DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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皆様こんばんはです、第4話目を投稿致します。
まだ話のストックがありますが、余り減らすと後が怖いので今日以降はそこそこの間隔を置いて投稿致します。
さて、サブタイトルからネタバレ臭が凄いですがドラゴンボールはそもそも次回予告とかでもネタバレが激しかった作品ですので問題無いです。
例えば未来から来た青年とかベジータの息子とか。
では、本編ヘどうぞ。


第4話 流転する物語、正気を失ったラディッツ!!

 ラディッツの熱の籠もった言葉により、悟空はカカロットとして見た光景を思い出しアレこそがオラの父ちゃんと母ちゃんだと確信し、ラディッツの言葉には嘘は無いと判断する。

 

「お、おい悟空、大丈夫かよ?」

 

「あ、ああ。

 平気だクリリン」

 

「…………ふん、親父達の事を思い出せないならもう仕方ない。

 ならば次の話に移ろうではないか。

 先も言った通り俺達2人は怨敵フリーザを殺す為にお前を迎えに来たのだ。

 先程お前のパワーを測った所で戦闘力334程度だったが…………まぁこれについてはお前が我々に付いて来れば恐らく大丈夫だろう、曲がりなりにも親父の息子なのだからな。

 さあカカロットよ、この手を取り俺達の親の、一族の仇を討とうではないか」

 

 悟空の態度にラディッツはさっさと話を次に移し、フリーザを殺す為の勧誘をしに来たのだと本題を口にする。

 戦闘力に関しても自分達が鍛えれば内に眠るサイヤ人としての才能が目覚める筈と踏んでいる為今の数値は気にせず近い未来の復讐プランの実現を優先させ悟空に手を伸ばす。

 しかし、悟空は首を横に振る。

 

「悪いけど、オラは地球で亀仙人のじっちゃんに修行を付けて貰って武術は悪い事に使うんじゃねぇって教えられてるんだ。

 そっちの言い分は分かったけどよ、オラは復讐には手を貸す事は出来ねえよ」

 

「そうか……嫌か。

 ならば、少しやり方を変えてみるか。

 時にカカロットよ、其処に居るガキはお前の息子なのだろう? 

 隠そうとしても我々サイヤ人の血を引く証である尻尾があるから誤魔化せはせんぞ?」

 

 悟空は亀仙流を教わりその教えが骨身に染み付いてる為、クリリンをタンバリンに殺されたあの時と違い他人の復讐に手を貸す事は出来ないとして断る。

 しかしラディッツはならばと次にブルマに庇われている居る悟飯に目を付け、悪人らしい笑みを浮かべていた。

 ニィープもやれやれとジェスチャーしつつ悟空がラディッツに手を貸す確率は低かったからこの流れになるのは致し方無しと考えもいた。

 

「悟飯に何するつもりだ!!」

 

「父親のお前が少々聞き分けが悪いのでな。

 ならばお前の息子を利用させて貰う事にしたのだ」

 

「具体的には人質的な意味で、ね」

 

 悟空達はラディッツとニィープが悟飯に何かするつもりでいる為即座に構えを作り警戒心を露わにする。

 更にそのやり口も親が言う事を聞かないならば息子を人質と言う悪人らしい手段を取るとまでハッキリと公言した。

 

「それ以上近付くな、ぶっ飛ばすぞ!!」

 

「ふっ!!」

 

 悟空が近付くなら容赦しないと警告した瞬間、ラディッツは目にも止まらぬスピードで詰め寄ると悟空に重い膝蹴りを食らわせ吹き飛ばす。

 亀仙人とクリリンは悟空が防御も出来ないまま一瞬でやられた事に驚愕し、同時に悟空でどうしようもならないと自分達は足手まといにしかならないと実力差を思い知らされてしまう。

 

「お、お父さ──ん!!」

 

「だ、駄目よ悟飯君!!」

 

「よっと!」

 

 膝蹴りより倒れた悟空を見て悟飯は泣きながらブルマの下から飛び出してしまうと、ニィープが次に動き一瞬で悟飯を抱き抱えて暴れる悟飯をしっかりと捕まえてしまう。

 

「ご、悟飯を返せ……!!」

 

「お前が言う事を聞かないから人質として使わせて貰うのだ、返す訳が無かろう。

 カカロットよ、1日時間をやろう。

 それで考えを改めて俺達と共に来るなら息子は無事に家へ返してやる」

 

「これでも破格の条件よ? 

 フリーザを殺すって目的の勧誘じゃなかったらもっとサイヤ人らしい交渉……そうね、地球人を1日で100人位殺して死体を積み上げろ位はやる所なのにただ協力するって答えるだけでこの子の安全が確保されるのよ? 

 少なくても私が軽く脅すならそうするわ。

 ラディッツの兄弟愛に感謝しながらゆっくり考える事ね、それじゃあまた明日ね〜」

 

 悟空はラディッツの足を掴んで悟飯を返せと迫るが、それを払い除けてニィープの横に立ち1日時間の猶予を与えて首を縦に振るならば返すとして条件を突き付け、ニィープは原作でのやり取りを思い出しながらサイヤ人流に死体を積み上げて来いじゃなくて感謝しなさいと悟空達にとっては明後日の方向の言葉を告げられた後、2人のサイヤ人が適当に捨てたスカウターを回収した後飛んで行くのを黙って見ているしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁん、お父さぁぁぁぁん!!!!」

 

「全く、本当に戦闘民族サイヤ人の血を引く子なのか? 

 泣き虫にも程があるだろうに」

 

「でもカカロットも生まれた頃はこれよりも泣いていたからマシな方だと思うけどね~。

 さて、宇宙ポッドの中に入れて…………それにしてもこの帽子に付いてる玉、綺麗ね〜」

 

 それから宇宙ポッドの着陸地点へ帰って来たラディッツとニィープは悟飯をラディッツの方のポッドに入れて閉じ込めておいた。

 しかしニィープは悟飯の帽子に付いていた玉…………前世の記憶から分かる通りドラゴンボール、しかも四星球を綺麗と言いながら悟飯から帽子を敢えて取り上げて指で帽子を回転させながらボールをじっくり見ていた。

 

「地球の装飾品の一種なのだろう、しかし本当に環境が良い星だ。

 この星をフリーザ様が見たら環境が整ってるからそれなりの価格で売れるのだろうな」

 

 ラディッツは悟飯の帽子に付いた四星球をあくまで装飾品の一種と見做してそれ以上の価値を見出さないが、それよりもスカウターを現在装着しているので迂闊な発言をすれば記録が残ってしまう。

 それをフリーザに叛逆の意思ありと取られて復讐計画が水の泡となる為、当たり障りの無い事を口にしながらカカロットがこちらの欲求を飲む事に期待をしていた。

 

【ピピピピッ!】

 

「むっ、高いパワーを近くで検知した? 

 方角と位置は……俺のポッドの中から? 

 しかし直ぐに反応が消えた…………故障かそれとも……? 

 むっ、2つの大きな戦闘力を持つ者が近付いて来ているだと? 

 1つは322、もう1つは334!」

 

「あら、この戦闘力はカカロットと私達に挨拶をしてくれた奴ね」

 

 それからラディッツとニィープのスカウターは先ずラディッツのポッドから高いパワーの反応を警告として出すが、それが直ぐ消えてしまった為ラディッツはスカウターの故障か或いは本当にカカロットの息子が高い潜在パワーの持ち主なのかと考察していた。

 その直後に2つの大きな戦闘力を持つ者達が猛スピードで此方に近付いて居る事に気付く。

 1つは数値から当然カカロットと2人は判別し、もう1つはナメック星人の方だと口にすると、遠くの空から悟空が筋斗雲に乗りながら、ピッコロが舞空術で飛んで来た。

 そうして2人は大地に降り立つとラディッツとニィープ、2人のサイヤ人に睨みを利かせる。

 

「結構お早い到着ね。

 でもこのスカウターも無いのに何で位置が分かったのかしら?」

 

「悟飯を連れて行く時に一緒に持って行ったその帽子に付いてるボールの反応を頼りにオラ達は追って来たんだ。

 それよりおめぇ等、悟飯は何処に居るんだ!!」

 

 ニィープが前世の記憶をひけらかす事無く何故位置が分かったと悟空に問い掛けると聞かれた本人は素直に答え、ラディッツはただの装飾品と思ったボールは何か特殊な周波数でも放っているのかと考察しながら見ていた。

 が、悟空は直ぐに悟飯の安否を確認しながら威圧すると2人はやれやれだと思いながら答え始める。

 

「安心しろカカロット、お前の息子はこの下のポッドの中に居る。

 それよりも考えを改めて共に来る事にしたのか?」

 

「悟飯を人質に取る奴なんかの言う事を誰が聞くか!! 

 オラの悟飯を返せ!!」

 

「へっ、さっきは俺様をコケにしてくれたな? 

 借りはタップリ返させて貰うぜ!」

 

 ラディッツは悟空が自分達の下に来るか否かを確かめるが、返事は息子を人質に取ったからと言う理由で拒否。

 おまけにピッコロと共に戦って倒す気で居るらしく、それで勝てる気なら見積もりが甘いとラディッツ達は考えていた。

 更に実力差を思い知らせるなら何方が良いかとアイコンタクトをすると、ニィープはラディッツに指差して任せるとした為弟とそのお仲間に現実を思い知らせるならば俺こそが適任かと考えて前に出た。

 すると2人はターバンや道着の一部等を脱ぎ始め、それらを脱ぎ終えると戦闘力が上昇していた。

 

「戦闘力416と408に上がった?」

 

「ふーん、あの服は重りらしいわね。

 平時からアレを付けて生活するのも修行の一環とするのはまぁ悪くないわね。

 但し、それで勝てると思ってるならまだまだ甘いわよ」

 

「ふっ、ならばこの俺が貴様達に変えようの無い現実と言う物を突き付けてやろう!!」

 

 するとラディッツはその程度で勝てると言う舐めた見積もりを土台ごと崩す為に2人の目に止まらぬスピードで背後を取り肘で殴り付ける。

 悟空とピッコロは直ぐに体勢を立て直して構えるが全く見えなかった為嫌な汗が止まらずにいた。

 

「ちっ、おい孫悟空。

 武者震いしているぞ、貴様らしくない」

 

「へへっ、今回ばっかりはワクワクしないや。

 あんなパワーを持ってる奴は初めて見るし、闘うからな……」

 

「ふん、全く同情するぜ……」

 

 悟空とピッコロはほんの少し小突かれただけで実力に雲泥の差がある事を知り、2人は初めて圧倒的な恐怖が目の前にあると突き付けられ武者震いが止まらなかった。 だがそれを知った所でラディッツからすれば弓を先に引いたのはカカロット達の方。

 ならば兄として躾けてやるのもサイヤ人の家族としての務めと考え…………それを考えた辺りでラディッツの意識は不意に途切れ、目が赤く光り黒に近い紫色のオーラを放ちながら遊び抜きの戦闘力の解放を行った。

 その様子にニィープは可笑しいと感じ、帽子で遊ぶのを止めてラディッツを見ていた。

 

「いっ!? 

 な、なんて気だ…………ただでさえ力の差が開いてたのにこんな実力を隠してたんか……!?」

 

「ち、チクショウめが!! 

 今まで手を抜いてやがったのかコイツ……!!」

 

「カカロット……貴様に地獄以上の恐怖と言う物を、この兄である俺が教えてやろう!! 

 死んでしまうが良い!!」

 

 そしてラディッツは一気に突撃して悟空達に牙を剥こうとする。

 が、此処でニィープが間に割って入りラディッツのパンチを止める。

 そして自身のスカウターで測った戦闘力の最高数値はラディッツがほんの少し前に出した2万6000を更に上回り3万3000まで何故か上昇し、目付きも何時もラディッツと違い血迷っているとすら思える程理性が見られなかった。

 更に此処まで戦闘力の差が開いた上に最初の攻撃と違い手加減が全く無い為、悟空とピッコロが殺されてしまう確信を得てる為ニィープはこれは拙いと判断したのだ。

 

「ラディッツ待ちなさい、貴方目的を忘れてカカロットを殺す気なの? 

 ギネさんの遺言の内容を忘れたのかしら?」

 

「黙れ、俺の邪魔するなら誰が相手であろうと容赦はせん!!」

 

「な、何だ、仲間割れか!?」

 

 悟空とピッコロはいきなり起きた仲間割れに困惑し、何が何だか分からずに様子を見ているしかなかった。

 対してニィープは短い会話で明らかにラディッツが正気を失っていると悟り、この現象は一体何なのか、原作やアニメの展開には無かったと前世の記憶を辿りながらラディッツのパンチやキックの連撃を止めながら視線を動かし…………少し離れた場所。

 悟空達には見えない位置に謎の男女2人組、その内の女が此方に笑みを浮かべながら見ていた。

 

「(あの2人組、容姿からして多分魔族か! 

 えっと、あんな2人はアニメや映画、原作には居なかった筈だから…………もしかしてゲーム作品から出た奴なの?)」

 

 ニィープは魔族の2人組に視線を合わせながらラディッツの攻撃を捌くと記憶を辿り、アニメや映画等には絶対に居なかったとして、自身が未履修なゲーム出身の敵なのかと思いながら奴等の仕業なら面倒な事をしたなと視線を送る。

 すると2人組は瞬間移動の様にその場から消え去り、後に残ったのは正気を失っているラディッツだけだった。

 そしてニィープは確かにアニメはZやGT、超に劇場版は見て来たがゲームの方はやれる機会が無かった為未履修が多くあり、前世のネットでチラチラと見てた程度の知識しか無かった。

 故にニィープにはあの2人の正体を知る術は無かった。

 

「ええい面倒だ、この一帯を吹き飛ばしてくれる!!」

 

「ってラディッツ!!

 アンタいい加減正気に戻りなさいよ!!」

 

 更に凶悪化とも言うべき状態と化したラディッツはニィープの妨害を面倒だとして必殺の一撃を以て悟空やピッコロごと全てを焦土に変えようと空中に飛び蛮行に移る。

 これにはニィープも少し拙いと感じ、ラディッツが自分自分も吹き飛ぶのは拙いので加減して地球が吹き飛ぶのは無いとは言え今の悟空やピッコロ、更に悟飯は本当に周囲一帯ごと消し飛ばされてしまう為、戦闘力を解放させてその一撃に備える。

 

「吹き飛べ、ウィークエンドォ!!」

 

「はぁっ!! 

 いぃぃぃやぁっ!!」

 

【ガキンッ!! 

 ヒュゥゥゥゥゥゥン…………ドォォォォォン!!】

 

 ラディッツ最大のエネルギー波が両腕から放たれ、それらが重なり1つの巨大な気功波になった瞬間悟空達も終わったと感じたが、ニィープか゚ラディッツをも超えるパワーを解放した瞬間上には更に上が居たと悟空達も理解し、その間にニィープはウィークエンドを蹴り上げて空の彼方で爆発させ被害を抑える。

 

「ラディッツ、本当にいい加減にしなさい!!」

 

【シュン、ドゴォウッ!!】

 

「グボ……がッ…………!!!」

 

 そして一向に正気に戻らないラディッツに対して怒るニィープは、一瞬で懐に移動し鳩尾に強烈なパンチを見舞う。

 この一撃でラディッツは悟空達の側に落ちながら意識を無くし、地面に倒れ伏せる。

 これにてラディッツとニィープの闘いは終わる…………が、悟空達は更に気が上のニィープが残ってしまったが故に安心する所か確実に殺される事を予感してしまう。

 

「チクショウ、2人掛かりでやっても全く勝てる気配が無い! 

 オラ達は此処で終わるかもな……! 

 けどピッコロ、おめぇは死ぬんじゃねえぞ。

 おめぇが殺されちまったら神様も死んでドラゴンボールが消えちまう。

 そしたら誰も神龍に願って生き返る事が出来なくなっちまう! 

 だからピッコロ、本当にやべえと感じたらあの宇宙船の中に居る悟飯を連れて逃げてくれ、頼む……!!」

 

「ちっ、まさかドラゴンボールが消えてしまう心配をこのピッコロ様がやる羽目になるとはな…………!! 

 だがな孫悟空、貴様の息子を連れて逃げるかは俺が決める、勝手に決めるなよ!」

 

 悟空は此処でピッコロが死ねば、連動して半身である神様も死に神様の創造物たるドラゴンボールが消え誰も生き返れなくなると口にする。

 ピッコロも同じ事を考えていたらしく、ドラゴンボールが消える事を避けて…………屈辱的だが、あのサイヤ人から逃げる算段も頭の中で立てていた。

 だが悟空に息子の悟飯の身の安全を頼まれた事に関しては口では拒否の様な反応を見せるが、悟空の息子ならば潜在能力に一応期待出来る程度に考え悟空が死んだ場合は地球の戦力として育てるかと言う思考を頭の片隅程度に置いていた。

 

「(う〜ん、ヤッバ…………ラディッツに半殺しにして貰って適当にドラゴンボールの情報を吐かせた後、ベジータ達が来る様に仕向けて地球の戦力をアップさせる作戦があの妙な2人組が何かした所為で崩れたわ…………。

 私ってイレギュラーはまだ行動次第で許容範囲だったけど、その私しかこの場に立ってないしカカロット達はやる気満々だし……これどうしよう)」

 

 一方ニィープは魔族の2人組の仕業でラディッツが正気を失い、目算と原作での流れが崩れてしまい此処から如何に流れを戻すかと悟空達の考えてる事とは全く違う事を気にしており、ラディッツが正気だったならベジータ達は自分等と違いカカロット達に容赦が無いとして地球の戦力にラディッツも半ば入れてしまって迎え撃つ準備が出来たのに、これでは色々拙い、具体的には人造人間辺りでこの世界が詰むとしてどうするべきかと思考していた。

 

『くっくっく、ラディッツ。

 今カカロットの口からドラゴンボールやら生き返るとか言う言葉が聞こえたぞ。

 つまり貴様がたった今くたばった星には死んだ人間も生き返らせるドラゴンボールと言う便利な物があり、カカロット達はそれを使う気でいたらしいな? 

 何故戦闘力が消えてくたばった貴様を警戒してそんな重要な事を口走ったかは知らんがな』

 

 するとスカウターからベジータの声が流れ、ドラゴンボールの話が聞かれてた事をニィープは知り原作の流れは取り敢えず崩れてない事を確認し表情には出さすに安堵し、オマケにクウラ軍の妨害工作がまだ健在で自身の存在がラディッツと共に居る事がバレてないと知れてこちらも安心した。

 あの訳が分からない魔族2人組が魔族特有の魔術でこれらを無に帰させる事の可能性も考慮していた所だったが、取り敢えずそれは無かったのでフリーザ軍とクウラ軍の想定より早い衝突は無いと知れたからである。

 

『貴様は俺達にとって役立たずだったが最後の最後でこの俺にドラゴンボールの存在を知らせた事は唯一の功績と誇らせてやるぞ。

 何せ死人を生き返らせるんだ、不老不死の願いも簡単に叶うだろう。

 その願いに行き着く道筋ををこの俺に届けたのだからな。

 そしてカカロット、これを聞いているなら1年後を楽しみにしておけ。

 貴様が居る地球をこのベジータ様が地獄に変えてやるのだからな、ハッハッハッハ!』

 

 スカウターから以上の音声が流れた後、パタリと声は聞こえなくなる。

 ニィープはラディッツの戦闘力反応が消えた時点で死んだと判断したベジータ達を早計と見做しつつ、寧ろ生存が知られていないなら好都合と考え始める。

 悟空達は近くにラディッツが落ちて来た為、ベジータの声も聞き取り何なんだと考えながら警戒していた。

 すると、ラディッツが意識が戻ったらしくその場に膝を突きながら起き上がり周りを見渡し始めていた。

 

「ぐっ……一体何が起きたのだ……? 

 何故俺は気絶したんだ…………?」

 

「おはようラディッツ。

 アンタ正気を失ってカカロット達を本気で殺そうとして襲い掛かったのよ、覚えてない? 

 ついでにカカロット達がどんな願いも叶うドラゴンボールとやらを口にした事でベジータとナッパがこの星に来るわよ」

 

「な、何!? 

 ば、馬鹿な……俺はカカロットをフリーザ打倒の戦力にする為に…断った際は多少痛め付けて、ベジータ達やフリーザはこれより更に恐ろしい、容赦無く殺されると教え込むだけだったのに……それに、ベジータがこの星に来るだと!? 

 ま、拙い……ニィープはフリーザ、クウラ両軍の協定上アテに出来ないし、カカロット達や今の俺の力ではナッパは兎も角ベジータには勝てない!!」

 

 ニィープはラディッツに正気を失いカカロット達を本気で殺そうとしていた事やベジータ達がドラゴンボールと言うアイテム目的で地球に向かって来る事を知らせると、聞いた当本人は何もかも寝耳に水だった為焦りに焦りどうすれば良いのだと頭を悩ます事となった。

 更にニィープは所属がクウラ軍であるが故にラディッツが口にした様にフリーザ軍とクウラ軍の協定上両軍の兵は互いに武力衝突してはならないとされてる為ベジータ戦ではアテに出来ないのだ。

 すると、遠くから飛行機が飛んで来て中から亀仙人やブルマ達が降りて来た。

 

「そ、孫君無事なの!?」

 

「じゃが向こうもあのニィープと言うサイヤ人は万全な様な…………悟空、何が起きているんじゃ?」

 

「オ、オラにもさっぱり…………。

 いきなりラディッツの方が正気を失ったかと思ったら仲間割れが始まって、それで意識を取り戻したラディッツとニィープが何か話したら拙いとか何とか…………」

 

「しかもベジータとナッパとやらが来るだと、貴様等どう言う事だ!」

 

 悟空とブルマ達は現状確認を行なうと、何が何だかさっぱりだとしか分からず聞いていたブルマや亀仙人達も要領を得なかった。

 ピッコロもそれは同じであり、ベジータとナッパと言う2人が来るとは何なのか正気を取り戻したラディッツとニィープに叫びながら何の事かと聞き出し始める。

 その問いにニィープ、ラディッツは互いに見合い、ラディッツの方がスカウターを外してまたしても遠くに投げ捨てると悟空達の方を見つめニィープから話し始める。

 

「実はあのスカウターって装置、戦闘力を測る以外にも通信機や監視機器としての機能が備わっててそっちの話を此方のスカウターに周波を合わせたベジータ……私達以外に生き延びたサイヤ人が拾い上げて、ドラゴンボールとやらの話を聞いてこの星に向かって来てるのよ。

 さっきスカウターから聞こえた声はそれよ。

 そしてベジータとナッパの実力はラディッツより上でラディッツと違って同族にも容赦無し。

 でもって私は所属する軍の協定上ベジータ達とは戦ってはいけない……ハッキリ言うと、このままだとアンタ等まとめて殺された上にドラゴンボールを悠々自適に使われるなんて事になるわよ? 

 あ、因みに私のスカウターの拾った声が送信されてるのはラディッツの所属するフリーザ軍じゃなくてそのお兄様が率いる軍の方だからそのつもりで」

 

 ニィープの言葉に悟空達は驚愕し、ラディッツよりも強いサイヤ人がスカウターから傍受してドラゴンボールを求めて地球にやって来ると聞き絶望的な表情を浮かべていた。

 ただでさえ手が付けられなかったラディッツよりも強い者が2人、しかもドラゴンボールで不老不死を求めてやって来るのだと言う。

 しかもニィープは何やら所属する軍の協定上そのサイヤ人には手を出せないらしく、ラディッツが頼ろうとして無理だと焦る理由はこれかと悟空達も流石に理解する。

 そして、悟空はやピッコロはラディッツにも勝てない自分では地球を守れない、魔の天下を取れないとして焦り始めていた。

 

「話は聞かせて貰ったぞ孫、そしてサイヤ人達よ」

 

「あっ、神様!!」

 

 すると悟空達の側に老年のナメック星人、ピッコロ大魔王と分かたれた半身たる地球の神が現れる。

 その顔は事態は把握していると言った表情であり、しかしサイヤ人達の方にはやや警戒気味でありつつあった。

 

「貴方がこの星の神様…私はニィープ、このラディッツが所属する軍の長フリーザの兄、クウラ様の配下をさせて貰ってます。

 一応お見知り置きと弁明を。

 私達は貴方方が孫悟空と呼ぶサイヤ人の生き残りをフリーザを倒す戦力にすべく地球に来ただけでした。

 その過程ですれ違いがあればラディッツの方針で実力差を分からせて且つフリーザはこの星を知れば襲って来ると周知させてから再度勧誘する………つもりでしたが、謎の2人組の所為でラディッツが正気を失い、結果この事態になりました」

 

「………嘘は吐いておらぬ様だな。

 私も地上を見ておったからその2人組が何をしたかは把握しておるし其奴等の正体も容姿から想像が付く。

 奴等は恐らく魔族であり、其処のラディッツを魔術で凶悪化させたのだろう、そう言った魔術はあるにはあるのだ………連中の目的は分からんがな。

 尤も、それでもお主達を信用出来るか否かを話せば否であるがな」

 

 ニィープはこの星の長たる神に嘘は吐かず当初の目的とサイヤ人らしさを交えながらの着地点を話し、しかしあの2人組の所為でおじゃんになったと告げると、神も其処は間違い無いとしつつ魔族の2人組が介入した為予定が狂った事を確認しつつニィープ達サイヤ人を信用出来ないとハッキリ告げる。

 一方悟空とピッコロは知らぬ間に魔族が介入していた事に驚き、更に未知の脅威が存在する事を知るに至る。

 

「…地球の神、俺達が信用出来ないと言うならせめて俺に責任を取らせて欲しい! 

 ニィープは軍の協定上仕方無いが、俺の方はベジータ達と内輪揉めしてしまったで済ませられる!! 

 それでも信用ならないならば…俺はフリーザ軍を抜けてこの地球側の戦力となる!!」

 

『何!?』

 

 するとラディッツは神に向き合い、何と土下座して責任を取らせて欲しいと懇願し始める。

 しかもフリーザ軍を抜けて地球の戦力となるとまで言い出し、突然の態度の変わり様に神所か悟空やピッコロまで驚いていた。

 

「た、頼む!! 

 俺は、俺達はフリーザによって親や故郷を失い………ニィープはクウラ様の軍に入りいずれ軍規模でフリーザの首を取ると決めてるが、俺はフリーザ軍内部に入ったスパイ程度で奴の首を取る機会も実力も未だ目処がつかない………その上で唯一生き残り、母より弟を頼むと遺言を託されたカカロットを巻き込む恥を忍んで共に仇を討とうと持ち掛けてこのザマになってしまった!! 

 ならば、その尻拭いの機会を作らせて欲しい………!!」

 

 ラディッツはニィープにも話さなかった事………戦闘力2万を超えた辺りから感じていた焦りや、母より任せた弟、しかも記憶喪失となり何も知らぬ身の者を仇討ちに巻き込む恥を耐える気でいたのにこの様な予想だにしなかった事態になってしまった。

 ならばその尻拭いをさせて欲しいと頼み込んだのだ。

 本来サイヤ人はこんな事は考えない、しかしニィープと言う自分以上に暗闇に落ちたサイヤ人が居た事、そのニィープにより自身が思う以上の実力を得られた事、そしてニィープに頼り切りな事への自身への怒りやフリーザへの恨み、それらが合わさった事でラディッツは原作では持ち合わせなかった様々な物を得られたのだ。

 唯一得られていないのは穏やかさ位である。

 故にラディッツはカカロットの勧誘に成功しても土下座をする気であったのはニィープも知らなかった。

 

「………どうするんだよ悟空、信用出来るのか?」

 

 これ等一連の流れを見たクリリンは悟空に信用出来るか否かを問い、神も悟空の言葉一つでこのサイヤ人達の処遇を決める事にし、信用ならないならばドラゴンボールを使ってでも地球から追い出そうと言う腹積もりである。

 そんな事を問われた悟空は…。

 

「…正直色々文句言いたい気分だしまだムカついてはいるよ。

 息子の悟飯を拐われたし、クリリンを叩かれたし勝手に巻き込もうとして来るしでさ。

 けどよ、そんな奴が自分から責任を取らせてくれって頼み込むんだ、その言葉に嘘は無いとオラは思うし本気で信用出来るって感じたよ。

 だからよ、そんなに責任を取りたいならオラ達ももっと強くなる為に利用位はさせて貰うさ。

 それ位はバチは当たらないだろ?」

 

「カ、カカロット…!!」

 

 色々文句言いたい、ムカついてはいる、だがラディッツの言葉は嘘は吐いてない、信用出来ると口にした。

 更にラディッツを自分達が更なる成長をする為に利用すると言う少しクレバーな答えを出した事で神の対応も決まる。

 それを聞いたラディッツは強くなりたいと言うカカロットに微かにサイヤ人の気質を感じ取る事が出来たのと信用を得られた事で恥を忍び土下座した甲斐があったと感じていた。

 無論この恥はベジータ達を追い返して払拭するとその場で決めつつ、手を伸ばして来た悟空の手を取る。

 かくして原作では死闘の末死に分かれした兄弟が手を取り合う事となった。

 

「それで神よ、何の用で下界に下りて来たんだ?」

 

「うむ、それは孫に用があっての事。

 孫よ、今のお主ではサイヤ人には勝てない。

 更にその上に居るフリーザとやらにも…であるならば、その実力の限界を超えて貰う必要がある!

 その為にも孫、お前には我々星々に居る神の上位で居られる方、界王様の下に向かって貰う!!」

 

 更にピッコロに促された神は悟空に更なる力を付ける為、神よりも更に上に立つ者………東西南北の宇宙を見守る4人の上位神の1人、界王の下に向かう様に告げる。

 この光景を見たニィープはこれから先は原作やアニメ………原典の世界とは違う道筋を辿ると同時に同族達をほぼ殺し尽くしたフリーザとの闘いが近いと確信し、その暗き殺意を瞳の奥で輝かせるのだった。




此処までの閲覧ありがとうございました。
此処で便利な魔族2人組が登場しラディッツが凶悪化したりでてんやわんやですが、ニィープが居た事でラディッツも生存、更には尻拭いで悟空達に協力する展開となりました。
これもニィープが構ってたりギネの遺言を聞いたお陰でこの判断に至れたのです。
そして此処から本格的に物語の流れが若干変わって来ます。
これからどうなるのかお楽しみ下さいませ。
最後に現在のラディッツ(凶悪化抜き)、ニィープの戦闘力を乗せて置きます。

ラディッツ:2万6000
ニィープ:850万

ニィープに関してはクウラ様がサンドバッグにしたせいなのだ…。
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