロットじゃない…」

 

「何者だ、貴様ら」

 

「お前になど用は無い」

 

 このやり取りも大体は記憶通りであり、この後はピッコロがラディッツ、そして恐らく自分を攻撃してくるとニィープは判断しながらラディッツの様子を見ると、目の前の相手がナメック星人と気付いてる様子があり何故地球にナメック星人が居るのかと困惑が少し混じった様子であった。

 

「では何しに此処へ来た…。

 死にたいのか?」

 

「ふふふ、えらく威勢が良いな。

 …ほう、戦闘力322。

 こんな奴も居たのか。

 だが所詮俺達の敵ではない」

 

「貴様ら………俺を舐めるなよ…! 

 ずりゃあぁぁ!!」

 

【ドォォォォォォォン!!】

 

 ピッコロは目の前に現れた謎の2人組に威圧を掛け死にたいのかとすら口にしていたいた。

 ラディッツはその反応を面白がってスカウターで数値を測れば戦闘力322、所詮自分達の敵ではないと判断した。

 その態度がピッコロの癪に障ったのか、不意打ち気味に気功波を放たれ爆風にラディッツ、ニィープは飲まれた。

 が、ノーガードで受けた上にノーダメージ。

 精々埃が舞った程度の攻撃だった。

 

「その程度か?」

 

「なっ………!?」

 

「今度は俺の番かな? 

 では技の見本を見せてやろう…」

 

 ラディッツはピッコロに技の見本を見せてやろうと手にエネルギーを溜め始めた…その直後。

 2人のスカウターがもう1つ大きなパワーをキャッチし方角を示していた。

 

「ラディッツ、多分こっちがカカロットよ。

 そいつの相手は其処までにしてさっさと迎えに行くわよ?」

 

「それもそうだな…命拾いをしたな」

 

 ニィープはラディッツにお遊びに付き合うのは其処までにしてカカロットの迎えに行く事を優先させる様に促すと、ラディッツはもうピッコロに興味を無くしてニィープの後を付いて行く。

 因みにニィープは此処でピッコロが死ねば地球にあるドラゴンボールが使えなくなる事をしっかり覚えていた為内心(危なっ!)と思いながらパワーを感知した方へと向かう。

 そうしてその場所は前世の記憶にあったカメハウスであり、其処にはカカロット………孫悟空と息子の『孫悟飯』、更に『亀仙人』や『ブルマ』、『クリリン』達が居た。

 

「ふふふ………成長したな。

 だが一目で分かったぞカカロットよ、俺達の父親にそっくりだ」

 

「へ!?」

 

「それでカカロット〜、この星何でこんなに綺麗過ぎるの? 

 貴方此処に飛ばし子として来たんでしょ? 

 最低でも国の王様位は首を取りなさいよ?」

 

 ラディッツは目の前のカカロットが父バーダックに瓜二つの姿に感慨に吹け、対するニィープは飛ばし子として来たなら王の首は最低でも取れと口にしながら呆れた様子を見せていた。

 何度も言うがニィープは前世の記憶から理由諸々を知ってるのでこれはサイヤ人の側に立った時のリップサービスの様な物である。

 

「ねえ、アンタ等が何処の誰か知らないけど帰って、帰って! 

 しっ、しっ! 

 んもう、昼間から酔っ払っちゃ駄目だったら」

 

「クリリン、近寄るな!!」

 

 するとツルツルハゲのクリリンがラディッツ達を酔っ払い扱いして帰らそうとすると、ラディッツが悟空に自分が何者かを思い出させるべく腰に巻いた尻尾でクリリンを軽く叩いてカメハウスの壁に飛ばした。

 それに合わせてニィープも腰に巻いた尻尾を見せていた。

 

「クリ…貴様等っ!! 

 ………!? 

 し、尻尾…!? 

 こ、コイツらにも尻尾がある…!?」

 

「ふふふ、やっとこの俺の正体が分かった様だな」

 

「正体!? 

 どう言う事だ…!!」

 

 悟空は嘗ての自分と同じ様な尻尾がラディッツ達に生えて居る事に驚きを隠せず、対するラディッツはやっと我が弟が肉親を、同族を思い出してくれたかと期待するも悟空はてんで分かっていない様子だった。

 ニィープは前世の記憶通り頭を強く打ち何かも忘れてると確信して尻尾を再び腰に巻く。

 

「カカロット、貴様そんな事まで忘れてしまったのか!」

 

「ん…んん~………ちょっと質問させてよカカロット。

 貴方、昔頭を強く打ったりしなかった?」

 

「オラそのカカ何とかって名前じゃねぇぞ、孫悟空だ!!」

 

「質問に答えろ!! 

 幼い頃に頭を強く打ったりしたのか!!」

 

 ラディッツが苛立ち始め、対するニィープはこのタイミングなら違和感無いとして頭を強く打ったのかと質問を投げ掛ける。

 すると悟空は「ある」と答えてしまいニィープは取り敢えず悩む様な仕草を見せ、ラディッツはまさか兄所か親の顔すら忘れてしまった事に落胆していた。

 

「悟空よ…その昔死んだ孫悟飯が言っておった…。

 尾の生えた赤ん坊を拾ったが、性格が荒くどうにも懐こうとせずほとほと困り果てていたそうじゃ…。

 だが、ある日誤って谷から落ち、頭を強打して死にかけたが、信じられん生命力でその赤ん坊は助かったらしい。

 おまけにその後性格の荒さは消え、大人しい良い子になったと言う…」

 

「そ、それがオラか…!?」

 

「うむ…」

 

 すると亀仙人が重い口を開きながら養祖父の悟飯が悟空を拾った当初の性格と何が起きたかをポツポツと話し始め、ラディッツはこれを聞いて舌打ちしてだから全部忘れたのかとキレ気味であった。

 ニィープの方は取り敢えずやれやれと口にしながら手を挙げていた。

 

「そ、それってどう言う事? 

 あ、あいつ等、孫君と何か関係があ、ある訳?」

 

「ふん、何もかも忘れてしまうとは厄介な野郎だ。

 良いだろう思い出させてやる、これからお前にはやって貰わねばならん事があるんでな…」

 

 ブルマの問い掛けに対してラディッツは全てを忘れ去った弟に全てを思い出させるべく知ってる事を話すと宣言する。

 その間にクリリンが復帰するも、今までに無い底の知れない奴と感じ動けずにいた。

 

「教えてやる、先ず貴様はこの星の人間では無い! 

 生まれは惑星ベジータ、誇り高き全宇宙一の戦闘民族サイヤ人だ!!」

 

「なな、何じゃとお…!?」

 

「そしてこの俺は貴様の兄、ラディッツだ!!」

 

 そしてラディッツの悟空はサイヤ人と言う異星人であり、自身は兄であると言う衝撃的なカミングアウトを行うと悟空達は驚きを隠せずにいた。

 

「で、私はラディッツの幼馴染で、2人のお父さんのチームメイトの娘で名前はニィープって言うわ」

 

「出鱈目だっ、出鱈目を言うなっ!!」

 

「そ、そうだ! 

 悟空が宇宙人なら、何で地球に居るんだよ!!」

 

 次にニィープが少し離れた関係の人物だが同じサイヤ人であると口にした瞬間悟空はそれを受け入れられずに叫ぶ。

 更に悟空が何故地球に居るかも問い質して来ると2人は何処から話すとアイコンタクトをし、ニィープは途中でスカウターを外して真実を聞かせようとジェスチャーをすると、ラディッツも頷きながら口を開く。

 

「答えは簡単だ、カカロットはこの星に住む邪魔な人間共を絶滅させる為に送り込まれたのだ! 

 我々サイヤ人は戦闘民族、環境の良い星を探しては其処に住む者を絶滅させてから適当な星を求めている異星人に高く売るのが仕事だ。

 戦闘力が高い星には大人の戦士が直接乗り込むが、この星の様にレベルの低い星にはお前の様な赤ん坊を送り込む!」

 

「幸い此処には月があるしね。

 サイヤ人は満月の夜にこそその真価を発揮して惑星の人間を全て消し去る事が出来るわ」

 

「も、もしそれが本当の事なら酷え奴等だ………無茶苦茶だよ…ピッコロが可愛く見えらあ…!」

 

 2人は初めはフリーザへ報告された偽の情報から開示しつつサイヤ人の惑星侵略のやり方と星の地上げと売買が生業であると説明し、更にサイヤ人は満月の夜に真価が発揮すると口にすると、亀仙人達は悟空が大猿になった事を思い出しアレがそうだったのかと理解しながらクリリンがサイヤ人の行いに絶句する。

 

「…何で満月の夜に真価が出るんだ? 

 さっぱり分かんねえぞ!」

 

「何? 

 ………あっ!! 

 き、貴様、尻尾は…尻尾はどうしたっ!?」

 

「ずっと前に切れて無くなった!」

 

「え、えぇ〜………」

 

 しかし悟空は何の事かさっぱり分からず、途中でラディッツも気付き尻尾が無くなったと知り、ニィープも前世の記憶で知ってはいたが一応サイヤ人として呆れた様子を見せる事にした。

 

「もういい、オラが他所の星から来た何とかって奴だろうが、おめぇ等が兄ちゃんや同族だろうが関係ねぇ!! 

 クリリンの言う通りだ、そんな奴等は最低だ!! 

 オラは地球で育った孫悟空だ、とっとと帰れ!!」

 

「そうよそうよっ!」

 

「そう言う事じゃ…過去がどうあれ、今の孫悟空は誰よりも立派な地球人じゃ」

 

「悟空はな、この世界を救った位なんだぞ!! 

 帰れ帰れ!!」

 

 其処から悟空の拒絶に続きブルマ達もラディッツとニィープを拒絶し、この星から帰る様に叫ぶ。

 それを聞いてニィープはそろそろと合図を送り、ラディッツもそれを理解する。

 

「所がそう言う訳には行かんのでな。

 サイヤ人は元々少数民族だった上に惑星ベジータが巨大隕石の衝突で爆発してしまったのだ…。

 殆どのサイヤ人は宇宙の塵と消えた…俺達の父親と母親もニィープの父親もな。

 ………………」

 

【カチャカチャ、ポイッ】

 

『???』

 

 するとラディッツとニィープはスカウターを念の為に外して少し距離があり海の波の音しか聞こえない位置に投げ捨てるとそれまでの雰囲気からガラリと変わりその瞳の奥に憎悪の念が見える険しい表情を見せる。

 

「此処までは俺達の軍で一般的に報告された事だ。

 だがこれから話す事は紛れもない真実であり、これまでの嘘を交えた話では無い。

 先ずカカロット…貴様が此処を攻め落とす為と言ったが、アレは貴様をこの星に無事送り届ける為の方便だ」

 

「えっ!?」

 

「貴様は逃されたのだ、実の親達の手で。

 でなければこんな辺境で環境が整ってる以外は何の侵略価値も無い星に、サイヤ人とその上に立っている者共が赤子とは言え戦力を送り込む訳が無い! 

 もう一度言うぞカカロット、俺達の親父とお袋の手でお前の命を守るにこの星に送られたのだ!! 

 そう、我が父バーダックと母ギネの手でな!!」

 

 其処からラディッツは24年前の惑星ベジータ消滅の日、あの時ニィープの手により聞いた母ギネより聞いたカカロットが地球へと送り込まれた真実を口にする。

 そう、バーダックとギネがカカロットの命を救う為に飛ばし子として送り込んだ事を。

 それを聞いた悟空の脳裏に、何処か懐かしくも誰か分からない2人の顔が浮かび何か言葉を掛けられている記憶が呼び起こされた。

 

「い、命を救う為…? 

 さっきと言ってる事が全く違うじゃない、どう言う事よ!」

 

「先ず今から24年前。

 カカロットが生まれてその後に私達の母星惑星ベジータはね、ある1人の巨悪によって滅ぼされたのよ。

 その時に私の父さんやラディッツ達の父さんのバーダック達はそれを食い止める為に必死に戦って…でも敵わず死んだのよ。

 そう、サイヤ人はアイツ…フリーザって言う自称宇宙の帝王様の手でほぼ皆殺しにされたのよ…!!」

 

 ブルマがさっきとは180°違う話に訳が分からないと言った様子を見せると、ニィープは惑星ベジータやサイヤ人が滅んた真実…フリーザの手により滅ぼされた事をバーダックの息子のカカロットに伝えながら女性の顔には似つかわしくない純度の高き殺意を剥き出しにして見せた。

 この殺意にブルマや亀仙人達は震えたが、悟空はそのフリーザと言う名を聞いた瞬間知らない筈なのに身体中が震え上がる感覚に襲われる。

 

「俺とニィープがこの星にカカロットを迎えに来た真の目的は我々サイヤ人の手で、俺が所属する軍のトップであり親父達の仇であるフリーザへの復讐の為だ!! 

 だからこそ俺は仲間に適当な理由を付けて此処にやって来てお前を迎えに来た………のに肝心のお前は記憶喪失だ、全く何たる事だ。

 その様子では本当に俺達の両親を、お前を愛していたと遺言を残した母と最後まで抗った偉大な父も忘れたのだろうな!!」

 

 そしてラディッツは自身達の真の目的、フリーザへの復讐を告げながら今フリーザが居るであろう空の彼方を睨み付けていた。

 しかし、折角迎えに来た弟は記憶喪失となりカカロットを迎えに行く様にと、愛していたと遺言を残したギネやフリーザに抗ったバーダックの顔すら忘れた事に怒りを見せながら叫んでいた。

 そのラディッツの言葉と、ギネとバーダックの名、そして愛していたと言う遺言。

 これらが悟空の中でピタリと嵌り、脳裏に浮かんだ2人の顔がハッキリとする。

 男は間違い無く自分に瓜二つで、女は優しい雰囲気を持つ者だった。

 そしてその2人から贈られた言葉も蘇る。

 

「良いか、月は長く見るんじゃねえぞ」

 

「この事はラディッツにも伝えておくよ」

 

「…あばよ、カカロット…!!」

 

 悟空に祖父である孫悟飯に育てられる以前の記憶は無い。

 しかし…目の前のサイヤ人達が言うカカロットの記憶がほんの僅かに呼び覚まされ、この脳裏に浮かぶ2人こそが自身の両親だと確信を持つ。

 この記憶が呼び覚まさた瞬間、悟空は嫌々ながらもこのラディッツが兄であると言う自覚を遂に得るのであった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
ニィープがおっさんを殺さなかった理由は単純に気絶したからで、もしも武器を構えたままだった場合は消し炭になってました。
そして悟空、両親の真実を知るの巻。
この世界はたった一人の最終決戦をベースに少しだけマイナスの要素が足されてます、影響が殆ど無い程度ですが。
更に悟空は確かにサイヤ人としての記憶は無くなってる筈ですが、実の兄に此処まで正確に真実を伝えられればカカロットの記憶がほんの僅かに蘇るのではと思いつつ書きました。
そしてフリーザ様も名前だけフライングログイン。
はてさてどうなる事やら………。

次回もよろしくお願い致します。
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