ブルーロックの世界に転生したら魔王に憑依していた件について 作:緑黒
(…………? ………………!?)
気がつくと、目の前には真っ白の景色しかなかった。いや、むしろその逆でずっと遠くにその景色があるのかも知れない。白しか色がないから距離感が掴めなくて位置の把握もしづらかった。
(ここは、……どこなんだ?)
俺は混乱しながらも、仰向けで寝ている状態から体を起こした。そこには相変わらず真っ白な景色とぽつんと紙が置いてあった。
「……とりあえず、読んでみるか」
他に何もないため、俺はリスク承知で紙を拾い、そこに書かれている事を読んだ。
───おめでとうございます。『あなた』は転生する権利を得ることができました。『あなた』が転生するかどうかは、『あなた』が決める事ですがしない場合、『あなた』はそのまま消えることになります。また、転生する際のリスクがあるため、注意事項を読み、理解した上でどちらかを選択してください。
転生する際の世界は漫画、アニメ、ゲームの中からランダムに決まり、その後に転生特典を決めます。
その際、選ばれた世界に関する知識、記憶は消去します。
転生し、転生体に入った際、転生体の魂とあなたの魂は混ざり合います。
魂が混ざることで『あなた』は『あなた』ではなくなるかもしれません。最大限の努力はしますがそれでも魂が混ざった際のリスクはなくなりません。───
(……予想通りと言えば予想通りの展開だが、少しズレているような気がする)
俺はそんなことを思いながら、期待とその先にある事への不安を抱いていた。
この注意書き通りなら転生する際のリスクは決して低くなく、また、紙に書かれている事が本当かどうかもわからない。
だが、この紙の書いてあることが本当ならアニメや漫画、ゲームの世界に行って、もしかしたらチート級の特典をもらい無双が出来るのかも知れない。
げど、逆に大したことのない特典で人が簡単に死ぬような世界に転生したら高確率で俺は痛い思いをしながら死ぬことになる。
(そんなふうに死ぬのは──ってもう俺は死んでここにいるから、転生しなきゃ本当に死ぬことになるんだよな? ……死んだ自覚はないけど)
俺はうだうだと、無駄に色々と考えた。
そう無駄に
俺は紙に書いてあることを理解してから、すぐに選択肢を決めていた。あとは覚悟を決めるだけだ。
「……ふぅ、よし」
覚悟を決めたその瞬間に、持っていた紙は文字を変えていった。マジか、人も居ないし、ボタンとかもなかったから、どうやって二択を決めるのかと疑問だったけど覚悟を決めた瞬間に次のステップに行くのか。
俺が驚いている間に文字は完全された。
───転生を選んでくださり、ありがとうございます。そして、ランダムに選んだ結果、『あなた』にはブルーロックの世界が選ばれました。───
「ふぁっ!!」
1番気になっていた結果が普通に書かれており思わず変な声を出してしまった。
「いやいやこんな大事なこと、さらりと書くか普通!?」
「はぁ」と俺は両手を地面について緊張していた体から、力を抜いて座りこんだ。
「けど、ブルーロックか〜。助かったー」
色々と思うところはあるが、決まった世界が安全で好きな世界なことに安堵した。ブルーロックは死ぬ前の世界と殆ど変わらないから安全だし、好きな漫画だし、本当に運がよかった。
そして俺はブルーロックのことを思い出していて、あることに気づいた。
(そういや、転生する国、環境とかもランダムなのか?)
それから少し時間がたち、思わず背筋が凍った。そうだよ、ブルーロックの世界に転生するのは確定したけど、どこに転生するかまだ確定してないんだ。
(外国に転生するのは、別にいい……日本食とか食べれなくなるけど。それよりも恐ろしいのは、カイザーみたいな親の元に生まれしまうことだ)
カイザー、フルネームはミヒャエル•カイザー、ドイツの最強クラブチーム『バスタード・ミュンヘン』のFWで
もしかしたら、同じような家庭の子供に転生してしまうのかもしれない。そうではなくても明日、生きていけるかもわからない子供になる可能性もある。
(安心するのは早すぎた。もしそうなったらどうする? いやそうなる可能性があるのは、転生する時覚悟していたけどさ)
一人で舞い上がったせいで、上がった後に落とされた気分になった俺は色々とネガティブな思考になっていった。その時、俺はあのことを思い出した。
(そうだ、まだ転生特典が残っていた! 内容によってはどうにかなるかもしれない)
そう思い俺は紙を見ようとしたが、もし本当に転生特典のことが書かれており、特典がしょぼかった場合のことを考えてしまう。
(ふぅ、……せめてチートじゃなくても、俺に"最適"なものとかにしてくれ)
改めて覚悟を決めたせいか、どうしようもないからか、スムーズに紙を開けることができ、紙にはすでに文字が変わっており、少ししてから完全した。
───『あなた』に授ける特典が決まりました。
(やっぱり特典のことが書かれている。問題はどんな特典なのか)
特典は
1身長が伸びやすくなる
2身体能力向上
3???
です。
これより転生します。どうか幸せな人生を歩んでください。───
「ファックオフ!!!」
なんだよこれ、微妙だし3なんて??? だよ。明らかにふざけているだろこれ。
俺はふざけた内容に怒っている間になぜか体が消えていった。
「はぁ!? 、なんで消えて───これもしかして転生するせいでこうなっているのか? 待って待ってまだ心の準備が───」
あれ? 喋れなく──って、口がなくなっている!! 今までの親切どこにいった!?
俺は急な展開に驚きながら願いを頭の中で願った。
(お願いします、カイザーは嫌だ、せめて大人になるまで安全に暮らせるようにしてください。できれば日本にしてくださいお願いします)
願っている間にも体は消えていき、視界が黒に覆われた時に俺の意識もなくなっていった。
§
………………? ……!?
デジャブを感じながら目の前の光景を確認したらどこまでも行くような白でもなければ黒でもなく、白色の天井があった。
(……転生したのか、ここは……病院か? てか誰かに抱かれているのか? 俺)
転生したせいか意識が朦朧としていたがどうにか現状を確認した。
「◾️◾️◾️」
声は聞こえる、多分日本語……!!?
「ア────ー」(しゃぁ──日本に転生できた!!)
俺の願い通りに日本の家庭の子供に転生できた。
そう
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