やぁやぁ皆私だよ。
前回はヴェルギリウス将軍との戦い、その前半をお見せしたね。
今回は戦いの後半と決着を語って行こうか。
ほの朱い光を全身から放つブレアを見て、ヴェルギリウス将軍は再び獰猛に笑った。
曰く、ずっと私の本気が見たかったということらしい。
知るかよ、私はさっさとこの戦いを終わらせて、いつものうんざりするけど少しだけ楽しい日常へ戻りたいだけ。
お前なんか、はなから眼中にない。
来いよヴェルギリウス・ヴァルドライト、今この瞬間だけ私の全力で相手してやる。
ヴェルギリウス・ヴァルドライトは愉快そうに笑う。
ようやく己が本気でぶつかれる相手が現れたと、己の全てを解放できると。
彼は今、人生の絶頂期に至っていた。
振り下ろされるヴェルギリウスの剣、コード:ダイモスにより生み出されたそれは、持ち主の悦びに呼応してか、本来の性能を大きく超える力を発揮していた。
ダイモスは、ブレアの体より放たれる熱エネルギーを高出力の振動波によって散らし、己が主を好敵手に届かせんとする。
そして、まさにその刃がブレアに届かんとするその瞬間、朱い光が溢れた。
かつて己とドロシーを焼かんとした熱核反応である。
その爆発が鼻先まで迫った時、ヴェルギリウスは剣先から振動波を前に向けて解放することで、大きく後ろに回避することに成功した。
だが、その瞬間をブレアは待っていた。
確かに振動波を解放することで後ろには避けられたが、その瞬間足は地面から離れ少しの間自由は失われる。
その瞬間を虎視眈々と狙っていたのだ。
ヴェルギリウスもその意図に気づき、今度は振動波を全方位に向けて解放した。
だが、圧倒的なエネルギー量を要するブレアには効かず、ヴェルギリウスにとっての滅びの炎が放たれた。
臨界フレア、赤熱臨界形態における最も恐ろしい技である。
その内容は、触れたもの全てを灰に変えるエネルギーを一点に集束させ、それを相手に放つと言うもの。
その威力は絶大で、寸分の狂いなくヴェルギリウスを撃ち抜いた。
ヴェルギリウスは笑う、最強と言われた己を撃ち破る者がようやく現れたと。
だが、ヴェルギリウスは残念にも思った。
もう少し、もう少しだけ長く戦っていたかったと。
この得難い素晴らしい時間をもっと味わっていたかった。
そう思いながら、ヴェルギリウスは瞼を閉じた。
帝国最強、陥落。
いやぁ、めんどくさかった。
柄にもなく本気出して疲れちゃったよ。
でも、ヴェルギリウスも倒したから、後は蛮族を操るしか能のないくそ女だけなんだけど。
あー、なんか白旗が見えるねぇ、散々人のこと煽っといて、こんなあっさり降伏するんだ。
あっ、そういえば、"あれ"はどうなったかな?
ブレアは都市とは正反対の方向、シーナ帝国の方に視線を向ける。
なんと、鉄壁を誇ったシーナ帝国の絶対障壁に穴が開いていた。
あぁ、ちゃんと当たったみたいね、ヴェルギリウスを狙いながら方向調節して帝国狙うのしんどかったわぁ。
そう、ブレアがヴェルギリウスのことを眼中にないと言ったのは、最初からヴェルギリウスではなく絶対障壁のほうを狙っていたからなのである。
んまぁ、後はうちの国の軍隊さんがうまくやってくれるでしょ。
私はドロシーを取っ捕まえてから家に帰ろっと。
それじゃまたね、バイバイ!。