ン我が戦姫!!   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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ノンストップデンジャラス:2043

 肌に張り付くようなじっとりとした風が響を撫でる。

先ほどまでの爽やかな物ではなく悪意を孕んだそれに響が目を細める。

 

「響?」

「下がって未来・・・。何か来るッ!」

 

未来の前に立つと響はシンフォギアを纏いファイズアーマーを装着する。

ファイズエッジGを生成した響が必殺の構えを取るとバイクに乗って疾走するアナザーダブルが道を曲がって現われる。

 

『Exceed charge』

 

フォトンブラッドが充填され槍のようになったファイズエッジGを響はアナザーダブル目がけて投擲する。

 

「!」

 

それに気づいたアナザーダブルはバイクの上で跳躍するとファングジョーカーの力を発現させ響に牙が生え揃った右脚を主軸にした回し蹴りを放つ。

 

「グゥッ!ぉぉおおおりゃぁああああ!!!」

 

ダメージ覚悟で左腕を盾にした響はアナザーダブルからの攻撃を押しとどめながらファイズショットGを右手に構え拳を放ちアナザーダブルを殴り飛ばす。

 

「っう!」

「響、腕が!」

「これくらい直ぐに治るから大丈夫」

「だからってこんな無茶しないで!」

「・・・ごめん」

 

着地したアナザーダブルが肩から牙を引き抜きナイフのように構える。

襲い掛かってくるアナザーダブルに対し遅れてシンフォギアを纏った未来がカリスアーマーを装着しカリスアローで足を止める。

 

「どうやら奴はただ者ではないようだ」

「そんなのいつもの事でしょ」

 

言われてみればこれまでのアナザーライダーはどれも戦いに心得の有る者が変身していたなとウォズは思い返す。

 

「本物を探しに来たら偽物が出てくるとか」

「でもどのみち探さないといけなかったから、此処で倒せれば!」

「未来、私たちはダブルウォッチを持ってない」

「じゃあ、アイツを倒せないッ!」

 

それでもウォッチに処理しきれぬ負荷を与える事ができればアナザーダブルの力を一時的に封じ込めることができる事から響はアクセルフォームになり速攻で倒そうとする。

 

「焦ることは無い。いずれお前達にも風が吹く」

「は?」

 

牙で二人を指し示したアナザーダブルがそう言い攻撃を仕掛けようとしていた響に隙を生むと斬り付け蹴り飛ばしファイズアーマーを解除させる。

 

「なるほどこれで仮面ライダーの力を使っていたのか。俺と同じと言うわけか」

「返して!!」

「良いだろう。俺には必要無いからな」

 

拾い上げ眺めていたファイズウォッチをアナザーダブルは未来に放り投げる。

 

「え?」

「こいつもくれてやる。特別サービスだ」

 

思わずファイズウォッチをキャッチした未来にアナザーダブルはヒートトリガーとなり構えたトリガーマグナムから超熱の火球を放ち彼女を吹き飛ばす。

 

「未来!!」

 

至近距離で攻撃を受けてしまった未来はシンフォギアの安全機構により変身が解除される。

 

「う・・・!まだ、戦える・・・!」

「よした方が良い。奴の正体が私の想像通りなら君では勝てない」

 

強制変身解除によるシンフォギアからのバックファイアによる激痛を受けながらもまだ戦おうとする未来をウォズはアナザーダブルの変身者を察したのか制止する。

 

「ウォズ、未来をお願い」

「君でも奴には単独での勝利は難しい。此処は撤退を勧めるよ我が戦姫」

「どのみちこいつを倒さないとどうにもならない」

「君ならそう言うと思ったよ我が戦姫。君の陽だまりは任せたまえ」

「響・・・」

 

ウォズに支えられ立つ未来の前で響がアナザーダブルに再び戦いを挑もうとするとバイクの駆けてくる音が轟く。

 

「ようやく追いついたぜ!!ダブルのぱちもん!!」

「ダブル!!」

「違うあれは仮面ライダージョーカー。ダブルの一人である左翔太郎が単独で変身する仮面ライダーだ。ちなみにもう一人のダブルであるフィリップが単独で変身する仮面ライダーはサイクロンだ」

 

ウォズが現われたジョーカーについて説明している間にジョーカーはハードボイルダーでアナザーダブルに体当たりをかまし吹き飛ばす。

 

「・・・これで良い」

「あ?」

 

相棒であるフィリップを現在進行形で誘拐されているジョーカーがアナザーダブルを睨み付ける。

 

「さっさとフィリップを返せ!!そうしたら少しは痛くしないでやる」

「無理な相談だ。そいて俺には既に痛覚は存在しない」

「その声・・・何処かで・・・。まさか、いやあり得ねぇ!!」

 

ジョーカーもアナザーダブルの変身者を予測しそれは絶対にあり得ないと拳を強く握る。

 

「誰が成ってるかなんてどうでも良い。アイツは未来を傷つけた」

「ん?おぉぉおおお!?」

 

たった今響に気がついたのかジョーカーが声をあげるとウォズが苦言を呈する。

 

「我が戦姫を不埒な目で見るのはよして頂こう。いかに君が仮面ライダーであろうと看過できない」

「見てねぇよ!!」

「ならば結構」

 

殴りかかってくるアナザーダブルに応戦しながらジョーカーがウォズに言い返していると響は多彩な能力を使う相手にはビルドだと考え至りビルドウォッチを起動する。

 

『ビルド!』

 

「なんだそれ」

「気にしなくて良い」

「クールだねぇ」

 

スロットにビルドウォッチを装填することで響はビルドアーマーを装着する。

 

『ベストマッチ!』

『ビルド!』

 

「勝利の筋道をこじ開ける!!」

「祝え!!新たな戦姫の――」

「これはこの前された」

「あれは厳密には異なるが・・・我が戦姫の意向であれば仕方ない」

 

腕部に装着されたドリルクラッシャーの刀身部分でアナザーダブルを削りながら響は殴る。

 

「らぁッ!」

「ぬぅッ!」

 

先ほどのお返しとばかりに回し蹴りを放ちアナザーダブルを響が蹴り飛ばす。

 

「一気に決めるぜ!!」

 

『ジョーカーマキシマムドライブ!!』

 

脚部にエネルギーを溜めるジョーカーに合わせ響も蹴りの構えを取る。

 

「アンタが今半分のダブルなら。後押しすればアイツを倒せるはずだッ!!」

「熱いのも持ってるじゃねぇか」

 

『ボルテックフィニッシュ!!』

 

同時に二人は跳躍しアナザーダブルに同時に蹴りを直撃させる。

 

「ライダーキックッ!」

「ぐぁぁぁぁああああ!」

 

痛みは感じないものの反射で絶叫をあげたアナザーダブルは吹き飛ぶと建築途中のビルにぶつかり地面に倒れるも直ぐに起き上がる。

反撃に移ろうとするアナザーダブルであったが肉体に蓄積したダメージによってふらついた瞬間に自身がぶつかった衝撃でビルから降ってきた建築資材に押しつぶされ血飛沫をあげる。

 

「嘘だろ・・・」

「・・・ッ!」

 

ジョーカーが思わず呟く横で響は明確に自分の意思で命を奪ってしまったと言う現実に顔を青くしていると建築資材が吹き飛びルナメタルのアナザーダブルが現われる。

 

「正義の味方が随分と酷い事をするじゃないか」

 

ダメージの蓄積により変身が維持できなくなったのかアナザーダブルの変身者が姿を白日の元に晒す。

 

「やはり彼だったかッ!」

「大道克己・・・!」

「御名答。死にきれず地獄から舞い戻ってきたのさ」

 

かつて風都を死の都に陥れようとした不死身の傭兵大道克己は拍手をしてアナザーダブルの変身者が自身であると当てたウォズとジョーカーの二人を褒める。

 

「そこの装者。さっきのは良い一撃だった、ご褒美をやろう」

 

克己はデンジャラスゾンビガシャットを取り出し起動するとバグヴァイザーⅡに装填する。

 

『ダブル・・・!』

 

再びアナザーダブルに変身した克己はルナの力を使用し響を自身に引き寄せるとバグヴァイザーⅡを彼女に押しつける。

 

「何をッ!」

「さっき俺を殺したと思ったな。あれは人間だったら死んでいたな良い腕だ。少し同じ苦しみを味わってみるか」

 

デンジャラスゾンビガシャットに封入されていた死のデータを持つバグスターウィルスが響に感染し急速に彼女の命を蝕み始める。

 

「うわぁぁあああ!!」

「テメェ何しやがった!!」

「死のデータをプレゼントしたのさ」

 

アナザーダブルはそう言うとジョーカーに捕らえているフィリップを見せつけるとゾーンメモリを使用し自身はこの場から姿を消した。

 

「響!!」

「やめろ!今の我が戦姫に近づけば未来君までウィルスに感染し死ぬ!!そうなれば私は我が戦姫に顔向けができない!!」

「響は今苦しんでる!!だから離して!!」

 

近づけば死ぬそう聞いてしまった為にジョーカーも近づけずに居る。

 

「どうすれれあの子を助けられる!!」

「君では無理だ。仮面ライダーエグゼイドの持つリプログラミングの力でなければデンジャラスゾンビのバグスターウィルスに対抗できない」

「じゃあ無理じゃねぇか!!」

 

苦しみながらも聞こえてくる会話に響は刻一刻と迫る死への恐怖がより増大していく。

 

(死ぬ?こんなところで?まだ、何もできてない・・・。なのに嫌だ死にたくないッ!)

 

その感情が引き金だったギアペンダントに眠るガングニールの欠片ではない。

2年前のツヴァイウィングのライブにおいて起きた惨劇により響の心臓付近に突き刺さっていた天羽奏の纏っていたガングニールの欠片が目覚める。

 

「あ・・・ッ」

 

覚醒したガングニールは生命の危機に陥っている響の生命活動を強制的に活発化させる事により響の自我が強烈な闘争本能即ち破壊衝動に呑まれる。

ウォズが仕込んでいた安全機構の一つである暴走を知らせる警告音が辺りに鳴り響く。

 

「まさかッ!」

「どうしたんだよ!!」

「私も覚悟を決める必要があるようだ」

 

響の周りに黒煙が立ち上り風に流され消えるとそこには響が立っている。

 

「響?」

「下がっていたまえ未来君」

 

ウォズが未来を背後にやると共に響の頭部をバイザーが覆う。

 

『リンク!!オーバーフロー!!』

『ビルドハザード!!』

 

その瞬間にジョーカーが響に蹴り飛ばされ地面をバウンドすると響はジョーカーが地面に達する前にリフティングのように蹴りつけ上に蹴り飛ばす。

 

『ハザードフィニッシュ!!』

 

そして降ってきたジョーカーに無言で回し蹴りを放ち蹴り殺そうとするがそれをウォズが本を盾にし防ぐ。

 

「君らしくないな我が戦姫ッ!」

「・・・」

 

この一瞬の攻撃で変身解除に陥った翔太郎を背に庇うウォズは響にストールを巻き付け彼女を自分達から離れた場所に投げ飛ばす。

 

「無事かい?」

「なんとかな・・・。にしてもなんだあれ」

「我が戦姫は今暴走している。だが暴走しなければ大道克己に殺されていた」

 

何度も蹴り抜かれた肩を押さえる翔太郎の前でウォズは響に近づいていく。

 

「これは我が戦姫の記す歴史。故に極度の介入は望まないところであった。だが、どうやら私にはそのような考えは許されないらしい。ならばこれからは積極的に関わって行かせてもらう。では、手始めに我が戦姫君をその苦しみから解き放つとしよう」

 

ウォズはそう言うと本の中からビヨンドライバーを取りだし装着する。

 

「ウォズさんそれって・・・」

「まさか、アンタも!」

 

続けて取り出したウォズミライドウォッチを取り付けビヨンドライバーにウォズは取り付ける。

 

「疑問など感じる必要はない。何故なら私はウォズだ!変身!!」

 

『アクション!!投影!!』

 

ボタンを押され開いたミライドウォッチがレバーを押し込まれることでビヨンドライバーに読み込まれる。

 

『フューチャーリンク!スゴイ!!ジダイ!!ミライ!!仮面ライダーウォズ!!ウォズ!!』

 

近未来的な装いの仮面ライダーウォズは急所を狙ってくる響の攻撃を躱しながら口上を述べる。

 

「我が名はウォズ!!戦姫の傍らにある騎士である!!」

 

同時に放たれたようなレベルで見える速度の脚撃に防御を取ったウォズであるがハザードフォームの特性により装甲を分解され防御力が極端に下がる。

 

「言ってはいなかったが私もライダーの力を持っているのだよ我が戦姫」

 

『ゼロワン!!』

 

跳躍し攻撃を躱すと共にウォズはフューチャーリンクゼロワンへと変わる。

 

『フューチャーリンク!オーソライズ!!プログライズ!!飛び上がライズ!!仮面ライダーゼロワン!!ゼロワン!!』

 

展開する前のアタッシュカリバーを犠牲にハザードフィニッシュを防いだウォズは必殺技を発動する。

 

『ビヨンドザタイム!!』

 

無数の予測がウォズにもたらされその中で1番確率が高いかつ響に対してのダメージが1番少ない方法をウォズは取る。

 

『ライジングブレイク!!』

 

超高速で移動し響を翻弄したウォズは彼女の目の前に来るとマイクユニットに対しハイキックを与えシンフォギアを強制停止することで響の変身を解除させた。

 

「覚醒の波動がバグスターウィルスを消し飛ばしたか」

 

ゼロワンの力を使い響にバグスターウィルスが感染していないかを調べもう大丈夫なことを確認したウォズは響を抱え未来と翔太郎の元へと行く。

 

「我が戦姫は無事だ。だが肉体のダメージが大きい。左翔太郎、近々また会いに来る」

「分かった。事務所に来たら俺か亜樹子って言う所長のどっちかが居る。アンタなら知ってそうだけどな」

「当然だとも」

 

変身を解除したウォズは響を抱きかかえた状態で未来と共に自身のストールに巻かれ二課本部へと直接向かった。




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