「突入!」
「なっ!?」
ドンッ! という鈍い音が遠くから聞こえてきた。それと同時に
「まさか嗅ぎつけられたのか!?」
「くそ! 逃げるぞ!」
「こいつは?!」
「置いていくに決まってるだろ! 連れていく暇なんてないぞ!」
女性様たちは慌てたように部屋を出ていこうとしたけどそこに特殊部隊のような服を着た人たちが入ってきた。数は、いっぱい……。いっぱい……。
「動くな!」
「畜生! ここまで来て捕まってたまるか!」
「確保!」
「ぎゃっ!」
じょせいさまがいっぱい。いやだ、またやられる。いっぱいだからじかんがいっぱい。いっぱい。いっぱい……。
「離せ! 男に媚びを売る
「いや! 離して!」
「抵抗するな! 容疑者2名確保! っ! 男性も一緒です!」
あたまがはたらかない。こわい。こわい。こわい。でもにげたらだめだ。じょせいさまにいわれたとおりに、いわれたとおりにいわれたとおりに
「正人君ね? もう大丈夫よ。助けに来たわ」
「死ね! 死ねよ!」
「暴れるな!」
いわれたとおりにするんだ。そうしないといたくなる。いたくなる。いたくなる。
「ど……」
「ど?」
「どうぞ。ぼくのからだをすきにつかってください」
「……え?」
いわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりにいわれたとおりに……
「ぼくはじょせいさまのにくどれいです。どんなことでもよろこんでやります。どうぞ、ぼくをつかってください」
男女比は脅威の1対100000。男性を見ることなく一生を終える女性が全体の半数と言われるような世界であり、男性は大切にされていた。だが、それがよくないのか男性はまるで悟りを開いた賢者や仙人の如く様々な欲求が薄かった。なんと小学生でピークを迎え、成人する頃には様々な事に無関心となってしまうそうだ。勿論、総合的に見ればの話で中には50歳を迎えても欲望の塊のような人もいるし、精力的に活動する人もいる。だがそういった男性は全体の1割程度でしかないそうだ。そして、その結果として性欲を持たないどころかEDが全体の半数を占めているらしく、これがこの男女比の原因となっていた。
現在でこそすべての精子を女性に分配し、必ず妊娠させる技術が確立したために男女比の差が広がる事は無くなりつつあるらしいが男女比の根本的な解決に至っていないそうだ。
そんな世界に転生した俺は前世と変わらず、わんぱくな小学生時代を過ごした。まだこのころは男女の差なんてないに等しく、皆で笑いあいながら毎日を楽しく過ごしていたがそれも中学生を迎える頃には大きく様変わりをしてしまった。
男は無気力に、女性はアグレッシブに。まるで男性の生気を女性が吸い尽くしているかのようにすら思えてしまう程の激変だった。一緒に遊んでいた男たちは軒並み家と学校の往復に終始し、女性はこちらを餓えた狼の如き野獣の視線で見てくる始末だ。前世において女性は男性の視線に敏感だと言っていたが成程その理由がはっきり分かった。前世女性の10倍くらい性欲豊富なこの世界の女性たちの視線はそういうのに疎い俺でもはっきりとわかる程だった。
とはいえ俺はそんな世界においても変わらず女性に接し続けた。むろん、節度は守っていたし、幼馴染が間を取り持ってくれたおかげで一線を越える女性が現れずにすんでいた。
だが、俺はそれを自分がうまくやれていると勘違いしてしまったのだ。そして、「この世界の女性たちに少しでも幸福を与えたい」と思うようになってしまったのだ。今思えばそう思って行動した原因が今の
『本日、半年前に行方不明となった人気ミューチューバー山下正人君が保護されました。正人君は女性過激派テログループ“百合”の構成員に性的暴行を受けており、保護された時には衰弱していた模様です。現在は病院に搬送され治療を受けているとの事で……』