序 幕 Prologue/プロローグ
深夜。男が一人、夜景が見えるビルの屋上に
その姿は決して人のそれとは言い
時折、全身に火花を散らして苦しみながら、
「
男は
そして、男は立っていられなくなったのかコンクリートの床に
(さらばだ、我が愛しの家族。そして、永遠のライバル。
仮面越しに
次第に全身が黄金に輝く
戦後、復興の
男は人々を苦しめる悪人がいれば予告状を出し
「弱きを助け、強きを
その活躍を耳や目にした民衆はいつしか彼、ゾルーク
だが、時が経つにつれて完全無欠に見えた彼にも人として
「老い」だった。
ある日、彼は怪盗稼業の引退を決意した。伝説の怪盗の英雄
(たとえ英雄でなくとも一人の男として満ち足りるだけの宝がある)
そう信じていた──はずだった。
一度、英雄として
だが、ある事件をきっかけに、終わりを待つだけだった彼の運命が再び大きく動き出すことになる。
時は二〇一四年の四月。世界規模の連続爆破事件が発生した。
のちに「グローバル・フリーズ」と呼ばれ、人類史上
結果、狙いは間違いでは無かったが人が持つ「悪意」に影響され、新たな種族として人類を支配しようと
グローバル・フリーズとはロイミュードに内蔵された新型の動力機関「コア・ドライビア」を使用することで、周囲が
あわや世界の終わりかと思われた──人類にはまだ希望があった。ロイミュードの出現に
仮面ライダー対ロイミュード。その戦いを目撃した人々によって、仮面ライダーは人知れず都市伝説として語られることになる。
それは、かつてのルパンを思い起こさせる新たな英雄の登場だった。時折、活躍を耳にする彼ですら年
そんなある日、かつての仲間からある情報が届く。
日本のとある県境。森に囲まれた場所に存在する、ある発明家が所有していた西洋造りの城。
その城内に秘密裏に製造された強化ロイミュードボディ「サイバロイド
(あくまでボディという『
その考えに至った彼はほとんど「執着・暴走・狂気」に満ちた様子で、「どんな宝にも勝る」と思っていた家族にすら黙って城に向かった。
厳重なセキュリティが張り巡らされた城内を老いたとはいえ昔取った
そして、仮説を実行した結果、目論見通りボディの起動に成功する。
彼は老いた肉体、愛する家族と素晴らしい思い出を犠牲に全盛期以上の復活を果たした。
ルパンは城を拠点として買い取ると怪盗稼業を再開する。
ここで思わぬ誤算が発生した。超人となったことで盗みの仕事が以前よりも簡単になった──簡単になり過ぎた。
次第に物欲に代わって名誉欲が強まり、ついには「英雄になる」という願望に火が付いた。
ルパンは手近な見本として絶賛英雄の名を欲しいままにしている「仮面ライダードライブ」を調べた──正体に
人々から英雄と呼ばれる仮面ライダーの正体とは。
ルパン
憧れてすらいた「英雄ドライブ」に失望したことで、彼が出した英雄への復活の結論は、「ドライブを倒し『仮面ライダー』という称号を
手始めにロイミュードの本拠地に潜入した彼は、「死神」の異名を持つロイミュード、チェイスの「ブレイクガンナー」──拳銃を
それを改良し、彼自身をさらに強化する武具「ルパンガンナー」、その他の多種多様な装備の作成に着手した。
ある日、彼は完成したルパンガンナーを使い「変身」した──「怪盗戦士ルパン」が誕生した。
新たな悲願成就の第一歩に高らかに笑うルパン。後はドライブを倒すのみ。
だが、強化された肉体が得られるZZZのボディには重大な欠陥があった。
本人さえ無自覚の心の暴走である。
年の
予告された時刻、博物館に厳重な警備が敷かれる中、ルパンは目的の品を盗み出すと厳重な警官隊の包囲網を軽々かつ強引に突破した。そのまま去ろうとしたが「シフトカー」──ミニカーのような形、大きさだがコア・ドライビアを搭載したドライブの装備。二十台ほどありそれぞれが特殊能力を持つ──の横槍が入る。
見ればそこに立つのはあの
月の光の
だが、「怪盗戦士」にかつての紳士的だった「伝説の怪盗」の面影は無かった。
この時のルパンは「殺人は決してしない」という信念を持っていたにも関わらず、他人が傷つこうがなんとも思わない──英雄の代名詞となる「仮面ライダー」の称号を力ずくで奪おうとする「英雄」にはほど遠い「怪人」と化していた。その証拠に警察の包囲網もパトカーを爆破するという過激な方法と重加速によって突破している。
ドライブと対決したルパンはZZZ由来の怪力を見せつけると、仲間の操縦するヘリコプターで退散した。進ノ介達は取り逃がしたものの捜査で正体が日本で半世紀に
そこでルパンによるトラック強奪事件が発生。盗まれたトラックと「トライドロン」──ドライブ専用のスーパーカー──によるカーチェイスの末に再び逃がしてしまうが、クリムはこれまでの
城ではルパンが待ち構えていた。彼は英雄と称えられるドライブに「心底失望した」と思いの
目的である「仮面ライダー」の称号を倒したという理由で奪うと「仮面ライダールパン」と名乗り、進ノ介達を「敗北者」として
そして三度目。歯止めが効かなくなったルパンは盗みではなく強引な理屈で正当化したテロ行為を予告した。人質を取ってまで進ノ介を抹殺し、仮面ライダールパンの存在を確実なものにしようとしたためだ。
追い詰められた進ノ介だったが心の「エンジン」が復活したことで、それに
ドライブの
敗れたルパンは
しかし、そこで彼の命運は尽きなかった。ロイミュードになったことでその特性である「コア」を破壊されない限り、
結果的に目的の一つ「不老不死」と進ノ介のバディである
ZZZから解放されたことで、ルパンは
だが、ある仕事以降、ルパンは彼自身の存在を煙たがるロイミュード以外の相手からも怨みを買った。
その上、今のルパンは仮にも不老不死だとはいえ安心できない状態だった。使用しているボディが高性能なZZZから下級ロイミュードのボディに代わったことで弱体化していた。一転、完全な不老不死からほど遠くなり、ある意味で人の方がマシだったと思えるほどの
ある日、ルパンはロイミュードの暗殺者が差し向けられたことを知る。
自身の終焉を悟り、今では疎遠になった
その間、本来ならば
どうにか自分の想いを書き切り、後はルパンガンナーとともに
手紙を仲間に預けようとした矢先、ルパンはロイミュード
手紙は預けられたもののルパンガンナーを失い、絶体絶命の彼は永遠のライバル、進ノ介に「最後の挑戦状」を送ることを思いつく。
しばらく姿を消していたルパンからの久々に届いた挑戦状に、エンジンが掛かった進ノ介は
それに
無事、汚名返上したルパンは進ノ介に
これにてルパンの物語は終わる──はずだった。
しかし「アルティメットルパン」が遺した想いは彼の望み通りに新たな