DRAGON BALL XP   作:”蒼龍”

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皆様お久しぶりでございます、第83話目を更新いたします。
体調不良、年末年始の諸々、ちょっとした精神的なダメージ等が重なり結局3ヶ月以上期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
今は少しマシになったので少しずつ更新して行きます。
さて、そんなこんなでお休みしていた間に本作は15万UAとお気に入り登録者様が900人を超え、後少しで1000人まで到達致します。
まさか此処まで見てくださる人が居るとは作者本人も予想していなかったので感謝してもし切れません。
そして後少しで完結予定になりますのでそれまでよろしくお願い致します!
では、本編へどうぞ!


第83話 燃えろ魂!!乗り越えろ、親睦野球!!

 1回裏がほぼ三者凡退で終わった直後の2回表、次はカリフラの打順になりシャンパは兎に角塁に出ろとサイン指示を出していた。

 一方ビルスはヤムチャにこれ以上点を取らせるなと指示を飛ばしており、ヤムチャはそれを受けてピッチャーマウントに立っていた! 

 2人の破壊神が白熱する中、ヤムチャは至って冷静に………しかし闘志だけは滾らせながら打席に立つ者に視線を向けていた! 

 

「よっしゃ、遂にアタシの出番だぜ!! 

 ケール、姉貴、ニィープ、アタシがコイツの球打つ所を見てろよ!!」

 

「はい、姐さん!」

 

「カリフラ〜、ヤムチャを舐めてると痛い目に遭うわよ〜?」

 

 一方カリフラはヤムチャを打ち取る事のみに集中しながら意気揚々と打席に立っていた。

 が、それをニィープはヤムチャを適度に舐めてると感じ取り一応の忠告を飛ばして様子を見ていた。

 そして結果は………三球三振によるバッターアウトであった! 

 

「あ、あれ!?」

 

「だから言ったでしょ、ヤムチャを舐めたら痛い目に遭うって」

 

「へっ、第6宇宙のサイヤ人だからってそう簡単に俺から安打を取れると思うなよ?」

 

 この結果にケールも驚き、キャベもまさかカリフラすら打てない球を投げるとはとヤムチャを見ており、一方ニィープは控え席から見ていてヤムチャの投げるボールは重く、コントロールも鋭く球速もあると分析していた。

 更にアレを完璧に打つ芯に当ててホームラン狙いをやるしか無いと言う結論も出ており、先の打席のホームランもその分析に基づき行った結果であった! 

 

「チッ、ヤムチャの野郎………武道家とプロ野球選手を両立していると聞いていたが、まさかこんな厄介極まりない奴だったとはな…!!」

 

「アレで不甲斐なかったらブルマが居ながら他の女になびいた馬鹿野郎って認定してこのマウントから退場させてやるって考えてたでしょベジータ? 

 でもアイツ、武道と野球に対しては本当に熱血くんだからめっちゃ打ち取るのも苦労するわよ?」

 

「…フン」

 

 そしてベジータは同じ女を愛した男なのに浮気をして破局したヤムチャに対してクリリンや天津飯達程良い印象は無く、腑抜けてるならば試合中にルールが許す範囲で叩きのめそうとしていた………が、野球と武道だけは真摯に向き合い研鑽し続けたのがヤムチャだった為、一応その点は認めざるを得なくなっていた! 

 更にニィープもヤムチャを打ち取るのは難しいと判断し、如何にあの鉄壁の内野と外野を抜くか、ヤムチャのボールを上手く打つかの算段を改めて立て始めるのだった! 

 その後、セルすらもインフィールドフライによるアウト、ブロリーも三振となりヤムチャを憎らしげに見ていたがちゃんとしたルールに基づいた勝ち負けなので、次に打順が回ったら打ち取ってやると意気込みながらベンチへと帰還する。

 

「それで悟空、次は4番のお前からなんだが………打てるか、ニィープのボール?」

 

「うーん、やってみなきゃ分かんねえけど………多分大分無理があるぞ? 

 超サイヤ人や界王拳が禁止だし、そもそも見た感じ義姉ちゃんの投げるボールはヤムチャの投げる奴とあんま技術的に劣らないぞ、ありゃ。

 だからヤムチャと違って野球が素人のオラじゃ10回中1回打てたら良いと思うぞ」

 

「うぐぐ………シャンパの奴にニィープとベジータ、ブロリーやセルをレンタルさせたのは間違いだったか?」

 

「まぁやるだけやってみるさビルス様、ヤムチャ」

 

 一方第7宇宙側のベンチでは悟空がバットを握り、控えバッターの円内で勢い良くバットを振りながらヤムチャとビルスの質問に答えていた。

 が、ヤムチャ的には予想していた悟空でもニィープのボールを打つのは無茶が過ぎると言う応答を聞き「( だよな〜)」と思いながらマウントに立つニィープを見続けていた。

 それから数回スイングを行ってから悟空はバッターボックスへと立ちゲームが再開された。

 

「では、プレイボール♪」

 

「よっしゃ、来い義姉ちゃん!!」

 

「カカロット、アンタが私のボールを打てるか試して…やるわよ!!」

 

【ビュン、スカッ、ポフッ!!】

 

 悟空とニィープの対決が2回裏から開始され、ニィープの剛速球はベジータのミットに収まりストライクを1つ取った。

 それに対して悟空は矢張りニィープのボールを打つのは一筋縄では行かないと体感し、全神経を研ぎ澄ませて次に放り込まれるボールを意識する! 

 

【ビュン!!】

 

「此処だぁ!!」

 

【カンッ!! 

 ヒュゥゥゥゥゥン、ポスッ!】

 

「孫悟空さん、レフトフライによりアウトです」

 

「あ、あらら〜………結構良い感じだったんだけどなぁ〜………」

 

 しかし悟空の打ったボールはレフトのグローブに吸い込まれる様に落ちて行きアウトとなった。

 第7宇宙チームのメンバー、特にビルスは「惜しい!!」と声を上げて残念がり、シャンパは高笑いしていた。

 しかし………この中でニィープは冷や汗を掻いていた。

 何故なら、バットに当たるにしてもレフトまで飛ぶ様なフライを上げる気は無かったのに、悟空は無意識的に芯に近い場所でボールを打ち、アウトにはなった物の長打にしたのだ。

 よって、ニィープはクウラや本職のヤムチャ以外に悟空まで警戒しなければならなくなったのである。

 

「悟飯、義姉ちゃんのボールは結構重いぞ。

 しかもこっちから上手く当てねぇと遠くまで飛ばしてもくれねぇ、気を引き締めて当てに行けよ?」

 

「分かりました、アドバイスありがとうございますお父さん!」

 

 次は5番打者、悟空と来て悟飯が立ちこれにはベジータ、セル、ブロリーすらも警戒し始めていた。

 何故ならあのゴハンブラックを神の気や超サイヤ人4等の力に頼らず己の潜在能力を完全解放した姿であるビーストと呼ばれた姿で圧倒した超戦士、それが孫悟飯なのだ。

 そんな悟飯は素の戦闘力もビーストに成った影響で上昇しており、此処から超サイヤ人にアルティメットやビーストに必要に応じて成れるので第7宇宙の戦士として名実共に最強の名を得ているのだ! 

 よってニィープも悟空以上に長打の危険性を考えており、ベジータとアイコンタクトで敬遠して塁進させるかと示し合わせていた。

 

 

【ポスッ】

 

「はい、ボールです」

 

「あいつ等、クウラの様に敬遠してゲッツーで終わらせようとしてるな?」

 

「そんだけ悟飯が怖いっちゅう事だろ。

 迂闊に勝負を仕掛けて痛い目に遭う位なら手傷を負う事を抑える方へ行くのは可笑しくないさ」

 

 ニィープのあからさまな敬遠をヤムチャはまたクウラと同じ作戦で行こうとしていると判断し、悟空もそう言った手段を取る事に全く異を唱えていなかった。

 これでも悟空は老成しているので旧ナメック星や悪の21号が居た頃の頃よりも更にクレバーな手を取るしレスバも切れ味が増してるのである。

 そしてそんな悟空だからこそ分かるのだ、この程度の小手先の手段で悟飯は止められないと! 

 

「………今だぁ!!!」

 

【カキィィィィィィィィン!!!!!!】

 

『なっ!?』

 

 ビルスやシャンパは驚愕していた。

 何と悟飯はバッターボックスから足がはみ出ないギリギリのラインでバットを片手で持ち、そして的確に芯に当てて勢い良く打ち上げたのだ!! 

 しかもその勢いは止まる事を知らずライト側の場外ホームランとなり第7宇宙チームが反撃の狼煙を上げる1点を得たのだった!! 

 

「くっ、悟飯の奴め、なんて滅茶苦茶なフォームで打ちやがったんだ………しかもご丁寧に場外ホームラン………ちっ、悟飯の持つバットが届く範囲で敬遠をしていた俺達のミスか!!」

 

「やってくれたわね悟飯くん………まぁ想定より早いとは言え、1点取られるのは分かっていたから此処からはより気を引き締めて行くわよ、ベジータ」

 

 一方悟飯にホームランを打たれたニィープとベジータバッテリーはもう次はバッターボックスよりも更に遠い位置にボール球を投げて敬遠をする事と気を引き締め、悟飯の次のバッターであるラディッツ、更に次のバッターである17号は意地でもアウトにさせてこれ以上の失点を許す気は無かった! 

 

「ニィープ、これ以上点を取らせんな!! 

 それと、ソイツお前の夫らしいが絶対手加減なんかすんなよ!!」

 

「ラディッツ、悟飯に続いて行け!! 

 第7宇宙チームは悟飯ありきとかシャンパの奴に思わせるな!!」

 

「何か私達よりも破壊神の方がボルテージ上がってるんだけど………それで良いのか破壊神………。

 ま、まぁ………これ以上点を取らせる気は毛頭無いけど、ね!!」

 

 そんなニィープや悟空、ベジータ達を他所にビルス達破壊神の方が盛り上がる始末であった為、矢張り神様らしい威厳がある時と無い時の差が激しいとこの野球に参加している一同は内心で思っていたが口には出さなかった。

 更にニィープはその内心を振り払いながらラディッツ相手に本気でボールを投球していた! 

 

「矢張り初球打ちしか無い! 

 うおおおおおおおおお!!!!」

 

【カンッ!!!!!】

 

「っ、間に合えっ…!!」

 

【ポスッ!!!】

 

「はい、ピッチャーが横に飛び込んで捕ったのでアウトです」

 

 そのニィープのボールを初球打ちして何とかしようとしたラディッツであったが、ニィープが咄嗟に左へ飛び込んだのでアウトとなる。

 それを見たビルスは当然「惜しい!!」と口にし、シャンパは冷や汗を掻いていた。

 しかしラディッツは仮にニィープが取らなくてもボールが飛んだコースを計算してその後ろにはボタモが控えていたので内野ゴロでアウトは確実だったと判断し、次はもっと芯に当ててホームランないし外野が取れない位置に打って二塁打を放ってやると心に誓っていた。

 

「17号、お前スタミナは無限なんだから粘れ!! 

 具体的には20球位ファールをしてニィープの体力を削れ!! 

 そしたら第6宇宙は控え選手にピッチャーが居ないから自動でニィープはベジータとポジションチェンジする筈だ!!」

 

「おいコラビルス!! 

 何て狡い作戦を立ててやがんだよ!! 

 ニィープ、ソイツを確実にアウトにしろ!!」

 

 すると監督たる破壊神達は更にボルテージが上がり、遂にはビルスから17号の永久式エネルギー炉型人造人間の特性を活かした作戦を取らせようとしていた………が、それを声高々に叫んでいた上にシャンパにも聞かれ、当然ながら2人のボルテージは更にヒートアップし何時暴発するかも分からない状態になりつつあった。

 

「あ、パパ達此処で野球してたんだ。

 ほら悟天達に全王様(・・・)、好きな所に座ろうぜ」

 

「うん、そうするのね! 

 それとルリア、このゲームやっぱり楽しいのね! 

 後でトランクス達も交えて一狩り行こうね!」

 

「勿論よ、全王様(・・・)!」

 

『………………………はっ?』

 

 しかし、其処にトランクス達がナッパを保護者として観客としてやって来て見物に来ていた………のだが、此処でこの野球に参加している一同が本来聞かない人物の名前が出て来た事でビルス、シャンパは恐る恐る観客たるトランクスや悟天達の方を見やる。

 すると………其処にはルリアによって布教された大人気ハンティングアクションゲームをやりつつ、続きはまた後でと言う形でゲームをセーブして試合を観戦する全王様の姿があった!! 

 

『ぜ、全王様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!? 

 ウイス、ヴァドス、早く全王様に相応しい観客席を作れぇぇぇぇぇ!!!!』

 

「ええ、分かりましたよビルス様、シャンパ様」

 

【シュン!】

 

 ビルスとシャンパは全王様の前に平伏すると同時にウイス達に観客席を作るよう命じていた。

 無論ウイスもヴァドスも全王様をフェンス越しに立って観戦させるなんて真似は出来ないので観客席を作り出し、更にちびっ子達も一緒に座れる様にイメージしながら魔法で作り上げた。

 そんなちびっ子達は観客席が出来た事を喜び、全王様も悟天達と一緒に座れる様に設計したウイス達に感心しながら頷いていた。

 なおこの間ゲームは一時的に止まっていたが、全王様のアイコンタクトで直ぐにゲームは再開され第7宇宙チームの3回表から再びスタートしていた。

 

「全王様、ようこそお越し下さいました!! 

 本日は本当にお日柄も良く、絶好の野球日和でございます!!」

 

「うん、今日は快晴で良かったのね。

 それとビルス達、僕が何で此処に居るか、悟天達と一緒に居るのか疑問に思ってるでしょ? 

 それはね、今日僕は何か良い物は無いかな〜って思って第7宇宙の地球を訪ねたのね。

 そしたら悟天達とばったり出会って其処からルリア達と一緒にゲームしてくれたのね! 

 僕、こんな面白い物があるなんて知らなかったからとっても楽しんでたのね! 

 そしたらトランクスが悟空やベジータ達がシャンパの来訪で急遽野球に呼ばれたってのを聞いて観に行こうかってなったのね!」

 

「(うぉぉぉぉい!!!! 

 全王様に何恐れ知らずでゲームを勧めてんだよ!? 

 お前等消されても文句言えなかったぞ!!?)」

 

 更にルリアは何やら人間のゲームを全王様に勧めてそれが全王様に気に入られたらしかったのだが、もしも変な物を勧めてたら消されていたとしてシャンパは、更にビルスは滝の様な汗をダラダラと流しながらちびっ子達の恐れ知らずの行動力を内心で咎めようとした…のだが、全王様はその無邪気な視線の先に『悟天達を怒ったらダメなのね』と言う絶対零度の、全ての神の王としての意志を混ざらせていた為、ビルス達はそれを感じ取り何も言えなくなっていた。

 

【カァァン、ポスッ!!】

 

「アウトです、6回裏も無得点のまま7回表へ行きます」

 

「凄いな〜、どっちも1点のまま7回まで進んじゃったや」

 

「どっちも相手に負けるのは悔しいからね、その分気を引き締めて本気で打ち取りに来てるんだよ。

 それに全王様が来た辺りから何かビルス様達のボルテージが元に戻ってああやって平伏して余計な命令を出さなくなったから、より集中出来る様になったんじゃね?」

 

「(うぐっ、本当に子供は何処までも無邪気で残酷な存在だよ…!)」

 

 ビルス達は気が気でなくなりゲームに集中出来なくなる中、悟空やニィープ達はビルス達の野次を気にせずプレイ出来た為スムーズに野球の攻防は続き遂には7回にまで突入していた。

 更に何方も1点のままなので、このまま点が同じままならば延長戦へ縺れ込み、其処でケリを着ける事になる。

 但し、今回は草野球と同じイニング数なので7回裏で第7宇宙チームが逆転すればそのままサヨナラ勝ちになるので第6宇宙チームの勝利条件は7回表までに逆転し、且つ7回裏で同点にすらさせず3アウトを取る必要があるのだ。

 圧倒的な点差で7回を迎えれば簡単であった、しかし遂に7回まで何方も点差が無いまま迎えていた………これにより、第6宇宙の勝利条件が格段に難しくなっているのは誰が見ても明らかであった! 

 

「ブロリー、一発ドカンと打ってやりなさい!!」

 

「ヤムチャ、気ぃ付けて行けよ!」

 

 悟空、ニィープがそれぞれヤムチャとブロリーに声を掛けると両者は既にマウントで睨み合いを利かせていた! 

 ブロリーは格下のヤムチャに野球とは言え後れを取っていた事に不機嫌さを募らせ、ヤムチャに1発ボールを『打ち返してぶつけてやらない』と気が済まなくなっていた。

 因みにわざとヤムチャに当てる為にボールを打つのではなく、打ったボールが『偶々ヤムチャに当たってしまった』だけなのでルール違反は起こさない様にしようとブロリーは力加減を調整している。

 一方ヤムチャは此処を乗り切り、次の下位打線を押さえれば7回裏で逆転勝利が見えて来るので責任は重大だと自覚しながら只管ストライクを狙いに行こうとしていた! 

 

 

「行くぞ、ブロリー!!」

 

【ビュンッ!!】

 

「ウオオオオオオオオ!!!!!」

 

【ガッキィィィィィィィィィィン!!!!!!!】

 

「っ、うおっ!?」

 

【バシッ、ギュルルルルルルルルルルル、ズザァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!】

 

 かくして放たれたヤムチャの渾身のストレートを、ブロリーは本気の力で思いっ切り振り抜いた結果打ち返した上でその軌道はヤムチャの顔面へと一直線へと伸びた!! 

 しかしヤムチャはそれを恐れずキャッチし、内野から地面を擦りながら外へと引っ張り出されながらもボールを捕球して放さなかった!! 

 その結果、20m先まで引き摺られつつグローブから白い煙が出ながらもボールはグローブ内に留まったままとなっていた!! 

 

「ブロリーさん、アウトです〜」

 

「………フン、少しは度胸があると褒めてやるぞヤムチャ」

 

「イッテテ………何とか取れたぜ………だが、これで難題が1個消えたぜ………!!」

 

 そしてヤムチャは先ず目の前の難題としてあった上位打線級で且つルール内で自分の負傷を狙っていたであろうブロリーのアウトを取るを熟し、残る下位打線は問題無くやれると確信しながらヒッチャーマウントへと戻る! 

 更にその想定通りに事は運び、7回表を無失点で乗り切りヤムチャ次の課題は上位打線達を失点0で抑える事のみとなった!! 

 

「これより最後の7回裏、此処で第7宇宙チームが1点を取れば勝ちとなり、そうでなければビルス様達が決めたルールにより何方かが1点を取るまで延長戦となります。

 それでは、プレイ!」

 

「(ニィープ、俺達はクリリンとヤムチャを抑えた後はクウラに打順が回る。

 そしてクウラは敬遠をする事は取り決めている、ならばピッコロを死ぬ気で抑えるぞ!)」

 

「(分かってるわよベジータ)」

 

 ウイスの一声により遂に最終攻撃予定の7回裏が始まり、第7宇宙チームの打順はクリリン、ヤムチャの下位打線、其処からクウラの上位打線に戻る形になるのだった! 

 しかしクウラ、悟飯は絶対に敬遠すると決まってた為クウラの次のピッコロを打ち取るとしてニィープとベジータはアイコンタクトをしていた! 

 

「クリリン、お前は気楽に行け! 

 後は俺に任せろ!!」

 

「気楽にかぁ〜………まぁ、頑張って打ちますか!!」

 

 一方第7宇宙チームはヤムチャがクリリンに気楽に行けと指示し、その声を受けたクリリンは肩の力を抜いてごく自然体のままバットを構えていた!! 

 しかしこのヤムチャの発言にニィープとベジータ、ブロリーやカリフラ達血の気が多いサイヤ人の闘志に火を付けた! 

 ならばこそクリリンもヤムチャもより本気で、元々手加減などしていないが隙の出来る要素を全て無くして打ち取ると決めてニィープは睨みを利かせる!! 

 

「打てるものなら、打ってみなさい!!」

 

【ビュゥゥゥン、スカッ、ポスッ!!】

 

「ストライ〜ク!」

 

 当然の事ながら慢心も隙を一切無くしたニィープが放るボールを素人のクリリンが打てる訳も無くあっさりストライクカウントを取られてしまう。

 何度も何度もこのボールを見ていたクリリンは、素人の自身が当てるなら変化球では無くストレートしか無いと分かり切ってる為ストレートに対してのみバットを振っていた………が、それでもキレの良いストレートを捉えられずにおり、あっという間にストライク2カウントまで点灯する! 

 

「これで終わりよクリリンッ!!」

 

「くそ、破れかぶれだぁ!!」

 

【カツン!! 

 トン、ポスッ、ビュッ!!】

 

「はい、ピッチャーゴロでアウトです〜」

 

「破れかぶれでバットに当てた事は褒めてあげるわよクリリン」

 

 そうしてクリリンはバットに当てるだけは出来たが、塁へ進出する事叶わずアウトとなった。

 ニィープは素直にクリリンを褒めながらボールを受け取り、次にバッターボックスへと立つヤムチャに視線を向ける。

 ニィープもサイヤ人故に先程の挑発を受け取って闘志をギラギラに燃やしているのだ。

 更にその様子は観客席の全王様や悟天達にも伝わり、ちびっ子達は固唾を飲み始めていた! 

 

「さて………行くぜニィープ、俺達第7宇宙チームがこの試合を貰うぜ!!」

 

「やれる物ならやってみなさいな、ヤムチャ!!!」

 

 そして、未だに挑発を続けるヤムチャに対してニィープは全力の1球を投げてヤムチャ自身では打ちようが無いと言う事を分からせようとする!! 

 当然ヤムチャ自身もこの全力投球はバットを振って当てる事は不可能だと自身の中で断じている。

 …ならば、どうやって塁進すると言うのか? 

 フォアボールはあり得ない、デッドボールも無い、ならば答えはただ1つ………そう、バントである!! 

 

【コンッ!】

 

「げっ、セーフティバント!?」

 

「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

 

 ヤムチャは上手くニィープとベジータの間且つ三塁方向へとボールを落としながら全力疾走し始める!! 

 対する第6宇宙チームはベジータが急いでボールを拾い上げて一塁のキャベへとボールを投げる!! 

 

『間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!』

 

【ズザァァッ!!!!!】

 

 そうして両チームは声を上げながらバントの攻防を見守る!! 

 そうしてヤムチャのスライディングによる土煙が消え始め………ヤムチャの足は一塁に触れていた! 

 更に塁審を務めた天津飯は手を横に切りセーフのポーズを取っていた!! 

 

「ふむふむ………此方でもキャベさんがヤムチャさんの足に触れる前に、ヤムチャさんは一塁を触ってましたねぇ。

 よって今のはセーフですよ~!」

 

「っしゃぁ!!」

 

 そしてウイスの極めて中立的な判断もありヤムチャはセーフとなり、ニィープはまさか1アウトランナー無しのこの場面で初球からセーフティバントを仕掛ける胆力がヤムチャにあるとは思ってなかったので完全にしてやられたと感じていた!! 

 そして何より、次はクウラがバッターとして立つのだ!! 

 もしもヤムチャがアウトならばこのまま敬遠しても問題は無かった。

 だがしかし、今ヤムチャは一塁に立っている為、此処で敬遠したらランナーは一、二塁になり、ピッコロが上手い場所に打つと例えクウラをアウトに出来てもランナー一、三塁になりこの時点でヤムチャを本塁へ返してはならないと言う条件が加わってしまう! 

 よってクウラを敬遠して延長戦へ縺れ込ませる作戦は結果的に失敗となり第6宇宙チームらクウラ、ピッコロの2人をアウトにしなければならなくなっていた!! 

 

「………ふっ、良いじゃん、やってやるわよ!!」

 

「そうだニィープ、そう来なくては面白くない所だったぞ」

 

 しかしそんな不利な状況下でもニィープ達は笑い、クウラを打ち取る気でいた!! 

 対するクウラも自分の打順でこの試合を終わらせる気であり、ニィープにニヤリと挑戦的な笑みを浮かべていた!! 

 

「ママ頑張れ〜!!」

 

「クウラさんファイト~!!」

 

「両方共頑張ってなのね〜!」

 

 其処にちびっ子達や全王様の応援が乗り、両チームのテンションは最高潮へと達していた!! 

 勝負を仕掛けるなら今と誰もが確信しながらニィープとベジータ、そしてクウラとヤムチャに視線が集まっていた!! 

 

「では、プレイ!」

 

「ふっ!!!」

 

【ストォン!!】

 

 先ず一球目はシュートによるインコースのストライクとなり、クウラは一球だけは見逃す気で居たので此処からが本番だとして己の全神経を集中し始めていた!! 

 ニィープも当然一球目は見逃されるだろうと思っており、ならば此処からが勝負として投球しようとした………その時、一塁のヤムチャが二塁へと全力疾走を開始していた!! 

 

「何、盗塁だと!? 

 くそ、行かせるかぁ!!」

 

「でぇぇい!!」

 

【ズザァァッ!!!】

 

「………ま、間に合わなかった………盗塁成功だ………!!」

 

 そしてヤムチャは見事に盗塁を成功させ、次にクウラかピッコロが長打を打てば本塁へ帰還し逆転サヨナラ勝利となる布石を打った!! 

 これにはニィープもヤムチャの度胸を舐めてたと反省し、ストライクカウントは現在2となってるのでヤムチャに気を付けつつクウラ、ピッコロを打ち取るのだと改めて意識し始めていた!! 

 

「良くやったぞヤムチャ、お前がその位置に行けば………」

 

「はぁぁ!!!」

 

「………後は俺が打つだけだぁ!!!!」

 

【カキィィィィィィィィィィィン!!!!!!!】

 

 そして、クウラは自身の想定した良い位置にヤムチャが立った事でニィープの全力投球を綺麗に打ち、打球はブロリーが居る方向のコーナーへとグングンと伸びて行った!! 

 無論ブロリーも反応してボールから目を離さずにコーナー側へと走った!! 

 此処でクウラのボールを取ればヤムチャが三塁に進出するだけで済む、しかし取れなければ逆転サヨナラだと理解しているからだ!! 

 

「っ、ブロリー!!!」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

【ヒューン、トン、ポスッ!!】

 

「っ、ブロリーは取れたけど………1回バウンドしてる!! 

 早くベジータの方へ投げて!!」

 

「分かっている、受け取れベジータァァァ!!!!」

 

【ゴォォウッ!!!!!】

 

 しかし、ボールは無情にもバウンドしてからブロリーのグローブへと収まりヤムチャは三塁、そして本塁へと全力で走っていた!! 

 当然ながらブロリーはベジータへとボールを全力投球し、そのボールはまるで気功波やレーザーの様に輝きながら真っ直ぐ伸びて行く!! 

 そして悟空、ビルス、シャンパ達が見守る中ヤムチャのスライディングとブロリーのバックホームがベジータへと到達し………ウイスが注意深くその結末を見届け始めていた! 

 

「どっちだ、セーフか、アウトか…!?」

 

「………セーフ!!! 

 ヤムチャさんの足が本塁に先に触ってます、よってこの親善野球は第7宇宙チームの逆転サヨナラ勝利ですよ~!」

 

「うがぁぁぁぁぁ、またビルス達に負けたァァァァァァ!!!!」

 

 そうしてウイス、更にはヴァドスの公平なジャッジにより第7宇宙チームは2対1で逆転サヨナラ勝利となった! 

 その結果に悟空達は拳を握り、ニィープ達はしてやられたと悔しがっていた! 

 一方観客席の全王様とちびっ子達はワイワイと両チームの健闘を称えていたのであった。

 

「さーて、何時もなら豪華景品の1つ位は欲しいけど…まぁ、今回はシャンパが珍しくしっかりと頑張った事だし、そんなに良い物じゃ無くてもいいかな? 

 おいニィープ、何か景品になりそうな物は無いのか?」

 

「敗者だから勝者に従わなきゃならないのが悔しい………景品………あっ、そう言えばビルス様達は私の作った麻婆豆腐の激辛を食べた事無いですよね? 

 食べてみます?」

 

「激辛ぁ〜? 

 ふふふ、このボクが辛いと言うレベルの物は相当ハードルが高いよ? 

 まぁ地球の食べ物だからもしかしたら美味い上に滅茶苦茶辛いかもね〜?」

 

「おいビルス、俺にもその麻婆豆腐って奴食わせろよ!」

 

 そしてビルスとシャンパはニィープに激辛麻婆豆腐を振る舞われる事となり、ニィープは秘伝の激辛麻婆豆腐(ラディッツやルリアは何時も食べてる)を作るのだった。

 ………なお、この激辛麻婆豆腐は悟空もブロリーも『美味いけど辛い!!』とレンゲを口に運ぶ速度が落ちる程に辛く、と言うよりも伝説の超サイヤ人すらも辛いと叫ぶレベルの激辛麻婆豆腐なのだ。

 クリリンや天津飯、ミスター・サタンは美味いとは感じても一口でギブアップし、ヤムチャは余りの辛さに卒倒し、ベジータやナッパもセルも、甘党のブウ達も何とか食べれても暫く口が痛くなるのだ。

 これをマトモに食べれた地球戦士は辛党のクウラ位しか居ないのだ。

 そんな物を普通の麻婆豆腐は食べた事があるビルスやシャンパ、ウイスとヴァドスに振る舞えばどうなる事かと言えば………。

 

『う、美味い、けど辛ぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!』

 

 当然、余りの辛さに悶えるのだ。

 その光景を見た悟空達は破壊神や天使すら悶える激辛麻婆豆腐を作れるニィープにある意味凄みを感じるのであった。

 その光景を見ていた全王様は大笑いし、ビルス達の面白い場面が久々に見れたり悟空達のフェアプレーに満ちた野球を観戦してご満悦であった。

 

「(うんうん、こうやって他の宇宙同士が和気藹々と交流するのは良い事なのね。

 特に近頃の第7宇宙は人間レベルが6以上に到達したから、より良い成長が見られそうだよ。

 ………でも、だからこそボクは全宇宙の頂点に立つ神として見定めなければならない、全ての宇宙は、其処に生きる神や人は存在に値するのかを………)」

 

 ………しかし、全王様は全宇宙の頂点に立つ神としての視点として第7宇宙のみを贔屓する訳には行かず、その頭の中で今存在する全12の宇宙は滅ぶべきか、それともより成長の可能性があるのかを見極める必要があると考えるのだった。

 故に全王様が全破壊神と界王神に宇宙の存亡を賭けた舞台、『力の大会』を開く事を告知するのはもう直ぐ其処まで迫っているのであった………。




此処までの閲覧ありがとうございました。
今回で全王様の考えの中に遂に力の大会がチラつきました。
そして第7宇宙へお忍びで来た理由も実は全12の宇宙を抜き打ち視察と言う目的があったのです。
全王様はその場に居るだけで宇宙全体を見渡せるので地球に居ようが何処に居ようが関係無いのです。
ただ偶々第7宇宙と第6宇宙が親善野球をやってたのでどんな様子なのかを直で見ておこうと思った程度です。
さて、力の大会フラグが来ましたのでいよいよ本作の物語はラストスパートを迎えますのでこのまま突っ走ろうと思います。

次回もよろしくお願い致します!
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