いつもよりちょい長めです。
皆さんこんにちは、私は治安維持局の局長であるロバート・ジェンキンスと申します。
局長なんて肩書きをいただいてはいますが、実はこの役職ただの中間管理職でして、上のほうからはやたらめったら無理難題を押し付けられるのが常の面倒な職なのです。
あぁ、思い出したら胃が...ゴホンッ、さぁ今回の記録は我々の活動内容と我々から見たブレア様の印象というものです。
では皆さん、どうか楽しんでいってください。
機神歴99年 祝福の月1日
えぇ忘れもしません、あれは私がいつも通り書類業務を終えて休憩に入ろうとしていた時のことでした。
フローライト家時期当主候補の逃亡及び失踪。
はい、これが私たち治安維持局に降りかかる苦難の始まりでした。
逃げ出した時期当主候補の名前はブレア・フローライト、現当主の娘かつ長女であり次代の当主となるべく厳しく育てられていたお方でした。
そして、王の婚約者候補でも。
おっと、この話はNGでしたね、下手に話したら我々の首が物理的に飛んでしまいます。
さて、この事件に関して実は私にも責任がありまして、ブレア様の初めての外出の日、警備を担当していたのは我々治安維持局でして、まぁ責任追及は免れませんよね。
なんとか私や部下の首が物理的に飛ぶことは避けられたのですが、その代わりに娘の居場所をさっさと探ってこいと言われまして、通常業務で忙しい中さらにブレア様の捜索任務まで追加されてしまったのです。
まぁ、我々の自業自得といえばそうなのかもしれません。
ですが、我々も油断していたわけではないのです。
なんとブレア様は、我々治安維持局が用意した精鋭部隊約10名を一瞬で蹴散らしてしまわれたのですから。
意味不明だと思われるでしょう?、我々も同じ気分です。
結局のところ我々の実力不足だったのかもしれません。
日頃訓練に訓練を重ね、油断を殺す業を行い、積み重ねが全てを生むのだと信じて活動しておりましたが、今回の一件で自信をなくしてしまいました。
おっと、話が逸れましたね。
我々とていつまでもいじけてはいられません。
しっかりとブレア様を捜索致しまして、なんとか痕跡と居場所を掴むことができました。
ところが非常に厄介なことになりまして、ブレア様がまさかの神滅級冒険者になっておられたのです。
そのせいで、下手に手を出せずに何とか虚飾をまぜた報告で誤魔化していたのですが、とうとう我々の上司ことフローライト家現当主であるフローレンス・フローライト様が痺れを切らしてしまわれました。
そう、実はフローライト家というのは我々治安維持局の上司でして、フローレンス様は『均衡大臣』という王直属の大臣なのです。
均衡大臣というのは、その名の通り均衡を守るための役職、我々治安維持局を率いて王国に降りかかる厄災全てを討ち払う我が国における最高戦力なのです。
さて、痺れを切らしてしまわれたフローレンス様ですが、なんとお抱えの私兵たちを国中に派遣し、情報を収集し始めてしまわれたのです。
正直、それなら最初からそうしてほしかったのですが...んっんん!失敬、愚痴が漏れてしまいました。
ですがこれはかなり不味い結果を生みました。
なんと治安維持を目的とするはずの均衡大臣の私兵によって治安が悪化するという最悪の結果になってしまったのです。
えぇ、勿論ヤバいです。
当然これが王にバレたら連鎖的に我々の首が物理的に飛んでしまいます。
なので、しょうがなく我々はブレア様の居場所を私兵たちに教え、ブレア様のほうは大事にしている何でも屋を人質に取るという畜生にも劣る所業で説得する羽目になってしまいました。
この辺りで我々から見たブレア様の印象を語りましょう。
逃亡事件以降のブレア様は、見た目に無頓着で髪の手入れもせずに、せっかくの長い黒髪をボサボサにして肩まで垂れ下がらせているというお世辞にも身綺麗とは言いがたい状態でした。
そのうえ、まるで我々のような疲れはてた目と顔をしておられてなにやら親近感が沸くという部下まで出る始末。
化粧さえちゃんとすればおそらくはそれ相応に綺麗なのでしょうが、そういう類いのものを一切使わないので非常に野暮ったい見た目になってしまわれました、
正直この姿をフローレンス様に見られでもしたらガチで我々の首が物理的に飛びかねないので、ブレア様が実家に帰られる時は勿論身綺麗にさせて貰いました。
結局、ブレア様が全てを台無しにしてしまわれたので、我々の胃は今も痛み続け限界に達しようとしています。
あぁ、思い出すだけで胃が...おっと失礼しました。
では今回はこの辺りで終わりにしましょう。
それでは皆さんごきげんよう、さようなら。