ン我が戦姫!!   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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兎と龍:2043

 戦兎の手当によって幾らかマシな状態になったクリスであったが手当を行った戦兎から見れば病院に連れて行った方が良いとマリアに助言をしたが彼女は自分達にはこの国で身分を証明するものは何も無いと答えられた事で戦兎はいかに自分が天才物理学者だと言ってもそれはどうにもできないと頭を悩ませる。

 

「妹を助けてくれた事には感謝している。だが感謝しているだけだ早く何処かに行ってくれ」

「冷た~」

 

何処かに行けと言われても戦兎と万丈はただ自分達の家として使っている貸倉庫に帰ってきたつもりが廃墟になっておりそこに見知らぬ女が二人居たと言う状況であった。

 

「戦兎やっぱりだ!!此処俺らの家だぜ!!ぶっ壊れてるけど」

「だよな~」

「お前達の家だと?」

 

此処が戦兎達の家と言うことであれば不法侵入したのは自分達の側であると言うことになるのだが。

 

「お前達は廃墟に住んでいたのか?」

「なわけねぇだろ。汚かったけどちゃんとした場所に住んでたわ!!」

「汚い!?俺の発明品の事ガラクタだって思ってたのか!?」

「だって売れた試しねぇだろ」

「いやぁ・・・それは・・・」

 

自身の思いつくがままに変な物ばかりを作り家計を助けるどころか圧迫させていた戦兎はいつもとは違い万丈に言いくるめられそうになる。

 

「そう言うお前だってプロテイン買いすぎなんだよ」

「俺から筋肉抜いてみろ何が残るんだよ」

「馬鹿だけだな」

「馬鹿じゃねぇプロテインの貴公子だ」

「プロテイン抜けって言ったのはお前でしょうが」

 

最初の話題からドンドンそれていきやがてマリアを放置して二人がじゃれ合いとも取れる言い合いを始めていると屋外から悲鳴と共に警報が響いてくる。

 

「スマッシュか!!」

「待ちなさいよ筋肉馬鹿!!」

 

ノイズの出現を知らせる警報であるためにシンフォギアを持たない戦兎と万丈にマリアが警告を警告を出そうとするも既に二人は外に飛び出して行っていた。

 

「親切心を出そうと思った矢先にこれか・・・」

 

仮面ライダーであれば自分達で何とかするだろうと判断したマリアは万が一クリスの居るこの場所にノイズが現われた際に対処するためにクリスの側に行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 避難所へと逃げていく人々を掻き分けながら戦兎と万丈は騒動の原因の元へと向かっていくが戦兎は向かう途中で街並みが自身の知るものとは異なっていることに気づく。

 

(まさか、あの時みたいにホワイトパネルが起動したのか?)

「うわ、なんだあれ気持ち悪!」

 

思わず思考に耽ろうとした戦兎を万丈の声が現実に引き戻す。

 

「確かに気持ち悪いな。それに気持ち悪いだけじゃなさそうだ」

「みたいだな」

 

炭と化した人間を見てそれが目の前に居る気持ち悪い生物もどきノイズの仕業であると見た二人はビルドドライバーを装着しそれぞれ仮面ライダービルドと仮面ライダークローズに変身する。

 

「「変身!!」」

 

『鋼のムーンサルト!!ラビットタンク!!』

『ウェイクアップバーニング!!ゲットクローズドラゴン!!』

 

ビルドが動くよりも先にクローズがビートクローザーを構えノイズ目掛けて駆け出し振るうが刃先が炭となる。

 

「は?」

 

そのまま手の中でボロボロと崩れ落ちたビートクローザーに唖然としたクローズが顔を上げるとノイズと顔を見合わせる形になる。

 

「避けろ万丈!!」

「うぉおぉぉおお!?」

 

振るわれた触腕をビルドからの掛け声でギリギリ避けたクローズはドラゴニックフィニッシュを発動し回し蹴りを行いノイズを撃破する。

 

「おお倒せた」

「カウンターじゃないと倒せないって事か。だったら」

 

『忍びのエンターテイナー!!ニンニンコミック!!』

 

ニンニンコミックにビルドアップしたビルドは四コマ忍法刀を構える。

 

「勝利の法則は決まった!」

「決まったってどうやるんだよ」

「恐らく奴らは攻撃の瞬間にだけ実体化する。お前にも分かりやすく言うならドラゴンボールのヒルデガーンだ。この前見てたろ?」

「ああ、あれと一緒か!!だったら俺でも倒せるな!!」

 

分身を繰り出したビルドは自らの分身にノイズが攻撃する瞬間に攻撃し撃破する。

そしてクローズは新たに生成したビートクローザーにウォッチボトルを装填するとノイズが攻撃してきた瞬間に加速しカウンターの斬撃を与え撃破した。

 コツを掴みさえすれば歴戦の二人にとっては容易いもので出現していたノイズを殲滅していた。

 

「万丈、気づいてるか?」

「?なんにだよ」

「だと思ったよ」

 

やはり気づいているのはまだ自分だけだと確認できたことでビルドはため息をつくとクローズに自分達の置かれている今の状況を告げる。

 

「此処は、俺達の世界じゃない」

「・・・。ハハハ、そんなまっさかぁ」

 

ないないと否定するクローズの耳に近くの横転している車から垂れ流されているラジオが入る。

 

『今日は2043年5月27日。今日は――』

「なあ戦兎今って何年だ?」

「2018年の筈だが・・・。一体どうなっているんだ?」

 

ホワイトパンドラパネルが起動したのならば気づかないのはおかしいとビルドが思考に耽っているとバイクの音がする。

 

「なんだ?まだ人が居たのか?」

「貴様は確か、あの時の仮面ライダーか。今度は仲間も連れて来たというわけか」

「あの時の仮面ライダー?」

 

既にシンフォギアを纏っていた翼はバイクから降りると共に刀を抜くとビルドへと迫っていく。

 

「今投降するのであれば五体満足にはしてやる」

 

初めてガングニールを纏った響と出会った際にカッシーンがビルドに変身しているのを見ている翼は今目の前に居るビルドとクローズも同類なのかと考えても居るがそれではノイズを倒す理由が分からなくなる。

 

「やるってならやってやるぜ!!」

「ちょ、万丈!」

 

敵か味方かと翼が考えていると取りあえず拳を交えれば分かるだろうと言う筋肉馬鹿的な理由でクローズが翼に斬りかかるが翼はそれをいなすとクローズの腹部に一太刀浴びせる。

 

「流派も何も無い・・・本当にあれの同類なのか?」

 

斬られたと言うのに痛痒を与えたようには見えないようにどっしりと構えたクローズがスクラッシュドライバーを取り出しクローズチャージへとフォームチェンジしようとするのをビルドが止めようとするがビルドは背後から迫る何かを感じるとさっと避けるとついさっきまで立っていた場所を赤いエネルギーが地面を砕きながら突き進みクローズに直撃する。

 

「な、なんじゃこりゃ!!」

「万丈!!」

 

宙に浮かび上がり拘束されたクローズを見てビルドが焦る。

 

「またお前か・・・」

 

ビルドが振り返るとそこにはファイズエッジGを携えた響が佇んでおりクローズに斬りかかろうとしていた。

このままではクローズがやられると考えたビルドは翼と響がビルドを知っているような口振りをしていた事から考え変身を解除すれば矛を収めてくれるのではと考える。

 

「待ってくれ。俺達にも状況が掴めていないんだ。君たちと争う意思は無い」

 

変身を解除したビルドから現われたのがカッシーンではなく人間の戦兎であった為に翼と響はシンフォギアを解除する。

それに伴い万丈は地面に落下した。

 

「ロボットじゃない・・・」

「ロボット?」

 

此処に戦兎つまり本物の仮面ライダービルドが居ると言うことは即ち何処かでアナザービルドが誕生したという事になる。

 

「翼さん、この前渡したウォッチって何処にあるの?」

「あれか・・・。それが何時の間にか消えていたらしいのだ」

「管理態勢・・・」

 

二課の管理態勢に呆れている響と申し訳なさそうにしている翼を見たクローズはひとまず戦闘が終ったと判断すると変身を解除し戦兎の近くへと行く。

 

「何が起きてんだよ」

「それを今考えてるんでしょーが」

 

一先ず万丈が無事だと確認した戦兎が彼にデコピンを喰らわせる。

 

「痛って。なにすんだよ」

「いや馬鹿が治らないかと思ってな」

「せめて筋肉つけろ」

「では筋肉馬鹿と自称天才物理学者の君たちに何が起こったのかを私が説明しよう」

「「ぬわぁぁあああ!」」

 

突然二人の間に生えるように現われたウォズに二人が驚いているとそれに構わずウォズは口を開く。

 

「君たちが此処に招き寄せられたのはアナザービルドが誕生したせいだろう」

「アナザービルド・・・?」

 

アナザービルドと聞いた戦兎は記憶を思い出す。

 

『俺ビルド!!お前クローズ!!ベストマ~ッチ!!』

『アーマータイム!!ベストマッチ!!ビルド!!』

 

それは仮面ライダージオウに自身の力を託した記憶。

 

「いや、おかしい。あれはソウゴが倒した筈だ」

「そして君たちは仮面ライダーでは無くなった。違うかい?」

 

ウォズに言われ確かにその筈だったと戦兎は首を傾げる。

 

「まあ、その点は魔王が混ざり合った末に滅びかけていた20の世界を分離したことで君たちにも記憶と力が戻ったのだろう」

 

本を開き間違いがないことを確認したウォズはそう言うと続ける。

 

「さて、結論を言おう。君たちが元の世界に帰るにはアナザービルドを倒す必要がある」

「また力を失うって事かよ」

「さあ?それはその時の状況次第だ」

 

再び仮面ライダーではなくなるのかと問いかける万丈であったが今はまだ分からないという解答が帰ってくる。

 

「ウォズ、今から二課に行くけどアンタはどうする?」

「おや、結局二課に所属したのかい我が戦姫」

「未来が入るなら私も入るよ」

「君らしい素晴らしい友愛だ。私はまだ遠慮しておくよ」

 

響と未来の友情を称えながらもウォズは自身は二課の面々の前にまだ顔を出したくないのか断りを入れるとストールに巻かれ姿を消した。

 

「手荒な真似をしてしまいすまない」

「偽ビルドに襲われたんなら仕方ない。警戒するのも分かる。それに喧嘩を仕掛けたのはこっちの筋肉馬鹿だからな」

「プロテインの貴公子だ」

「お前は黙ってなさいよ」

 

馬鹿に筋肉をつけてやったにも関わらず強欲にもその上の呼び方を要求してくる万丈を戦兎が叩く。

 

「お二方には私たちに着いてきて貰いたい。アナザーライダーが現われたとすれば貴方達の助力が必要だ」

「俺達はラブアンドピースの為に戦う仮面ライダーだ。またあんなのが出たならビルドの力を悪事に使われる訳にはいかないからな」

「ありがたい」

 

戦兎と万丈はアナザービルドを発見し倒すために翼達に協力することにしたのだった。

 二課に到着し戦兎と万丈の紹介が終る頃に翼は姿を見せない了子の事について弦十郎に訪ねる。

 

「司令、櫻井女史の姿が見えませんが」

「了子君なら記憶の遺跡にて緊急の要件ができたと先ほど飛び出していったな」

「そうですか」

「あの二人の事は簡単に纏めた物を送っている。詳しい紹介は帰ってからで良いだろう」

 

弦十郎は翼にそう言うと仮面ライダーである二人に話しを聞きに行った。

 

 

 

 

 

 

 記憶の遺跡、そこには日本政府の所有する聖遺物などが保管されている場所。

普段であれば血の匂いなど無縁の場所そこは今突如現われたブラッドによる血風吹き荒ぶ地獄と化していた。

 

「動力とするならばやはりこれは欠かす訳にはいかない」

 

2年前のツヴァイウィングのライブを隠れ蓑として行われた完全聖遺物の起動実験においてネフシュタンの鎧とは異なり目覚めた完全聖遺物デュランダルをブラッドは手にするとその場から一瞬で姿を消した。

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