倒れている人々の間を駆け抜け響は戦闘音が響いてくる広場へと向かっていく。
「翼さん遅れました・・・」
てっきり翼が先に戦っているものと思っていた響はアナザーエグゼイドと戦うエグゼイドを見て戸惑う。
「人!?早く逃げて!!」
場に現われた響を見てエグゼイドはアナザーエグゼイドを押し留めながら彼女に逃げるように促す。
が、響はエグゼイドの言葉に従うことなくアナザーエグゼイドに跳び蹴りをくらわせる。
「私も戦えます!!」
蹴りをくらい後ずさったアナザーエグゼイドを見てエグゼイドは響の言葉に嘘は無いと判断する。
「分かった。協力プレイでアイツを攻略だ」
「誰かは知りませんけど。分かりました!あのノイズを倒しましょう!!」
口ぶりでは目の前のアナザーエグゼイドの戦いに集中している風ではあるがこの場が未来との集合場所であった為に目は未来を探していた。
そしてアナザーエグゼイドと攻防を続けていると響は広場の隅で倒れている未来を発見する。
「未来ッ!」
「僕が来たときにはあの子も感染していた。治すにはアイツを攻略するしかない」
「感染?」
まるで病気にかかったかのようにエグゼイドは言うがその通りでありアナザーエグゼイドは自らのバグスターウィルスを散布していた。
そして感染してから一定時間が経過したことで感染者達は未来も含めて頭部がバグスター戦闘員のようになると起き上がり響とエグゼイドへと向けて襲い掛かる。
「これが私の新しいゲーム。ゲムデウスクロニクル!!」
「ゲムデウス?」
高笑いを上げるアナザーエグゼイドの言葉に反応したエグゼイドはマイティドクターXXを取り出す。
「これならもしかして・・・」
襲ってくる感染者に手を出すわけにはいかない響は掴みかかられ引き剥がそうとすると掴んできた者が未来であると気づく。
「未来!!聞こえてる!?」
問いかけるがバグスターウィルスに操られているのか唸り続けるだけで返事をしてくれない未来に泣きそうになっているとエグゼイドが飛び上がりマイティドクターXXを装填したガシャコンキースラッシャーを蹴り飛ばす。
「こんな物・・・ぐぅ!?なんだこれは!?」
容易く防げた筈の一撃を防げずにガシャコンキースラッシャーが胴体深く突き刺さった事で戸惑うアナザーエグゼイドに対してエグゼイドがライダーキックを放つ。
『マイティクリティカルストライク!!』
ガシャコンキースラッシャーの柄を蹴り込みマイティドクターXXのワクチンプログラムをアナザーエグゼイドに流し込む。
「ぐぅうぅぅうううう!!!」
「はぁあああああああ!!!」
蹴り飛ばされたアナザーエグゼイドが爆発すると炎の中からふくよかな男が現われる。
「一度はこの私を倒しただけはあるな」
「ジョニー・マキシマ・・・」
マイティドクターXXの効果によりジョニーの散布したゲムデウスXウィルスが本体共々弱体化したことでバグスター戦闘員化していた感染者達は一時的に元に戻る。
「未来!良かった・・・」
未来含め全員が元に戻った事で響は一時安堵するが高熱を発している事に気がつく。
「凄い熱だ」
荒い呼吸を繰り返す未来を抱きかかえる響の耳にジョニーの高笑いが届く。
「何が可笑しい」
響の代わりにエグゼイドが問いかけるとジョニーはマイティドクターXXを破壊する。
「今回はお披露目だ。真のラスボス戦でまた会おう」
破壊したガシャットを放り捨てジョニーはワープして姿を消した。
変身を解除したエグゼイドは響の元に向かうと彼女が抱いている未来が感染しているバグスターウィルスを調べる。
「やっぱりゲムデウスウィルスか・・・」
「未来はどうなるんですか?」
「あの男を倒さない限りウィルスがもう一度活性化してしまいます。だからその前に僕が奴を倒します」
マイティドクターXXが破壊されてしまった事で再びウィルスが活性化すれば感染者の命は無いと分かっている男は響にそう言う。
「貴方は一体・・・」
「僕は宝生永夢。それと仮面ライダーエグゼイド」
自己紹介をした永夢は救急車を呼ぶのだった。
◎
現われたマッハによりアナザードライブは一方的に攻撃を受けていた。
「どうした偽ドライブ!!そんなもんか!!」
「がぁ・・・」
自我というものが希薄なのかマッハからの煽りにも大して反応せずにアナザードライブはマッハを押しのけなおもセレナへと迫ろうとするがゼンリンシューターで撃ちまくられ地面を転がる。
「レディには優しくしろよ?」
「ぐぅぅ・・・。おおおおお!!!!」
立ち上がったアナザードライブが雄叫びを上げると右脚にエネルギーを溜めるとマッハへと向けライダーキックを放つ。
「おっと、そうはいかせるか」
『ヒッサツフルスロットル!トマーレ!』
ゼンリンシューターから放たれた弾丸が道路標識の『止まれ』のようになりアナザードライブの動きを空中で強制的に止める。
『ヒッサツフルスロットル!マッハ!』
飛び上がり回転したマッハはそのままの勢いでアナザードライブにライダーキックを直撃させると乗り捨てられている車にぶつけ爆発炎上させる。
「いい画だったでしょ?」
アナザードライブが撃破された事で重加速が解除されたことで戦いで巻き上がっていた瓦礫などが地面へと落下していく。
「貴方、何者?」
「あれ?言わなかったっけ?追跡!撲滅!いずれもマッハ!仮面ライダーマッハ!!で、本業はカメラマンだ。詩島剛って知ってるか?最近売れてきたんだぜ?」
「すまないが私は貴方を知らない」
「気を遣わせちゃったか・・・。悪い!」
手を合わせ謝罪した剛はアナザードライブをロイミュードと認識している為仮面ライダードライブである泊進之介へと電話をかける。
「ちょっと知り合いに電話をかける」
剛が翼達に一言断りを入れると進之介に電話が繋がる。
「どうした剛。何かトラブルか?」
「あれ?進兄さんそんな声枯れてたっけ?」
「何言ってるんだ。俺もう五十過ぎだぞ?」
「五十!?」
あり得ない自身の知る進之介はそんなに年を取っていないはずと剛は声を震わせる。
「進兄さん・・・今年って何年?」
「2043年だろどうした。カナダで変な物でも食べたのか?」
「カナダ!?え!?カナダ!?なんで!?」
「何でってオーロラ撮りに行くって行ってたじゃないか。英志にも言ってたじゃないか」
「分かった今の事は一旦置こう」
「お、おう」
これ以上変な情報が入れば混乱が深まると判断した剛は進之介に伝えるべき事を言う。
「進兄さん、ロイミュードが現われた」
「ロイミュード?なんだそれ」
「え・・・?」
本当に何か異常な事が起こっていると剛は察すると進之介に断りを入れると電話を切る。
「どうしよっか・・・」
「ひとまず私たちの司令が貴方にも会いたがっている。着いてきて欲しい」
「良く分からないが、目的ができるのは良いことだ。良し、連れてってくれ」
状況が分からなくなくなった剛は翼からの頼みに従う。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「礼なんて良いさ。仮面ライダーとして当たり前の事をしただけだからな。でもそのありがとうは受け取っておくぜ」
「そう言えば貴女も何者なの?あの怪物に狙われる心当たりはある?」
助けを求め来た少女としか分からないセレナに翼がそう問いかける。
「私はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。なんであの怪物に狙われたのかは・・・ごめんなさい分かりません」
「謝らなくて良いわ」
マリアと同じファミリーネームをしている少女に翼は何かを感じた。
「単純にこの子に成り代わろうとしたんだろうよ」
「成り代わる?」
「ああ、ロイミュードは人間の姿と記憶をコピーして成り代わる。だけど、その子を狙った奴は俺が倒したから安心しな」
安心させるようにセレナの頭を撫でた剛は彼女を後ろにしてライドマッハーに跨がると翼の先導に従いS.O.N.G.本部へと向かっていった。
剛達が立ち去った後アナザードライブと共に爆発した車の残骸から歪な形をしたトライドロンのようなバイラルコアが出てくると車を取り込むとアナザードライブとなる。
「アガートラム・・・。逃がさない・・・!」
唸り声を上げたアナザードライブは再びバイラルコアの姿になると走り去った。
◎
「人に感染するコンピュータウィルス?小児科医、未知のウィルスによるパンデミックが起きているこの状況でそんなジョークはノーサンキューだ」
「待ってください飛彩さん!!忘れてしまったんですか!?」
ゲムデウスXウィルスの感染者への対処に向かう鏡飛彩に向けて永夢は叫ぶが飛彩は自身が仮面ライダーブレイブとして戦っていた記憶を何故か無くしているようで永夢にも早く患者の処置をするように伝え立ち去ってしまう。
「どうなってるんだ・・・。飛彩さん・・・なんか老けてるし。僕が可笑しいのか?」
「永夢さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫。あのバグスターは僕が倒すから」
未来の事で不安なのに自身を気遣ってくれる響に永夢はそう返すも剛と同じく何かが起きているのを天才ゲーマーMの感で察していた。
◎
空に黒い穴が開くとそこから翼とクリスが落下してくる。
翼は空中で態勢を整えるとクリスを抱き寄せ自身を下にして落ちる。
運良く積み重なったゴミ袋の上に落ちた事で落下の衝撃を殺すことができた。
「なんで助けたの?」
「命は等しく平等だ」
「そんな理由で・・・」
「そんな理由だからだ。私は今を生きる命を守る防人だ」
アナザーゴーストによって落とされた穴の先に広がる世界は翼達の見知った世界と良く似ていた。
と言うよりも全く同じに見えた。
「楽しめって言われても何も変わってない・・・」
「そうでも無いみたいだ」
翼の指さす先にある街頭モニターには彼女たちの知らない『フロンティア事変』なる事件について語るコメンテーターが写っていた。
「助けてくれてありがとう。じゃあ私は私で動くから」
街行く人の中に消えていこうとするクリスの腕を翼は掴んで彼女を引き止める。
「なに?寂しいの?」
「そう言う訳ではない。各個撃破されるのはまずい」
「私は弱くない」
「だとしてもだ」
何を言っても翼は自分を離さないなと察したクリスは諦めの溜息をつく。
「好きにすれば?」
「そうさせてもらう」
二人は情報を集めるために街へと足を進めた。